東方日常記   作:ぬんちゃくティッシュ

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☆東方project二次、三次創作です


東方異食殿

───幻想郷、地底の旧地獄街──

 

「はぁ…もう行きたくないですよぅ…」

 

明らかに嫌と言う感情を露にする文。その隣も浮かない顔つきをした魔理沙と、どこかルンルンなお空が旧地獄街を歩いている。何しに来たかと言うと、王様ゲームの命令の執行である。

 

「お前はまだ良い方だぜ?私なんかまだ永琳の実験が残ってるんだぜ?本当に気が滅入るわ…」

 

「いやぁでも二人が来てくれて助かるよ!二人とも何かと料理できそうだし!」

 

「まぁ、私もネタを追わない時は自宅で料理しますし」

 

「私はキノコ料理一途だぜ♪」

 

「それでね、二人には味の感想と、さとり様に料理の指導をお願いしたいんだ!」

 

「とは言いますけど、本当に不味いんでしょうか?私でさえ聞いたことないですよ?良ければ記事にさせていただきますけど…」

 

「結局はおっちょこちょいでいつも何か入れ間違えるとか、そんなものだろ?食えって言われたら食ってやるぜ?これでも私はキノコ料理の研究で失敗したら不味い物でも食べるからな」

 

「むぅ…!二人はさとり様の料理を知らないからそんなこと言えるんだよ!あの勇儀姐さんが一発K.O.したんだよ!」

 

「だったら、勇儀のやつの胃袋は以外とヤワなんだろうよ」

 

「むぅ…」

 

「何か聞かない声がすると思ったら、お前たちだったのかい?」

 

他愛もない話をしながら旧地獄街を歩いていると、川を掛ける橋で酒を飲んでいる勇儀姐さんに話しかけられた。噂をすればなんとやら…であるな。

 

「あ、勇儀姐さん!」

 

「久し振りだな、勇儀」

 

「お久しぶりです!」

 

「本当に久しいねぇ。最近あんたや霊夢のような骨のある人間が来なくなったから退屈だったんだ。良ければ、ちょっと遊んでいってくれないかい?」

 

「悪いが、ちょっと私たち用があって、とても遊ぶ気にはなれないぜ」

 

「用?用ってなんだい?」

 

「いやぁ…奥の地霊殿になんですけどね」

 

「ん?地霊殿か。珍しいもんだねぇ、何しに行くんだい?」

 

「さとりさんの料理を食べに行くんですけど…」

 

「……」

 

「そうだ!勇儀姐さんも一緒に行こーよ!」

 

「そうだな。料理はたくさんで食べる方が(道連れは多い方が)良いからな!…と言うことだ、勇儀も来ねぇか?」

 

「…あいつの料理だけは…ゴメンだ…」

 

気づけば勇儀姐さんは数百メートルも離れて逃げていた。

 

「(ビビってる…あの勇儀が…)(恐れてる…あの姐さんが…)」

 

「あ…あいつの料理は思い出したくもねぇ。あんなもの食いに行くなんて正気の沙汰じゃねぇぞあんたら…」

 

「おいおい、どうしたってんだ?料理ひとつで何ビビってんだ?」

 

「そうとうトラウマになっているようですが…」

 

「あ、思い出した!勇儀姐さん、以前さとり様の料理を食べて依頼、『さとり様』と『料理』と言う二つのワードが同時に出ると拒絶反応を起こすようになったんだ!」

 

「マジでアイツに何があったし!」

 

「あ、そうだ姐さん!一緒にさとり様の料理を早食いしよ…」

 

「絶対に行かねぇ!絶対に食わねぇ!」

 

「本当に何があったよ!」

 

 

───地霊殿───

 

「まぁ、勇儀のあんな反応を見れただけでも、来た意味があった気がするぜ」

 

「付き合い長い私でも姐さんのあんな所初めて見ました」

 

「やぁ、いらっしゃい二人とも!遠くからわざわざありがとうね!」

 

出迎えてくれたのは、当地霊殿のペットであるお燐。まぁ、従者でもあるわけだから、お迎えは当然だ。が、気になるのは、不自然にまでニヤけついた顔。

 

「お前随分と嬉しそうだな」

 

「ぇ?そんな…二人が私たちの代わりに犠牲になってくれるから嬉しすぎて笑いが止まらないなんて絶対ないよー」

 

「もはや本音駄々漏れじゃないですか…」

 

