「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「司令は描かないんですか?」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第21話<牧草地>
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売店の正面は、なだらかな傾斜地だ。そこは広場のような牧草地になっていて多くの家族が遊んでいる。その向こう側に白っぽい柵が見え、まだらの生き物……多分、牛が見える。
そのまた遥か彼方には薄っすらと島根半島とその手前に弓ヶ浜半島、そしてキラキラと光を反射する日本海が見える。さっき秋雲が振り返った光景そのものだが標高はこちらの方が若干高いようだ。
艦娘たちはどこでスケッチをしているかな? とりあえず私は正面に見える牧場まで歩いて向かった。その途中にある木のところで電チャンと寛代を見つけた。
二人はちょっとズレて座っていて、互いに違うものを描いているようだ。私が近づくと電チャンは気配を感じてスケッチブックをサッと隠した。寛代はそのままだったので、私は後ろから覗き込んだ。
「木か」
寛代は無言でうなづく。絵を隠しながら電チャンが言う。
「司令は……描かれないのですね?」
あ、そっか。私の分までスケッチブックがあるんだよな。
「うーん、気が向いたら後で……ちょっと秋雲の様子を見てくる」
私はそう言うと、二人の横にジュースの袋を置いた。
「コレ置いておくから」
会釈をする電チャンに軽く手を上げながら私は牛が居る柵の方へと向かった。
秋雲は直ぐに分かった。緑の牧草地で赤っぽい制服は目立つよな。もっとも他の観光客たちも意外とカラフルな服装だから、変に目立つことはない。むしろ秋雲が目立つのはその長い髪形だ。それでいてスケッチブックで絵を描いているのだから、パッと見は芸術家にしか見えない。微妙に近寄りがたいオーラが……と思っていたら
「ああ! 司令ぇっ!」
バカ、公の場で司令とか言うなよ!そんなに手を振るなって目立つから。
「ええ? じゃあ何て呼んだら良いんですかぁ? 提督ですか?」
いいよ、司令で。
「ねえ、ホラホラ見てみて、牛ぃ!」
見れば分かるって。
「確かどこかの動物園で見たような気もするけど、やっぱり牧場でノンビリ草を食む牛を描くのが良いですねぇ」
「そうだな」
やや間があって秋雲は長い髪の毛を少し払いながら言った。
「司令は描かないんですか?」
電チャンと同じことを言うな。私は軽く腕を組んで答える。
「そうだな……上のほうに電チャンたちが居たから、あっちで描こうかな。向こうにジュースとかも置いてあるから、切りの良い時間になったら飲みに来たらいい」
「了解です!」
秋雲は軽く敬礼すると再びスケッチを続けている。そういえば秋雲も目は大きいんだな。改めて気付いた。
秋雲の後ろ姿を見ながら私はもと来た牧草地を電ちゃんたちが居た場所へと戻り始めた。
「けっこう上りは坂がきついな」
そんな独り言を呟きながら私は牧草地を上がっていく。やはり足元が牧草で不安定だからよけいに上りにくいのだろう。コレが陸軍なら良い訓練になりそうだけど、我々海軍がわざわざ大山にまで来て訓練するのはちょっとな……。
ふと、さっきの陸軍の将校を思い出した。そういえば大山の山麓にも陸軍の演習場があったような気がする。美保の陸軍は憲兵も含めて温厚な感じだし、うちにはまるゆも居ることだから、もっと交流しても良いかな?
私は、そんなことも考えていた。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。