東方日常記   作:ぬんちゃくティッシュ

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☆東方project二次創作です


東方紫古生─後編─

 

───幻想郷、人里───

 

─side 八雲 紫─

 

「幻想郷を回るなんて言ったけど、いざどこに行けば良いか分からないものね」

 

いつもは人里に姿を見せないものだから、住民が珍しいものを見るような顔で私を見てるわ。いつも買い物は藍か橙がやってるから…。

この視線は私が美しいから~?とかってなってくれれば嬉しいんだけどね。何となくだけどそう言う気持ちでは見ていない事が良くわかる。

 

「おや?珍しい奴が来てるんだな」

 

誰だろう?こんな私に声をかけるなんて、それも男の声!これはもしかしたらもしかするんじゃないかしら!?もう振り返って見るしかないわね!

 

「…。何だ、香霖のところの…何だっけ?」

 

「霖之助だ。おいおい…物忘れか?年を取ると忘れ物が多くなるから気を付けろよ?」

 

「年を…とった…ですってぇ(怒)!」

 

紫は激怒した!怒りでテンションがスーパーハイテンションになってしまった!

 

「あなたどうやら死にたいようねそうなのよねそうなんでしょそうしか有り得ないわ!」

 

「わーわー!悪かった悪かった!今度オススメの商品をタダであげるから!」

 

「…んぅ、なら良いわ。ところで、あなたにも聞いておきましょうか」

 

正直言うと、こんな胡散臭さが全身から醸し出されてる万屋の店主を信用できるかと言われれば、微塵も出来ない。だけど今は藁にもすがろうって気持ちだから仕方ない…か?

 

「ん?聞きたいこと?」

 

「そうよ。私って、若々しくて可愛らしい女の子よね?」

 

質問した瞬間周りがざわつき出したけど…さぁどういう返答が帰ってくるだろう?内容次第では、人里から離れて八つ裂きにしてやろうかしら。

 

「どうしたんだ?紫、熱でもあるんじゃないか?」

 

と額に手を当ててくるが、今はそんな照れるとか赤くなるとかの感情ではなく、ある意味赤くなるような感情に見舞われている。

 

「そんな質問を人の多い場所でするなんて、相当の高熱だよ。大丈夫かい?家まで帰れるかい?」

 

…コイツ、絶対コロシテヤル…。

 

 

───数十分後、白玉楼───

 

もう…皆私をお年寄り扱いして…私そんなにBBAっぽいかしら。え?霖之助はどうしたのかって?さぁ。もしかしたらこの冥界に身を持たず浮遊してるんじゃない?

 

冗談はさておいて、ここは幽々子と話でもして気分を晴らそうじゃないの!ってことでやって来た白玉楼門前。いつも思うけど、ここ絶対門番いると思うのだけれど…。紅魔館の中国がクビになったらここに勧めようかしら。

 

「あ、紫さま、いらっしゃったなら、御勝手に入っても構いませんのに」

 

背後から若い声が聞こえた。聞き覚えがある、と言うかほぼ毎日聞いてる声だ。そんなの一人…半人しかいない。

 

「あら妖夢、お買い物だったの?」

 

「はい…。一週間は持つだろうと多目に買った食料が今朝だけで底をついてしまいまして、大量に仕入れてきたところです」

 

本当に苦労人ね。こんなブラックホールを主に置いておくと仕事が間に合わなくなるかも…。まぁ良いわ、それはまた別の機会にでも話そうかしらね。今は…。

 

「大変ね妖夢も。ところで、幽々子はいるかしら?」

 

「あ、そうでしたね!私としたことが…。今は恐らく縁側でお茶菓子とお茶でも召し上がられてるんじゃないですかね?」

 

まだ…まだ腹に何か入れるつもりなの?聞いてる私も嗚咽が…。ふぅ…。

 

「そう、ありがとう。通常任務に戻って良いわ。呼び止めて悪かったわね」

 

「いえ、ゆっくりされていって下さい」

 

と、妖夢は足早とお屋敷に入っていったまたこれからご飯の準備かしら?いつか倒れるわよ…。まさか、藍とかにもこう言う迷惑かけてるのかしら。だとしたら少しは労ってあげようそうしよう。

そそくさと入っていった妖夢を追うようにゆっくりと中に入り、縁側を目指す。けど相変わらず白玉楼は広すぎると思う、縁側まで歩くのに数分はかかっちゃうわ。冥界ではあまりスキマを使うものじゃないと思うし…(霊が入ってきたら大変だからね)。

