【完結】IS-Destiny-運命の翼を持つ少年   作:バイル77

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過去編⑩ C.E

ミネルバⅡ 艦橋

 

艦橋のレーダーはNJによって乱されているが、それでも目視による確認は可能である。

宙域に出現したメサイアⅡのジェネシス発射口から火の手が上がり、爆破が連鎖していく。

 

そう時間はかからずにメサイアは沈黙するだろう。

歌姫の騎士団の剣が折れ、ネオ・ザフト陣営の勝利が確定した瞬間であった。

しかし、艦橋は重い雰囲気に包まれていた。

なぜならば、先ほどからシン・アスカが搭乗していたMS【デスティニーガンダム・ヴェスティージ】のシグナルが途絶えていたからだ。

 

 

『シンッ、応答してください、シンッ、聞こえますか、シンッ!!』

 

 

オペレータ席に座るアビーが先程からデスティニーに通信を送り続けているが返ってくるのは雑音だけ。

そして再度デスティニーに向けて通信を行おうとしたとき、別の機体から通信が割り込んできた。

 

 

『こちらトリーズンデュエル、イザークだ。ミネルバⅡ聞こえるか』

 

『……こちらミネルバⅡ、オペレータです』

 

 

イザークからの通信にアビーが返答する。

 

 

『イザーク、こちらではNJの影響かデスティニーの反応が途絶えています。そちらで確認はできますか?』

 

『……デスティニーは自爆した』

 

 

イザークの返答に、アビーは目を見開いた。

 

 

『……すいません、もう1度よろしいでしょうか』

 

『デスティニーはジェネシスを止める為に自爆した。生体反応は……ない』

 

『……っ、通信を……っ、後ほどかけ直します。オペレータ、アウトっ』

 

 

震える声でアビーはそう告げ、イザークも特に何も言わずに通信が切れる。

彼女の瞳から雫が溢れ、無重力下であるためか辺りに粒として浮かんでいた。

 

 

「……アビー君、無理はしなくていい」

 

 

ミネルバⅡ艦長であるノイマンがアビーの様子を見つつ告げる。

 

 

「っ、艦長、大丈夫……です、まだ戦闘は終わってないので……オペレートを続けます」

 

 

涙声でアビーが答える。

嗚咽が漏れそうになるのを必死で抑えているのを艦橋の誰もが感じ取っていた。

 

同じ頃、MS格納庫

 

 

「デスティニーが……自爆した……っ!?」

 

 

思わず手に持っていたスパナから手を放してしまった。

無重力である為そこそこな勢いがついてしまったスパナはそのまま浮かんで流れていく。

だがそんなことに意識を向けている場合ではない。

 

 

「シンは、シンは無事なのかよっ!?」

 

 

ヴィーノがその連絡を送ってきた後輩整備士の肩をつかんで問いただす。

後輩整備士はその端正な顔に悲痛な表情を浮かべた。

 

 

「……シンさんはMIA、とのことです」

 

 

宇宙空間での戦時中行方不明――それはつまり死を意味していた。

 

 

「……なんでだよ、なんでアイツばっかりこうなるんだよっ!」

 

 

ヴィーノの叫びが格納庫に響く。

その叫びを聞いた何事かと彼に視線を向けるが、察したように視線を逸らした。

 

 

「ヴィーノ班長……」

 

「せっかく、せっかくアイツ等倒して、後一歩だってのにっ! それなのに、お前がいなきゃ意味ないじゃねえかっ!」

 

 

普段ヴィーノが見せない感情の発露に後輩整備士はその姿を悲痛な表情で見つめる事しかできなかった。

 

 

歌姫の騎士団の剣とその象徴が討たれた後、決着はあっさりとついた。

現ザフト陣営には戦闘を継続する士気もなく、ネオ・ザフトの首領でもあるアンドリュー・バルトフェルドの降伏勧告にあっさりと応じたのだ。

 

