この世には妖怪が『ひと』として暮らす世界があった。名は天原。人間が暮らす豊葦原の鏡の裏側にあり、その世界に人間はなく、妖怪達がそれぞれに文明を築いて暮らしている。
その中でも和刀国という国に、『金』行を司る神子として生まれた白尾宝玉という九尾の妖孤がいた。宝玉は雪女であり親友の六花氷沙女と共に、村を出て、霊媒万屋として独り立ちしようと頑張っている最中だったが、そんなある日、どうにも胡散臭い依頼を受け旅立つことになる。
目的地の名は吉備鬼塚。桃太郎伝説の終焉の地。果たしてそこで宝玉を待つものは鬼か蛇か。青春ドタバタ妖怪ファンタジーここに開幕。

※本作は小説家になろうのほうでも同時掲載させていただいています。
  『吉備鬼塚』事件録01()
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