【完結】IS-Destiny-運命の翼を持つ少年   作:バイル77

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PHASE9 深遠への出撃

目を開ける。

映るのはよく知った自室の天井。

 

 

「……よかったな、レイ」

 

 

ベッドから起き上がった真は夢を通じて現れた親友にそう告げた。

メサイア戦役での最終決戦間際に真はレイから彼の事情を聞いている。

その際、彼はレイに尋ねていた。

 

レイはそれでいいのか、レイの運命は変わらないのかと。

明確な返答はなく、ほほ笑んだ彼の表情を覚えていた。

蔵人、刀奈、簪の3人からの言葉でレイの心はきっと救われたはずだ。

 

 

「やってみるからさ、見ててくれよ」

 

 

時刻は午前7時。レイとの邂逅の際に蔵人が有力な情報をつかんだと言っていた。

彼が来るまで時間があるだろう。

制服に着替えた真は、朝食をとるために自室を後にした。

 

襲撃によって休校状態のIS学園、学生寮で各々待機している生徒が多い。

食堂にもそれなりの生徒たちがいた。

 

その中に、水色の髪の少女を見つけた。

 

 

「簪、おはよう」

 

「うん、おはよう、真」

 

 

簪の隣に座る。

 

 

「蔵人さん、いつ来るか連絡あった?」

 

「うん、18時くらいにこっちにくるって連絡があった。資料の準備や色々と申請が必要らしくて、お姉ちゃんもそれに協力してるみたい」

 

「なら早めにデスティニーの整備しておくか、ビームサーベル壊されたし交換しないと」

 

 

デスティニーのビームサーベルはオータムのリジェネレイトによって破壊されてしまっている。

近接格闘武装はクラレントのビームサーベルモードやアロンダイトVer2など豊富なデスティニーだが、ビームコンフューズなどに使用でき、小回りの利くビームサーベルがないのは少々心もとない。

自己修復機能で修復は進んでいるのだが、予備があるため交換したほうが圧倒的に早い。

先日はそのタイミングがなかったため、蔵人が来るまでに完了させておきたいのだ。

 

 

「手伝うよ、サーベルだけだよね?」

 

「ありがとう。あれ、そう言えば本音さんは?」

 

「……何度も起こしたけど、ベッドから離れなかったから見捨てた」

 

 

真が一人部屋に移ってから簪は本音と同室になっていた。

そのため朝が非常に弱い本音を毎日簪は起こしているのだ。

 

 

「本音さん、朝弱すぎないか?」

 

「本音は昔から遅刻ギリギリの常習犯だから」

 

 

簪の回答に苦笑して答えた真は朝食を選ぶために立ち上がった。

 

 

―――――――――

 

同日 夕方 会議室

 

 

「遅れてすいませんっ!」

 

 

セシリアとの訓練を終えたラキーナが会議室に入室してくる。

その顔には陰りは見えない。

マドカは自身の出自のせいで混乱を生みかねないということでブレイク号で待機している。

 

すでに真や一夏達専用機持ちのいつものメンバーが会議室に集まっていた。

その中には珍しく、本音も含まれていた。

 

 

「……立ち直ったみたいですね、ラキーナ」

 

「ああ。クルーゼを相手にするための特訓をオルコットさんとマドカと共に行っていたみたいだ」

 

「成程」

 

 

椅子に座って様子を見ていた真の言葉に、隣のアスランが返す。

するとラキーナに続いて、長身の男性が入室してきた。

 

 

「やぁ、待たせてすまないね」

 

 

そう告げて会議室に入ってきた蔵人が、続けて楯無が入室してくる。

蔵人の姿はいつもの和服姿ではなかった。

正確には、黒い和服を身にまとっていたが、その上に白い装束を羽織っている。

口調はいつも通りだが、纏っている雰囲気はまるで刀の様に研ぎ澄まされていた。

 

 

「……雰囲気、違いますね」

 

「……ああ。議長時代を知っていると、別人だな、これは」

 

「……更識の名は伊達ではないという事か」

 

 

歴戦の戦士である真、アスラン、カナードが感想を漏らす。

言葉にはしなかったが千冬も驚いているようで、一瞬獲物を狙うように目を細めていた。

 