その20時間後、モーガン等旧連合一派による、地上主要軍事施設に対する叛乱も成功をおさめ、地上の主拠点の1つ、旧ヘヴンズベース等、プラントが接収していた主要施設はほぼ全てが制圧/奪還された。

 

ごくわずかながら抵抗を続ける歌姫の騎士団一派も存在したが、連合派の十八番である物量に押され次第にその姿は見えなくなっていった。

 


 

ネオ・ザフト戦役、その最終決戦から数日後

 

オーブ連合首長国 オノゴロ島

 

夕焼けの紅の光が照らすのは先々と、先の大戦の戦没者の為の慰霊碑。

打ち付ける波によって巻き上げられた海水の雫が、慰霊碑を囲むように植えられている花々に降りかかる。

植えられている品種は【白のカーネーション】。

海風に花びらが待っているが、海水を浴びているため近いうちに全て枯れてしまうだろう。

 

 

「……私、1人だけが……残ってしまったな」

 

 

夕焼けを少しだけ眩しそうに目を細めて眺めていたカガリは、そう呟いた。

国家元首であるカガリが何故ここにいるのか。

 

その理由は、すぐに判明する。

慰霊碑のある崖を覆い隠すように、突如として影が現れたのだ。

 

周囲の景色や夕焼けに溶け込んでいた、黒の装甲が現れる。

関節部分は雅かな金色であり、全体のフォルムは一目では【悪魔】にも見える。

 

その機体の名は――

 

 

P0(プロトゼロ)……ミナか」

 

 

現れた機体は、ゴールドフレーム天ミナ。

 

そのコックピットでパイロットであるロンド・ミナ・サハクは、メインモニターに映るカガリを冷たく見下ろしていた。

ノーマルスーツを身に纏わずに普段どおりの服装である彼女は、そのまま機体の外部マイクを起動させ口を開いた。

 

 

『カガリ・ユラ・アスハよ。余は貴様に問う為にここに来た』

 

「やっぱりな。お前から呼び出されたときに、そう思ったよ」

 

 

少しだけ肩をすくめて自嘲気味に笑うカガリを無視して、ミナは続ける。

 

 

『カガリ・ユラ・アスハよ、貴様に問う。貴様は理念と民、どちらが国であると考えている?』

 

 

メインモニターに映るカガリを鋭い視線で睨み付けながらミナが問う。

ゴールドフレームのマニピュレータがゆっくりとカガリの頭上へと動いていく。

カガリの回答次第では、ゴールドフレームのマニピュレータを彼女に叩きつけることも吝かではない。

 

 

「……そんなもの決まっている、理念だ」

 

 

マニピュレータの真下でカガリはそう告げる。

だがその直後に自嘲の笑みを浮かべて続けた。

 

 

「……と、以前の私なら言ったかもしれない。今は違う、民、そこに住む人々こそが国だ」

 

 

カガリの返答と同時、周囲は静寂が支配する。

耳に聞こえるのは、崖に打ち付ける波の音と、風が吹き抜ける音だけ。

数分が数時間にも感じる緊張感の後、ゴールドフレームのマニピュレータがゆっくりと彼女の頭上から動かされた。

 

 

「……私もお父様も愚かだったよ、ミナ。国を焼いての理念など……あるはずがないのに」

 

『国とはそこに住む民たちが作り上げるモノ。国のために理念があるのであって、理念のために国があるなど滑稽も甚だしい』

 

「あぁ。なんて愚かだったんだろうな……私は」

 

「貴様はそのまま屈して消えるのか?獅子の娘よ」

 

 

ゴールドフレームのコックピットが開いて、ミナがワイヤーを使い降下してくる。

 

 

「この国を立て直す、そのために余は来た」

 

「……私にできるのか」

 

「できるのかではない。やるのだ、カガリよ。それこそが貴様の戦いだ」

 

「……っ!!」

 

 

ミナの言葉にカガリは静かに、だが力強く頷いた。

 

