東方日常記   作:ぬんちゃくティッシュ

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東方幽人救労─参─

 

☆再び幽々子様のお仕事探し

 

 

───人里───

 

─side 西行寺幽々子─

 

 

…で、結局これまで回ったお店が数え切れなくなってきたんだけど、一向に固まれる様子がないのよね…。おっかしいわねぇ…何がダメなのかしら?

こんな時妖夢ちゃんがいてくれたら…いやいや!今回ばかりは私の責任よ!主である私が、犯人である私が弱気なこと言ってどうするのよ!まだ諦めないわよ…絶対に財政難を救って妖夢ちゃんを驚かせてやるんだから!!

 

 

──紅魔館──

 

「へっくち!うぅ…」

 

「あら妖夢、風邪?無理せず言ってね?」

 

「あぁ…すみません咲夜さん。恐らくピンク色したアホンだらが私の噂をしてただけですので、お構い無く」

 

「ピンク?あぁ…妖夢って案外口悪いのね…」

 

 

───人里───

 

 

とは言うけれど、もう回れるところと言ったら?ほぼ目ぼしい店は行った気がする。ダメもとで2回目の周回行ってみようかな…。

 

「ダメね…傷口を広げることになりそうだわ…」

 

ただでさえここまで雇ってもらえないのに、それをもう一度体験しろなんて、とんだ鬼畜ってやつだわ!と言うか、私を見る目がない店主が悪いのよ!私みたいなセクシーで!

グラマラスで!

キュートで!

ビューティフルで!

エキサイティングで!

アメイジングで…はちょっと違うか。

とにかくエクセレントでパーフェクトな女の子が雇ってって言ってるんだから、むしろ働いて下さいって頭を下げるべきなのよ!私がいれば売り上げなんてうなぎ登りの天井知らずなのに!

 

 

 

 

 

「………」

 

「どうしました?さとり様」

 

「いえ、ごめんなさいお燐、すぐ行くわ。ただ、亡霊って長く勤めてると考えが愚かになるんだって事をまさか人里に買い物に来ている最中に再確認できるとは思わなかったわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はっ!こんなバカみたいなこと考えてる暇なんてないわ!とにかく、死にもの狂いでバイトを探さないと妖夢ちゃんに見せる顔がないわ…」

 

本当にどうしようかしら…。まず現状を整理しましょう。

人里にある店、食事処、甘味処は全部行ったわ。販売店も知り合いや顔見知りのお店でジャンル問わず行っても笑顔で理由をはぐらかして断られた。…あれ?これって詰んでね?

今ごろ妖夢ちゃんは良いところ見つけて仕事に励んでるんだろうな…。と言うか、バイトは私がするって言いきったけど、恐らくこうなることを見込んで妖夢ちゃんもバイトしてるんでしょうね。…しかし、あの子と私の差は一体何なの?同じ亡霊同士じゃないのよ(同じではございません)。私の方がセクs(ry…)。

 

 

 

 

 

 

またまた取り乱しちゃったわ…クールに、クールに。

冷静に考えて、1回残されている希望を辿って行ってみましょうか。

 

作戦其の1、博麗神社に行って助けてもらう

いや…助けを請うのは良いんだけど、行く前にもう結果が分かりきってるんだけど…。

今の私らより貧乏で、なおかつそれを毎日だと言うのだから、そんな人物に「財政難だから助けてちょうだい!」…なんて言ったところで出てくるものは持て成し茶と「私にどうしろってのよ?」と言う言葉だけだろう。

この作戦が一番あり得ないわね。

 

作戦其の2、紅魔館に雇ってもらう

と言うことでやって来ました紅魔館門前。私に勤まるほど楽な仕事なんてあるかどうか分からないけれど、この際は仕事内容なんて気にしてられないわ。

とは言うけど、どうやって入るのかしら?門番さんは寝てしまってるし…。

まぁ直立してたって仕方がない、声をかけてみないことには始まらないわ。

 

「ごめん下さい!」

 

……。うんともすんとも言わない。門番さんは起きないし、勝手に入ってしまっては侵入者になって、それこそバイトどころじゃなくなるからボツね。

 

「念のため、もう一度言ってみようかしらね。ごめん下さい!」

 

『はーい、どちら様ですか?』

 

すると声がどこからか聞こえた。上から聞こえる気がする…ふと見上げると、あった。監視カメラとスピーカーだ。

…あと何だろう、さっきの声…ものすごく聞き覚えがある。

 

『えぇっと…どちら様で~…って、幽々子様じゃないですか!』

 

