「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」   作:しろっこ

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秋雲の傍若無人ぶりに冷や冷やする提督だったが果たして不知火はどうであったか?


第42話(改)<秋雲の傍若無人>

「私の性格には落ち度はないと思うけど」

 

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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」

(みほ8ん):第42話(改)<秋雲の傍若無人>

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 秋雲はテンションが低い不知火や時雨には構うことなく私の横に割り込むように座る。そしていきなり目の前の不知火に聞いた。

 

「ねえねえ不知火はさ、何でいつもそんなに怒ってるの?」

 

その発言でそれまでボーっとしていた6合目は急に緊迫した。電チャンは『あわわ』と言いたげな表情をしている。

 

私は内心叫んだ『止めろ秋雲!』思わず冷や汗が出た。それはいくら何でも単刀直入すぎる。案の定、秋雲の強引さに、やや不機嫌そうになった不知火だったが落ち着いて返した。

 

「別に……こういう性格ですから。何か変ですか?」

 

ところがそれを受けても秋雲は相変わらずハイテンションで続ける。

 

「いや艦娘ってさぁ、大人しい子も少なくないでしょ? んで不知火はすっごく存在感あるのにさ、近寄りがたい雰囲気があって。やっぱり怒っているからそうなるのかなぁってね」

 

 不知火は自分の性格を指摘されて、というよりも秋雲の傍若無人ぶりに機嫌を損ねているようだ。要するに『場』を乱すことを嫌がるのだろう。

 

秋雲の特攻ぶりに私を含め全員が引いた。寛代は例外。不知火は飲料を一口含んでから返事をした。その反応一つ一つに周りは勝手に緊張している。

 

「別に……私の性格には落ち度はないと思うけど」

「うん、そうだよね」

 

何だかかみ合わない二人だな。ズッコけそうになる。秋雲、頼むからもう止めてくれ。心臓に悪い。

 

すると彼女の隣に居た時雨がフォローする。

 

「不知火はさ、きっと精神性が高いんだよね。だから孤高なんだと思う」

 

そういう時雨は、ちょっと調子が悪そうにも見える。でもこの子は普段から大人しいから分かりづらいな。

 

不知火のように、いつも怒ってるイメージがある子なら、そのギャップで調子が悪いのも直ぐに分かりそうだが……何だろうな? 不知火との違いは。

 

そういえば黙ってても怒っているように見える『弥生』も居たな。でもあの子は不知火ほどの凄みが無い。やはり不知火は特別なのか?

 

私が時雨を心配している側から秋雲が片膝を立てながら言う。

 

「でもさ不知火ってホントは良い人なんでしょ? だってそうでなきゃあ、こんな救援部隊に参加しないよね」

 

おや? 秋雲が今度は意外と気の利いたことを言う。不知火を見ると、さっきほどには怒っていないようだった。むしろ少し変わった反応を示している。

 

「いや、別に……これは命令だから」

 

 強い口調は影を潜めた。不知火にしては珍しく弱い声だった。この月明かりだけでは少々分かり難いが彼女は赤面しているようだ。彼女自身の照れ隠しをするかのように不知火は残りの飲料を一気に飲み込んだ。すると喉に引っ掛けたのか急に咳き込む。

 

「ごほっ! ごほ」

 

「大丈夫?」と言いながら時雨が不知火の背中に手を当てた。急にむせて苦しそうな不知火だったが彼女の反応で少しギスギスしていた場が急に和んだ。

やれやれ……一時はどうなることかと思った。

 

そんな不知火や秋雲を見ていると艦娘というのは人間以上に一人ひとりの個性が強い。実に不思議な存在だよなと思う。

 

艦娘に不慣れな陸軍から見たら今のやりとりも軍隊らしからぬ不思議な光景だろう。普段艦娘の行動には慣れているはずの私にとっても、こういったやり取りを見るたびに、まだまだ知らない部分が多いのだと思わずには居られない。

 

そんなことをボンヤリと考えていたら軍曹が私の隣にやってきた。

 

「こちら……宜しいですか?」

 

どうやら登山用の装備品の仕訳も無事に終わったらしい

 

「ああ、どうぞ」

 

私が少しベンチを開けると軍曹はベルトの腰巻を一本外してから腰をかけた。それは弾倉と拳銃のホルスターだった。さすが陸軍は身につける護身用の兵器は充実しているな。

 

私の視線に気付いたのか軍曹は「ああ……」と言いながら弾倉を手にして言った。

 

「陸軍というのは地上戦のための兵器は豊富ですけどね。基本単位が人間個人なのでどうしても装備が個人的で重くなります。その点、海軍は艦船が主ですからスマートで羨ましく思いますよ」

 

それは有るかも知れない。その艦船が艦娘となり人や艦娘同士で意思の疎通もある。時に指揮官に反抗もするというのだから常識的な人間から見たら訳が分からない世界だよな。

 

私の想いに呼応するように彼は続ける。

 

「自分も当初、艦娘というのは妖怪のような存在かと思いました。でも今日僅かな時間ですが艦娘と接して普通の人間と何ら変わらないその様相に驚いた次第です」

 

私は応えた。

 

「でも陸軍にはあきつ丸が居ますよね」

 

軍曹は頭をかいた。

 

「はは、そうですよね。ただ今の米子の駐屯地には彼女しか居ませんので、まったく艦娘という意識を持っていませんでした」

 

ふと見るとあきつ丸もこちらを見て微笑んでいるようだった。

 

私は、ちょっと全員に背を向けるようにして時雨に向き直った。

 

「ちょっと良いか? 時雨」

「……はい」

 

さっきよりはちょっとリラックスした感じで私を見る時雨だった。こうしてみると素直そうな艦娘なのにねえ……。

 

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。
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