潮田渚は一人の人間のことをずっと浮かべていた。
〝ブブッ〟
このバイブレーションは....やっぱりカルマくんからのメールだ。
って言ってもカルマくん以外にわざわざメールで僕と連絡取る人なんていないんだけどね。
『
カルマくん
To:自分
日付 xxxx年 x月 x日 22:34
明日カラオケ行こ
』
僕はこのシンプルな文章で心の底から喜べる。別にカラオケじゃなくても明日でもなくても嬉しいんだ。僕はカルマくんから誘われることが何よりも嬉しい。でも....この時間に送ってくるのは少し困るよ。僕だって色々と予定あるんだしそれにお母さんにも言わないといけないし。
それでも僕は『良いよ』って返事をすでに済ましていた。
僕って本当、カルマくんに甘い。それは分かってる。でも!カルマくんに奴隷のように使われても都合の良い人だと思われても僕は構わない。僕はそれくらいカルマくんのことを特別に思っているから。カルマくんは僕にとって「特別な人」。でも「友達」「親友」「恋人」のどの二文字でもない気がする。周りからは「あの二人仲が良い」って見られているかもしれないけど、そもそも僕らは付き合いが長いからそれは当然だと思う。そう、仲が良いのは当然なんだ。だから僕は辛い。僕の中でカルマくんは一体どういう人なんだろうって考えてしまう。そしていつも決められない。
あ、明日カルマくんに会うからシャワー入らないと。
ーーーー
シャワーにはいつも入ってる。特別なことじゃない。でも今日はもう疲れたし明日の朝入ろうと思ってた。けどカルマくんから連絡きたから....。僕って馬鹿だな。何を心配してるんだろう。杉野や磯貝くんとか他のみんなだったらこんな風に無理にシャワーしないで明日の朝にすると思う。でもカルマくんと一緒にどこかへ行くってなるとこうして無駄に体を気にしちゃう。カルマくんは僕の恋人じゃない。だから体が近づくことなんてありえない。なのに僕は0%以下の確率のことを信じてしまう。やっぱり僕....カルマくんのことが好きなのかな。その感情には薄々気がついてはいた。僕はカルマくんに「かっこいい」っていう憧れじゃなくて好意を抱いてることに。中村さんに「付き合っちゃえよ〜」ってからかわれた時、少し嬉しかった。そういう冗談じゃなくて本気で「付き合いたい」って言いたいから。でもそれを言った瞬間に僕らの関係が終わりそうで怖い。僕らだけじゃなくてクラス全体に迷惑をかけそうだし、何よりカルマくんを傷付けたくない。
ーーーー
寝る前に携帯を見る。何か連絡が来ていたら携帯の通知機能で携帯の上の方が光る。今は光ってない。でも僕は携帯のメールをわざわざ見るんだ。
「もしかしてカルマくんから連絡が来てないかな?」
って、期待してしまって見る。これはもう日課みたいなもの。この日課もカルマくんのことを考えるようになってから出来てしまった。明日...いや、もう今日になってた。楽しみだな。カルマくんと二人・・・き・・・り。
ーーーー
やっちゃった......寝坊だ! もー!だからああいう時間にメールしないでって!前もって連絡してって!何回も言ってるのに〜。歯磨きと髪型だけ整えるだけで良いや。こういう時間がない時も僕は自分の見た目が気になる。髪型が変じゃないかとか、歯は綺麗かとか、顔に何かついてないかとか。時間はないけどつい、時間をかけちゃう。こうしちゃうのもやっぱり....相手がカルマくんだからかな。
今日は何を着て行こう....ん〜。何色にしよう。カルマくんと色がかぶると恥ずかしいから悩む。けど「今日何着てる?」なんて聞けないし。それより時間ないし!
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何とか約束の時間につきそうだけど服、間違えちゃったかな。半ズボンはやめた方が良かったかな。肌見えるのはちょっとーーって! 普通だよね! 僕何変なこと考えて! 別にカラオケ行って歌って話してそれで....帰るだけ。何も起きないよ。またいつも通りの関係が続くだけなんだから。うん。分かってるんだ。特別なことが起きないことは。けど僕は期待し続ける。少しでもカルマくんに近づいてしっかりとした言葉で表せるような関係になるまで......。
おまけの時間
「渚くん見事に俺と服の色かぶったね!」
「ご!ごめんねカルマくん!」
「何で謝るの?」
「だって、僕と一緒って嫌でしょ?」
「別に〜。俺は渚くんとなら一緒でも良いよ」
「ーーーーえっ?」
「それよりさ〜」
カルマくん。それって一体どういう意味なの?僕は君のそう言う発言のせいでとても苦しんだよ。でも嫌いじゃないってことなんだよね。なら僕待つから。待ち続けるからね。カルマくんからハッキリ言ってくれる日まで待つから。
終わり
読んでいただきありがとうございました。
いつも通りpixivにも投稿する予定です。
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