「壊していいよ。おかしいものは壊さないといけない。
それから作り直すんだ」
~ Streak 018 ~
工廠
明石
「……夕張に呼ばれて来たけど……」
(声の調子が例のあの感じだったから、少し不安だなぁー……)
テクテク…
――――――
開発室
夕張
「……よしっ、確認作業も終了! 完成ねっ!」
明石
「夕張ー?」
夕張
「! 来たわね!」
・・・・・・
明石
「見せたい物って?」
夕張
「ふふふっ! これよっ!!」
―バサッ
【サイド付きの水上バイク】
夕張によって、カバーが掛けられていた物の姿が露になる。
明石
「……まず聞いときたいんですけど、
これももしかして例の小さい魔石けっこう使っちゃってます?」
夕張
「当然っ!」フンスッ
夕張は胸を張って答えた。
明石
「いやいや!? 潤沢だからって使いすぎですよっ!!」
夕張
「だってせっかく作ったあの子も、お触り禁止令出されちゃったし、
ヒマなんだもん」
明石
「遊び感覚で消費しないでよ……」
夕張
「余ってる物は有効に使わないと、と思って……」
明石
(……まぁ、もう後の祭りか……)
「……はぁ……」
夕張
「えへへ……」
明石
「……で、これ何なんですか? ていうか何用ですか?
…あ、もしかしてこれダンテさんに?」
夕張
「や、ていうかあの人にはもうあのシューズ渡しちゃってるし。
時間かかるかなぁとも思ってたけど、
一分もしない内にあっさり使いこなしちゃってたし」
明石
「じゃあどうして?」
夕張
「最近、この前、出撃に出てた子達から補給系の問題が指摘されてたじゃない?」
明石
「…あぁ。
特に特殊兵装を装備してる子達から挙がってたやつですね。
弾丸系の尽きが早いのと、たしかストックしてた魔石も使い切ることがあったとか?」
夕張
「それそれ。
で、その問題を解決するのがこの子よ!」
明石
(……その補給問題がいったいどうしたらこの結果に?)
夕張
「ほらっ」
―パカンッ
明石
「……あぁー」
そのバイクの収納口を開けると、各弾丸専用のマガジンと弾丸ベルト、
そして小さな魔石が敷き詰められていた。
明石
「……なるほど」
夕張
「速度もだけど、馬力もけっこう出るのよこれ。
まず、速いのは各艦娘に急いで補給を行うためね」
明石
「ふむ……」
夕張
「馬力については、補給物資のせいで元々の重量が
それなりになってるからなんだけど、それだけじゃなくて、
この子にサイドが付いてるのはそもそも曳航の肩代わりも想定してるからなの。
艦種にもよるけど、馬力的には組み合わせ次第で最大三人は乗れるわっ!」
*水上バイク二人乗り+サイド乗り=3人
自転車の二人乗りは(ry
バイク・水上バイクの二人乗りは法令規則を守って行ってください。
明石
「……めちゃくちゃハイスペじゃないですかっ!?」
夕張
「がんばったわw」
明石
「ふぁ~……」テクテク…
それに近づきながら感嘆の声を漏らす明石。
明石
「……ん~……でも結局、それだけのパワーともなると駆動用の魔石も
相当使っちゃったんじゃ……」
(……ん? ここかな、エンジン部)ググッ…
―パカッ
† …キラーン…
明石
「……えっ」
夕張
「……」サッ…パタン…
そのエンジン部には、翼のある竜の大きく開けられた口から剣が生えているようなデザインの大剣が収められていた。
が、すぐさま夕張が蓋を閉めてしまった。
夕張
「……」
明石
「……あの」
夕張
「……それで呼び出したのは他でもなくてね、」
明石
「ちょっと待って!?
夕張、さっきのって……!」
夕張
「…………うん、なんか…………電気……すごかったから…………アリだな、って……」
明石
「…………えぇ~……」
・・・・・・
明石
「――そういうことですか……」
夕張
「うん、だからお願いっ……!
ほとぼりはまだ微妙に冷めてはないと思うし、私一人じゃ不安なの……。
一緒に長門さんに許可取りに行って……?」人
明石
(……まぁ、これに関してはけっこういろいろと考え込まれてるし、
ちゃんと真面目にがんばって説明すればちゃんと通る、かな……?)
「……わかりました。 詳しい仕様を教えてください。
私の方から話しますから」
夕張
「っ! ありがとう、明石っ……!」
明石
「いえいえ」
(あのこともあって、自重していたからとはいえ、
今回は何も手伝っていませんから、これくらいは……)
夕張
「それで仕様なんだけど、補給や曳航が本来の目的だから、
通信機能は当然として、この子には他にも望遠カメラが付いてるの。
これを利用して助けに行く、なんて事態は考えたくないけど、まぁ一応ね。
というか望遠機能自体は他にもいろいろと使える場面はあると思うし」
明石
「ふむ……」
(レンズでなくてカメラ、か……)
夕張
「さらにこのカメラを通して得られた映像は保存はもちろん、
工廠のPCに映像をリアルタイムで送信できるわっ!
そっちの方は解像度がだいぶ落ちちゃうんだけどね」
明石
「なるほど」
夕張
「あと、何といっても外せないのがこのターボ機能ねっ! もうロマンよね!ロマン!」
明石
(……○○7かな?)
夕張
「ただ、これを使った場合、駆動用魔石の消費がけっこう激しくなっちゃうから、
補給分のやつまで割を食うと思うけど」
明石
(なんという本末転倒機能……。 なんか急に流れが……)
夕張
「そして、最後!」
明石
「……」
夕張
「一番の目玉機能がこの自爆機n」
明石
「外してください」
夕張
「……えっ」
明石
「説明しませんよ?」
夕張
「……い、いやでもっ!
弾薬を積みまくってるって時点でそれはもう十分にフラグも立って―」
明石
「だからってわざわざそんな機能必要ないでしょ……。 懲りてないんですか……。
ほら、手伝うから。 外すよ」
夕張
「……はい……」