【完結】IS-Destiny-運命の翼を持つ少年 作:バイル77
そしてクラス代表決定戦当日
IS学園 第2アリーナ ピット内
校舎から2番目に近いアリーナである第2アリーナに真の姿があった。
特注のISスーツであり便宜上、【ザフトISスーツ】と呼称されたものに身を包んでいる。
また一夏も特注のISスーツを着ている。
こちらは真のものとは違い、腹を露出しているデザインだ。
一夏はそこそこ腹筋が割れているので見た目の問題はないが。
千冬と真耶はピット内に設置されているカタパルトの点検とセシリア側の状況確認を行っている。
ちなみに対戦順は【真VSセシリア】、その後に【セシリアVS一夏】、最後に【真VS一夏】となっている。
機体に大きなダメージが有った場合は、インターバルを取って最後まで行う予定だ。
「……んで1週間ずっと剣道の特訓しててISには乗ってないと?」
「……はい」
一夏が落ち込んだような表情で俯き、真が呆れた表情で顔に手を当てため息をついた。
この1週間、一夏は真にISについて教えてもらおうとしていた。
だが真はそれを断っていた。
クラス代表を決める戦いであるから一夏も真にとっては敵であり、機体の情報を与えたくはなかったのだ。
加えて箒が真に頼んでいたのだ、一夏を自分で鍛えたいと。
友人として箒の恋は応援したいし、自分の目的も達成されるから箒に一夏を任せたのだ。
それに彼女はあの篠ノ之束の妹である。
ISについても知識があり指導役を任せられると思っていた。
ちなみに真が行った事前準備は、日出工業に連絡し詳細な資料を取り寄せてもらい確認したことと、ネット等で公開されているセシリアのデータの収集、そして別アリーナで数回機体の確認を行った程度である。
「……箒」
「いっ、言うな真、私だってなんというか……その……熱くなってしまってだな」
「まあ、いいんだけどさ……んで、どうだったのさ?」
「なっ、何がだっ!?」
「いや、一夏は気づいたのかなって」
答えは分かりきっているが一応、応援しているので成果を聞きたかった。
「……剣の腕と試合の勘は戻ったと思うが……その……」
「あー、うん、残念、次頑張れ……な?」
赤面してモジモジとし始めた箒は放置することにした。
「ん?どうしたんだ、箒の奴?」
先ほどまでの会話は一夏には聞こえない程度の小声でしゃべっていたため、
不思議に思ったのか一夏は箒に尋ねるが、なんでもないと照れ隠しで怒鳴られてしまっていた。
「さて、飛鳥準備はいいか?」
ピットの様子を見ていた千冬が真に聞く。
『大丈夫です、行けます』
その呟きから1秒もかからずに【インパルス】が起動し真の身体に装着される。
生身より二回りほど両腕/両脚が大きく見えるマニピュレーターに装甲、背部ランドセルのコネクト部分には何も装備されておらず、ただのスラスターである。
インパルスは初起動時にはなかった【ビームライフル】を右手で持っていた。
「これが真のISか!」
「……ずいぶんとシンプルだな、私はてっきりあの【ガイアガンダム】と言うISみたいなものをイメージしていたが」
千冬が自分の感想を呟く。
それに対して真は答える。
『まあ、これからですよ……フォースシルエット展開』
本来ならイメージしただけで行えるよう叩き込まれた動作だが、あえて言葉に出してシルエットを展開する。
瞬間、インパルスの背部コネクタ部分に、【フォースシルエット】が展開されていた。
フォースシルエットはMSインパルスと同じく中距離高機動用シルエットだ。
外見的にはMSのフォースインパルスと同じく大推力のスラスター及び複数のバーニアを装備しているが、放熱板をかねた翼の数は4枚に減っている。
フォースシルエットが展開されると共に、左腕に実体シールドが展開される。
これがISインパルスが第3世代に設定されている理由のシステム。
【シルエット・システム】だ。
「ISの【
