理想を求める者達も異世界から来るそうですよ? 作:幻想のtidus
白夜叉の実力を目の当たりにした問題児達は硬直していた。
目の前の存在は正しく天災の化身だ。
この白夜の地平が、この世界がただのゲーム盤。
世界の創造さえ可能にする存在に無策に挑もうなど、荒唐無稽なのだと悟らされる。
しばしの静寂の後、諦めたように十六夜がゆっくり挙手する。
「……参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」
「ふむ、それは決闘ではなく、試練を受けるということかの?」
「ああ、これだけの事が出来るんだからな。アンタには資格がある。───いいぜ。今回は黙って
十六夜の物言いに白夜叉は堪え切れず高らかに笑い飛ばした。
“試されてやる”とは随分可愛らしい意地の張り方があったものだと、白夜叉は哄笑する。
「く、くく……して、他の童達も同じか?」
白夜叉は笑いを嚙み殺して他の五人に問う。
「………ええ。私も、試されてあげてもいいわ」
「右に同じ」
「俺も今回は降りる」
「私は皆さんが傷つかないのであれば降ります」
飛鳥、耀、龍悠は苦虫を噛み潰した様な表情で返答し、夏海は打って変わって笑みを浮かべながら返答した。
そして、白夜叉達の視線が秋世に集中する。
「おんしはどうするのじゃ?」
「………なあ、白夜叉」
「なんじゃ?」
「……ギフトゲームに勝てばギフトを手に入れる事が出来るんだよな?」
「まあ、そうじゃの」
そうか、と短く区切り。
「……ならば俺の答えはただ一つだ───白夜叉、決闘を受ける」
「ま、待って下さい!秋世さん、本気ですか!?実力差は歴然、貴方だってそれは分かっていた筈です!」
なのに何故、と黒ウサギは問う。
「……だからなんだ」
しかし、彼の返答は決まっている。
「……勝てないから、届かないから、そんな理由で目の前の理想への道を諦めるのか?──違うだろ。必死に手を伸ばして、届くかもしれない可能性があるのなら俺はそれに縋る」
目の前の太陽を墜とすのは難しい。だが、決して不可能という訳ではない。可能性があると秋世は言う。
「………
秋世は覚悟している。
自分が死ぬかもしれないという可能性を。
然し、死ぬという可能性があったとしても、目の前の理想への道を最短で辿るには、目の前の太陽に認めさせる必要がある。
だが、それでも自分は負けないという確信めいたモノを信じきっている。
それを白夜叉は感じ取っていた。
「……くく、ははははははははは!良いぞ小僧、貴様の覚悟、貴様の自負心、その想いにかける全てを魔王として全力で相手をしよう!」
白夜叉も久しく興奮していた。
目の前の少年は力の差を弁えた上で挑むという。
魔王としての魂が、誇りが、猛っていた。
「じゃが、その前に他の者達の試練を先に始めるぞ。それでよいな?」
「………ああ、構わない」
そして、秋世を除いた五人は試練を受けた。
その数分後、圧倒的な実力差が存在する決闘が幕を開けた。