夢だったかもしれない幻想入り   作:歌 華

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前回の続きです。


#5 迎え幻想郷

宴会という単語を聞くと、酒が飲めない俺にとっては嫌なイメージでしかない。

 

なぜかというと、みんなも多分経験してるだろうアレが嫌なのである。

例えば自分のおじいちゃんとかが80歳になったときに、何かお祝い的な事をするだろ?そういう、パーティもとい宴会のどんちゃん騒ぎの中、ただ一人ぽつんと黙って座り込んで終わりを待つのが大嫌いなのだ。

 

だったら自分から話に乗ればいいじゃないか、と思う。しかし相手は親以外全員知らない人なことがよくある。それでいて、その知らない人は知らない人同士仲が良い。

 

自分から話すことや知ってる話題も全然なく、相手から聞かれた事をただ答え、ひたすら何かを食べるしかやることが無い地獄、誰もが一度は体験しているであろう。

 

それは例え異世界であっても現実世界と変わることはなかった。何故なら、実際に現地で俺が経験したのだから。

 

 

 

 

 

「珍しいの連れてきたわね、天子」

 

「ここに男とは、やるじゃないか天人も」

 

赤いやつと黒帽のやつが言う。

 

この2人はあれだ、東方?というやつのキャラクターだ。他に、ゆっくりといえばこいつらだ。この2人がゆっくりの元だからな。因みに俺は東方に関する知識はこれぐらいしかないから許しておくれ。

 

 

「暇そうにしてたから、連れてきてあげたのよ」

 

 

何が暇そうだ。ふざけんじゃねーよ!こういうのは例え親友であっても絶対に行きたくなかったのに!!

 

 

「暇そうって・・・まぁあんたらも宴会準備やってよね」

 

よくわからないが、名前が確か赤いのが博麗霊夢で、黒帽が霧雨魔理沙というやつだ。

 

あ、今の台詞は霊夢の方ね。魔理沙はこんな口調じゃなくて「~だぜ」とか、その辺のどこにでもいそうな女の口調まんまだった気がする。

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

「そんじゃ、まず始めにみんなで自己紹介をしてもらうわよ」

 

「なんで?」「なんでだ?」「何故ですか?」

 

「この馬鹿天人が知らない男を連れてきてるからよ」

 

 

霊夢のこの一言によって、この中にいる天子らを含む10人くらいの女性が集中して俺を見てきた。

 

みろ、だから行きたくなかったんだ。そもそも俺は行きたいとは言ってないのだが・・・。

 

「じゃあまず、この男からね」

 

周りがしーんと静まり返り、相変わらず皆は俺を見ていた。その中で、俺はこう言ったのである。

 

「天子?に無理矢理連れてこられた、ただの人間です。適当に祐介とでもお呼びください」

 

こう言った瞬間、天子から「無理矢理ってどういう事よ!」と文句が飛んできた。

 

次の人、と霊夢が言い、今度は天子が皆の前に立った。

 

話すと長くなるから省略するが、一応名前だけは言う。

 

天子

衣玖

霊夢

魔理沙

萃香(頭に変なのつけてる奴)

レミリア(背中に羽がついてた)

咲夜(ガチのメイド)

パチュリー

アリス(寂しがり屋なのか、人形を持ってた)

妖夢(周りに白い何かがうろうろしてて気持ち悪かった)

幽々子(同上)

紫(礼儀正しい)

藍(紫の式神)

あや(文と書くらしい)

 

以上の奴がここにいた。

まぁなんとも、こいつらも東方っていうキャラなのか?よくわからんが、後で調べてみる。

 

そんで話を進める。

 

「そんじゃ、乾杯」

 

霊夢の一言で神社全体に乾杯という言葉が響きわたり、それぞれコップ(名前なんだっけ)をぶつけあった。

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、周りの奴らはベロンベロンに酔い始め、正常でいる奴は俺含めて衣玖とか咲夜ぐらいしかいなかった。

 

宴会というのは、帰りたくても帰れないという地獄の一種でもあるのだ。当然ここには知り合いはおらず、全員知らない女である。もうこれは宴会じゃなくて女子会なんじゃないか?とさえ思った。

