悟る者もなく、神を探し求める者もいない。
皆迷い、だれもかれも役に立たない者となった。
善を行う者はいない。ただの一人もいない」
(ローマの信徒への手紙 3:10~12)
人間は生まれながらにして悪である。
人が性善説を信じ続ける限り、人類は失敗をし続ける。
人類が生み出す物もまた同様である。
失敗をしたくなければ、是が非に関わらず、これを念頭に置かなくてはならない。
その前提にたって、人は生き、法で縛り、物を生み出すべきである。
性善説に甘え、それに頼ったシステムは将来、必ず失敗する可能性を孕む。
これには、人は失敗をしないという思い込み=性善説=ヒューマンエラーをも含む。
※欠陥物というものは、欠陥が出るまでは厳密には欠陥物ではない。
そのため、欠陥が出るまでは有用物として使える。
罰則があっても実行する者はいるのだから、罰則がなければ実行する者は多く現れるのは自明の理。
※究極の安全対策とは人間を信用しないことである。
人間相手に注意喚起をしておいても、1000人全員が完全に注意するとは限らず、
1000人全員が365日完全に注意を怠らないとは限らない。
人間を信用しないシステムや構造を構築した方がはるかに安全である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
信用できる人間とは、その人にとって不利となる発言をあえてしているタイプの人間である。その人は認めるということや省みることができるから、こういったことが出来る。自分にとって不利となるような発言は頑なにしない人間、認めるということや省みることをしない人間、これほど信用できない人間はいない。
鈍行の旅、終着
プシュー……プァーンッ ガタンゴトンッ
ダンテ
「……ファア~……やっと着いたのか」グッグッ… ←伸び
陸奥
「やっと、って……あなた寝てただけじゃない……。
駅弁食べちゃったら、すぐに寝ちゃうしっ……」
ダンテ
「あぁ、ありゃウマかったな。 満足しちまったら眠気がな」hahaha
陸奥
「……言っとくけど、帰りは寝るの禁止だからっ」
ダンテ
「ア? ……ヘイ、冗談だろ?
あんな人ばっかりで、何もない空間で寝る以外に何してろっつーんだよ……」
陸奥
「……一応あたし、いろいろ持って来てたんだけど」つ□
ダンテ
「……俺とお前でカードをやるのか?」
陸奥
「……ウノもあるし!」
ダンテ
「アァ、ページワンみたいなやつか? 二人で出来たっけか、それ」
陸奥
「……け、景色とかっ…」
ダンテ
「景色ねぇ……」
陸奥
「……と、とにかく帰りは寝るの禁止っ! いい!?」
ダンテ
「へいへい……」
・・・・・・
ダンテ
「ここからは近いのか?」
陸奥
「まだ少しあるわ。 タクシーを拾って移動するの」
ダンテ
「Uh-huh」
――――――
大本営・正門前
ダンテ
「ここがそうか」
陸奥
「ええ。 大本営海軍部。
あなたには、ここで会ってもらわないといけない人がいるの」
ダンテ
「そいつの呼び出しってことか」
陸奥
「そういうこと」
――――――
大本営・とある客間の一室
ダンテ
「……」
ガチャ…
陸奥
「……」パタン…
ダンテ
「なんだって?」
陸奥
「……ええ、それが……会議は明日の予定になるみたい……」
ダンテ
「……まぁ、流石に今日行って帰って、ってのは無理だとは思ってたが。
なんだ、遅刻してる奴でもいたのか?」ha
陸奥
「どうもそうらしいのよね……。 相も変わらず振り回してくれてるわね……」
ダンテ
「huh...」
・・・・・・
ダンテ
「――ま、そんなこんなで
入っていきなりここに通されたわけだが。 ……まぁヒマだな」
陸奥
(…!)
「だったら少し出歩かない? いろいろ案内してあげるわよ?
ほら、日本の観光ってまだしたことないんじゃない?」
ダンテ
「ン……あー……そう、かもな…」
陸奥
「……なんか、含みのある言い方ね……」
ダンテ
「…いや、何でもねぇ。
そうだな、まだと言えばまだだな」
陸奥
「だったら! ね、行きましょっ?
