「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「私、頑張るのです」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第23話<胸襟を開いて>
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電チャンが突っ込んでくる。
「司令は何を描かれたのですか?」
「ああ……」
私も司令の立場で今さら艦娘たちに恥ずかしがることもないだろう。私は自分が描いた絵(イラスト)らしきものを三人の前で広げて見せた。
「おや」
「ほほう」
「……」
三人とも、感嘆の声を上げた。
「なかなか……なのです」
「そうだねえ……」
「……」
上手下手以前に司令官である私が実は、そこそこの絵心がある事実の方が彼女たちには珍しかったようだな。
「司令は兵学校出てますよね?」
電チャンが不思議そうに聞いてくる。意外に私の経歴に詳しいんだな。私は答えた。
「ああ、そうだ。でも兵学校を出た後、最初の任地に配属されてから三ヶ月で部隊を飛び出してしまった事があるんだ」
「ええ?」
艦娘たちは一様に驚いている。
私はスケッチブックを傾けて、自分の方に傾けた。電チャンが聞いてくる。
「あの……最初の任地は、どこだったのですか?」
私は答えた。
「実は横須賀だったけどね」
「え!」
これは秋雲。そりゃそうだな、まさか私も横須賀に居たというのは意外だろう。
「では、司令はそこそこ優秀だったってこと?」
秋雲は鋭いところを突いて来るな。
「まあ、優秀かどうかは知らないが、一応兵学校卒業だからな。それなりの士官候補生だろう」
意外にも艦娘たちは神妙に聞いている。
「……」
寛代が無言で突いて来る。お前の言わんとすることは分かるぞ。
「部隊を辞めた理由か? まぁ兵学校を出て軍隊に入っても、現実の軍隊を見ているうちにな、ああこの程度か?っていう現実に幻滅したってところだな。そうなると、どうせ一度しかない人生だから、好きなことをやって生きてゆこうって思ったんだ」
この話、艦娘たちには、かなり意外だったようだ。まあ、私もほとんど誰にも話したことが無かった。まさか彼女たちに話すことになろうとはね。そっちの流れの方が意外だ。
ちょっと間を置いて秋雲がややうなづきながら言う。
「やっぱ秋雲さんと司令は親近感が湧くはずだな」
そりゃ、どういう親近感だ? でもまあ秋雲とは他の艦娘よりはウマが合うかもしれないと感じ始めていたのは事実だ。こいつも自分の思ったことをわき目も振らずに突進するところあるよな? 脱走もしたし。私もそういう面があったわけだから。
「うっ……司令も苦労されたのです」
電チャンがいきなり泣き始める。おいおい、そんな大げさだよ。
「ぐっ……やっぱり司令は違うのです。私、司令のためにも頑張るのです」
そこまで決意しなくても良いけど……でも彼女の気持ちは嬉しい。
「ありがとう電チャン」
私が礼を言うと、秋雲も言う。
「秋雲さんも、頑張るよ。司令はやっぱ、普通とちょっと違うもんね」
「ああ……」
その『違う』というのが微妙だけど。まあ良いか。彼女なりの親近感の表れだろう。
「……」
寛代は無言で……笑顔を作っている! おおっ、彼女にしてはレアな表情だな。だがその気持ちもまた私には嬉しかった。
「寛代も……みんな、ありがとうな」
まさかこんなイラストで艦娘たちの心が開くとは予想外だった。だが、艦娘に過去があるように人間にだって過去はあるからな。そういうものをお互いにさらけ出すと、人と艦娘は近くなるのだろう。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。