「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」   作:しろっこ

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米子市街地のファミリーレストランに入ろうとした提督御一行は、困惑するのだった。


第7話<ファミレスアウト>(改)

「米子も意外と都会なんだな~」

 

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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)

:第6話<ファミレスアウト>(改)

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<< 市街地:ファミレスアウト >>

 

幹線道路を南下していた軍用車は、やがて米子市の市街地へと入る。

 

「へえ~米子も意外と都会なんだな~」

横須賀の都会っ子だった秋雲らしい感想だ。

 

「あそこに入ろう」

私は幹線道路沿いの左手にあった黄色いファミリーレストランを指差した。

 

「はい」

電チャンは減速しハンドルを左に切る。だが駐車場に入って驚いた。車で一杯だぞ!

空きスペースが無くて駐車場内をノロノロ進む軍用車。運転する電チャンも何となくあたふたしている。さすが米子市というべきなのか。地方では中核都市だからこのご時勢であっても外食するゆとりがある人が多いのかなあ……境港市との違いか?

 

しばらく場内をグルグルと回ったがスペースが空く気配は無い。むしろ次々と後続車が入ってくるし。

電ちゃんが不安そうな顔で聞いてくる。

「あの……司令官……」

 

「ああ、ここは一杯だな。仕方が無いから一回出て他を探そう」

私はギュウギュウ詰めの駐車場を見ながら答えた。

 

「はい、なのです」

電チャンがハンドルを廻すと車は再び幹線道路に乗った。

 

「……」

寛代は黙って外の景色を見ていた。

 

車はさらに米子市を南下していく。

だがどうしたことか? 幹線道路沿いのファミリーレストランは軒並み満車だ。そうでなくても他のレストランの入口では、行列まで出来ているところもある。まさか……米子市でこんなに混むなんて珍しくないか?

 

「あ!」

私は手帳を取り出した。

 

「え~っと……そうか、やっぱり今日は連休か!」

 

「連休?」

電チャンが聞いてくる。

 

「ああ、普通に働いている人は暦に従ってお休みがあるんだけど、ときどきそれが連続する日があるんだ」

 

「そうなのですか」

そう言いながら電チャンは車を走らせる。私は腕を組んだ。いくら地方都市でも連休は混むんだな。これは迂闊(うかつ)だった。

 

私は何気なく車外を見た。

すれ違う車のナンバーを良く見たら、その多くは県外車だ。そっか~都会に出ている人なら車は必須だし、お金もあるだろう。そういう人たちが帰省すれば家族揃ってファミレスに行くのが定番なんだろう。

 

「へぇ~静岡とか……千葉からも来ているんだ」

秋雲は県外ナンバーに興味深々だな。

 

しかし私も鎮守府に居るとカレンダーの休日は見ないから分からなかった。それに最近までずっとブルネイに行っていたから、なおさら暦の感覚がズレている。

私が悶々している間に車はドンドン市街地を抜けて米子市の南部へ。郊外の田園地帯が広がり大山がくっきりと見えてきた。

 

<< 郊外:ホームセンター >>

 

車内は誰も黙っていた……秋雲以外。もし彼女が居なかったらちょっと気まずかっただろう。

 

「緑だ~田園地帯だぁ~良い色だなあ」

あっけらかんとした秋雲の率直な感想だ。やっぱりこの艦娘は都会っ子だから、この程度の自然でも珍しいのかな?でもそうだよな~艦娘にとっては海なんてどこでも変わり映えしないけど陸(おか)は違う。地域差が大きい。

 

「いいなあ~自然は……緑も良いな」

さっきから呟き続ける秋雲。この艦娘は根っからの芸術家なんだろう。でも感嘆した後、必ず小声で「ちっきしょ~」とか言うのはやめて欲しい。まるでこちらが悪いような気分になってくる。そんなにスケッチブックが欲しいのかい。

 

そのうちフッと右手に大きなホームセンターが見えてきた。そうか、こういう店なら、簡単なスケッチブックとか文具も売っているだろう。よしこの際だ!秋雲には、お前の明るさに免じて私が道具を買ってやろう。

 

私は直ぐに指示を出した。

「電チャン、右手のあの大きなお店に入ろう」

 

「はい……なのです」

ちょうど対向車も切れていたので電チャンは直ぐにハンドルを右に切る。車は細い道から斜めに入る感じで、お店の駐車場に入った。

 

「どうかされたのですか?」

不思議そうな顔をして電チャンが聞いてくる。それは寛代も同じ。

 

「うん、買い物……」

続けて私は秋雲に言う。

 

「おい秋雲、スケッチブックでも画材でも何でも買ってやるから一緒に行こう」

 

「は、はぁ?」

彼女は目を丸くしている。意外だろうな、司令官からそんなコト言われるなんて滅多に無いだろうから。

 

「良いから、早く降りろ」

 

「はい」

私は秋雲を促して車を降りる。

 

「お前たちも何か、適当なものが欲しかったら買っても良いぞ」

 

「は、はいなのです」

 

「……」

驚く電チャンに無言の寛代。この二人は相変わらずだが。

 

私たちはお店の入口にある植木コーナーを過ぎてから店内へ入る。ここは基本、工具しか売ってないから果たして電チャンや寛代が欲しがるモノがあるとは思えないが。

 

でも後から大山に行くから、何が変わったものが要るかな?私はそんなことを考えていた。

 

<< ホームセンター:店内 >>

 

ちょっと店内を回ると直ぐに簡単な文具コーナーを見つけた。スケッチブックも画材も売っていた。電チャンや寛代はジュースや簡単なお菓子を買おうとしていたので、それはまとめて私が買うことにした。後は紙コップか……まるで遠足だな。

 

店内のお客さんたちは時おり私たちをチラ見している。そりゃ艦娘だけならまだしも私は海軍の制服だからな。とりあえず美保鎮守府の兵隊なんだな……くらいは分かるだろうけど郊外のホームセンターにはちょっと違和感のある集団だ。

 

「だいたい良いかな?」

秋雲はスケッチブックと文具類。電チャンはとりあえず無し。意外だったのは……

 

「なんだ寛代?」

見ると寛代も秋雲ほどではないが、小ぶりのスケッチブックを持っている。

 

「お前も……欲しいのか?」

コクリとうなづく寛代。へえ~と思ったが、まあ帳面なんて安いものだ。

 

そこで私は、もう2冊ほど余分にスケッチブックと鉛筆などを買った。

買い物カゴには大小のスケッチブックに文具類、それにペットボトルのジュースと紙コップとおやつ類……やっぱり遠足だよな。いやこれは写生大会か。

 

電チャンも私のカゴを不思議そうに見ている。まあ彼女たちも軍人としての私しか普段、見ていないからな。特に今日のメンバーはブルネイにも行っていないから、なおさら私の行動は不可解なものに見えるだろう。

 

うん、私も自分でよく分かっていない。とりあえず昼食を食べて大山に上がるということしか考えていないんだから……。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。
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