「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「食べられるようにお祈りしたいのです」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第25話<一緒に買物>
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とりあえず艦娘たちを引き連れて再び牧場の売店に入った。連休だからそれなりに混んでいる。
私は上着を脱いでいるから普通の人には海軍とは分からないだろうけど、さすがに艦娘を三人も引き連れていると、チョッと目立つな。
しかも艦娘たちはただでさえ目立つオーラを発散している上に『司令!』を連呼するから、結局周りには軍関係だとバレバレだよ。やれやれ……艦娘の微妙なところだな。
でも考えてみたら私は軍人になってから艦娘と一緒に町へ出て(ここは山だけど)買物をするというのは初めてのことだ。舞鶴に居た頃も艦娘とは日常生活では、ほとんど交わることもなかった。
やはり美保鎮守府という環境の特殊性だろう。しかし親が見たら何て思うかな……いや、親以上に知り合いにはこんなところで会いたくない。陸軍には出会ったけど、彼は事情を知っているから良しとしよう。
「ねえ司令? どうしたの」
秋雲か。こいつはホントあっけらかんとしているよな。
「ちょっとカウンターでソフトクリームがあるか聞いてみるよ」
私が応えると電ちゃんが反応する。
「それは楽しみなのです。ぜひ食べられるようにお祈りしたいのです」
電チャンのこのひと言に私はチョッとビックリした。『祈り?』本人はその意味を分かっていないだろうけど、まさか艦娘からそういう単語が出てくるとは……。
私には信仰心のかけらもないけど、人が動物と違うのはまさにその『祈る』点にあると恩師から聞いたことがある。艦娘も人と交わることで自然にそういうことを覚えるのか?
艦娘は生き延びる限り、どんどん経験を積んで人間に近くなっていくのだろう。一瞬そんなことを考えた。
「すみませーん」
私はソフトクリーム売り場で聞く。
「まだ……ソフトありますか?」
つい『ソフトクリーム』という言葉を発するのに抵抗があった。一応軍人だから面子が邪魔をする。しかし対応した店員さんは笑顔で応えた。
「ございます。お幾つでしょうか?」
ホッとすると同時に、あれ? 私も食べるべきか……と悩んだ。すると突然横から声がした。
「4つ……お願い」
うわ、何だ? 横から声を出したのは意外にも寛代だった。
「かしこまりました、少々お待ち下さい」
店員は奥に入る。
寛代の意外な行動に、電チャンと秋雲は少々驚いているようだ。
直ぐに店員さんが最初の二つを持ってきた。私はそれを受け取ると、まずは電チャンと秋雲に渡す。続いて奥に入った店員さんは再び二つ……残りのソフトクリームを持ってきた。私はそれを受け取ると、いったん寛代に二つ渡して会計を済ませた。
金額を聞いてさすがに驚いた。高い……観光地だから値段もそれなりだな。でも電チャンと秋雲が一口なめて目を丸くしている。多分すごく美味しいのだろう。そんな姿を見ると値段相応かとも思えた。
「とりあえず出よう」
私は寛代からソフトクリームを一つ受け取ると艦娘たちと外へ出た。やっぱり牧場の風は良いな。すぐさま言いたくて仕方がないという様子で秋雲が話す。
「司令、司令っ、すごく美味しいですよ!」
電チャンもうなづく。
「そうなのです、ビックリなのです」
へえ? そうかな……と思いながら私も一口。
「美味しいでしょ?」
横から至近距離に顔を近づけて秋雲……それもビックリしたが、確かに言うとおり美味しかった。さすが牧場だな。
別に艦娘たちをダシにしたわけではないが、彼女たちを通してこんな体験が出来るのも悪くはないかなと、そう思うのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。