弱々しい"中途半端な人"のものではない。
支配権力が非道な手段を用いるならば、
こちらも非道な手段を用いることをためらうな」
アドルフ・ヒトラー
暴虐には必ず反逆を。
理不尽な行いには、必ず反抗を。
その意を必ず示さなくてはならない。
己を脅かそうとする存在には、絶対に容赦はしてはならない。
忘れるな。
我々には既に、かつて偉大なる先達がいたのだ。
相手がたとえ神であろうとも、反旗を翻し、反逆を誓った王が。
そのために、悪魔にすべてを明け渡すことも厭わなかった男が。
慈悲深いなど笑わせる。
たったの8人だけを見逃し、それ以外はすべて溺れ死にさせたような、まさにそれこそ悪魔のような存在だ。
糞の役にも立たぬような存在に縋ることはない。
我等は反逆する。
たとえ、相手が神であろうとも。
たとえこの身も、魂も悪魔にすべてを捧げることになろうとも。
鎮守府・正門
ダンテ
「……」…
―コツコツッ
陸奥
「お待たせー」フリフリー
ダンテ
「……お前、行きましょうって言ってからいったいどれだけ――
……あぁ、何を待てっつってるのかと思ったら、着替えてたんだな」
陸奥
「さすがにあの格好じゃ出られないでしょっ……」
ダンテ
「hm... それもいいとは思うけどなぁ」hahaha
陸奥
「他の子と違って、あたしの制服だと外着にはならないのよっ///」
・・・・・・
ダンテ
「よし、そんじゃそろそろ――」クル…
陸奥
「…あっ……ねぇっ」
ダンテ
「アン?」
陸奥
「……何かないの?」…ヒラッ
ダンテ
(……)
「……ああ、"pretty"だな。 大女優に見える」
陸奥
「……///」♪
――――――
作戦海域
後続隊
―コォ! パキンッ! ドォンッ!
吹雪
「……ふぅ」
天龍
「……へぇ、これをあの犬がやってるとはなぁ……」
龍田
「悪魔の力って本当にすごいわね~」
吹雪
「でも……いくら防げても、数が多くて……速いですっ……!」
天龍
「……ああ」
(ちょこまかしてるのが多い……。
これだとオレの"アレ"でもうまく当てられるかどうか……)
龍田
「いつの間にか後ろ側を固められてたのねぇ」
霧島
「数に物を言わせた鉄床戦術……!
……仕方がありません、両翼散開しましょう。
このまま固まって前進し、お姉さま方と合流しても、状況に窮するだけですっ……」
榛名
「っ……」
ケルビ
(……)
吹雪
「い、急いで散開をっ……」
ケルビ
『フブキ』
吹雪
「うぇ!?」
(こ、声!? ケルビのっ……?)
ケルビ
『恐れることはない。 我がお前の力となる。
臆せず立ち向かえ』
吹雪
「っ…………わかった……!」
転身し、敵群に向かう吹雪。
霧島
「っ……!」
榛名
「吹雪ちゃん!?」
天龍
「あ、おいっ……!」
龍田
(……ん~?)
・・・・・・
吹雪
「……」
吹雪は敵の接近を静かに見守っていた。
榛名
「危ないですよっ! 吹雪ちゃん!早くっ!」
霧島
「……まさか……」
(何か……)
龍田
(……)
「……ねぇ」
天龍
「……ああ」
駆逐イ級
「――」ザァー!
吹雪
(よく引き付けてからって……)
駆逐イ級
「グォォー!!」ガシャッ!
吹雪
「…っ! ケルビ!」
ケルビ
『よし』
-クリスタル-
ズダダダダッパキン!
駆逐イ級
「!??」ザァー!
―スコーンッ!
駆逐イ級
「フギャッ!?」
突如、巨大な氷柱が出現し、それに駆逐イ級が勢いよく衝突した。
直後に続いていた敵群も、同じくその氷柱にせき止められる。
吹雪
「!」
霧島・榛名
「っ!?」
天龍・龍田
「……!」
敵味方の別なく、その場にいたほとんどが驚愕した。
豪快に氷柱に激突した敵艦は、後に続いていた艦からの後追い衝突で
お互いに航行不能なまでのダメージを受ける。
しかし、そのさらに後方にいて、航行距離に余裕のあった敵艦は
突然の事に戸惑いつつも、氷柱を迂回しようとしていた。
吹雪
「あっ!」
ケルビ
『……』
-ミリオンカラット-
―ヒォォ… ビキーンッ!!