後の教科書に【ネオ・ザフト戦役】と言われる決戦から2週間後、旧連合政府大統領であった人物が、全世界に向けある宣言を放った。

その内容は旧連合に代わる【地球圏統一連邦政府】の樹立宣言であった。

連合解体によって分散した国々をまとめ上げ、なおかつプラント、コーディネーターも加えた統一連邦政府。

 

驚くことにこの宣言に反対する国家は皆無であった――人類は疲れすぎていたのだ。

すでに10年、プラント独立戦争から始まった戦乱の世、その終結を誰もが、ナチュラル、コーディネーター問わずに望んでいたのだ。

 

この地球圏統一連邦政府の樹立に、意外なことにオーブ連合首長国が積極的に支援を行った。

 

また国家元首であるカガリ・ユラ・アスハ代表と、有力氏族【サハク家】当主でありアメノミハシラの代表であるロンド・ミナ・サハクより、オーブの統一連邦政府への加盟とそれに伴う氏族族階級の特権の否定、首長制の廃止、共和制への移行、プラント主導の下に行われていたコーディネーター優遇政策の撤回が唱えられた。

 

オーブ内でも高まっていたコーディネーター優遇政策による、反氏族感情はこれにより沈静化。

また軍内のアスハ派残党によるクーデターも画策されていたが、とある傭兵達の活躍により表面化はしなかった。

 

地球圏統一連邦政府の樹立と共にいくつかの小さな争いもあった。

 

1つ例を挙げるならば、ジャンク屋組合討伐戦だ。

地球圏統一連邦政府の樹立から半年、不必要な技術拡散を続けるジャンク屋組合に対し、地球圏統一連邦政府は国家間にわたる協定の破棄や回収したジャンク品、修復品の国境を逸脱した持ち出しと利用禁止等を履行するように通告した。

しかし、ジャンク屋組合はこれに徹底して拒否の姿勢を示したため、地球圏統一連邦政府はジャンク屋組合を討伐対象として制定、討伐に乗り出したのだ。

この戦いでジャンク屋組合のロウ・ギュールは搭乗機であるアストレイレッドフレームを、叢雲劾が駆るアストレイブルーフレームと、カナード・パルスが駆るドレッドノートHによって撃墜され、行方不明となっていた。

 

2度の大戦に比べれば非常に小規模であった。

世界にはいわゆる平和な時代が訪れていたのだった。

 


 

地球圏統一連邦政府樹立から5年

 

プラント アプリリウス 集団墓地 慰霊碑前

 

現在のプラントは、その所属を地球圏統一連邦に属する国家という形で存続していた。

大幅な軍縮、評議会制の廃止、共和制への移行に婚姻性の廃止等、以前とは大幅に変化しており、一時は日常生活も困難なレベルまで下がっていた一般労働者の手取賃金は、蓄えを持つ事が出来るレベルまで回復していた。

 

現在の気候は雨の時間帯、シトシトと小雨が降る集団墓地の慰霊碑の前に作業着姿の青年が立っていた。

その手には白い献花。

特徴的なメッシュの入った髪を雨に濡らしつつ、青年は慰霊碑の前に花を置いた。

この慰霊碑はプラント独立戦争から10年、戦乱のC.Eで亡くなった全ての人間を慰霊するものだ。

 

当然、その中には――

 

 

「……あれからもう5年か」

 

 

花を置いた青年が静かに呟く。

そして目を閉じ黙祷していると、不意に身体を濡らしていた雨が遮られるのを感じた。

 

 

「全く、そんなに濡れると風邪をひきますよ、ヴィーノ」

 

「アビー、ったく、【少将】なのに仕事はどうしたよ?」

 

「しばらく休暇ですから。それにあなたこそ、わざわざアプリリウスまで来てるじゃないですか。お相子ですよ」

 

 

落ち着いた緑色のブラウスを身につけたアビーがヴィーノに傘を手渡す。

身長はヴィーノの方が高いため、彼が持っていればアビーが雨に濡れることはないだろう。

 