「え?その声は、妖夢ちゃん?」

 

『はい…いかにも私は妖夢ですけど…』

 

「なるほど、紅魔館で雇わせてもらってるのね」

 

『…はい、黙ってて申し訳ございません。やはり不安でして…。で、幽々子様はどのようなご用件で?』

 

「…いや、何でも無いの。お仕事続き頑張ってね」

 

 

 

……。

 

まさか…紅魔館には妖夢ちゃんが先を越していたなんて…。さすがに従者がバイトしているところで主もバイトするなんて有り得ないわ。仕方がない…他を当たりましょう。

 

 

作戦其の3、永遠亭で雇ってもらう

いやいや…これも有り得ないわ。行くのは良いけど、帰ってこれる自信がないのと、永琳とは面識がないから雇ってもらえそうになさそうね…医学なんて分からないし。

 

作戦其の4、守矢の奇跡で助けてもらう

うん。もしかしたらこれだったら上手く行く可能性は十分だわ!ただ妖怪の山の妖怪って縄張り意識が強いせいか、外からの来襲はとことん殲滅に当たると聞く。白狼天狗の監視のもと、入り口にはすぐ警備隊が配置され、引き返さないなら生死を問わないそう。

まぁ私なんて生死を問う前に死んでるんだけどね。

 

とにかく、今はとやかく言う前に動かないとね。前に進まないと解決できるものも解決できないわ。さて…。

 

 

───妖怪の山の麓───

 

山麓までやって来た。実を言うと妖怪の山のどこら辺に守矢神社があるのか…全く情報が無いのだけど、案内係が欲しいわね…。確かこの山には新聞屋がいたわね…そいつをひっ捕まえて案内させると言うのもアリかしらね。まぁ尤も、そんなことしたら本格的に妖怪の山から追放させにかかってくるからやらないけど。

 

「止まれ…」

 

ん?早速お出でなすったわね、白狼天狗。見つかるとは思っていたけど、どうしようか全く考えていなかったから…どうしましょ。

 

「ここからは妖怪の山のテリトリーだ。部外者はお引き取り願おう」

 

さぁ…冗談抜きでどうしましょ。こちらに味方がいないに加え、あちらは下手すれば援軍がわんさかと群がってくる。いくら私の能力が強いとしても、数には敵わない。

…と言うより、私の能力を覚えてる人いるかしら?ほのぼのしすぎて幻想郷の五大老の一人だと言うことが全く感じられてない気がするわ。この前なんか『何でも喰う』と言うところを見ると神霊廟のキョンシーと変な意味で被ってますよね…なんて妖夢ちゃんに言われたし。そのときはさすがにショックでご飯も1日5食30人前しか摂れなかったのよ。

ちなみに、普段は1日8食で計250人前だって妖夢ちゃんが言ってた。これを聞くまで普通に一人前の量かと思っていたけど、回りの認識がズレてんのね…。

 

「おい!!何を黙っている、アポがないなら消えろ」

 

「まさかあの量が250人前なんてね!」

 

「何の話だ!?とにかく、これ以上進むのなら生死は問わないぞ?」

 

生死は問わないぞ…って、問われる前の問題だわね。亡霊って一応死んでるから亡霊勤めてるって事でOKなのよね?私生きてないのよね?…その解釈はおかしいか…。

 

「(侵入者のヤツ…人の話、本当に聞いてるのか?何を言っても右から左へ流れてる気がしてならない)」

 

「どうしても入れてくれないの~?」

 

「それは理由次第だが、全うな理由でも真実で無ければ通さぬぞ」

 

「私この山の天辺だったかしら?守矢神社に用があるんだけれど、入れてくれない?」

 

「よくも知らないお前の理由を聞いて、はいそうです。って、通してくれると思うか?」

 

むぅ~頭固いわね…ああ言えばこう言って結局入れてくれないし、そもそもこんなことしている暇があれば他のバイトを探す方が良い気がするわ。

 

「分かったわ、何がなんでも通すつもりは0ってことね。はぁ…」

 

ここまで来て引き返すのも気が引けるのだが、この通り通すつもりは毛頭ないと言われているのだから仕方ない。ここは諦めて、次のところいきましょ…。

 

 

 

 

 

 

───人里───

 

結局人里に戻ってきてしまった。もう太陽は真上を過ぎてるし、急いで見つけないと妖夢ちゃんに合わせる顔が本当に無くなるわ。これからどうしようかしら…。妖夢ちゃん、今ごろ紅魔館で…

 

               続く

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