 

そんな時であった。

突如霊夢から、こんな提案が出てきた。

 

「本日のお楽しみ、肝試し!始めましょうか」

 

まぁ、この時は夜だったし夏でもあったのでこんなこともアリなんだろう。

 

「じゃあクジ引いて、赤印が出た人がお化け役ねー」

 

この時、俺がクジ引いた瞬間に霊夢が「あんた誰?部外者は出ていってくれる?」とか言いそうで怖くて、恐る恐るクジを引きに行ったが、特に何も言われず、俺は驚かされ役をすることとなったのだ。

 

すると、隣から「またこの役・・・!もうやだぁ」と絶望に満ちたような顔をした妖夢というやつの声が聞こえた。

 

しばらくして、俺ら驚かされ役はそれぞれの道に分かれ、俺は一人でとぼとぼと真っ暗な獣道を歩いた。時々「ぎゃあああああああ」って叫び声がすると不思議と笑えてくる。

 

・・・さっきから何も起こらないのは何故だろう。やっぱり忘れ去られてるのかな。まぁ当然だわなぁー・・・俺はまだ誰とも会話を交わしていないからね。だってそれぞれ固まってるから話しかけにくいんだもん。

 

そう思ったときだった。

俺は落とし穴にはまり、地下奥深いところぐらいまで落ちてしまった。けど、なんでかケツとかに全然痛みを感じなかった。

 

「うわっ」

 

気がつくと、俺は目と手がたくさんある空間に立っていた。気持ち悪くて吐きそうなほどだ。

 

「こんばんは」

 

後ろから女性の声が聞こえたので、思わず振り向くと、そこには人の手が垂れた何かに座っている八雲紫がいた。

 

「お散歩中ごめんなさいね。ちょっと貴方に用があって、貴方をここに連れてきたの」

 

「そ、そうですか」

 

「で、どう?幻想郷は」

 

「・・・へ?」

 

一体なぜこいつはこんなことを聞くが為にわざわざ俺をここに連れてこさせたのか、まるで意味がわからなかった。

 

「楽しいの?それとも居づらいの?」

 

「居づらいです」

 

当たり前だろ。コンビニもゲーセンもネットも無い世界だなんて誰が好んで行くものか。てか、ここが幻想郷っていう地名だったのはこの時に初めて知った。

 

「・・・そう。あなたにとっては、ここがつまらない所だというのね?」

 

「そうですね」

 

それにここ、女だらけなんだぜ?まるで男がいてはならないような、そんな世界なんだぜ?居づらくてしょうがない。

 

「いいでしょう。そこで貴方のために、満足して幻想郷から帰れるように”鍵穴”を3つ用意しました」

 

 

という感じに、いきなり変な事を言い出すのが八雲紫なのであった。会話はまだ続く。

 

 

「・・・は?あんた何もんだ?あっちでいう総理大臣か何かなの?」

 

「あっち?ああ、”外の世界(あっち)”ね。そうね、そうかもしれないわね」

 

「マジかよ」

 

 

意味は通じてないんだろうけど、なんとなく通じてると思う。

 

 

「ここで言えば、多分そういう立場よ?私。ここじゃとっても偉いんだから。とはいえ、私はただ幻想郷を管理してるだけで、異変の解決とかは霊夢がやってくれてるわよ」

 

 

・・・と、なんとも気味の悪い空間でのうのうと語る八雲紫。趣味が悪そう。

 

 

「異変?なにそれ」

 

「一言で言えば、事件ね」

 

「そうなんだ」

 

「で、話を元に戻すわね。はい、これが鍵よ」

 

さっきコイツは鍵穴を用意したとか言ってたから、多分その鍵のはずだ。

俺は紫にありがとう?と言って、鍵を受け取った。

 

そしてまた俺は落ちる感覚に襲われ、気を失った。

 

落とされる直前に八雲紫はこう言ったんだよ・・・

 

「幻想郷へようこそ。それではよい旅を」

 

って。

 

ここから2週間くらい、俺の旅が始まったんだ。変な能力と変な知識を持ってね。

 

 

 




能力名は後の話に言います。言うとネタバレするんで。
それではまた次回~
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