~ Streak 011 ~
夕張
「よっしゃぁあー! 守りきったぁああーーっ!!」グッ!
大淀
「いや違いますから。正確には保留ですから」
明石
「あはは……」
夕張
「でもでもっ! 大本営にはまだ報告行ってないんでしょうっ?」
大淀
「行ってないというか、できませんよこんなこと……。
どう報告しろって言うんですか……」
明石
「長門さん、青ざめてましたよね……どう判断していいかわからないって……」
大淀
「……まぁ、共犯になったようなものですしね……」
夕張
「大丈夫! いつか絶対に認められるようになるはずだから!」
大淀
「……とりあえず、動力系はすべて外して、
拘束器などを使って完全に固定してください。
あぁ、安全装置などのセーフティがあるものはすべて有効にしておいてください」
夕張
「!?」
明石
「……」
・・・・・・
夕張
「くはぁ~……」カショカショ
明石
「ま、まぁ、即時解体でなかっただけよかったと思わないとっ!」アハハッ…
宇宙丸
「……」…
大淀
「……まったく…………ん?」
(……あれ? 今なにか、あのロボットの目が光ったような……?)
・・・・・・
夕張
「――よし、これで先の仮固定は完了、っと。
それじゃ、動力系外しまーす。 まずはD-ブースターから。
明石、やっちゃってー」
―――
明石
「はーい。
ぽちっとな」ポチッ
大淀
「……」
―――
―ウィーン……ガキンッ
夕張
「…ん?」
―――
明石
「……あれ?」
大淀
「……?」
―――
夕張
「……え、外れた?」
―――
明石
「………いや……外れてないです……。
何か、ひっかかってますね……」
―――
夕張
「ひっかかった? ……変ね……。
ホック系は全部外したと思うんだけど……」テクテク…
―――
明石
「うーん……?」カタカタカタ… ←管理端末操作
大淀
「……何か不調?」
明石
「うん、なんか…………あれ~……?」カチカチ…
大淀
「……ぁ……。
……ね、ねぇ明石……?」
明石
「はいー?」カタカタカタ
大淀
「……何というか、あのロボットの目……今光ってない……?」
明石
「えー? 今は別に起動はおろか、内部動力も残ってないはず……っ!!?」
―――
夕張
「ホックじゃないなら……え~……何かしら……」テクテク
『夕張!今すぐそこから離れてっ!』
夕張
「え……?」ピタッ…
宇宙丸
「……」…ガコンッ
夕張
「」
『その子……まだ生きてますっ!!』
宇宙丸
「……」…ガシッ……ガコォンッ!
突如、独りでに起動した大宇宙1号丸。
おもむろに動き出した左腕が、外れかけたD-ブースターを掴み、
再び自身の体内に押し込んでいく。
―――
大淀
「どどどどうなってるのあれっ!?」
明石
「っ……左腕が動いてる……!
まさか――」
―――
夕張
「アクゼリュスシェル……!」
―――
大淀
「何なのそれ!?」
明石
「……実は元々、あの機体には10個の例の大きい石が組み込んであって……。
各部位に組み込んだそれぞれの石の名称は、こっちで勝手に付けたんだけど
その一つの左肩に組み込んであった石の名前が」
大淀
「細かい話はいいから!
だから、どういう物なの!?」
明石
「……ぶっちゃけよくわかってない……」
大淀
「」
明石
「そもそも、中の石がそういう物なわけで……。
でも、初期の私たちの想定では、
ただ単に供給されるエネルギーの中継基地局的な運用しか」
大淀
「待って。 ……とにかく、今はなんで動いてるの?」
明石
「……多分だけど、先の戦闘で連結したD-ブースターの影響かも……。
石と石同士が、実は私と夕張が思っていた以上に
エネルギー的な何かで強く共鳴してて、それがまだ残ってて……」
大淀
「っ……」
明石
「…! そうだ、陸奥さんがダンテさんから聞いてまとめてた報告資料にもあった……。
エネルギー利用の開発ばっかりしてたから、忘れてたんだ……!
小さな石が少量あるってだけなら取るに足らなくても、膨大量も集まると
やっぱり、ただ単にエネルギーの凝縮体ってだけじゃなくなるんだっ…!」
大淀
「……それでどうなるのっ…?」
明石
「……このまま行くと、おそらくは………あっ!!」
―――
宇宙丸
「……」…
夕張
「………っ!?」
―ガキンッ! バキキッ……ボゴォッ!
宇宙丸
「……」
夕張
「こっ……拘束器が外されていく……!」
『夕張っ!!』
宇宙丸
「……」……キュィーン…
夕張
「……全身動いてるっ…………まさか………暴走っ……!?」
―ダァン! タララララ タララララ タラララララ♪
―――
タータタタ タータタッタッター タッタッタター タッタッタッター♪
大淀
「なんですかこの音楽!?」
明石
「始まったか……!
緊急事態用BGM! 所定手順をクリアしないで、何らかの起動が行われた際に
機体から鳴るように設定されてたんだけど……まさか本当に必要になるなんてっ……!」
大淀
「車のロックシステムか何かですかっ!?」
―――
夕張
(……これはもう迷ってる場合じゃないわね…)
「明石っ! 長門さんに連絡を! あと、あの人にもっ!
私は魔装組(*)と特装組(*)に救援を頼んでくるからっ!」
*魔装、特殊兵装持ち艦娘達の略称
―――
明石
「わ、わかりましたっ!!」
大淀
「っ…鎮守府の警戒警報、発令してきます!!」