現在のヴィーノは地球圏統一連邦政府軍 プラント支部MS工場 アーモリー1に勤務するMS開発兼整備士の立場だ。

またアビーは地球圏統一連邦政府中央統括部門 少将の立場になっている。

ネオ・ザフトに参加し最後まで戦い抜いた彼等は相応のポストについている。

これは叛乱と言う争いを起こした責任であり、果たすべき義務だ。

 

 

「……そういえば、そろそろじゃないですか?」

 

「何が?」

 

 

黙祷を終えたアビーがヴィーノに切り出す。

そしてヴィーノの返しにアビーがあり得ないという表情になった。

 

 

「信じられない、貴方の奥さんの事ですよ」

 

「てか別に忘れてないって、その顔はやめて」

 

 

ヴィーノは2年程前にすでに結婚していた。

その相手は赤鳥傭兵団に所属していた後輩整備士であり、彼女も同じくアーモリー1に勤務していたが寿退社ならぬ寿退役していた。

 

 

「とにかくおめでとうございます」

 

「ありがと。まあ、今日はその報告だったんだけどさ」

 

「……成程」

 

 

2人で慰霊碑を見つめる。

 

 

「……男の子なんだ」

 

「そうですか」

 

「アイツから名前貰おうかなって思ってるんだ」

 

「いいんじゃないですか、きっと彼は恥ずかしがると思いますが」

 

「はは、確かに」

 

 

2人してその姿を想像して軽く笑う。

 

 

「あっちで元気にしてるかな、シン」

 

「……ええ、きっと。 妹さんやご家族と仲良くしてますよ」

 

 

アビーの返事の後に、ふとヴィーノが気づいた。

 

 

「雨、止んだな」

 

「そうですね、これから夜までは晴れの時間ですね」

 

 

傘をアビーに返してヴィーノは再び慰霊碑に視線を向ける。

 

 

「……こっちは俺らに任せて、ゆっくりしてろよ」

 

 

ヴィーノの言葉にアビーが頷く。

 

 

「さて、俺はそろそろ戻るかな」

 

「また会いましょうね、ヴィーノ」

 

「ん、今度は奥さんと息子と一緒にな」

 

「楽しみにしてますよ」

 

 

そう言って2人は共同墓地の入口で別れ、別々の道に歩いて行く。

 

アビーと別れたヴィーノだが、コロニー公社が運行しているコロニー間移動シャトルの搭乗時間までにはまだ時間がある。そのため、暇つぶしのためアーケード街を通り抜けていくことにした。

戦時中の経済の低迷によってシャッター街とかしていたここも、かつての賑わいを取り戻しており外食する家族の姿もちらほら見えていた。

 

それを遠めで見つめつつ、ヴィーノは人ごみの中を歩いていく。

アカデミーとは異なる一般ハイスクールの制服を着た少年達が騒がしく自分の横を通り過ぎていくと、ヴィーノの顔には不思議と苦笑が浮かんでいた。

 

人込みの喧騒も悪くないなと、ぼりぼりと頭を掻いていると彼呼びかける声があった。

 

 

「あれ、ヴィーノじゃないか」

 

 

振り返ったカフェテラスの席に座るシックなコートを身に着けた中年の男性がいた。

人柄のにじみ出た優しい笑みを浮かべるのはミネルバ元副長【アーサー・トライン】。

彼と相席しているのは10歳程度だろうか、幼い金髪の少年の姿があった。

 

 

「アーサー副長じゃないですか、お久しぶりです」

 

「おいおい、もうザフトはやめたんだけどなぁ……ってもうザフトでもないか。あ、座ってくれ、コーヒーでもどうだい?」

 

「んじゃ、お言葉に甘えて」

 

 

ヴィーノが空いていた席に座って、彼の分のコーヒーをアーサーが注文する。

数分たってコーヒーがテーブルに置かれてから、ヴィーノが話を切り出す。

 

 

「話を戻しますけど、もうザフトじゃなくて連邦軍プラント支部、ですもんね」

 

