愛しみを以ってでも、憎しみを以ってでも、その願いは聞き届けられ、果たされる。
執着のない者に愛はない。
愛のない者に才能はない。
~ Streak 007 ~
……最近、眠ると夢をよく見る。
それはとても不思議な夢。
起きてしまえば、やっぱり細かなことは忘れてしまうような夢だけれど、
それでも起きた後も胸にずっと残る……そんな夢を……――
「…………また……やっぱりここなのね……」
そこは暗くて、どんよりしてる感じ。
もう何度も同じような物を見て、感じて、繰り返してる。
夢の中だってわかりきってるけど、それでも自分で夢から覚めることはできなくて……。
……ここは、どことなく体が重くて気だるくて…………息苦しい……。
どうせ見るなら、もっと素敵な夢がいいのに……。
…………早く、一緒にお休みしてほしいな……。
「…………」
ここに来てしまったら、私はもう目が覚めるまでずっとこうして座り込む。
だって、ほかにどうしようもないから。
今日も目が覚めるまでこのままいるんだと思ってた。
……そう思っていたら、
「…………っ!? だれっ!?」
「…………」
私の後ろに…………その人はいた。
「…………」
「っ……あなた……」
この暗い中、見えているわけじゃない。
言ってみれば、輪郭のある影のような……。
だから、今私の目の前にいる人が誰なのか、どんな人なのかなんてわかるわけない。
でも私はこの人とは、もうこれまでに何回か会っている。
……そんな気がする……。
「…………あなたは……だれ?」
「私ハ――」
―ゴボコポポッ…
聞き取れない……。
今やっと、私は気付いた。
……きっと"ここ"は海。
……本当になんとなくだけどたぶん、海の底……。
「――深遠ノ海底ニ棲ム者」
(――っ! それって……っ)
「…………ソレト、力ノ求道者」
「えっ」
…………。
「…………」
「…………それはちょっと……属性盛りすぎなんじゃない……?」
「…………」
「…………私の夢の中に現れて、姿は真っ黒で、でもおしゃべりは出来て、
……それで、海の底に住んでいるってくらいでもう十分にキャラは立ってると思」
「貴女ハ、"力"ガ欲シクナイ?」
「…………」
「…………」
それは、唐突な問いかけだったわ。
「…………」
「…………貴女ハ、"力"ガ欲シクナイ?」
「……力……?」
「ソウ、"力"」
「……力、って……何の力なの?」
「……私ノ声ハ深海ノ呼ビ声。
“堕チタル娘ノ魂”ヲ開花サセ、ソノ内ノ秘メタル"力"ヲツムギ出スッ……!」
(……“堕ちたる娘の魂”…………それに、内にある秘めたる力、ですって……?)
「…………貴女ガ望ムナラ、」
―スゥ…
「あっ……!」
私の夢は、そこで終わった。
「…………っ……」
……ムクリ…
――美シキ、母ナル海ノ
「……"深キ力"ヲ、カ……」ボソ…