『初見でインパルスの特性を把握するなんて……流石、千冬さん』
インパルスの特性を一瞬で見抜いた千冬に思わず感嘆の声を上げる。
そこに真耶の準備完了の連絡が届いた。
「……さて飛鳥、カタパルトに移動しろ」
『はい』
千冬の指示にしたがって、カタパルトへとインパルスを移動させる。
射出用のカタパルトはMSの物と大して変わらず、そのままダウンサイジングされたもののようだ。
「真!」
カタパルトからの射出前に一夏に声をかけられる。
「勝てよ!」
『あぁ、そのつもりさ』
インパルスのコンソールにコンディションOKが表示され、いつでも出撃できるようになった。
『飛鳥真! フォースインパルスガンダム! 行きます!』
かつてインパルスと共に戦場を駆けた戦士は、別世界にて再びインパルスと共に空に向かって飛翔していく。
1年1組の専用機持ち同士がクラス代表を賭けて戦うという噂はあっという間に広がり、アリーナの見学席には多くの生徒の姿があった。
アリーナは上空制限とシールドバリアによって守られており、彼女たちに流れ弾などが飛ぶことはない。
アリーナの上空ではIS【ブルー・ティアーズ】を装備した、セシリアが真の到着を待っていた。
『ようやくいらっしゃいましたか』
『待たせたかな、お嬢様?』
『ふふ、いいえ、問題ありませんわ……むしろ貴方のほうはよろしいのですか?』
セシリアが武装である狙撃銃【スターライトMK-Ⅲ】を展開しつつ、真に問う。
『私に負けた後の言い訳ですわ、お父様以外の男性はそういうのが得意なのでしょう?』
クスクスと笑いを零す彼女の目は笑ってはいなかった。
その瞳は戦意で溢れている。
『……アンタの父親のことなんて知らないさ、俺は全力でアンタを叩き潰す』
真の台詞の後、試合開始のコールがアリーナに響いた。
同時に、互いの銃口が光を放つ。
「……凄い」
アリーナの観客席で1年1組の誰かがそう呟いた。
それはそこにいる1年生殆どが思っている言葉でもあった。
アリーナの上空では、2種類の光が絶えず迸っている。
1つはインパルスの持つ【ビームライフル】のビーム粒子が放つ緑色の光。
もう1つはブルー・ティアーズの持つ【スターライトMK-Ⅲ】から放たれるレーザーの光。
互いにスラスターを噴かせ、自身の速度を上昇させる。
互いに放つ攻撃は両者共にスラスターを噴かせて回避。
たまに【
回避先を予測してセシリアが射撃するがスラスターとバーニア、PICを応用した【
セシリアはイギリスの代表候補生でありISとISの試合に慣れているのは分かる。
だが真は違う。
彼は1ヶ月前まではISに触ったこともなかった一般人であったはず。
そんな彼が代表候補生と同レベルの行為を平然と行っていることが信じられない状況だ。
「……飛鳥君凄い」
試合の様子を見ている清香が思わず声を漏らした。
少なくとも彼が行っている操作は自分ではできる気がしない。
彼女の隣にいた本音もそれに頷く。
本音の隣にはクラスが違うはずの簪がいる。
ルームメイトの彼が代表候補生と戦うという情報は4組にも来ていたので、気になっていたのだ。
そもそも【ある理由】で出場しないことになっているのだ、ここにいても問題ない。
「あすあす凄いねー……あんなの一朝一夕で身につけられるものじゃないよー、だよね、かんちゃん」
「……うん、相当戦闘に慣れてるみたい」
そう言っている間に、ブルー・ティアーズから放たれたレーザー攻撃を再びAMBACだけで真は回避する。
はっきり言って異常である。
「私も候補生だから分かる。あんな風に加速を全くせずにAMBACだけで攻撃を回避するなんて相当の技量と度胸がなきゃ無理」
真の強さには理由がある、それは前世が【MSパイロット】であることだ。
【IS】と【MS】はサイズが違うが共通点
共に操作により思い描く動作を行うと言う点がある。
