東方日常記   作:ぬんちゃくティッシュ

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久々に投稿するは、詰まらない無駄に長文の先代巫女に焦点を当ててみた物語です。

読んで詰まらなくてお腹を壊しても大丈夫って方はゆっくりしていってねw


東方博先闘─壱─

 

───幻想郷、博麗神社───

 

王様ゲームの驚異が去り、数週間が経とうとしているある日のこと。いつも通り霊夢は神社の縁側でお茶を啜りながら魔理沙と話し込んでいる。平和なんですね~。

 

「そういや霊夢。この際聞いてみたいことがあるんだが」

 

「ん?何よ改まって…」

 

「いや大したことじゃないんだぜ」

 

「ふぅん…あそ」

 

『ずずず…』

 

二人で一緒にお茶を啜れるのは平和だから出来ることなんだな…。ほんの数週間前までこの二人は地獄な毎日だったわけだし。

 

「…って何普通にこの暖かい雰囲気に紛れて無視してんだ!」

 

「だってどうせ面倒なこと聞くんでしょう?」

 

「半分正解だな」

 

「まったく…、仕方がないわね。今日は気分が良いし、聞いてあげるわ」

 

「さっきは流したじゃねぇか…まぁ良いか。聞きたいのは先代の巫女の事だぜ」

 

「先代の?」

 

「そうだ、あまり聞いたことなかったからな。霊夢なら知ってるだろうと、思ったんだが」

 

「当然、よく知ってるわよ。どんな人だったのか…どれ程強かったのか…一癖も二癖もあるような人だったわ…でも、あの人は私が幻想郷に来てからは変わったみたい。…でも来る前の事も紫から聞いてるわ。先代は私よりも強いってね…」

 

 

───霊夢が来る前の幻想郷、博麗神社───

 

─side 先代、博麗の巫女(博麗霊現)─

 

今…全身全霊を込めて、手中に意識と集中を送り込んでんでいる。これは少しでも気が散ったり、集中が狂ってもうまく行ってはくれないのだ。まるで現実を比喩したかの如く、すべて手はず通りに進まぬこと然り、実力があれど時と運が運命を決する。故、こうしてピタ一文とも集中をずらしてはならない。

もう少しなのだ。こんな時になりつつあると人間と言う物は焦り始める。その焦りが集中を狂わせる素となり、積み重ねた物が水の泡となる。心を無にし…落ち着かせ…私は博麗の巫女だ…これくらいの事、出来ないでどうする?さぁ…。

 

「…………」

 

最後の…段を…落ち着け…乗せ…て…!

 

「完成だー!15段トランプピラミッド!!」

 

やっと完成したぞ!夜明け前ギリギリに目が覚めて朝食を取ったは良いがやることがないと言うことで始めたのが、この前紫に教わったトランプピラミッドだが、まぁまさかこうまで上手く行くとは思わなかった。最初は5段だったんだけど上手くいってずっとやってたら3倍になっちゃって…。

始めてどれくらい経った?外を見てみると鳥居と言い、お社と言い満遍なく日光が当たってて日陰が小さく短いところを見ると太陽はほぼ真上にあると言うこと…つまり、今は昼と言うことだ。正午…とまでは行かなくても、夜明け前ギリギリから昼までと言うことは、半々日はトランプピラミッドをしてたのか。博麗の巫女がこうで良いのだろうか…まぁそれは私が決めることだ。他の奴らには文句は言わせない。

 

「…昼御飯にしよう」

 

結局午前中に終わらせるハズの境内の掃除とお社の雑巾がけ、鳥居の掃除に草むしり。この4つの行程がすべて遊戯に消えてしまった。遊びは程々にしよう…私はどうあれ聖職者なんだからな。

と…言うものの、午後からどうしようか?何の予定も入ってないし、ヘルプの要請もかかってない。いつもなら修行を行っているのだが、この前紫から…。

 

「あなた今でも充分強いじゃない。この私よりも強いくせして修行しちゃって…。これ以上強くなられたら幻想郷のパワーバランスが崩れそうになるから、修行も程々にお願いね?」

 

…って言われてしまったから、修行にも出づらい。

と言うか、私が紫より強いのは有り得ないと思う。さすがにあの妖怪の賢者であろう者にただの人間が敵うはずがない。あのスキマを使われたら私の攻撃なんて当たらないし、紫の攻撃って結構厄介なのよね。大体、紫だけじゃなくて鬼とかも敵わない。あんなチートな生物が存在しているだけで恐ろしい。

あ…、そう言えばこのお払い棒そろそろ霊力が薄れて来たのよね。皮肉なことにこのお払い棒の霊力は人間には宿すことが出来ない。妖怪退治のための武器は妖怪が鍛えるしかないのだ。鍛える当本人は複雑な気持ちで鍛えるのだろう、同情するつもりはないが…。

とにかくだ。ここ最近異変もないし、妖怪どもも大人しくしてるからお払い棒を鍛えに出しても大丈夫でしょう。そうと決まれば人里へれっつごー!

