影を失った光が、新たな影に再び出会った話   作:ゆう☆彡

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本作品をお手に取っていただき、ありがとうございます!
またお気に入り登録、350件!ありがとうございます!!

そして前回からのヒロインアンケートにお答えしていただいた皆様、ありがとうございました!
皆様のおかげで、本編のヒロインは桃井さんに決定いたしました!
今回の作品にも、少しだけ「おっ?」と思わせる雰囲気がありますので、すこーしだけ注意しながらご覧ください!

また、ほかのキャラとの恋愛リクエストもありましたので、番外編か何かで、どこかで描ければいいな、と思っております。

これからもどうぞよろしくお願いいたします!

では、今回は少し長めですが、ゆっくりしていってください。


今日がもたらす、運命の出会い【後半戦】

《火神side》

 

確かに青峰の言う通りだった。

 

10分で行われることになったゲームで、半分の時間もいらずに、真宮の実力を確かめることが出来た。青峰にも引けを取らないオフェンス力。小せぇからパワーはねぇが、ドリブルとかの技術やスピードは、この場にいる8人のなかでも一番だった。

が、結局は個人プレー。相手がそこら辺のチンピラだったら、これで決着がつくが、こいつらはそうはいかなかった。

 

5対3なのだ。ドリブルしてくる相手に、最高で3人つくことが出来る。それは、ドリブラーにとっては、かなりの痛手だった。

俺と青峰は、安定してゴール下まで攻め込むことが出来た。が、最初に止められ始めたのは、やはり一番小柄な真宮だった。190cmはあるであろう相手と、160cm代の真宮との間には、技術ではどうこうできない差があった。

 

「おい、青峰。あいつ大丈夫か、」

「あぁ?人の心配してる暇あったら、自分の心配しやがれ。」

「はぁ?得点だって取ってんだろ。俺のどこが心配だってんだよ、言ってみろや。」

「お前の心配なところつったら、頭以外どこにあんだよ。」

 

……、

チンピラども叩き潰す前に、こいつを叩き潰す方が先な気がしてきた。

 

「警告してやってんだよ、“テメェまで巻き込まれんな”って。……っつーか、もう巻き込まれてんじゃねぇの?」

 

青峰の言ってることが理解出来なかった。

何かの技か……、でもあいつら(・・・・)が何か使ってきている雰囲気なんて、、、

 

「おい、バ火神。

誰がいつ、テメェが巻き込まれてる技の発動者が、あのチンピラ共だなんて言った。」

 

 

、、、……はぁ?

 

「お前、真宮の得点なんぼかわかってんのか?」

 

真宮の得点……、、、あいつ、かなりドリブルで攻めてゴール下まで行ってるから、、、!?

 

「あいつ…、得点取ったか?」

「へっ、どうだろうな。

俺らのシュート、全部何から始まってるか考えやがれ。」

 

はぁ!?そこまで言っといて……答え教えてくれてもいいだろうがっ!

 

「火神先輩、」

「うぉっ!?

わ、わりぃ。考え事してたら気づかなかった。」

「いえ、俺もすみません。

そろそろ本気でいきます。一気に勝負決めますので。ボールから目、離さないで、常にゴール狙っててください。」

「……わーった。青峰が信じてるやつみたいだし、今はお前に頼るしかねぇみたいだしな。」

「ありがとうございます。……勝ちましょうか。」

「ったりめーだ!」

 

ただ今6点差。試合時間、残り3分。

ここから俺は、自分の目を疑い続けることになった。

 

 

「……まぁ、火神先輩は驚かずに取れると思いますけど。」

 

 

――――

 

「くそっ、どうなってやがる……っっ、」

 

目の前で起きていることに、思考が全くついていかないチンピラ達。

 

先ほどまで6点差という、汚い手は使われていても接戦だった試合。が、わずか1分半で点差は25点差まで開いていた。

同じことをしているのだ、そのはずなのにボールが全く奪えないし、先ほどまで入っていたシュートも全く入らなくなった。

 

「真宮っ、よこせっ!!」

 

真宮がドリブルで上がってきたところで、青峰にパスを出す。が、何度も見たこの試合の最も強く、シンプルなプレー。

 

「行かせるかよっ!」

 

相手も馬鹿じゃない。それ相応の対策は取ってくる。

 

「ちっ……。」

「青峰っ!よこせっ!!」

「ちっっ!!」

 

パスが嫌いな青峰の舌打ちが強く大きくなる。それでも、ゴール下に入ってきた火神にパスを出した。

……まぁ、今までパス練をサボっていたバツなのか、どうかはわからないが、青峰のパスは相手に取られそうになった。

 

「へっ、いただきっ!……っ!?