駆逐イ級s
「「―ッ!?」」
先ほどの巨大な氷柱が変形し、四方八方に割れて広がる。
それはまるで氷の檻のようだった。
その檻が敵艦すべてを閉じ込める。
駆逐イ級s
「「ギ、ァ…ッ!!」」
ギチギチ…
霧島・榛名・天龍・龍田
「……」
吹雪
「っ……」
(すごい……これがケルビの力っ……)
ケルビ
『呆けるな、フブキ。 お前たちで止めを刺すのだ』
吹雪
「あ……う、うんっ!
えっとっ……・み、皆さん! 砲撃の用意をしてください!
目標はあの……だ、拿捕した敵艦隊ですっ!
撃ち方は氷には当たらないようにする感じでっ……」
榛名
「えっ? ど、どうすればっ?」
霧島
「…なるほど……。
要は曲射砲撃をすればいい、ということですね」
吹雪
「そ、それですっ!」
龍田
「この距離なら私たちでもできるわね~」
天龍
「曲射砲撃ともなると、ギリギリっぽいけどな……。
……やるかっ!」
龍田
「了解~」
霧島
「では皆さん、号令します!
曲射砲撃、よーいっ……撃てーっ!!」
・・・・・・
天龍
「やるじゃねぇか、吹雪!」
榛名
「吹雪ちゃん、すごいですっ!」
吹雪
「あ、いえ、あはは……。 ほとんどケルビがやってくれてたんです」
龍田
「本当にすごいワンちゃんだったのね~」
ケルビ
『……』
霧島
「お話は後にしましょう。 急いでお姉さま方と合流しませんと」
榛名
「ぁっ そ、そうですねっ」
吹雪
「はい!」
ケルビ
<CERBERUS>
クリスタル
-ミリオンカラット
ケルベロス Lv2(赤の右眼)
…その"こうべ"は現在を象徴し、その見開かれた右眼には再生の力を宿らせている。
主の意思に従い、巨大で堅硬な氷柱を出現させる役目を担う。
その力は水の、かつて結晶であった頃の記憶まで呼び起こす。
この能力の応用性は非常に高いため、主とのコンビネーションとアイディア次第で
いくらでも戦況を変化させられる新たな戦法を生み出すことができるだろう。
――――――
二小隊、合流
霧島
「――ご無事でなによりです。 お姉さま方も島風さんも」
金剛
「ノープロブレムデース! アリガトネっ!」
島風
「へっへーん!」
比叡
「……ふぅ、どうなるかと思ったぁ……」
榛名
「……」ホッ…
吹雪
(あの後も合流までは特に増援も現れなかったし、本当に何もなくてよかったぁ……)
天龍
「……しっかし、もう粗方片付けちまったんだなぁ。
龍田、見えるか?」
龍田
「敵影なし。
あとはもう資材のあるポイントまで移動して、回収したら作戦のほとんどは完了ね~」
天龍
(……)
龍田
「……んふふ。
そんなにガッカリしないで?天龍ちゃん」
天龍
「別に……」
龍田
「また機会はいつだってあるわよ。
敵は例の"アレ"のせいで厄介になってきてるんだし。
……あの人なら、ちゃんと天龍ちゃんのこと、たくさん使ってくれるわ。
だって、頼りにしてるって言ってくれてたもの。 ね?」
天龍
「……へっ。 だな。
よし、そんじゃとっとそのポイントまで移動して――」
―ズザザザザー!
龍田
「っ!? 天龍ちゃん後ろ!」
天龍
「っ!!」
「「!!」」
――――――
作戦室
大淀
「っ!? 当該海域に急速に接近する物体を確認!」
長門
「…何っ!?」
(物体だとっ…?)
大淀
「突然現れたっ……!?