 

 

───人里───

 

こうして一人で人里に来るのは久しぶりだ。…と言うより、一人でも誰とでも人里に来たのがもう久々だ。用事がないと神社から下りないし、それこそ武器を鍛えに来るか異変の調査で下りてくるくらい…買い物は買い溜めするから月イチくらいかな。…結構下りてきてるじゃん。まぁまぁ割りと常連じゃん…。

いつも鍛えてもらう鍛冶屋は先程も言ったように人間では鍛えれないので、妖怪が営んでいる鍛冶屋に頼むのだが、その鍛冶屋は唐傘お化け…と言うより唐傘の付喪神の女の子が経営している。お店にいないことが殆どで普段どこで何してるのか不明だが、彼女の腕は信用できるからいつもお願いしている。今日はいると良いんだけど。

 

お店に着いた。戸には『春夏冬中』とある。妖怪の山辺りに豊穣の神がいるそうだが、これを見て燃やそうとしたことがしょっちゅうあるらしい。この店の主人はとんちが利いたことを好いてるようだ。ちなみに、春夏冬があって、秋がないから、秋無い、あきない、商い、商い中と言うこと。…つまり、やってると言うことだ。

 

「頼もう!」

 

「ん?あぁいらっしゃい、巫女さん。今日は鍛えですか?」

 

「えぇ、お願いできるかしら?」

 

「誰よりの巫女さんの頼みだ。わちきの腕に寄りをかけて鍛えさせてもらうよ」

 

ここの主人は妖怪なのだがなぜか私には友好的でとても話しやすい。よくサービスもしてくれるし、予約一杯でも優先してやってくれる。きっと妖怪でも生き残る為にゴマ擦ってるんじゃないのかと思ったけど、腕が良くてサービスしてくれるとあれば恨む理由はないってね。

 

「いつも悪いね、私に贔屓させちゃって」

 

「とんでもないですよ。博麗の巫女さんがわちきを頼って下さるんだから、下級な仕事は出来んでしょう?」

 

「悪いね、今度お礼に差し入れでも持ってくるよ」

 

「お気になさらずとこれがわちきの商売ですからね」

 

……。

 

お店を後にし、再び人里を練り歩く。久々だから、たまにはこうして人里見物も悪くない。良い暇潰しにはなるだろう。

過ぎ行く人が物珍しい顔で私を見る。やはり博麗の巫女が人里を歩くってのは珍しいことなのかしらね。歴代巫女もそうそう無かったと聞いている。

最近の人里では人間以外もよく見かけるようになった。妖怪もきちんとルールを守るようになったと言うことね。同時に人里のパトロールを強化しなければならなくなるかもしれない…油断は出来ないわ。

…とは言うけど、見た感じ人里に溶け込んでるし、人間もそんなに警戒している様子も見受けられない。恐らく大丈夫だと思うけれど、1歩間違えれば人間は妖怪の餌食になってしまう。気を付けなければ!

 

「おい、アンタ」

 

誰だ?人里で知り合いは鍛冶屋しかいないし、話しかけられる程親しい人間はいない。…と言うことは人間ではない何かが話しかけてきた…と言うこと。しかし妖怪で私に話しかける?紫くらい?でも紫がこんなところにいるはずないし、声が違う。振り返れば分かるんだろうけれど、振り返れば面倒なことになりそう…って勘は言うてるけど。振り向くっきゃないか。

 

「誰だ…?」

 

振り返って見てみると、背が高めで白い体操着みたいな上着に半透明ロングスカート…片手には赤色の酒が入った盃、額には種族の誇りを象る一角の角、もう最早見れば分かる。怪異の頂点、鬼だ。人里に鬼までいるとは思わなかったが…。それより、その鬼が私に何の用だろう?話しかける理由はないはずだが。

 

「私は星熊勇儀、鬼四天王の一人さ」

 