 

「ん、ああ、この装束かい?これは現役時代、16代目楯無としての装束さ。今でも気を入れるときはこれを身に着けているのさ。さて、そんなことよりも掴んだ情報についてだろう?」

 

「っん、更識さん、有力な情報を掴んだとの事ですが、説明のほうを……」

 

 

我に返った千冬の言葉に頷いて答えた蔵人は懐から電子デバイスを取り出す。

 

 

「ええ。それでは篠ノ之博士、これを」

 

 

その態度に笑みを浮かべつつ取り出したデバイスを束に手渡す。

デバイスがPCに接続されると、空間投影ディスプレイに資料が映る。

海中に伸びる巨大な建造物の構造図と利用。

全長はおよそ300m、角柱の建造物が海中で複数連結していた。

 

 

「……なーるほどね、海にこんなのがあったんだね。私が掴んだ座標にこれがあるってこと?」

 

「……ええ。どうやらそちらにもタレコミがあったようですね。これは海洋プラントです」

 

「海洋プラント?」

 

 

思わず言葉が出てしまった束に蔵人はうなずく。

 

 

「ISの登場までは日本をはじめ、世界各国で海洋開発が盛んだった時期がある。しかしそれはISの登場によって変わってしまった。宇宙開発が盛んになった時期もあるが、それはほんのわずかな期間でしかなかった。ISを超兵器としてとらえることが主導になってしまったからね」

 

 

その言葉に少しだけ束の顔が曇る。

 

 

「それは日本も同じだ。ただ日本にはアメノミハシラがあるから他国に比べると宇宙開発では一歩抜きんでている。コロニー計画も主導は日出工業、日本だからね。おっと話が逸れたかな」

 

 

蔵人は話を切り替えると手ぶりで示した後続ける。

 

 

「海には未だ見ぬ資源や発見が多く残っている。特に島国である日本にとって海洋開発は急務だからね。極秘プロジェクトとして多額の予算をこれに割り振っていた。当時の記録を確認したところ1か月滞在できるレベルのプラントがいくつか建設されていたらしい」

 

「まるで日出工業で進んでいるコロニー計画の海版って感じだな」

 

「ふふ、なかなか面白い表現をするね、一夏君。まあ、国家間の重要プロジェクトという点は同じだね」

 

 

一夏の言葉に柔和な笑みを蔵人は浮かべ、続ける。

 

 

「さてこのプロジェクトだがISが登場し、国家や世界の意識がISに向かったため以前よりも縮小された。比べるまでもないレベルにね。いくつかあったプラントも閉鎖されたりしていて、動いているのは世界でも5基だけ」

 

「……じゃあ、この資料のプラントも閉鎖されてるってことですか?」

 

 

真の疑問に蔵人は頷いて答える。

 

 

「ああ。だが恐らくライリー……いや、ラウはここにいる可能性が非常に高い。その理由も判明しているからね」

 

 

そういって蔵人は顔をしかめる。

 

 

「理由……ですか?」

 

「一夏君、日本がほかの国とは唯一絶対に異なる点はなんだと思う?」

 

「……えっ?」

 

 

突然の蔵人の質問に素っ頓狂な声を出した一夏は思わず隣にいた箒に視線を移した。

箒も理由について考えていたのか、一夏と同じように困惑した表情になっていた。

 

 

「ヒントは1945年だ」

 

 

その言葉で彼を含めた全員が表情を強張らせた。

そして一夏が呟く。

 

 

「……原爆ですか?」

 

 

うん、と蔵人は頷く。

 

 

「日本は唯一の被爆国。ただ世界の情勢は絶えず変動するものだ。いつまでも平和を享受するためにはそれ相応の力が必要だ」

 

 

蔵人の言葉に嫌な汗が流れるのを真は感じた。

そして蔵人が続ける。

 

 

「このプラントは表向きは海洋開発の物。ただ本当の目的は核開発。正確には【核兵器を無力化する兵器】の開発が行われていた」

 

「核の無力化……!?」

 

「真達ならばこれの意味がわかるだろう?」

 