夕食はこの部屋に運んでくれるみたいだけど、それまではまだ時間あるし」
ダンテ
(……)
「いいね、楽しそうだ。
だがまぁ、それは明日でもいいんじゃねぇか? 慌しいだろ」
陸奥
「え……。
急に何よ……らしくなさそうなこと言っちゃって……」
ダンテ
「そうか? ha
お前、移動中もずっと起きてたんだろ? 疲れてるんじゃねぇか。
飯時前に一休みしてこいよ。
別に俺ももう一眠りしたっていいしな」
陸奥
「私は別に大丈夫だけど……って!
また寝るの!? 新幹線の中であれだけ寝てたのに!?
夜眠れなくなるわよっ!」
ダンテ
「問題ねぇよ。
元々、週休6日が俺の主義なんでな。
寝るだけならいくらででも寝れる。 "パーティ"中でもな」hahaha
陸奥
「ただの居眠りじゃない……。ていうか怠惰すぎだし……。
……これは本格的に今からでも教育の必要があるわね」コツコツ
―グィッ
そう言うと、陸奥はダンテの腕を引っ張った。
呆気に取られているダンテに、陸奥はウインクしながら言う。
陸奥
「今後のためにも、ね」-☆
グィー
ダンテ
「アン? …っと、おいっ」
ピタ…
陸奥
「……」
ダンテ
「……hm, なんだ、どうした? さっきからちょっと変じゃねぇか」
陸奥
「……仕事で来てるんだし、こういうのは不謹慎だとは思うけど
それでもやっぱり、少し楽しみにしてた……こうして、あなたと二人で遠出するの……」
ダンテ
(……)
陸奥
「昼間はあんなだったし、ちょっとくらい構ってくれてもいいじゃない……」
伏し目がちに、陸奥はそう言った。
ダンテ
(……まぁ、深夜の方が動きやすいか。 最悪、アイツが何か掴んでるだろうしな)
「……huh.
実はここに来る途中、気になってた通りがあってな。
なぁムツ、まずはそっから頼めるか?」
陸奥
「…ふふ。
ええ、了解よ♪」
――――――
大本営海軍部近くのホテルの一室
トリッシュ
『あら。ということはもうこっちには来てるのね』
レディ
「ええ。 予定だと今日だったはずだから。
……なのに、急に明日に延期よ……。
あちらのお偉いさんが遅刻してるからとか言ってたけど、
ふざけるんじゃないわよ、ってね……」
トリッシュ
『災難ね…』
レディ
「そっちはどう?」
トリッシュ
『申し訳ないけど、全然ね。 上手く撒かれてるような気もするわ』
レディ
「へぇ…珍しいわね」
トリッシュ
『だからまだ時間はかかるかしらね』
レディ
「そう……。
会議はどうするの?」
レディ
『代表一人でもいいんでしょう?』
レディ
「まぁそうね。 私は仲介人として、って形だし」
トリッシュ
『今回はパスするわ。
……後々、その方が都合が良かったってこともあるかもしれないしね』
レディ
(……)
「……そうね。 わかったわ。
明日の内容は、また後で連絡するから」
トリッシュ
『了解。
"あそこ"へはもう少ししたら、直接出向くわ』
レディ
「ええ。 そっちに関しては全面的にまかせるわ。 それじゃ」
p
レディ
「……はぁ、一泊余分に足止めを喰らったわね……。 請求してやろうかしら」
――――――
翌日
ダンテ
「……ファア~……」スタスタ
陸奥
「あら、寝不足?」コツコツ
ダンテ
(……)
「アァ……かもな」
陸奥
「何、もしかして今日の会合に緊張して眠れなかったとか?」フフフッ
ダンテ
「そんなとこだな」ha
陸奥
「……」コツコツ
ダンテ
「……」スタスタ
陸奥
「……本当は?」
ダンテ
「お前も案外疑い深いやつだな……。
だから言った通りさ。 どんなお偉いさんが来るのかと思ってな」ha ha-
陸奥
「すぐにわかるような嘘ついてるんじゃないわよっ。
絶対あなたの柄でもないでしょ、それ……。
…………あっ……まさか、また夜な夜なっ……」
ダンテ
「……美女たちと夢の街でR指定ってか?
