「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「ここは景色も良いなぁ」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第24話<遠い約束>
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「いいなぁ、こういう感じって」
両手を上に伸ばしながら秋雲が立ち上がる。
「ホントそうなのです」
いつもの台詞を言いながら電ちゃんも秋雲と並んで立ち上がった。
「ここは景色も良いなぁ」
そう言いながら秋雲は遠くの島根半島や日本海を眺めている。彼女の長い髪の毛が牧場の風にサラサラとなびいている。電チャンはチョッと目を凝らして遠くを見ている。
「あのグニャッて曲がっているところが美保鎮守府のある弓ヶ浜半島なのですね」
秋雲は少し髪の毛を押さえながらうなづいた。
「そうそう。でもホントに『弓』なりなんだなぁ……空母の姉さんたちが喜びそうな場所に美保鎮守府ってあるんだね」
「そうなのです」
秋雲の言葉に私も思わず『なるほど』と思って改めて半島の遠景を見ていた。
赤っぽい服の秋雲たちは例外としても一般的な艦娘たちのセーラー服は白や黒、或いは紺色のツートンカラーだ。電チャンの型は特にそうだ。こうやって牧草地に立ち上がっている艦娘たちの姿を見ているとマジで牧場の牛と同じ斑(まだら)模様だなと思った。
「……」
寛代が突いて来る。
「なんだ?」
「艦娘の服、牛……」
「え?」
彼女が指差した方向には動物の『牛』ではなく風景を眺めている秋雲と電ちゃんが居た。なんだ寛代も私と同じことを考えていたのか。
しかし改めて言われると、この立っている二人の性格……基本的にマイペースだけど、いざ動き出すと突進して行くところ。それって、どことなく『牛』っぽいよな。まあ艦娘なんて兵士だから敵に突っ込んでナンボの世界もあるけどね。
そう思っている私自身も結局、艦娘と似たようなものだ。周りも見ずに突っ込んでいく。軍人はそんなものか。いつの間にか軍人らしさが染み付いてしまったか。私は心中で苦笑した。
「でさぁ、どうするの? これから」
時おり風に流される髪を押さえつつ秋雲が振り返った。
「そうだな……アイスでも食ってから大山寺に行くか」
私は言った。
「アイス?」
「大山寺?」
「……?」
おいおい、三人……いや二人が同時に叫ぶなよ(寛代は無言だった)
私はスケッチブックを袋に仕舞いながら言った。
「ここの牧場の牛乳も美味いけどアイス……ソフトクリームも美味しいんだ。今でも売っていれば良いけど」
私もこの牧場に来るのは十数年ぶりだ。昔は売っていたけど、このご時勢果たして売っているか?(まあ売ってるだろうケド)数量限定だから、運が悪ければ買いそびれてしまう。でも連休だから普段より多目に準備してないか? と希望的に観測する。
「楽しみなのです」
「お寺も良いなあ」
意外に電チャンのほうが甘党か? 秋雲は相変わらずだな。
私たちは牧草地の傾斜を売店へ向かって上り始めた。
「ねえ、司令」
秋雲が聞いてきた。
「またここに来れるよね」
「そうだな」
歩きながら私は付け加えた。
「別に私と一緒じゃなくても、同じ休みの艦娘同士で来たら良いよ。確か米子駅からここまでバスも出ているはずだ」
しかし秋雲は言った。
「ええー、バスは面倒だよ。やっぱ軍用車とかでさぁ、直接来るのが良いのにぃ」
「勝手なことを言うな」
私が応えると意外な反応が……。
「でも秋雲さんの言うことも分かるのです。大山は遠いのです」
続けて寛代も突いて来る。
「……」
「分かったよ、また来れば良いんだろ?」
それを聞いた秋雲は言った。
「約束だよ司令っ、ヤ・ク・ソ・ク!」
やれやれ……鎮守府からも見える大山だけど、足を踏み入れるには近くて遠いものか。次回はいつになることやら。果てしなく遠い約束だなあ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。