「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「うん、うん。山も良いなあ」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第27話<大山の河川敷>
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「牧場の牛も良いけど、山の風も良いなあ」
軍用車の開いた窓から入る風に当たりながら秋雲は言った。相変わらず周りの状況に対する反応が良い艦娘だ。ノリが良いというべきか。窓からの風に当たっている彼女の姿を見ていて私はふとこの夏、日向と軍用車に乗った際の夕立の姿を思い出した。あのときの彼女もまた長い髪……金髪をなびかせて気持ち良さそうにしていたっけ。
そういえば今、改めて気付いたけど秋曇って意外と髪の毛が長いんだなな。夕立と違ってこっちの艦娘の場合は、さほどストレートヘアーではない。だから長髪っぽくないんだ。それでも、こうやって風に髪をなびかせれば長髪なのが目立つ。
でも秋雲って夕立ほど髪の毛が爆発的に舞い上がることはない。おまけに金髪じゃないから目立たない。いや、むしろこちらが普通なのだろう。夕立が特殊過ぎるんだよ、『ぽい』とかさ……。
もっとも二人を比べると性格も違う。金髪同様、性格は派手で、すべてがストレートな夕立。
一方、栗毛クセっ毛の秋雲は性格こそサッパリしてるようが夕立より多少その挙動に複雑さがある。彼女はイラストを描くが繊細かと思えば大胆な行動力で脱走騒ぎは起こすし……その輪郭はどことなく青葉を連想させた。
ただ秋雲が青葉ほど複雑に感じさせないのは駆逐艦ということもあるのかな? 夕立も駆逐艦だが、あの娘も派手だけど性格に深さはない。
そんな駆逐艦娘に比べるとやはり重巡の艦娘たちは性格的に深くて重い。基本的にクセのある娘が多い。
「ホント、そうなのです」
うわ、びっくりした……なんだ、電チャンか。一瞬、私の心の声に反応したのかと思った。でも当然、彼女が反応したのは私の思考ではなく秋雲の発言に対してだ。ハンドルを握っても普通に会話で来るくらい、この娘も運転が上達したよな。車内で黙っているのは寛代と私くらいか。
「うん、うん。山も良いよなあ」
秋雲は窓の外を見ながら大声で言う。いちいち大声を出すなよ。
軍用車は大山の森林を縫うように走り、やがて大きな河原が見えてきた。その橋のたもとに駐車場があったので、とりあえずそこに車を進入させる。駐車場はちょうど大きな川の河川敷に沿うような場所にあった。すぐに秋雲が大声で反応した。
「うわぁ、川だぁ!」
感嘆の声を上げる。見たまんまだが……そうか、艦娘にとっては山や川っていうのは珍しいんだな。電チャンも続く。
「はわわ、岩がたくさんあって荒々しいのです」
電チャンにとっても、こういう景色は珍しいか。
「……」
寛代も何か感想を抱いているようだ。
渓谷なんて普通の人間にとっては、さほど珍しいものではない。しかし艦娘にとってはどうか?
考えてみたら彼女たちは普段、戦場に出る以外は鎮守府内に居るか、あるいは買い物に出るくらいしかない。
彼女たちが学校に通ったり、趣味に興じるなんて今のところ見たことがない。ま、秋雲は若干趣味に近いことをしているけど……だからはみ出した行動が多いのか?
電ちゃんは空いたスペースに軍用車を停める。私は言った。
「よし。降りて歩こうか」
「はい」
艦娘たちは応えた。
こういった自然に触れる機会を意図的に設けないと、彼女たちが山陰の山の自然に触れる機会って言うのはほとんど無いよな。私は改めてそう思うのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。