んな金ねぇよ。知ってんだろ」
陸奥
「……あっちからとかっ…」
ダンテ
「お前な……。 マジで落ち着けよ……」
陸奥
「……」
ダンテ
「huh...
……ン」…ピタッ
レディ
「ハァ~イ」ヒラヒラ
ダンテ
「ほぉ」スタスタ
陸奥
「……?」
(見たことない人……。 軍人……にも見えないわね……)コツコツ…
・・・・・・
レディ
「感心ね。 いつも時間にルーズな貴方が珍しいじゃない」
ダンテ
「今回は引っ張られて来てるからな」ha..
陸奥
(! "いつも"……!?)
レディ
「ふ~ん…」チラ
陸奥
「……」ジー…
レディ
「……」ジー…
ダンテ
「……」
・・・・・・
ダンテ
「……お互い、挨拶くらいしといた方がいいんじゃねぇか」huh..
陸奥
「……ふふ、初めまして。
○○鎮守府、提督代理補佐艦の陸奥です」ニコォ…
レディ
「ハァイ。
貴女たち艦娘のことは、日頃のニュースでもいろいろ見てたから、
常識的な範囲のことなら知ってるつもりよ。
レディって呼んでもらえるかしら。 もちろん、本名ではないけど」ニコォ…
陸奥・レディ
「よろしく」
つ⊂
ダンテ
(……)
・・・・・・
ダンテ
「ここにいるってことは、お前も会合に出るのか?」
レディ
「ええ。 "立場上"、ね」
ダンテ
「hum...」
(本当にオイシイ仕事だよな、そっちは)
陸奥
「……」
(やっぱり、この人っ……)
ダンテ
「これから会う奴とは、お前は面識あるのか?」
レディ
「話はしたことあるわね。 というか、私に直接連絡を寄越したのが彼ね」
ダンテ
「男か」
レディ
「ええ。 でも知ってるのは声だけだから、面と向かうのは今回が初めてね」
ダンテ
(……)
「要は素性は知れてねぇと」
レディ
「…そういうことね。
でもこのことに関しては、私よりも彼女の方なんじゃないの」…チラ
…ピクッ
陸奥
「……あっ、えっと……」
ダンテ
「……昨日、こいつとも話したが、どうやらムツの方にも
詳しい話は来てなかったみたいでな」
レディ
「あら、そうなの」
陸奥
「……ええ。
聞かされていなかったと言うこともあるけど、そもそも情報が少ないのよね…」
ダンテ
「あ?」
陸奥
「今朝、あなたを起こしに行く前に、ここの回廊で噂話が耳に入ったのよ。
本当にごく最近、提督に就任した人がここ大本営に来てるって。
実はその人のことは風の便りに聞いてはいたんだけど、
何しろ、それ以上の情報がなくてね……」
ダンテ
「へぇ。 じゃあそいつと会うことになるかも知れねぇってことか」
レディ
「……ふーん……」
(……ていうか何? 今、起こしに行くとか言ったの?この子)
・・・・・・
ダンテ
「ま、行けばわかるか。
そろそろ行くか」スタスタ
レディ
「そうね。 立ち話が長くなっちゃったし、急ぎましょうか」…コツ
陸奥
「……」ジ…
ピタ…
レディ
「…あら? どうしたの、行かないの?」
陸奥
(……やっぱりそうなんだわ……この人が…………"相棒"……!!)
レディ
「……?」
陸奥
「……」チラ…
レディ
(……ん?)ピクッ…
陸奥
「……フッ」
(勝ってるわ…………胸ならっ!)
レディ
(……)イラッ
ダンテ
「……ア? おい、何やってんだ。早く行こうぜ」
陸奥
「は~いっ」フフッ♪ コツコツ
レディ
「……tut」
――――――
会合用の一室
????
「……」
男は既にその部屋にいた。
窓越しに外の景色を静かに見ている。
何か物思いに耽っているようであった。
―ガチャ
????
(……来たか)
お疲れ様でした。
これより先、オリキャラが登場し、名前も付きます。
予め、ご了承下さい。