東方日常記   作:ぬんちゃくティッシュ

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☆東方project二次創作です


東方永薬幻

 

───幻想郷、永遠亭───

 

先日の王様ゲームの命令執行のため、永遠亭へ来ている霊夢と魔理沙は、まだ永琳が出先から帰ってきてないからと、客間で待つようにうどんげに言われ、出されたお茶を啜ると共に素直に待っているが、その感情は子供が注射の待合室に居るときのようなものだろう。

因む話、魔理沙はほんの昨日も命令を執行したばかりで、さとりの料理を食べて本来は3ヶ月くらい気を失うところを、永遠亭の蘇生薬で無理矢理意識を叩き起こした。つまり、今の魔理沙は心身共に疲れていると言うことだ。普段の窃盗行為のツケが回ってきたのだろう。因果応報、自業自得という奴だ。

 

「実験薬って媚薬だったんだよな…。うどんげの奴、私たちに媚薬飲ませて何のつもりなんだぜ?」

 

「考えるだけ無駄なことよ。レイマリの百合同人を売ろうって肚だったらどうしてやろうかしら?」

 

「誰得なんだよ…それ」

 

せめて、このマジで重たいこの二人から放たれる負のオーラをどうにかするために会話をし続けているけれど、永琳が一向に姿を現さない。その代わりというのも難があるが、部屋の小窓からこっそりと妖怪兎が覗いている。二人はどうやら気付いていないようだが…。

 

「にひひ…」

 

永遠亭のご長寿兎のてゐであった。

 

「れいせんも最近いたずらに敏感になったから、今日は考えてみたウサ!あのお茶のなかには師匠特製の強力な痺れ薬が入ってるんだ!それで二人が痺れたられいせんは師匠にお仕置きされる。それを写真にでも撮って里の男たちに売ってやろうかな。我ながら完璧な作戦ウサ」

 

相変わらず有り余るいたずら意欲で、お茶に仕込んでたらしい。…が、お茶が出され啜りだしてかれこれ5分は経過したが、二人には何の変化もない。

 

「…あれ?何も起こらない?はぁ…師匠でも失敗するんだねぇ…ちぇっ…つまんないの。。しかし何でいつもこんなに無駄なものばかり作ってるんだろうね、月の頭脳と言われながら、実はやっぱり⑨なのかね」

 

「その無駄な物は貴方をなぶり殺すためよ…?」

 

口は災いの元、この諺は良く言ったものだ。バカにしているときに限って、永琳が背後にいたりする。

 

「………い、いやあぁ冗談ですって…ひにゃあああああぁぁぁぁ!」

 

「…?今何か聞こえなかった?」

 

「私は何も聞こえなかったぜ?」

 

「そう…」

 

そして運命の時は刻々と近づいて、とうとう永琳が新薬である媚薬の準備が出来てしまった。

 

 

─side 博麗霊夢─

 

マズイ…これはすごくマズイ展開だわ…!幽香のマジギレを目の前にする並みにヤバイかも…。いや…!ここはそんな幽香を幾度とやり過ごした私なら、こんな展開を抜け出すなんて造作もない事。そうよ、落ち着いて事態を整理するのよ!どうにかしてバッドエンド直行を防がないと!

そのためには…まず一番邪魔なのは隣にいる魔理沙ね。私が言うのもあれだけど、魔理沙ってすこぶるゲスくて口が軽いから論的な協力では本当に要らない存在。うまく話を持っていって魔理沙にも永琳にも自然に感じ取られるようなゲームメイクをしなくては…!まず…。

 

「永琳、それって本当に媚薬かしら?」

 

まず話のきっかけを無理矢理でも作らないと、流れのままでバッドエンドだわ。どんな内容でも…とは言えないけど、長続き…もとい相手に心理的攻撃で薬を飲まなくするのよ。

 

「どう言うことかしら?」

 

「その薬は、本当に媚薬としてあって良いものなのかしら?」

 

自分でも何を言っているのか良くわからないが、きっかけを無理矢理でも広げて諭さないとならない。難しい話になると魔理沙は口を挟まなくなるからありがたい。

 

「媚薬は、そもそも人に喜びを与えられるものなの?薬と言うものは、悪い症状を治すのを手助けする、言わば道具よ。決して何かを発起させるための物では無いと思うのよ」

 

何か随分偉そうなこといっているが、もうこの際関係ないだろう。永琳はどう思ってるのか分からないが、もうとにかく諭すしかない。幽香みたいに脳筋バカとは違って話が分かる人だから、並大抵の誤魔化しは無理だろうから、ボロが出ないように慎重に言葉を選ばないと。

 

「つまり、何が言いたいわけ?私の薬をバカにしてるのかしら?」

 

「いいえ、永琳の薬は全能とも言える神の領域よ。だけど、その神の領域を不純な用途が侵してるように見えてね。せっかく実力があるのに、性犯罪を助長するような薬を生み出すのは、どうなのかしら」

 

「……。あなた、さっき薬は悪い症状を治すのを手助けする物と言ったわね」

 

「言ったわ。その通りじゃない」

 

「そうよ。あなたが言うことは正しい。薬は身体の健康を脅かす物の治癒補助をし、また健康を犯しかねない物を寄せ付けない役目もある。媚薬は薬師からすれば邪道ね。でも…」

 

さすがは永琳…一筋縄では説得は上手くいかないか、分かってたけど。

 

「私には関係ないわ!!」

 

えええええええーーーーーーー!!?この空気で吹っ切れ発言をしちゃいますか永琳さん!!

 

「私に正論での説得は有効と思ったみたいだけど、残念でした♪私は地上で穢れまくったからもう良いの!さぁ大人しく薬を飲みなさい!!」

 

「いやアぁ助けてー!!」

 

…このあと二人はどうなったか、知るのは永琳とうどんげだけだと言うのは、知るよしもない。

 

               終わり

 

 

 

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