MSの場合は操縦桿やコンソールによる操作、OSに登録されたモーションデータをアレンジして理想の動きを実現するが、ISの場合は搭乗者自身の動作と思考を機体に反映して理想の動きを実現する。
MSより操作性で言えばISの方が動きやすく思い通りに動ける。
これが利香や真の共通認識である。
入学前の1ヶ月は、実戦を通したISの戦闘機動の習熟と射撃・斬撃の訓練に費やした。
そのおかげでMSで行える動作はほぼISで再現できるようになった。
加えて、真や利香の場合は前世が【エース】なのだ。
相手の銃口の向きから射撃位置を予測する程度は造作もないのだ。
『っ! 何故ですの!? 何故回避されますの!?』
叫びながら【スターライトMK-Ⅲ】で彼を狙う。
だが彼にとってもそれは攻撃のチャンスであった。
彼のライフルが一瞬早く自分を狙っていることに気づいた。
『っ!?』
咄嗟にスラスターを全開に噴かせて距離を取る。
だが真もスラスターを噴かせて追いすがり距離をつめる。
咄嗟の行動のためセシリアの姿勢は崩れていた。
彼はライフルを格納しており、右手には展開された【ビーム】による剣、【ビームサーベル】が振り上げられていた。
『うおぉぉぉぉぉっ!!』
最大まで加速した状態でサーベルを叩きつけられ、ブルーティアーズのシールドエネルギーが大きく減少した。今まで両者共に被弾はしていなかったため、これがこの試合最初の被弾となった。
『っ!この私を、本気にさせましたわねっ!?』
ブルー・ティアーズの背部スラスターが分離し、4機の遠隔無線誘導砲台が彼女の周りを浮遊している。
『……きたか、ドラグーン』
『おいきなさい! ティアーズ!』
セシリアの指令の下、4機の遠隔無線誘導兵器がインパルスに襲い掛かる。
真はインパルスを後方に加速させて、一旦距離を取る。
『逃がしませんっ!』
ティアーズがレーザーを放ちながら、インパルスを穿つべく襲い掛かる。
だが【こういった兵器】には慣れている。
【無線誘導兵器】
C.E.でも同じ用途で使われる【ドラグーン】という兵器がある。
その弱点は主に2つ。
1つは子機自体が小さいため推進剤を積むスペースがなく、高機動戦を得意とする相手や機体の運動性能が高い相手の場合、常に相手にドラグーンを察知されて追いきれなくなる点。
もう1つはビームの出力自体はライフルより弱いか同等程度なので、強力な対ビームコーティングされた装甲ならば弾く、もしくは貫通されずに済む点。
また明確な弱点ではないが、【面】の攻撃にも弱い点が上げられる。
つまり簡単に言えば取る行動は2つに絞られる。
【避ける】か【耐える】かだ。
真が選択するのは前者。
フォースインパルスの高い推力と運動性で常に位置を把握して最小限の行動で避ける。
ティアーズ自体はC.E.のドラグーンに比べると、機動が遅く位置を常に把握する事も困難ではない。
これがドラグーンの扱いに習熟した【レイ・ザ・バレル】や【叢雲劾】ならば話は変わってくるだろうが、彼らはここにはいない。
真の背後に回ったティアーズから放たれたレーザーを、彼は確認もせずにスラスターを噴かして上方に回避する。
回避した先にもティアーズ。
だが放たれたレーザーを横方向へスラスターを噴き回避。
『っ!? そんな!? 私のティアーズが何故!?』
動揺が伝わったのか、一瞬だけティアーズの動きが鈍る。
これを見逃す真ではなかった。
『1つ!』
即座に鈍ったティアーズをライフルで狙撃。
ティアーズは見事に撃ち抜かれ沈黙し地面へと落ちていく。
『ティアーズが!?』
残りのティアーズも動きが鈍る。
無線誘導兵器は操作している者の精神状態が顕著に現れる。
プログラムによって機械的に動かしているのではなく、人間が動かしている場合は特に顕著だ。
また真がブルーティアーズを調べた結果、遠隔操作を行っている最中は本体であるセシリアは行動不能になることが分かっている。
操作に集中する必要があるからだ。
だからあえて狙撃して、動揺させたのだ。残りを一網打尽にするために。