 

蔵人の言葉で一夏達の視線が真、アスラン、ラキーナ、カナードの4人に集まった。

ラキーナが蔵人の言葉にこたえるように口を開いた。

 

 

「……【ニュートロン・ジャマー】」

 

「そう、核分裂を抑制するニュートロン・ジャマーと同様の理論の核抑止兵器。それがこのプラントで研究されていた」

 

「……完成はしているのか?」

 

「更識の権限で調べたところ、基礎の理論構築の時点でとん挫していた……らしいが、相手が相手だからね。ニュートロン・ジャマーと同質のその兵器は完成していると見たほうがいい」

 

 

カナードの言葉にゆっくりと首を縦に振ってから答えた。

 

 

「待ってくださいよ、クルーゼがいくら凄くても本職じゃないのにニュートロン・ジャマ―なんて作れるわけが……っ!」

 

 

真はそこまで口に出して気づいてしまった。

技術には疎かったはずの人間が専門知識を得ていた前例。それを知っているからだ。

 

 

「……まさか、ラクスみたいにクルーゼにも?」

 

「そう考えると彼の行動は辻褄が合うんだ。それにラウだけじゃない、恐らくフレイ君にもあるんだろう」

 

「……なるほど、奴らがフレイ・シュバリィーをさらった理由は【ニュートロンジャマー・キャンセラー】か」

 

 

合点がいったというようにカナードは頷く。

 

 

「私にフレイを接触させたのは、キラ・ヤマトであった私とつながりを持たせることでフレイ・アルスターとしての記憶を……ニュートロン・ジャマ―・キャンセラーの知識を呼び覚ますため?」

 

「推測だがね、だがラウの立場ならいつでも彼女を狙えたはず。それをしなかった理由はキャンセラーを狙っていたからだろうね。彼女にキャンセラーの知識が宿っていても不思議じゃない、ラクス・クラインという前例があるからね」

 

 

蔵人が一息入れる。

会議室に重苦しい雰囲気が充満している。

 

それに耐えかねたのか、千冬の隣の真耶が手を挙げて質問を投げかけた。

 

 

「すいません、そのニュートロンジャマ―とキャンセラーって一体どのようなものなんでしょうか。飛鳥君達はC.E.世界の知識で分かると思いますが、核分裂の抑止と言うと、影響は原子力発電や核兵器に絞られるんじゃないかなと……」

 

 

彼女の言葉に確かにと真は頷く。

カナードも同じだったのか、真耶の疑問に回答する。

 

 

「戦略兵器は核ミサイルやエクスカリバーの様な衛星兵器など多く存在していた。その中でも最も多くの死者を出した兵器、その被害総数は数億人、当時の地球人口の十分の一がこの兵器によって命を奪われたとも言われていた。それがニュートロン・ジャマ―なんだ、山田教諭」

 

 

カナードの言葉に真耶だけではなく一夏達も目を見開いた。

 

 

「おっ……なんでっ!?」

 

「C.E.はこの世界とは違って化石燃料は枯渇してたんだ。だからエネルギー、電力は火力発電とかじゃなくて原子力発電で賄ってた」

 

「ニュートロンジャマ―はその原子力発電の悉くを停止させた。それで起こる悲劇は予想がつくだろう?」

 

「……エネルギーの不足?」

 

 

少し考えた一夏がカナードに答える。

その回答に頷いて続ける。

 

 

「そうだ。エネルギー不足によるインフラの麻痺が全世界規模で起こった。発展途上国はもちろん、先進国でも凍死や餓死、体の弱いものから命を落とした」

 

「しかもニュートロン・ジャマーは核分裂の抑止の他に地上でのレーダーを阻害する効果まであったんだ。だから当時の地球だとよほどインフラの整備がしっかりしていない場所だと、長距離連絡もできなくなったんだ」

 

「当時はまだ若輩の私からしても、シーゲル・クラインがとったエイプリルフール・クライシスは地球連合の主戦派国家に投下をしぼる等のオプションを考慮すべきだった作戦だった思うよ。当時の地球の情勢は、一部の主戦派国家以外はプラントとの戦争に懐疑的だった。それを地球に住むコーディネーターも含め、徹底抗戦まで拗らせてしまったのはこの作戦であることは明らかだ」