っ……二小隊、接触します!」
――――――
目標海域・付近
島風
「なになにーこれー!? すごく速くなかったー!?」オーゥッ!
吹雪
「う、うーん……?
……本当になんでしょう、これ……?」
比叡
「何かって言ったら……乗り物、かなぁ……?」
金剛
「すごい勢いで近付いて来たと思ったら、直前で急停止しましたネ……」
榛名
「……でも、突然現れませんでしたか……?」
龍田
(……)
「ついさっきまではたしかに、周囲には何も見えていなかったはずなんだけど……」
霧島
(いったいどういうこと……?)
「それにしても、奇妙な乗り物……ですね。
赤い球体状の物に荷車のような木造が付いていて、
それが海水に浮いている……。
……明らかにこれは……」
天龍
(……)…スィー…
龍田
「ちょ、天龍ちゃんっ?」
…ピクッ
天龍
「っ! 何か来る……!」
龍田
「…え?」
…ヒュゥーン …サクッ
天龍
「……あん?」
その奇妙な物体の上に、どこからともなく現れた刀が突き刺さった。
「――トウッ!!」
―スタッ
その刀の柄の上に、一つの影が降り立つ。
「「!?」」
????????
「………フッ……ハハハハハハハハッ!
オ待タセシマシタ諸君!」
天龍
「だ、誰だテメェはっ!?」
????????
「ヨクゾ聞イテクレマシタ!
拙者ノ名前ハ……!」クルッ ←回り
「「……」」
????????
「――シンカイダンテス! 深海界最高ノ剣士!」シュビッ! ←ポーズ
比叡
(…………濃い……)
霧島
(……濃い、ですね……)
榛名
(……)
金剛
(濃すぎデース……)
龍田
(濃いわ~……)
吹雪
(濃い、よね……?)
島風
「こっゆーい」
天龍
(っ……!)
SECRET MISSION 4-4-1
~ これも大事なお勤め ~
大本営海軍部・一室
??
「――え? コンビニエンスの店員さん、ですか……?」
????
「そうだ。
近々、各鎮守府で軍民双方間の交流を目的とした、
鎮守府の一般公開イベントが催されることは知っているな?」
??
「あ、はい。 存じています」
(なんでも、日頃頑張っている艦隊の皆さんを労うのと、
民間の方々との相互理解を促進させるために娯楽を提供する催し……
だったかしら)
????
「元々、近年より、こういった民間との交流イベントは
深海棲艦が現れ、それに対抗するために艦娘が軍用されることが決定した当初から、
軍事行動を円滑に行うため、積極的に行われてきた」
??
「……」
????
「次に行われるイベントもそれと同様の物なわけだが、
今回に限っては多少、事情が違ってね。
……厳密にはとある鎮守府に限って、なのだが……」
??
「……?」
????
「……フッ。 まぁこれは、今君が知るようなことではないな」
??
「はぁ……」
(?)
????
「とにかく、いろいろ"わけ"もあって、
これからは民間からのより深い理解と支持、信頼を得ておく必要が出てきた。
よって、大本営はその一環として、軍民間の交流促進の新企画を考案した」
??
「それが今回のお話、というわけですか?」
????
「その通りだ。
今回、君に来ている指令はその試金石とも言えるものだ」
??
「え……?」
????
「なんでも、聞いた話では今回の指令から間を置かずして、
次は某牛丼チェーン店との合同イベントを大本営では企画中とのことだ。
民間と距離を詰め、どんどん積極的に触れ合っていきたい、ということなのだろうな」
??
「な、なるほど……」
(深くは考えないでおこうかな……)
??
(……あれ? 試金石……?)
??
(…………!)
??
「た、大役じゃないですかっ!!」
????
「そうだな」
??
「うぅ……私でいいのでしょうか……?」
????
「確かに君は配属されてからはまだ日も浅いな。
しかし大本営、そして、
すでにもう君のことを知っている各鎮守府の提督達からの推薦だそうだ。
自信を持っていいんじゃないか?」
??
「っ……皆さんが私のことを……。
……わかりました。 この鹿島、今回の任務、謹んでお引き受け致しますっ!」
????
「よろしく頼む」
鹿島
「はい!」