『そこだぁ!』
隙を逃さず、即座に3機のティアーズを狙撃する。
1つは見事に撃ちぬかれ、沈黙。
残りの2つは砲口を貫通し墜落していく。
破壊状態からこの試合ではもう使い物にならないのは目に見えていた。
『そっ、そんな……ティアーズを全機撃ち落すなんて……っ!?』
『この手の兵器には慣れてるんでな、行くぞ!』
【瞬時加速】で真が一気にセシリアに迫る。
加速を妨害するために残った【スターライトMK-Ⅲ】で射撃するが動揺が出たのか当たらない。
『っ!?』
反撃を行おうとしたが、すでに3発ほどビームが放たれており着弾してしまった。
『ぐぅっ!?』
衝撃に体勢を崩す。
この隙にインパルスはさらに変化を起こす。
背部のシルエットがパージされて、【別のシルエット】が装備されたのだ。
装着されたシルエットは【ブラストシルエット】
ブラストシルエットもMSインパルスと同じ【遠距離射撃武装特化】のシルエットだ。
背部のランドセル部分に大型ビーム砲【ケルベロス】が2門展開される。
シールドについては変化せずに、変化は両肩部に現れた。
大型のコンテナミサイルユニットが現れると同時に、各部装甲の【色】が変化していく。
【トリコロールカラー】から【緑】を基調にしたものに変化した。
合わせて左腕に装備していた実体シールドが収縮し小型化。
左腕にバックラーとして装備される。
2門のビーム砲【ケルベロス】を武装として展開すると同時に、両肩部のミサイルユニットが開かれた。
『いっけえええぇ!!』
2門の強力なビームとミサイルの雨。
だが何とか体勢のリカバリーが間に合った。
ビームは回避に成功したが、ミサイルは動体誘導なのか的確にセシリアに迫る。
『つうっ!!』
【スターライトMK-Ⅲ】を盾に、ミサイルの爆発に耐える。
だが全ての衝撃を吸収できずに弾き飛ばされる。
そして再度インパルスに変化が起こる。
ブラストシルエットがコネクタ部分から外れて、【別のシルエット】が装備された。
装着されたシルエットは【ソードシルエット】
ソードシルエットもMSインパルスと同じ【近接格闘武装特化】のシルエットだ。
2本の大型実体剣【エクスカリバー】がインパルスの両手に展開されると同時に、装甲の【色】が【緑】から【赤】を基調にしたものに変化していく。
『はぁぁぁっ!!』
ここまで圧倒しているインパルスだが弱点も存在している。
それはシルエット換装に多量のエネルギーを消費する点だ。
この点にはインパルスの開発主任も頭を悩めている。
加えて多くのエネルギーを消費する【瞬時加速】の多用や、最大戦速での機動、ビーム兵器を多用したことによりすでにインパルスの残存エネルギーは2割を切っている。
この連携マニューバで仕留めるつもりでエクスカリバーを2本とも上段に構えつつ、突貫する。
シルエットを換装した赤いインパルス。
【ソードインパルスガンダム】の大型実体剣2本が自身に迫る中、セシリア・オルコットはある事に想いを馳せていた。
自身と父親についてだ。
父は女尊男卑が世間に広まる中でも、母と仲睦まじくしていたことを覚えている。
父の名は【ジョナサン・オルコット】
父は2mに迫る程の筋骨隆々とした体格の男性で、
オルコット家の婿養子であったが、母を自分を何よりも大事にし、オルコット家を支えていた。
そんな父親がセシリアは大好きであった。
自分でもファザコンの気質があることは認める。
いつの間にか彼以上の男性などいないと思うようになっていたのだ。
それは両親が列車事故で亡くなった後、オルコット家を立て直すために奔走したときからより顕著になっていったと思う。
父の様に堂々と――まるで大樹の様に相手を受け止めることもせずに、自身に媚び諂う男性がすべてだったのだ。
だから目の前の飛鳥真やもう1人の織斑一夏も同じような男性だと思った。
だが違った。
この1週間、飛鳥真の様子を見ていたが、媚び諂うことなどせずクラスの皆に対して分け隔てなく接していた。