 

 

思い出すように顔を顰めた蔵人は少しだけため息をついた。

 

余談であるがネオ・ザフト戦役後のC.E.の歴史書に、デュランダルは【ナチュラル融和派】と記載されている。

 

メサイア戦役当時、彼はプラントではクライン派と呼ばれていた。

しかし彼の執った政策や地球連合やロゴスに対する対応、結果的に首を絞めることになってしまったとはいえ、コーディネーターとナチュラルの溝を埋めるための政策である【デスティニープラン】、それらはナチュラルからも高い支持を得ていた事から地球ではそう呼ばれていたのだ。

もっとも彼が地球への影響力を最大に高めたところで、歌姫の騎士団にその座を奪われてしまったのだが。

 

閑話休題

 

 

「この世界はC.E.とは違ってエネルギー生産全てを原子力発電に頼っている訳じゃないから、C.E.ほどの被害にはならないだろうけど……」

 

「それでもエネルギー不足による経済の悪化が起こるのは確実だな」

 

「そしてニュートロン・ジャマー・キャンセラーは、文字通りニュートロンジャマーの効力を打ち消せる兵器。これによってC.E.では再び核兵器を先制攻撃で放つ事が可能になった。もちろんMSの動力源としてもな」

 

「そんな……とんでもないものをなんで……!」

 

「ラウは世界全てに絶望し、憎悪している。そこで暮らす人間、文明、全てをね……その憎しみは消えなかったんだろう、この世界でも」

 

 

一夏の言葉に蔵人が返す。

 

 

「世界への絶望、か……わからないでもないよ」

 

 

コンソールを弄っていた束がふと呟く。

 

 

「……姉さん」

 

「ま、流石に程度は違うだろうけどね。でも私は気づけたんだ。周りを見る素晴らしさにね」

 

 

心配した表情になった箒に薄く笑みを浮かべて束が返す。

 

 

「さて、座標とそこに何があるか、そして奴等の目的にも見当がついたんだ。行動は早めに起こしたいんだけど、どうする?」

 

 

束がそう言って会議室の皆を見た後、コンソールを操作して別の空間投影ディスプレイを投影する。

それは所謂進路図の様なもの。

 

 

「ポイントは海のど真ん中のプラント。ステルス機能が高いブレイク号で近距離まで近づいて、出撃してプラントへ乗り込むって感じかな」

 

「プラントへの入口は海中にある。だがISならば問題ないだろうね。MS並に汎用性が高いマシーンだね、本当に」

 

「それって嫌味?」

 

「まさか」

 

 

束がジト目で抗議するがそれを蔵人はさらりと躱す。

 

そして海洋プラントへの出撃作戦の概要は以下の様になった。

 

 

①ステルス性能の高いブレイク号にて出撃し、海洋プラント近海まで接近。

②近海まで接近後、ISにて出撃し海中のプラント入口からプラント内へ侵入する。

③侵入後は各々此処の判断で行動して、制圧を行う。

 フレイ・シュバリィーの奪還とライリー・ナウことラウ・ル・クルーゼの捕縛または撃破を優先事項とする。

 

なお、当作戦には真達、C.E.世界を知るメンバーに加えIS学園、そして各国代表候補生達も参戦する。

これには一般生徒でもある一夏と箒も含まれていた。

 

 

「でも、海洋プラントに無断で出撃するんですよね?大丈夫なんですか?」

 

「エクスカリバー事件の時とは違って、この情報を政府は掴んでいないんでしょう?」

 

 

一夏と箒が蔵人と束、そして千冬達教師陣に告げる。

それについては真も同じであった。

 

 

「ああ、そこについてなんだがね」

 

 

その疑問に蔵人は笑みを浮かべて答える。

突如、蔵人の真横に空間投影ディスプレイが展開された。

そこに映っているのは、真の上司である【応武優菜】であった。

 

 

『海洋プラントのある海域への侵入については、うちの予行演習って形で納得してもらったよ。一応うちも船は何隻か持ってるからね、それを出してカモフラージュしておくよ』

 

