時代の維新者や革命家、真理と真実への到達者は、常に少数派の中から生まれている。
そして多くの場合、多数派は静黙的であり、少数派は狂騒的である。
また、時代の危機によく気付くのは多数派ではなく、少数派である。
だからこそ、少数派は声高に警鐘を発する。
?
日月神示によると、その割合は1:99であるという。
革新は常にマイノリティから起きる。
「逆張りの遺伝子」あるいは「反対行動の遺伝子」のような表現は、進化生物学における頻度依存選択(frequency-dependent selection)の概念に関連する一般的な解釈。
これは、集団内で大多数とは異なる行動をとるマイノリティが存在することで、集団全体の存続の可能性が高まるという進化的なメカニズムに基づいている。
~ Streak 020 ~
【謎の塔】
翔鶴・浜風・五十鈴
「…………」
夕張
『……とりあえず、一度外周をぐるーっと回ってもらえる?
一応、外観をカメラに収めておきたいの。 何に使えるかわからないし』
翔鶴
「…あっ、はい。了解ですっ」グィッ
―BRR! ザザァーッ
五十鈴
「……外周もかなりあるわね、これ……」
翔鶴
「ええ、そうですね……」
浜風
「……」
夕張
『……ふむ……』
五十鈴
「なんて言うんだったかしら、こういうの…………バロック調?
なんかそんな感じの建物よね、これ」
夕張
『あぁ~……』
翔鶴
(……ばろっく?)
浜風
(……!)
「あっ…」
夕張
『ん?』
五十鈴
「何どうしたの?」
浜風
「ぁ、いや……気のせいだったのかもしれないですが……」
夕張
『何でもいいわ。 言ってみて?』
浜風
「……はい、では……。
翔鶴さん、一度停止してもらえますか?」
翔鶴
「あ、はい」グッ…
BRR...
浜風
「……皆さん、塔と海面の境界をよく見ていてください」
(見間違いでなければ……)
「「………!」」
浜風
「……やはり……」
翔鶴
「色が違うっ……」
五十鈴
「黒っぽかったわね……」
夕張
『ふむ……海面より上は白のバロック調の塔で、それより下は黒色か……。
何を意味しているのかしら……』
五十鈴
(海面……)
「……ねぇ、他にも気になったんだけど」
夕張
『どうぞ』
五十鈴
「この塔ってよく見ると、上の方は吹き抜けになってる所が結構あるじゃない?
本当にかなり上の方は、だけど……」
翔鶴
「遠方からでもそれは確認出来てましたね」
浜風
「ただ、そのときは遠すぎて望遠カメラでも中の方までは見られなかったやつですね」
夕張
『近づいたら近づいたで、今度は射角の方が悪くなってきちゃって、
結局中の様子はまだ見られてないのよね……。
それが?』
五十鈴
「……この塔の下の方……つまり着水部分だけど」
浜風
「吹き抜けのようなものはないか、ですか……?」
五十鈴
「……ええ」
夕張
『……』
翔鶴
「さすがにそれはないのでは……? 浸水が……」
五十鈴
「その確証ってある……?」
「「……」」
夕張
『……確かに、これまでのことを考えてきてみれば
"ある"とも"ない"とも言えない、か……』
「「……」」
夕張
『まぁでも、こればっかりは直接潜って見てくる以外にないわね』
翔鶴
「潜水艦ですね」
夕張
『ええ。 でも、うちってまだいないのよねぇ……』
浜風
「……」
五十鈴
「……想定なんだけど、この塔の調査をこれからも続けていくとしたら、
いずれは内部の調査の必要も出てくるでしょ?」
夕張
『……今は政府の方でも衛星とかを使って調べてもらってるのを
待ってる状態ではあるけど、その結果もどうなるかはわからないし、
今回の私達の調査でもあまり有益な情報が得られないようなら、
それは十分に考えられるわね……』
翔鶴
「っ……つまり、それって……」
浜風
「…………浸入方法の立案、ですか……?」
五十鈴
「そういうこと。 まぁ今はまだ仮の話だけどね」
翔鶴
「……」
浜風
「……とりあえず、今は外周調査を終わらせましょう。
まだ"何か"あるかもしれません……」
五十鈴
「"何か"、か……」
夕張
『……そうね。
例えば、これ見よがしにお誂え向きな"入口"……とかね』
翔鶴
「……行きますっ」グィッ
―BRR! ザザァーッ
・・・・・・
夕張
『――ストップ! オーケー、お疲れさま!