「だったら、お前も食ってもらおうか?さとりの料理を。従者なんだったら食べるのは当たり前だよな?」

 

すると、お燐は何かに覚醒したかのように浮いて…。

 

「ぜぇーっっったいお断りだね!!」

 

「おぉ、勇儀より良いリアクションだ」

 

「お燐の方がヤバイの。さとり様に味見をせがまれて無理矢理作り笑顔を浮かべながら食べてチーンってなったことが何回もあるの」

 

「残酷な世界なんですね」

 

「お燐も協力してよー。もうさとり様の料理に終止符を打とうよ」

 

「そしてまたあの阿鼻叫喚の巷を目に焼き付けようってのかい!?他の子達だってそうさ!みんな食べて逝っちゃったじゃないか!」

 

「確かにまだ意識戻ってない子もいるけど…」

 

「戻ってねぇの!?」

 

「魔理沙さん…これって、味見して料理を教えるだけですよね…?」

 

「いや…いつのまにか地霊殿を救う話にねじ曲げられてる気がする」

 

 

…そして何だかんだとあって、大客間に案内された二人。もう危険はそこまで迫っているのだ。

 

「お久しぶりです、二人とも。今日はわざわざ遠くから私の料理を食べにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。嬉しい限りですわ」

 

地霊殿の主である古明地さとりが二人をもてなす。ちなみにお空は席を外している。どこで何をしているか、知る由もないが…。

 

「では、早速ですが、お料理をお持ちします。少々お待ちください」

 

すると、扉が開いて、お空が二人分の料理を持ってきた。

 

「あらお空。あなたも遠くから歩いて疲れたでしょう?ゆっくりしてなさい」

 

「いいいいいえ!飛んでもございませんさとり様!お客さまがおられる時くらいは料理くらい!」

 

「そう、なら冷めないうちにお二方にお出しして」

 

と、二人の前に並べられた蓋付きの皿。この中になが入っているのか、この二人はまだ知るときではない。ちなみにお空は食べないのかと言うと、一応命令の執行対象ではないため、さとりになんとか誤魔化しを入れてやり過ごしたようだ。

 

「では、どうぞ召し上がってください」

 

「頑張って!二人とも!」

 

小声でお空が応援しているのを横目に見ながら、蓋をパカッと開けてみる。そこには…。

 

「「……!!」」

 

全体的に青く妖しく光とオーラを放つ禍々しいルウらしきものとごはんが、お皿の上に乗せられ、今にも二人に食べられるスタンバイをしている。

 

「(何なんだよこれ!何なんだこの物体は!?)」

 

「(ヤバイ…何がヤバイって全体的にヤバイ!)」

 

「他の人にお出しするのは初めてなんですけどうまく出来てるでしょうか私のシチュー」

 

「「(シチューーーーーー!!!???)」」

 

「(ぇ?これシチューだったんですか!?確かに何かルウとごはんらしきものがあったと思ったけど…私の知ってるシチューじゃありません!)」

 

「(何で注ぐだけのごはんが変色するんだよ!どれだけ負もオーラを漂わしてるんだこのシチュー!大体何で出来もしないのにいきなりシチューなんて難しいものを作ったんだ!?…うっ、吐き気が…)」

 

「わーおいしそーですねーさとりさまのりょーりー」

 

「(おいお空の奴目が死んだままこの暗黒物質を誉めてんぞ!)」

 

「わ…私はこんな暗黒物質の親戚なんか食べたくないぞ!」

 

「私だってこの物体を体内に入れるのはゴメンですよ!」

 

そのころ扉の外では…。

 

「(うぅ…行きたくない、行きたくないけど、親友を置いてなんか嫌だ!)」

 

お燐が決断に揺れていた。

 

「でも、これで終わりにしないと!」

 

そして、勢いよく部屋に飛び入って…。

 

「うおお!さとり様!さとり様の料理についてお話したいことが!」

 

「あら?お燐、お客さまが居られるのよ?静かになさい。そうだ、お燐にも味見をしてもらいたいわ。お空、あなたの分のもあるから持ってきなさい。そして、みんなで食べて、感想を聞きたいわ」

 

「で…でも…!さとり様…はい!分かりました!」

 

「(少しは反抗しろよ!)」

 

そして、お燐とお空の料理が運ばれて来た。

 

「ゴメンお燐、蘇生薬…今無いんだ」

 

