夢だったかもしれない幻想入り   作:歌 華

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キャラ崩壊覚悟前提で見てくださると助かります。


#2 衣玖の素性

 翌日、俺はいつも通りの時間に起床し、学校に行く支度をした。何故かというと、ただ単に忘れていたって言う訳ではなくて、昨日のことは嘘だ気のせいだと信じていたのだ。

 

 窓から外を見たけど、あれはただ霧が濃いだけだと思っていた。

 

 しかし外に出ると太陽サンサンの真っ青な空、静かで何も聞こえない。

 

 そう、気のせいでも何でもなかった。本当に天界という所に俺はいた。

 

 

 家に帰って早々、天子という奴に「何その格好」と笑われたのも、今となってはいい思い出。だがこの時はすっげえムカついてた。知らねぇ奴に笑われるってムカつくだろ?

 

 そしてここで俺、昨日の2人のことを思い出す。天子と衣玖だ。

 

 で、何故俺がここにいて、何故あの2人が家に平然と入ってこれたのかという事から考えなければならない。

 

 よくよく考えたら、このマンションごと天界に移っちゃってるんだよなぁ。隣人とかどんな反応してるんだろうな。

 

 というか、マンションの筈なのに人っ子ひとりいない。全部空き部屋なんじゃないかってくらい。

 

 よく異世界に飛ばされることで有名な中庭にも、誰一人いなかった。

 

 てことは、人間は俺だけということになる。こりゃ死んだなって思った。(人間と天人の違いってなんぞや?)

 

 

 

 

 折角だし、天子とかいう奴に話しかけてみた。

 

「なぁ、天子?だっけ?」

 

 天子が、えっ みたいな感じな目で俺を見てきた。

 

「な、何?あとさ、お母様でしょ?」

 

 コイツの言ってることがわからなかった。なんでお前にお母様と呼ばねばねらんのだ。

 

「ほら、言い直し」

 

 死ね。うざいすぎる。

 

「お・・・かーさま、あーやだやだ」

 

 正直気持ち悪かった。親にしては若すぎて、見た目がクソ痛い女にお母様と呼ばないといけないなんて反吐がでそう。

 

「ねー衣玖ー!コイツが反抗期になっちゃったよー!」

 

 ・・・ごめんなさい、衣玖さん。コイツのせいでとんでもないご迷惑を

 

 

「いきなりどうされましたか?」

 

 ・・・何故か俺の方を向く衣玖さん。おかしいのはどう考えてもこいつだろ。

 

「比那名居天子だっけ?になんで俺がお母様なんて呼ばなきゃならんの?」

 

「それは・・・この方が、貴方の母親だからです」

 

「違うわ!ぜってー俺の母ちゃんじゃねぇ!」

 

 俺の母ちゃんは一体どうした!?失踪でもしたのか!?

 

 すると衣玖は俺にこう耳打ちした。

 

 

「お母さんでなくても、今はそういう事にしておいてください」

 

 

 はぁ?ってなって、頷くくらいしか何も出来なかった。

 

 もうちょっと落ち着いていれば、なんで?って聞けたんじゃないかね。

 

 あ、いやごめん。この時なんで?って聞いたような覚えがある。

 

 そんで天子がこう言った。

 

「偉大なる私の立場がわかっていないのねぇ。これだから人間は」

 

「うっせ黙れ」

 

 怒りが頂点に立ちそうだったから、俺は自室に篭ることにした。

 

 ったく。この辺にコンビニすらねえとか、何なんだよここ。

 

 つまんねー。

 

 

 

 

 その日の夜。

 

「今夜私と一緒に付き合いませんか」と衣玖さんから誘ってきたので、俺は適当にOKした。多分恋愛の方ではなかったと思う。

 

 

 俺らはリビングへ移動し、衣玖さんは冷蔵庫から缶ビールを取り出した。うちの親はそんなもの飲まないはずなのだが、どうしてここにあるんだろうか。

 

 しかし、衣玖さんは缶ビールを出したっきり、何故か開けないで缶をジロジロ見ている。

 

 どうしたんだと聞いてみたら、衣玖さんなんて言ったと思う?