織斑一夏は確かに知識不足は否めないが、クラスメイトに助言を求めて、少しずつだが知識をつけ始めていた。
そして飛鳥真とのここまでの試合内容。
自身と同レベルの操作技術やティアーズを初見で回避し、無力化できる戦闘能力。
認めざるを得ない、彼は強い。
それを認めた途端、自分の中にある気持ちが湧き上がってきた。
負けたくないと。
心からこんな気持ちになったのは初めてだ。
イギリス代表候補になった時もこれほど感情が湧き上がったことなどなかった。
ふとお父様が幼い頃言っていたことを思い出した。
「セシリア、君は全力でぶつかり合いたい友達はいるかい?」
「いないですわ、そんなおともだち」
お父様に肩車をされて、とても高い視線になって興奮したことを覚えている。
「そうか、そりゃまだいないよね」
「おとうさまにはいらっしゃるのですか?」
「ああ、いたよ。彼は貴族とは関係のない家系だった。学生時代はいつも事あるごとに力比べをしていたこともあったなぁ」
お父様が少し遠い目で景色を見ていたことを覚えている。
後ほど調べたところ、そのご友人の方はすでに亡くなっていたらしい。
「セシリア、同性や異性の友人で【負けたくない】と心から思える人に出会えたのなら、全力でぶつかりなさい」
「ぜんりょくで……ぶつかる?」
「そうだよ、持てる力や言葉を全部相手にぶつけるんだ。そうすればその相手と理解し合える……それはきっと君の人生にとっても大事な事になるはずさ」
初めてこんな気持ちになった。
今私が持てる力を全部出し尽くして飛鳥さんや織斑さんにぶつかりたい。
同時に先日、そんな彼等にとんでもない暴言を吐いた事に気付く
――先日のことについては後で謝罪せねばなりませんわね。
まだ武器は残っている
エネルギーは残り少ないが全てを出せない様ではお父様に合わせる顔がない。
『この様な所で……こんなところで私はぁ!』
先程のミサイルとビームの連続攻撃によって崩されていた体勢のまま、無理やりスラスターを噴かせて彼に向かう。
『なっ!?』
完全に仕留めるつもりだったのだろう、この試合で初めて聞いた彼の戸惑いの声。
――彼を抱きしめるように密着してしまいましたが、構いません!
『このゼロ距離ならばっ!』
残っているティアーズは2機、両方とも実弾兵器のミサイルだ。
ゼロ距離ならばいくら彼とて避けることは不可能だ。
直後、ミサイルが爆破し私達2人を爆炎が飲み込んだ。
『ぐうっ!?』
爆破の衝撃で真は弾き飛ばされ、体勢を崩された。
真は先ほどのマニューバからの連撃で完全に止めを刺せると思っていた。
ティアーズと射撃武装を失った状態からまさか自爆覚悟で突っ込んでくるとは思ってもおらず、両手に持っていた大型実体剣【エクスカリバー】を衝撃で取りこぼしてしまっていた。
『【インターセプター】ッ!』
爆炎の中から【ショートブレード】を構えたセシリアが飛び出してくる。
今の真は体勢を崩されており、AMBACで持ち直す隙もない、
ソードシルエットの推力は、フォースシルエット程ではないため推力に任せた回避も不可能。
フェンシングの要領でスナップを利かせた突きを避けることができずに衝撃が走る。
『つぅっ!? 【フラッシュエッジ】ッ!!』
衝撃に耐えつつ真も応戦の為武器をコールして呼び出す。
本来の用途はビームブーメランであるが取り回しのきく小型ビームサーベルとしても使用が可能だ。
その間もセシリアの攻撃は止まってはいなかった為、インパルスのエネルギーもレッドゾーン。
お互いに回避ができない距離ならば先に仕留めた方が勝者となる。
『うぉぉぉっ!!』
『はぁぁぁっ!!』
残りのエネルギーを全て振り絞るような咆哮を上げ、互いの全力の突きがぶつかり合った。
――両者、エネルギー切れにより引き分け。試合時間、8分13秒――
そして結果がアリーナに響いた。
※AMBACの設定は独自のものです。