またテメェかよ!」

 

奪おうとしたボールを目の前にして、横から飛び出してきた真宮の存在に気づき、相手は早くボールに近づいた。

 

 

「遅いですよ。というより、俺に気づいてる時点でダメですね。」

 

真宮は、微笑んだ。そう、それこそが真宮の狙い目。

一瞬、自分に向いた視線を真宮は見逃さない。一瞬でも隙を作ってしまえば、保持しているボールは既に真宮のものだ。

 

「青峰先輩っ!!」

「うおー、戻ってくんのかよっ。」

「……なっ!?」

 

驚いたのは相手だけではない。パスを受けるはずだった火神も驚いていた。

ボールに触れてる時間を極端に短くし、パスの中継役となる。

違うのは、“ボールに目を向けさせて、自分の存在を消す”か“自分に目を向けさせて、ボールを消すか”だけ。

いつも見ている、相棒のパスによく似たパスを、目の前で違うやつがやってのけたのだから。

 

驚いている間に、青峰がシュートを決める。

 

そうだ、と火神は気づいた。

『俺らのシュート、全部何から始まってるか考えやがれ。』

 

今のようなパスでないにしても、真宮がドリブルで切り込んでいって、パス。

 

俺らのシュートは、8割型真宮からのパスから始まる。

それもまた、シュートにつなげやすい正確なパスで。

 

「バケモンだな……、こんなやつが青峰の野郎と組むのかよ。」

 

とんでもない興奮が、火神を襲った。

早くやってみたい、と思った。

 

 

《青峰side》

 

「くそが……っっ!!」

 

試合時間残り、30秒。39対20。最後の最後、奴らは最低な手段をとった。

 

 

「なっ!?」「はぁ!?」

 

パスミスとは思えねぇ的はずれな場所に、全力でパスを投げる、俺も含めほぼ全員が一瞬戸惑った。だが、すぐにその意味に気づいた。

 

「さつきっ!よけろっっ!!」

 

座って見ていたさつきに向かって叫んだ。

奴らがボールを投げた先には、座って試合を見ていたさつきがいた。

突然のことで、しかも座っていたため、さつきにはどうすることも出来ず、うずくまるしかなかった。

 

「キャっ!!」

 

 

戸惑って、動くのが遅れた俺と火神では守ることが出来ない、

だが、戸惑ったのはほぼ(・・)全員だった。

ただ1人唯一惑わず、動いてた奴がいた。

 

「試合はまだ終わってない。

自分の未熟さを周りにぶつけるのはやめろ。」

 

聞いたことのない声のトーンで、怒ってることなんてすぐにわかった。

奴から全力で投げられたパスを、独断パスルート変更パスでそのまま俺に出してきた。

 

シュートは決まり、相手ボール。残り10秒。

しかし、自身の悪意を込めて投げたボールを、冷たく全て凍らされたようなパスになって、自分の横を通った奴らに、これ以上プレーする気力はなかったようだった。

 

「言いましたよね?

『大切なマネージャーである先輩に危害を加えるのであれば、どんな手を使ってでも妨げる』と。」

「ひっ……!!」

 

こいつはこんな目もするのかと、驚いた。

冷徹な目で見られた相手は、真宮にあっさりとボールを取られた。

 

「真宮?どこ行くんだ??」

 

ボールを奪った、真宮はわざわざ自分のゴールから離れていった。

スリーポイントを過ぎ、ハーフラインで間宮は振り返り、そのままシュートを打った。

 

 

 

 

 

試合終了。44対20。圧勝だった。

 

 

チンピラ達は、しばらくその場に動けずにいたが、すぐに走って逃げて行った。

試合が終わると、真宮もいつも通りの雰囲気に戻った。

 

 

「いやぁ、すいませんでした、桃井先輩、青峰先輩。」

「そうくん……。」

 

そう言った真宮の顔は、馬鹿な俺でもわかるほど、追い詰められた顔をしていた。

 

「うわぁっ!?」

「無理して笑うんじゃねぇよ。別に聞かねぇけど、笑う必要もねぇよ。」

 

真宮の頭を思いっきりわしゃわしゃしといた。まっ、後輩だからな。それに、さつきを守ったのも真宮だったからな。

 

「……ありがとうございます。」

 

まぁちょっとは、ましな顔になっただろ。

 

 

 

「で、どうだったよ、俺の後輩は。」

「今年も面白くなりそうじゃねぇかよ。」

「だろ。」

 

またこいつと、……いや、火神とテツのコンビと出来ると思うと身震いした。しかも、真宮と一緒に出来るんだな。

 

「今年も誠凛には苦戦を強いられますよ。多分、去年以上に……。」

「だろうな、誠凛には骨のあるやつは入ったのかよ。」

 

そう聞くと、何故か火神は笑った。

 

「俺らのチームは、今年からが本場のチームだからな。去年よりも強ぇのはったりめーだろ。1年も筋のいいやつばっかりだしな。

 

それから、心強すぎる仲間も入ったからな。」

 

 

 

「雪……入ったんですね、バスケ部に。」

 

真宮がつぶやいた。

 

「雪……??そうくんのお友達?」

「へぇ、橘のこと知ってんのか。」

「もちろんですよ。彼女は俺の幼なじみですから。」

「へー、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁぁぁ!?」

 

今日という日がもたらす出会いは、最強の好敵手たちとの出会い。




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