「あぁ。ザフトにいた頃には考えられないよ、ヴィーノはどうだい?」

 

「実は俺もっすよ」

 

「おいおい、連邦軍に勤めているのは君だろうに」

 

 

男二人そう言ってははっと笑いあった後、ヴィーノは同席している少年に視線を移す。

どこか既視感を感じるが、あったことはない。

 

それに気づいたアーサーが笑みを浮かべて話を切り出す。

 

 

「あぁ。ジョージ、ヴィーノだ」

 

「……初めまして。ジョージ、【ジョージ・グラディス】です」

 

「どうも、こんにちは。グラディスってことは……そういうことですね」

 

 

ジョージというファーストコーディネーターと同じファーストネーム、そして【グラディス】というファミリーネーム。

それに気づかないヴィーノではなかった。

 

 

「あぁ。グラディス艦長の、な」

 

「副長が傭兵団に来なかった理由ってやっぱりそう言うことだったんですね」

 

「……すまない。僕のやるべきことがあった。グラディス艦長に託されてしまったからな」

 

 

そう言ってアーサーは深く頭を下げる。

それに驚きながらヴィーノは手を振りながら答える。

 

 

「そんないいですよ、別に。断ったことを伝えたシンも言ってましたよ、副長が選んだのなら無理強いはできないって」

 

 

赤鳥傭兵団設立の際、ミネルバ元副長でもあるアーサーにも当然、ヴィーノたちは話を持ちかけていた。

だが彼の返事は傭兵団には所属しないという返答だったのだ。

詳しく事情を訊くのも憚られるため、それ以降はやり取りを取りやめていたのだ。

 

 

「……シンとは結局、敗戦した後にあったきりだったな。もう一度会って話したかったけど……無理だしな」

 

「そうですね。まぁ、でもアイツも向こうできっと艦長と一緒に楽しくやってますよ」

 

「……そうだな。そうであってほしい」

 

「……んじゃ、俺はこれで。コーヒーありがとうございました」

 

 

残っていたコーヒーを一気に飲み干したヴィーノはそう言って立ち上がる。

 

 

「仕事かい?」

 

「いえ、家に女房待たせてるんですよ。今日は慰霊碑をみに来てて、アーモリー1に急いで戻らないと」

 

「そっ、そうか」

 

 

どこかうろたえたようなアーサーの反応にヴィーノは首を傾げるが、ジョージはその様子に苦笑していた。

 

 

「んじゃ、また何処かで」

 

「あっ、あぁ」

 

「ヴィーノさん、さようなら」

 

 

んっ、とジョージに手を振ってカフェテラスからヴィーノは離れていく。

アーケード街を通り過ぎて、アーモリー1に移動移動用のシャトル搭乗手続きを進める為、コロニー公社の施設を目指して歩いていく。

ふと気づくと、いつの間にか夜の闇に包まれていた。

 

 

(……シン、こっちは平和だよ。そっちはどうだい?)

 

 

コロニーの暗くなった空を、ヴィーノは眺めながら心の中でそう問いかけた。

 

 

アビー・ウィンザー

ネオ・ザフト戦役で赤鳥傭兵団が解散された後に、地球圏統一連邦軍に所属。

数年後には中央統括部門 少将を拝命しその手腕を存分に振るう。

35歳で結婚、40歳で軍を退役。退役後は子育てに励みつつ自身の経験を本としてまとめ出版。

その後は小説家としていくつかの作品を書き上げ、固定のファンも数多く獲得した。

 

ヴィーノ・デュプレ

同僚であるアビーと同じく、ネオ・ザフト戦役で赤鳥傭兵団が解散された後は地球圏統一連邦軍に所属。

プラント支部アーモリー1 MS工場にてMS整備士兼開発者として手腕を発揮する。

後に連邦軍の正式採用量産MSとなる、デスティニーの簡易量産型【ガンダムシックザール】を開発。

連邦軍に所属してから数年後、傭兵団所属時から交際を続けていた後輩と結婚。

互いに第2世代コーディネーターであったが、長男シン、次男ヨウランに恵まれた。

なお両方ともナチュラルである。

 