「…まったく!良い人生だった!パクっ!」

 

思いきってパクリとスプーンに乗った一口分のシチューモドキを口にした。するとスプーンを地面に落とし…。

 

「ぐわぁぎぃやぁー!!いやぎゃあぁああぐ…ぐぅぅぅウウウウウううううあああがが…が…あがががががぁぁぁああああ!!…………………………………」

 

「「(間違いない、食ったら終わる…)」

 

「そ…そんな!私…親友をこの手で…」

 

「(お前は悪くない!悪くねぇんだ!)」

 

「(この世界が残酷なだけなんですよ!)」

 

「どうしたのお燐!また喉にでも詰まったの!?」

 

「(お前の料理が原因だよ!)」

 

「(喉に詰まってあんなに絶叫しませんよ!)」

 

そして、二人の絆が1つになった!目的はただ1つ、目の前の暗黒物質を口にせずgood endで終わるためだ!

 

「おいさとり!これはただ単に喉に詰まったとかいう単純なものじゃねぇ!…ん?どうしたんだ?その指の絆創膏…」

 

「あ…これですか?いやぁ、私も頑張ってるお燐やお空にどうにか恩返ししたいと思って、頑張ってるんですけど、どうも上手くいかなくて…ハハハ。お見苦しいものをお見せして申し訳ございません」

 

「(い…言いづらい…)すまん、こう言う話弱いんだ」

 

「えー!さ…さとりさんは心を読む能力を持ってましたよね?それを使えば、彼女たちの声が聞こえるんじゃないですか?」

 

「はい、私のこのサードアイを使えば、相手の考えてることは分かります。分かってしまうんです。このせいで、霊や妖怪から至極嫌われてきました。私自身、それを自覚しています。だから、この能力はあまり使いたくないんです。お空のように喋れるペットがいれば、喋れないペットもいます。私のサードアイは、そんな喋れない子達の為に使っています。なので、今は封じています」

 

「そ…そうなんですか…」

 

絆ももうここまでか…もはや八方塞がりである。

 

「諦めるしかないか…?」

 

「文々。新聞は…不滅です…」

 

こうして、二人は一口、シチューを口にした。するとどうでしょう!口のなかをふんわりと浮かび上がるような柔らかい味わいがなんとも言えない不味さ!!

二人は倒れてしまった。

 

 

「心配になって来ちまった!」

 

勇儀姐さんが心配になって追いかけてたようだ。…だが。

 

「遅かったか…」

 

勇儀姐さんは二人を抱えあげ、永遠亭に運び込まれた。ちなみに、魔理沙は霊夢が来ればそのまま実験に移るらしい。

 

              終わり

 

 

 

 

 

 




さとり特製シチューの作り方(一人分)

牛乳、2カップ
小麦粉、大さじ4
バター、40g
塩、小さじ1/2
溶かしチーズ、お好みの量

まず、この上の4つでホワイトソースを作りましょう。チーズを入れると、更に美味しいかも♪
ホワイトソースと水を少々いれて一煮立ちさせたら、具材を入れていく前に、色々と隠し味を入れていきましょう!
まず、塩味が欲しい貴方!そんなときには濃塩酸を100g入れましょう!そうすれば熱されたルウの中で反応し、塩分が良い具合に出てきます!更にオススメなのが、濃硫酸と濃硝酸を加えて濃塩酸との反応を手助けし、更に熱することでちょうど良い塩分が出てきます!(濃塩酸3+濃硝酸1=王水)
そこで塩味が聞いてクリーミーさが欲しいと言うあなた!そんな時には、地底の門にいるヤマメに頼んで柔らか目の熱に弱い蜘蛛の糸を出してもらって、クリーミーさを出しても良いでしょう!料理は食材のみではありませんからね!
こうして塩味とクリーミーさが良いように煮えたら具材を入れて、愛情をたっぷりとたっぷりと込めて混ぜましょう!するとあら不思議!愛が伝わって青く変色してきたら、シチューの完成です!
注意、料理が終了したらすぐにガラス製の器に注いでください。鍋が溶けてしまいます。



※この料理は魔理沙や文のように特別な訓練を受けた者だから無事だったのです。実際にこの料理を大切な人に出さないでください。

王水の説明
硫酸3に対し、硝酸1で出来る地上最強の強酸液体で、金もいとも簡単に溶かしてしまうと言う液体。当然口に入れると顎から下が無くなることになる。
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