「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」 作:しろっこ
「いや、それはダメだぞ」
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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)
:第34話<優しい山と非日常>
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何合目まで上るか分からないけど、さすがに頂上までは行かないだろう。
ジュースはまだ残っているが、とりあえずぶら下げてもって上がる。あとスケッチブックもあったが、これも持って行く。やれやれリュックでもあれば楽なんだけどな。絶対に5合目までは上がるものかと思う。
それでも登山道を上がる艦娘たちは、寛代も含めてキャッキャと嬉しそうだ。登山道そのものが彼女たちにとっては『非日常』である。何しろ美保の艦娘たちは基本的に海か境港市の平地しか知らない。
それが大山の森で、しかも傾斜のある登山道と来れば、思いっきり『非日常』である。そりゃ秋雲でなくても、ハイになるだろう。
さて2合目、3合目までは割りと余裕だった。3合目の標識のところで皆でジュースで一服する。秋雲が目をキラキラさせて言う。
「ねえねえ、意外と山登りって楽なんだね」
すると電チャンも同意する。
「なのです」
いや、お前ら山を甘く見るな……私は内心、そう思っていたが否定するより先に突っ込まれた。
「こうなったらさ、行ける所まで……」
私は慌てた。
「いや、それはダメだぞ」
否定すると秋雲は変な顔をする。
「ええ?」
何だ? その『への字』顔は!
「でも、ちょっぴり上がってみたい気もするのです」
えっ、電チャンまで?
私は思わず寛代を見る。何だよ、その親指を上にしているのは。上がれってコトか?
押しが強いのは戦艦だけかと思ったが、ここに居る駆逐艦共も意外と粘るな。
「絶対に、5合目で引き返すぞ」
結局、私の方が根負けした。
「了解!」
いや、こいつらの『了解』も、実は怪しいぞと言う気がする。
軍隊の命令は絶対とか言いながら、艦娘にとってそれが適用できるのは結局のところ鎮守府内か、海の上だけじゃないだろうか? 改めて、そう思ってしまった。
何よりもここは山だ。海が活動舞台である艦娘にとっては、もはや治外法権も甚だしい場所だよな。
それでもフィトンチットか何か知らないけど、海のオゾンばっかり吸っている艦娘たちに、山に気を吸わせるのも、たまには悪いことではないだろう。そう思いながら私は若干、渋々と付いて登る。
先頭は秋雲、続いて電チャン、そして寛代。その後姿を見ながら思う。艦娘って、人間なのか機械なのか? いまひとつ解せない。
ご飯も食べるし……そもそも海上で水平移動が主なのに、山みたいな所をこうやって登坂する能力って、果たしてどの程度なんだろうな?
バテるならサッサとバテて欲しいんだが、何しろこいつらは兵器であると同時に兵士でもある。常人とは鍛え方が違う。大山如きの家族向けの優しい山なんか、あっという間に制覇してしまいそうだ。
いろいろ、どうでも良いことを想像してしまうな。
でも、秋雲を筆頭に、みんなそれなりに楽しそうだ。その姿を見ていると、どうしても楽しませてやりたいという気持ちが湧いてくる。だめだ……まるで親父だよ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。