 

「ずずずず…」

 

お茶を静かに啜る音をたてながら横にあるぼた餅を頬張っている幽々子を発見した時は呆れた物じゃないわよ…これでこの冥界の主なのよね…。

 

「ん…?ああ紫、いらっしゃい」

 

「朝にこの白玉楼の食料をピンからキリまで食べ尽くした挙げ句まだぼた餅を胃に入れてるの?」

 

「このぼた餅はタダのぼた餅じゃあないのよ?人里で半年に一回しか売りに出されない幻のぼた餅なの。運良く3つ買えたからこうやって別腹に納めているってワケ」

 

相変わらずと言うかなんと言うか…どうしてこうも腹を膨らまさず大食漢を務めれるのかしら?幽々子の謎は深まるばかりだわ…。

 

「まぁそんなことは良いの。実は幽々子に相談と言うか聞きたいことがあってね」

 

「あら珍しい。何でもこなすような大妖怪でも、こんな亡霊の端くれにご相談だなんて」

 

「亡霊の端くれって、良く言ったものね。あなたは閻魔から輪廻を待つ亡霊の管理を任された身じゃない」

 

「そう言えば、そんな感じのこと任されてたっけかなー」

 

本当にしっかりしてほしい!と言いたいところだがこれは彼女の戯れ言に過ぎない。本当はしっかりとやることをやる真面目な亡霊であるのにも関わらず、イメージだけに尾ひれが付いて着いてくる…少し残念ね。

 

「話を戻すわね。私の相談って言うのはね…」

 

少女…婦人(マダム)説明中。

 

「…と言うことなのよ。あなたの意見を聞かせてもらいたいわね」

 

幽々子は説明を受けると少し考える素振りを見せるがパッと顔を上げ、真剣な表情で視線を送ってくる。どうやら真面目に答えてくれるようだ。

 

「ねぇ…紫?私たち…結構生きてきたわよね。私は()()()()()だけど長く永く生きてきたわ。紫はそれ以上かも知れないわ」

 

「確かに、あなたは亡霊となって1100年程たった。色々あったけど、長くて…同時に短いものであったわね」

 

「そんなに長く生きて、色々経験して強くなって、大物になって散る。これが生き物よ」

 

何だろう?亡霊が語ると本当に説得力がある…。

 

「逆に若くて経験不足の知識しかない青二才を見てみなさい。歯止めの効かない三輪車見たいに転げ落ちるわ。…つまり、貴方みたいに数千と生きた甲と言うのは軽視してしてはいけないものだと思うの。紫はどう思ってるのかは知らないわ。けれど、BBAと言われるのは、=長生きよ。人間では長生きは喜ばしいこと。なら妖怪は長生きは蔑まれるのかしら?いえ、違うはず。あなたは唯一無二のスキマ妖怪であり、古参でもある。人間は焼き肉で言うカルビ、若い内が光るけど、妖怪はホルモンよ。始めは人間に煙たがれ、蔑まれ、虐げられる。けれど、それを糧に焼かれて焼かれて脂落として味を磨くの。焼けば焼くほど良い味になる。焦げても美味しい部位はホルモンだけ、妖怪だけよ。誇りなさい。あなたの生きてきた証である齢を」

 

…驚いた。幽々子が力説した…。最後が結局食べ物になるのがアレだけど、胸に来たわ!確かに、長生きは誇れること!私は経験豊富な妖怪、大妖怪なのだ!

 

「ありがとう、幽々子。私、どうかしてたわ。これから胸を張って生きるわ」

 

「でも程々になさいな。妖夢が胸を妬んでスゴい目で睨み付けてるから」

 

「「AHAHAHAHAHAHAHAHAHA!」」

 

「いい加減にせんかー!!(怒)」

 

 

───数時間後、スキマの中───

 

これなら胸張って家に帰れるわね。結構長くなったけど、藍にも迷惑かけたわね。しっかり謝らないとね。

 

 

───幻想郷、八雲家───

 

「…ただいま」

 

「あ!紫しゃま!待っておりましたー目を閉じてこちらへー」

 

我が家の子供みたいな位置付けの橙が私を誘う。

 

「さぁ着きました。目隠し外してくだしゃい」

 

「なにかしらー?」

 

目に再び光が戻っ来たとき、そこには悲しくも嬉しい出来事がー…

 

「紫さま、お誕生日おめでとうございます!」

 

お誕生日…長生き…幽々子、やっぱり誇れないわ…。

 

                終わり

 

 

 

 

 

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