「艦娘グラフティ4」(第8部)「執務室の午後」   作:しろっこ

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駆逐艦からの謎の質問に辟易する提督だったが、驚くことはそれだけではなかった。


第9話<なぜ?そこに大山>(改)

「いつも海ばかり見ていてはいけません」

 

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「艦娘グラフティ4」「執務室の午後」(みほ8ん)

:第9話<なぜ?そこに大山>(改)

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<< 蕎麦屋:なぜそこに大山>>

 

「でも、やっぱり大山って大きいのです」

メニュー地獄から逃れた電チャンは再び窓際にひじを乗せて大山を見ている。クールな寛代も同じく大山を見ている。ところが通路側に居る秋雲は、その後ろからサラサラと大山のスケッチを始めている。ホントに絵を描くのが好きなんだな。

 

電チャンは窓の外を見ながら独り言のように呟く。

「不思議ですね~。何で山ってあんなに盛り上がっているのでしょうか?」

 

「そうだねえ~考えてみたら不思議だよね。アタシたちはいっつも海しか見てないからね~」

下を見ながらも電チャンに同意している秋雲だった。

 

二人のその質問には到底答えられない私だった。もっとも彼女たちは別にその回答を求めているわけではないらしい。

 

そんな艦娘たちの姿を見ていると結局、人間も艦娘も海や山のような雄大な自然を前にすれば小さい悩みなんか消えてしまうのだろう。私も大山や日本海のように艦娘たちを大きく包み込める指揮官になれるだろうか?と考えてしまった。

 

「ん?」

せっかく雄大な気持ちに浸っていたのに私の横に居る寛代が少しニヤニヤしながら私を小突く。

 

私は小声で問いかける。

「おい、まさか電チャンの疑問に答えろってか?」

 

クールにうなづく寛代。アホか?何で海軍の兵隊がそんなこと知ってなきゃいけないんだ?無視しようと思ったけど寛代もしつこく突いてくる。そんな私たちのやり取り気にづいたのか電チャンが遠慮がちにこちらをチラ見するが、もともと彼女も本気で質問の答えを求めていないだろう?秋雲はずっとスケッチブックで鉛筆を走らせているし。

 

寛代は尚も不敵な笑みを浮かべつつ私のひざを何度も小突く。しつこいな!答えれば良いんだろう!私は改まって座り直した。その雰囲気を察したのか電チャンも座り直してこちらを向く。秋雲は作業中。

 

「え~っと」

私の言葉に固唾を呑んで待ち構える電チャン。言えるモノなら言ってみろ!……的に見ている寛代。クールなその雰囲気は母親そっくりだな……ったく。

 

<< 蕎麦屋:授業の思い出 >>

 

その時私はふと兵学校時代に指導を受けた教官の話を思い出した。当時としても珍しい女性教官で厳しい面と母親のような包容力の大きさを兼ね備えた立派な人だった。彼女がある作戦立案の授業の中で雑談的に日本の名峰と呼ばれる山について語っていたことを思い出したのだ。

 

「海軍には必要ないことかもしれませんが覚えて置いて損は無いでしょう。古来より霊山と呼ばれる名峰は、無意味に盛り上がっているわけではありません。山にも理由があり、その土地に必要だからそびえ立っているのです。特に霊山には”気”と呼ばれる品位の高いエネルギーに満ちています。

だから古(いにしえ)よりその山にて修験者が修養する事が多い多いはずです。我々海軍も、いつも海ばかり見ていてはいけません。海に流れ込む水を育むのは山であり森です。我々は時にはそういった名峰へ登って”気”を受けることも必要です。特に作戦を単に外面的な知識だけで立案してはなりません。その土地その海域における”気”の流れを感じ、また現在だけでなく過去から未来まで含めて包括的に立案すべきです。その想定した内容の深さが敵のそれより深い場合、我々は勝利することが出来ます。だから作戦参謀は瞑想を欠かしてはならないのです」

 

あれ?意外と覚えているものだな。でもこれを全部言うとこの艦娘たちはぶっ飛ぶだろうな。私は改めてブルネイの演説のことを思い出した。そうだ。必要なことをポイント的に言えば相手に十分伝わるよな。

 

「あの大山は昔から霊山と呼ばれて多くの修験者や僧侶が研鑽を重ねた土地だ。霊的に清く鋭い場所だ。もともと平らな土地にそういった高いエネルギーが集まった結果ああいう目に見える形に大きくなったものだ」

 

うーむ、これでも十分に難しいと思った。でも意外に電チャンも寛代も、さほど驚いていない。むしろ「なるほどそうか」といった感じでうなづき感心している。まあ私も受け売りだけどね。

 

電チャンが吹雪のように瞳をキラキラさせて言う。

「そうなのですね、今日は司令と一緒に、”瞑想”と”気”を受けに大山へ上がるのですね」

 

「あ、ああ」

そこまで考えて居なかったけど、そういうことにしておこう。

 

「へぇ~”気”かぁ~。分かるなあ~」

作業をしながら秋雲は呟く。耳だけはこっち向いてるんだな。

 

「お待ちどう様でした~」

その時、店員さんが私たちの席へ注文していたメニューを持ってきた。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも整備したいけど~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ8ん」とは
「美保鎮守府:第八部」の略称です。
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