うん。こちらは3ヶ月ぶりの投稿とかふざけてますね。すみません
てか、テスト前になにをしているのか
一週間後、私はまた御鎖護神社にいた。あれからここには来てない。何故って、私はまだ幼児で幼稚園生だ。近所とはいえ一人で夕方以降出歩くなんて許されるわけがない。本当に行動しづらいことこの上ない。
この一週間で私は色々と考えた。
まず神主が話してくれた神社のこと。ロホクという旅人が訪れて布教していったのが最初のきっかけらしい。そして今まで知名度がとても低かったが故になぜか今まで存続している。ならば何故、前世で友人が氏子の一族であった御崎神社の方が知名度も規模も上なのに祭りの名前は“ミサゴ祭”なのか。本来ならばより知名度のある方が祭の名称としては相応しいのではないか。
次に導きの神が教えてくれた世界、紅世のこと。私にはいまいちどこにあるかは分からなかったが、この世とは違うどこかにある、世界であること。そこに棲む“紅世の徒”と呼ばれる存在はこちらの世界に各々の理由で居着き、この世の人間の“存在の力”を喰らって生きていて、存在の力を喰われた人は存在自体がこの世から消えてなくなること。
それを聞いてふと思い出したことがあった。記憶がふと消えた大量の人々。老若男女問わず無差別で現れた謎の症状。通称“御崎市症候群”。そして、あの妙に心に響く“声”。なぜかは分からない。根拠も何もない。でも、なんとなく関係がある気がする。本当に不可思議で意味不明な事件。
まあ何にせよ、まだ10年以上先のことだ。それに前世で起こったことでも、今世で起こる保障はない。
とりあえず情報の不足は否めない。前回も向こうが一旦黙り込んでしまって、門限も近付いて帰ってしまった。だからとは言わないが恐らく紅世についての知識も中途半端である。あの話が本当に嘘っぱちでない保障はない。しかし、もしも嘘っぱちだったとしても、むしろあれがただの設定なのなら尚更聞きたい。そう思う。
そんな考えも胸に秘め、鳥居をくぐる。
「こんにちは、お嬢ちゃん。今日も1人かい?」
「こんにちは、おじさん。はい!1人です」
境内を掃除していた神主のおじさんに話しかけられる。
「正月でもないのにこんな寂れた神社に来るなんてお嬢ちゃんも物好きだね」
「うん。この神社のことについてもっと知りたくて」
そう答える。
嘘ではない。この神社に対する興味はまだ尽きていない。
「へえ、それはますます物好きだ。で、何について知りたいんだい?」
「この神社が何で誰もいないのか!」
この神社のことについて、目下一番の疑問を答える。前回、人がいない理由を聞いたが、納得までは行かなかった。
「へえ、それはまたなんでだい?」
恐らく彼は核心部分を話していない。だから問いかけた。
「ミサゴ祭りの名前の由来でしょ?この神社。今は御崎神社の方が有名だけど、ミサゴ神社もそれなりの勢力を持ってたんじゃないかなー?なんて思ったんだ。」
「うん。鋭いね、嬢ちゃん。本当にこどもかい?」
おじさんは目を驚きながら言う。
身体年齢は5歳の子供です。一応。
…………。うん。何というか………。
前回に引き続き、現実は小説よりも奇なりって言葉の意味を思い知らされた。というよりも、この伝承自体が作り物臭い。でも、紅世の話も含めて総じて作り物臭いのだから少しは信じてもいいのだろうか……。
ロホクとやら(あの神曰わくロフォカレという徒らしいが)がこの地に来る数年前まで、この神社のある土地には大きな池が有ったらしい。その池は昔高名な陰陽師が怪異を鎖で封印し、その土地を守る祠を建てたとかいう曰く付きの土地であったという。しかしある日、一夜にしてその池は姿を消して丘陵地ができていた。
そんな奇怪な出来事に当時の住人たちは大騒ぎを起こし、やれ天からのお告げだの、やれ怪異の祟りだの、やれ罰だのと、とにかく荒れに荒れたらしい。
その騒ぎは数年経っても収まらず、ロホクがきてそれまで誰も立ち入ろうとしなかった丘陵地へ入って、この土地にはなにもないこと、もしそれでも心配ならここで祭祀を挙げるようにと進言するまで続いたという。
その恩からロホクの信じる神を池に封じられたという怪異と共に祀ったのだという。
それから数百年、御鎖護神社が多くの人から忘れられるようになっても毎年祭祀は執り行われ、今のミサゴ祭りに至るということだ。
それを聞いて、ロフォカレさんは何をやっているのだろうかと呆れるほかなかった。彼も紅世の徒の筈なのに何故か人間の騒ぎを収めて自分が崇拝する神を神社に祀らせるとは。まだ姿形も見たこともないはずなのに、色々と紅世の徒のイメージが壊れていく様な気がする。