これで一応、外周長と直径とかくらいは一気に割り出せると思うわ!
ざっくりとだけどね。
衛星機の方がいいデータ出すとは思うけど、いつになるかわからないし』
BRR...
翔鶴
「……ふぅ……」
浜風
「ずっとお疲れさまでした、翔鶴さん。 大丈夫ですか?」モミモミ
翔鶴
「んぁっ/// あ、うん……ありがとうっ…///」
*肩揉みです
五十鈴
「……しっかし、特に目立った物は他に見つからなかったわねぇ」
夕張
『そんなにうまくは行かない、か……。 ん~……』
翔鶴
「もう少し接近して調べてみますか?」
五十鈴
「ていうかもう、接着して塔の壁を
少しずつ叩いて回るくらいやった方がいいんじゃない? 軽い強度調査とか」
浜風
「強度……そういえば夕張さん、例の破壊処理計画はどうなりましたか?」
夕張
『……実は三時間くらい前には計画の一案としてまとまりかけてはいたんだけど、
今もう取り下げられてるわね』
浜風
「やはり……」
五十鈴
「……さすがに高くなりすぎたってことね」
夕張
『ええ……』
翔鶴
「……」
夕張
『発生した原因も未だに不明で、どうやってここまでの高さが
維持出来てるのかも謎だけど、もしこの塔の破壊が可能だったとして、
それに成功した場合、周囲の海にどんな二次的影響があるか……』
「「……」」
夕張
『……それに、あとはまぁ……どうもキナ臭い話も出てきてるみたいなのよねぇ……』
翔鶴
「キナ臭い話?」
五十鈴
「何よ?それ」
夕張
『……どうやらこの塔、今はもう宇宙に届くか届かないかくらいあるみたいなのよ……』
「「…っ!?」」
夕張
『……で、そんな塔がお金も時間も手間も何の苦労もなく、
建っちゃってるわけでしょ?』
五十鈴
「……なるほどね、もうなんとなくわかったわ……」
翔鶴・浜風
「……」
・・・・・・
五十鈴
「とりあえず、今はもう少し接近して調べてみる、でいい?」
夕張
『そうね、特に安全面で問題がなさそうならお願い』
「「了解」」
翔鶴
「それじゃエンジンかけますね。
速度は出しませんけど、念のため二人ともちゃんと――」
浜風
(…ん? …っ!??)
「―皆さん!上をっ!!」
五十鈴
「っ……ぇ……!?」
翔鶴
「……何、あれっ……」
塔の上空、何気なく目をやった浜風がその異変にいち早く気付いた。
塔の上の方の空が赤くなっていたことに。
浜風
「…っ!!」
(んなっ!? まずいっ!!)
夕張
『ぼ、望遠しましょうっ! 翔鶴さん!』
翔鶴
「は、はいっ…!」
浜風
「いえっ! 出してください翔鶴さん!! "落ちて"来ますっ!!」
五十鈴
「うそぉっ!?」
―ドボォーンッ!!
"それ"は運良く当たりこそしなかったが、三人のかなり近くに落ち、
水上バイクを激しく揺らした。
五十鈴
「やだっ、うわわっ…!?」
浜風
(!?)
翔鶴
「五十鈴さんっ!?」
ハンドルを握っていた翔鶴と早くに気付いた浜風は体勢を崩すことはなかったが、
五十鈴は完全に油断していた。
五十鈴
「っ…!」
(やばっ…!)
―ギュッ!
翔鶴
「きゃあっ!?////」
しかし、五十鈴は翔鶴のスカートに助けられるのだった。
五十鈴
「あ、ごめんなさいっ…!」
翔鶴
「い、いえ、ご無事で何よりです……///」…シュルッ… ←……
浜風
「……よかった…! 翔鶴さん、出してください!」
翔鶴
「は、はいっ!」グィッ!
BR!
―ファサ…
浜風・五十鈴
(……ぁっ)
翔鶴
「…行きますっ!!」
BRRRR-!!
―バササッ! ヒラヒラヒラ… チャプン……