 

 

「これの開け方がわかりません」

 

 ここが現代で、それに俺がコイツを知ってなければ笑い者にして馬鹿にしてたと思う。

 

 だって大の大人が缶の開け方を知らないなんて、馬鹿じゃねぇのって思うに決まってる。

 

 だがここは現代ではなくて天界にあるわけで、コンビニも道路も人もいないこの世界で缶の開け方を知らない奴がいるのは承知の上だ。

 

 だからしょうがなく開け方を教えてやったよ。プルタブがあるのになんでその事に気づかんのかねぇ。

 

 んでカシュって開けたらシュワ~ッて泡が出てさ、衣玖さんビックリ。ほんで俺は、しばらくしてコイツの愚痴を聞かされることになったんだわ。

 

 

 

「あ~~~疲れだぁぁぁぁぁ...」

 

「へ?」

 

 正直ビックリしたわ、真面目で大人しそうな奴が、テーブルに突っ伏して疲れたぁぁなんて言うんだもん。

 

「貴方も疲れませんかぁ?総領娘様といると・・・」

 

「ま、確かに疲れる・・・」

 

「でしょう!?ほんっと、あの方の自由さに、私・・・泣きそうですわ」

 

「な、泣くほど辛いの?」

 

「そーうよぉ。なら私と代わってやってみる?」

 

「いや遠慮します」

 

「何よぉ釣れないわねぇぇ・・・」

 

 そんなんで釣らないで。

 

 つか、ここ俺の家で天子が親のベッドで今寝てる・・・。このまま衣玖さんを放っておいたら、あまりの大音声であいつの目が覚めてしまうんじゃないかと思った。

 

 しかし衣玖さん曰く「あの方はそんな簡単に目は覚めない」らしい。

 

「てかお前って妖怪なんだっけ。なんつー名前だったっけ?」

 

「はい、私は妖怪れすよ。リュウグウろツカイという妖怪です」

 

 うわーーーーラリってる!!!れるらす口調になってるううう!!

 

「・・・普段何してんの、妖怪って」

 

 本当に妖怪なのか?どこからどう見ても人にしか見えないが・・・。

 

「妖怪っても、私達は総領娘様の面倒・・・を見たり、地震が起こることを下の人間達に伝えたりするだけです」

 

 下?下にも世界があるのか。まぁそりゃ、ここが天界だからか?

 

 総領娘様って誰だろ。

 

 衣玖は酒をちょびちょびと飲み込む。相当濃度が濃いのだろうか。

 

「そういえば・・・貴方はさっきまで何をしていたのお?おかげで総領娘様がカンカンでいらしてましたわよ」

 

 コイツにゲームという言葉は通じるのか?でもまあ一応、1人で遊んでたとコイツに伝えた。

 

「こんな狭い部屋の中、ずっと1人で遊んでたの?」

 

「狭くて悪かったな。元々ここは1人で住むもんなの」

 

 俺の家は、2LDKとかいう普通の部屋だ。1人で住むとことか言ったけど、最低2,3人は住めるはずだ。

 

 でもやっぱりここは1人で住むのに向いてる。一人暮らしには持ってこいな部屋並みである。

 

「1人で・・・ですか?」

 

「ん、なんか引っかかることでもあんの?」

 

「いえ、別に・・・」

 

 

 

 この日は確かそんな会話をした気がする。一部違ってたかも知れねえけどさ、俺って記憶力が良いだのよく言われるから多分間違ってはいない。

 

 んじゃ、今回はこの辺で切り上げるわ。また書き溜めてくる。




いい加減1日1日を細かく書いてしまう癖を治しておかないとな...
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