「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「やっぱり冷たいなあ」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第28話<河原で戯れる>
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「ねえ、降りよ! 降りよう」
イイとも何とも言わないうちから、秋雲は勝手に河川敷へ降りていく。
「ああ……」
さすがに真面目な電チャンは止めようとするが間に合うわけがない。寛代は相変わらず無表情。
電チャンは私を見て申し訳無さそうな顔をする。
「あの……」
いや、別にお前が申し訳無さそうな顔しなくても良いんだよ、と思いながら私はうなづく。
「構わないよ、私たちも降りよう」
「はい!」
私の言葉でホッとした顔をする電チャン。今日はオフ扱いとはいえ秋雲にも多少は秩序は守って欲しいなと思うが、まぁあれも個性だからな。
艦娘たちは兵士であり戦いになれば文字通り身体を張って戦うのだ。命懸けながら彼女たちが人間のように裏切ったり敵前逃亡したという話は、今のところ聞いたことが無い。それだけ純粋なのだ。
そう思えば艦娘の、このくらいのやんちゃぶりは仕方がないだろう。
むしろ私自身、男性だからとコレまで積極的に艦娘たちの輪の中に入って行かなかったことのほうが反省だ。命がけで戦う者たちに対しては、こちらももっと真剣に望んで然るべきだろう。
そう、だから今日は今後の私と艦娘たちとの距離を縮める第一歩なのだと思う。まさか秘書艦は、そこまで想定して車両の使用とか艦娘を連れ出すことを許可したのかな?
「司令?」
一瞬考え事をして硬直していた私に電ちゃんが声をかける。
「ああ、行こうか」
「スケッチブックは……もう要らないですよね」
そういえば秋雲も手ぶらで降りて行ったな。
「うん、手ぶらで良いよ。とりあえず私が持つから」
「は、はい、なのです」
電チャンの反応を見て私はホッとした。いつもの姿に戻ったな。
「……」
分かったから、横から突くなって、寛代。降りるよ。
駐車場の横に広がる広大な大山の河川敷。確かに平地の川と違って大小の岩がゴロゴロしている。ダイナミックで野生的だ。しかも起伏がある。岩を縫って早々に降りて行った秋雲は早速、靴を脱いで足を水に浸けている。
「ひゃぁ! やっぱり冷たいなあ」
叫んでいるが……あれ? 川の水では艦娘って、浮かないのか? と、どうでも良いことに感心する私。
裸足だからなのか? うーむ、艦娘たちの浮く原理は正直、良く分からない。
「楽しそうなのです!」
「……」
電チャンは寛代の手を半ば強引に引っ張りながら河川敷へと降りていく。私はスケッチブックや画材の袋を持って後から続く。
始めはちょっと抵抗していたような寛代だったが、電チャンに促されて靴を脱ぐと、一緒に川の中へ入った。男子なら水の掛け合いが始まりそうだが、さすがは女子。きゃあきゃあ言うだけで、そこまでの騒ぎには発展しない模様。
私は水に入る気はないので、近くの岩場に腰をかけた。
ここに居るのは駆逐艦娘ばかりだけど、やっぱり小学生か中学生だよな。戦場では凛々しい彼女たちも、河原で遊ぶ姿は普通の女の子そのものだ。
その姿を見ていると艦娘の本質は単なる兵器とか機械じゃない。人と同じ心を持った存在なのだと思う。それがなぜ今の時代に出現したのか?
いや止めておこう。大井の件もあるから、そこまで考え始めると今後、まともに戦えなくなる気がした。
人は知らない方が良いこともあるんだ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。