「……よくそんな理由で通ったな、優菜」

 

『ははっ、それについては私も同じだよ、千冬。ま、そこにいる蔵人さんのおかげだよ』

 

「これでも更識の16代目だからね。情報共有まで時間がかかったのは、彼女が出した申請をごり押しで通すために時間がかかったのさ……さて、ほかに質問は?」

 

 

蔵人の言葉に沈黙で答えた一同を見て千冬に視線を移す。

彼の視線に頷いた千冬が口を開いた。

 

 

「それでは作戦開始は明朝0500、それでは適宜休息をとっておいてくれ、解散」

 

 

千冬の言葉に一度、解散となる。

一夏達は一旦自室に戻ったが、真達数名は会議室に残っていた。

 

 

「……海の中か」

 

「ISなら海の中でも行動は出来るけど……流石に海中でISの試合なんてしたこと無かったし」

 

「水中戦は宙間戦闘と同じ要領さ。と言うかプラントに入ったら室内戦闘じゃないか?」

 

「成程」

 

 

真の隣で少し不安そうな顔をしていた簪に真が告げて、彼女が納得したように答える。

 

今回も簪は出撃する事になっている。

エクスカリバー事件の時と同じく、出撃して欲しくないという想いは確かにある。

だが彼女の気持ちを尊重したいと言う気持ちのほうが圧倒的に強い。

今回は敵の能力があらかた割れているのもあり、以前の轍は絶対に踏ませないと真は心に決めていた。

 

 

「今回は私もかんちゃんとあすあすのサポートするからね!」

 

「……俺としては出撃して欲しくないんだけどな」

 

「……私も友人を助けたいと考えています。援護なら任せてください。デスティニーと飛燕、そして飛鳥君と簪様の癖を一番知ってるのは私ですから」

 

 

真剣な表情で、いつもと違った口調となった本音が真の瞳を見て告げる。

 

 

「……分かったよ。ただ指示には従ってくれ」

 

「うんっ、まっかせて、あすあす!」

 

 

途端いつもどおりの口調になった本音に真はため息と苦笑いを浮かべた。

 

 

同じように、室内に残っていたラキーナにカナードは尋ねる。

朝の腐ったような目ではなく、光を宿した瞳に答えは分かってはいるが。

 

 

「覚悟は出来たか?」

 

「……うん、クルーゼは私が止める。そしてフレイは私が取り返す」

 

「そうか。分かった」

 

 

そう告げてカナードは会議室を後にする。

向かうはブレイク号の格納庫。ドレッドノートの整備の為に。

 

 

そして明朝、IS学園からブレイク号が出航する。

目的地は束と蔵人が入手したポイントだ。

 

―――――――――

時間は前後して――

 

 

???

 

 

『さぁて、これでよしと』

 

 

割り当てられた個室で、空間投影ディスプレイを展開していたミシェルはディスプレイを消して呟く。

 

 

「これだけ情報を流せば、天災とギルバート・デュランダルなら気づくだろうな」

 

 

束と蔵人に情報を流したミスターM。

それはミシェルであった。

 

ザフトの緑服のようにも見える制服を未につけた彼女は頭をかきながら思考を続ける。

 

 

(隊長には恩もある。だから指示には従ってた。けどここまでだ……まさか目的がニュートロン・ジャマーだとは思わなかったぜ)

 

 

ミシェルが椅子に座り込んで足を組む。

 

 

「シン・アスカ、アスラン、それにキラ・ヤマトか……隊長を止めて見せろよ、正直C.E.の二の舞はごめんだぜ」

 

 

室内灯の明かりが彼女の胸元のドッグタグを照らす。

 

 

そのタグには2つの名前が彫られている。

 

そこには――

 

【Michael Lyman】

【Miguel Aiman】

 

 

と記されていた。

 






次回予告
「PHASE10 黄昏の魔弾」

『ラキーナ・パルス、ストライクガンダムI.W.S.P、行きますっ!』

『お前の正義ってヤツ、見せてみろよ、織斑一夏ぁっ!』

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