イザーク・ジュール

ネオ・ザフト戦役後は地球圏統一連邦軍に所属。

将官への昇進を断固として拒みMSに搭乗して第一線で活躍し続けた。

後にシホ・ハーネンフースと正式に結婚。

シホと正式に結ばれる際、関係者に【ジュール事件】と呼ばれる下らない騒動に発展するといった伝説が残った。

 

シホ・ハーネンフース

ネオ・ザフト戦役後はイザークと共に地球圏統一連邦軍に所属。

イザークと共に第一線で活躍し続けるが、一向に発展しない関係にやきもきしていた。

エザリアと共謀した結果見事イザークをしとめることに成功。

第一子妊娠後に第一線から身を引き、同時に軍も辞した。

 

ルナマリア・ホーク

シンと別れた後に当時のザフト軍を退役。

その後は戦災ボランティアに所属し、地球各地を転々とする日々を送っていた。

ネオ・ザフトにも参加を考えたが、ボランティアを続ける道を選び参戦はしなかった。

終戦後、ヴィーノからの連絡でシンの戦死を知る。

終戦から数年後、ボランティア活動を通じて知り合ったナチュラルの男性と交際し2年後に結婚。

ハーフコーディネーターの子供3人に恵まれ、83歳で老衰にて亡くなった。

 

アーノルド・ノイマン

ネオ・ザフト戦役後は地球圏統一連邦軍に所属。

連邦宇宙軍大佐の地位につき、改ミネルバ型2番艦アテナの艦長を務める。

30歳ごろにかつての同僚である、チャンドラに紹介された女性と交際し、数年後に結婚。

相手はコーディネーターであったが、女の子を授かり子煩悩となる。

 

アーサー・トライン

メサイア戦役後、かつての上司であるタリア・グラディスの遺児であるジョージ・グラディスを引き取る。

その世話をしていたため赤鳥傭兵団には参加せずネオ・ザフト戦役にも参戦はしてないなかった。

ネオ・ザフト戦役終結後に、ヴィーノたちと再会しシンの戦死を知る。

ザフトを退役した後は民間の航空会社に入社し、小さいながらも輸送艦の艦長として腕を振るう。

浮いた話は聞かなかったが、ジョージが成人する際にようやく女性との交際を開始することができた。

 

カガリ・ユラ・アスハ

地球圏統一連邦樹立に協力した後、共和制への意向に伴い元首を辞任。

後にNPOを設立して慈善活動に精力的に活躍した。

その際にルナマリアとは意気投合し、友人関係を築くことができた。

男勝りなその性格から結婚はルナマリアよりも遅く30代後半となったが、祝福の声は少なくはなかった。

 

ロンド・ミナ・サハク

カガリと共に、地球圏統一連邦樹立に協力した後も引き続きアメノミハシラの代表を務める。

カガリがNPOを設立する際にも協力している。

その女傑っぷりからそういった話は全く聴かなかったが、後継者を見つけることには成功している。

 

カナード・パルス

ネオ・ザフト戦役後も傭兵としての活動を続け、サーペントテールと双璧を成す。

その後も傭兵部隊Xを率いて、力のない者たちのために戦い続けた。

50歳ごろに傭兵を引退、孤児院を経営して身寄りのない子供達を養った。

死因は老衰、享年70歳。

失敗作とはいえスーパーコーディネーターの遺伝子という人類の負の遺産を

残すわけにはいかないと生涯独身であった。

 

 

人類は疲れすぎていた。

しかし人類はその業である、【闘争】から決して逃れない。

しばらくして再び過ちを繰り返す、それが人類だ。

 

だがそれは別の話。

すくなくともC.E.と呼ばれる暦が終わるまでは、その過ちは繰り返さなかったのだから。

 

 

過去編 END

 


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