鬼の中でも強者が話し掛けてきたと言うことか、一体何の用で話しかけてきて、無事に終われるのか、色々不安なんだけど…。さすがに周りの人間もざわつき始めた。鬼四天王と博麗の巫女が対峙してたら何か異変かと勘違いされそうだ。

 

「その鬼の四天王の一人が、私に何の用だ?」

 

「ハハハ!そんなに邪険にしないでもらいたいねぇ。別に人里で暴れようなんて思ってはいないさ」

 

「ふむ…。そもそも、お前は地底の鬼だろう?なぜ人里にいるのよ」

 

人里なんかに鬼が歩いていることさえ不思議なのに、普段地底で飲み明かして滅多に地上に出てくることは無かった一角の鬼が、こうして私の目の前で笑顔で話しているのだ。博麗の巫女として警戒せずにはいられないだろうに、邪険にしない方が無理な話だ。

そもそも、こいつは人間と友好関係を築きたいとしてたけど、それを私が止めて鬼は恐れの的と人間に広めたから、地底に身を隠しだしたはず。恨みを持たれてもおかしくはないが…。

 

「まぁそんな顔するなって。あの事はもう良いんだ。人間からすれば鬼は恐怖の存在なんだからな、仕方がないさ」

 

「悪かったわね。でも私は貴方を恐れていないわ」

 

嘘です。めっちゃくちゃ恐ろしいです。だって殴られたら当然タダでは済まないし、攻撃は全てその丈夫な体に吸収されてしまうから、あまり敵として立ちたくないが…。

 

「ハハハ、さすが博麗の巫女だねぇ。久々にこんな骨のある人間と会ったからつい話しかけたんだ。地底にはなかなか外からの客がいないから詰まらなかったんだ」

 

「…………」

 

なんだろう?この先の展開が容易に予想できる…。恐らくだけど、目の前の鬼が久々に骨のある人間と会ったから手合わせ願えるかい?みたいなこと言って戦うハメになる気がする。さっきも言ったけど、鬼とはあまり戦いたくない。そりゃ、博麗の巫女となるための極限な修行をやって来たけど、やはり人間と鬼…種族による差は埋められるほど小さくない。それにさっき恐れていないなんて言ってしまったから断りづらい空気になってしまってるし…。

 

「もし良ければで良い、私と手合わせ願えないかい?アンタと会えるなんて思わなかったからねぇ」

 

まったく…何でこうも嫌な予感だけ当たってそう言う展開になっていくんだろう?まぁ、こいつの性格と私が墓穴を掘ってしまったのが主な原因だが、何とかこの状況を打破出来るような良い策は無いものか…。

 

「まぁ最も、アンタは私を恐れてないと言ったねぇ。だったら断る理由はないはずだ。恐れてないと言うことが証明される」

 

「はぁ…、逆ね。私がアンタの売り喧嘩を買う理由がない。生憎、理由のない喧嘩や争いはしないんでね。他を当たってくれ」

 

まぁ者の見事に受け流したけれど、これで上手く撒ければ良いんだが…。

そもそも、こいつと私が殺り合った所で、何のメリットがある?そりゃ相手は満足するだろう。こんなに喧嘩に飢えてちゃ、強い奴と殴り合えるならさぞや楽しかろうよ。でも私としては関わりたくないし、正直言えばさっさと帰りたい。殴り合ったところで、私には何の得もないじゃないの!むしろ痛いと疲れるの2つの損が浮いてくるじゃないの!…でも、当の目の前の鬼はそう簡単に帰らしてくれなさそうだし。

 

「逃げるのか…?そうかぁ~、今代の博麗の巫女は随分とへっぴり腰だねぇ。正直、がっかりだな」

 

予想はしてたよ、こうなるだろうなって…。でも、私をバカにして煽ってくるってんなら話は別ね。

 

「その言葉…訂正する気はあるか?」

 

「(ニヤッ…)して欲しければ、私に勝ってから改めてお願いしな!!」

 

……………。

 

 

───現代の幻想郷、博麗神社───

 

「はぁ!?その鬼の喧嘩を受けちゃったのか!?」

 

「そう…。さすがに自分に対して檄が飛んできたら牙を向ける、さすが先代ね」

 

「何となくそこはお前に似てるよ…」

 

「あ…?(殺意)」

 

「いやいや何でもないんだぜ!つ…続き聞かせてくれだぜ!」

 

「…。まぁ良いわ…それでね…」

 

               続く

 

 

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