「こんなくそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
『ストライクランス』
「甘い!」
『プロテクション』
俺『アヤト・ミズサキ』はデバイスである槍に魔力を纏わせ更に足から魔力をジェット噴射のように吹かせて突撃する……が、相手はあっさりと防ぎ反撃を……
「撃ち抜け! 『スナイプシューター』!」
する前に、俺の仲間が昔から使っている特殊な魔法で追撃を防いでくれた。
「助かったぜ、ユウヤ!」
「礼を言う暇があったら手を動かせ! あいつらの相手は気を一切抜けないんだからな!」
「どうでも良いけど口を動かす前に手を動かしてよ! そろそろ抑えきれなくなってきたんだけど!?」
俺が危うい所を救ってくれた仲間……『ユウヤ・アカツキ』に礼を言うと、もう一人の仲間である『ヤマト・ハギノ』が悲鳴をあげた。
「死ねモブがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「っ!? しまった!?」
「させないよ! 響き渡り奏で渦巻け宵闇の歌……『ディアボリカル・エミッショナー』!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ヤマトの一瞬の隙をついて襲い掛かった敵を『闇の書事件』の時に仲間になり、今や俺がリーダーをやってる小隊の中で最強の魔導師である『八神ナハト』が吹っ飛ばした。
「ナハト! ありがとう、助かった!」
「お礼は良いから早く下がって! ヤマトは後方支援が本職なんだから!」
「わかったよ! 置き土産だ、『トラップバインド』!」
ナハトに救われたヤマトは、お礼を言いながら『ユーノ』と協力して作成した引っ掛かるまで見えないヤマトオリジナルのバインドをそこら中にばら蒔き後方に下がる。
「逃がすか!」
「そこは大当たり!」
敵の一人がヤマトを逃すまいと追撃したが……運の悪い(俺達にとっては運の良い)ことにトラップバインドのど真ん中に突撃した為、多数のバインドに雁字搦めにされる。
「念のために……食らえ!」
『スレイプニールエッジ』
俺は墜落する敵に追撃の攻撃を放ち、完全に沈黙させる。
「これで漸く2人目……か」
「ああ、こいつらの相手は本当に疲れるぜ……」
「というか……なんで僕らはこいつらに生命を狙われてるんだろうね?」
「そう言えばそうだね」
ヤマトの言葉に俺とユウヤ、ナハトがう〜んと唸っていると、答えは意外にも敵から出てきた。
「当たり前だ! 貴様達がいなければ我はイレギュラーであるオリキャラどもを全員モブにしてなのは達をハーレム要員にすることが出来たんだ!」
「それにお前達がいなければなのは達は悪逆非道の管理局に入らなかったんだ! 死んで償え、このゴミ管理局員が!」
…………清々しいが付くほど自分勝手な理由だなこの野郎どもは。
「はあ……彼らが現われなくても主達は誰一人として君になびかなかったと思うよ?
それに管理局は君が思ってるほど悪逆非道じゃあないよ? ……僕の様な巨悪を受け入れてくれたしね」
まあ、そりゃそうだが分離する前と後では大違いだろお前は。
「黙れゴミがぁ……! 今まではやて達を苦しめてきた償いをしろ!」
「償いは管理局に入った時点で少しずつ果たしてるしはやてもとっくの昔に許してるんだよ! 今更蒸し返すような事を言うんじゃねえよこの犯罪者野郎が!」
俺はデバイスを構えて敵に突撃をかます。
「黙れ! 最初から犯罪者の鎌瀬達は兎も角、俺が犯罪者になったのは俺の故郷の出身の人間の才能を妬んだお前達管理局が俺の故郷を滅ぼしたからだろうが!」
「いや、君が余計な事をしなけりゃ極めて安全にあの世界の『ロストロギア』は封印できたし滅びもしなかった筈だってクロノは言ってたよ? それを管理局の所為にするってとんでもない責任転嫁だね」
「被害妄想も大概にしろ。それからお前の故郷出身の魔導師達は故郷の本当の仇であるお前を捕まえる為に全力でお前を捜索中だ」
2人の敵の内の1人の言葉に、ヤマトとユウヤは呆れた顔でそいつの言葉を容赦なく否定する。
「ああ、私があんた達の生命を狙う理由を教えてあげようか? それは……君達が私となのはちゃん達との『百合百合計画』を邪魔したことよ!」
「うぉ!?」
俺が声に気が付き後ろに下がると、そこにはさっきまで俺が立っていた場所を鎌が通過した。
「『百合百合計画』って……主達と女の子同士であんなことやそんなことをしようって事?」
「当たり前でしょ? なのはちゃん達はあんた達みたいな穢れた欲望の塊みたいな男達とじゃなくて私みたいな心が綺麗な女の子といた方が幸せなのよ」
「……俺はお前の方が欲望の塊だと思うがな」
ナハトの疑問に答えた女は鎌を構えながら陶酔と欲望と妄想の混じった表情で言うが……そんな表情で言われても説得力ねえよ。
「おい、アヤト。更に3人程増えるぞ」
「……マジで?」
「本気と書いてマジだよ。ついでに更に5人程南東から接近中」
「待って、北東からもう4、5人程来るよ」
……多過ぎだろうが、あれか? 1人見たら30人程はいるってか?
「それじゃあゴキブリみたいだよ、アヤト」
「ナハトの言うとおりだ。だが、アヤトが思っているとおりゴキブリ並の生命力を持つからなこいつら」
ナハトのツッコミに、ユウヤが溜め息を吐きながらそう言った。
「……ユーノ! なのは! みんな! 死ぬ気はねーけど早く告白して救援に来てくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺は敵と戦いながら(多分)青春真っ盛りな仲間達に悲鳴をあげた。
「何!? 淫獣やモブどもが我の嫁達であるなのは達に告白だと!? おのれぇぇぇぇぇ! モブキャラどもごときがなのは達の恋人になろうなどとは百万年はやいわ!」
「ユーノ達となのは達が恋人になるとますますなのは達を悪の管理局から解放することが出来ない……絶対に阻止する!」
「あんな汚れた男達がなのはちゃん達に告白ですって!? ふざけないで、なのはちゃん達は私の物よ! 告白なんて絶対にさせないんだから!」
そして敵はそれを聴いて奮起した。
「馬鹿野郎! 敵を元気にさせてどうする!?」
「その前に馬鹿な事を言うあいつらをぶっ飛ばそう! でないと主達は2度と恋人になれない!」
「あはは……全力で頑張らないとね!」
「す、すまん……こうなりゃ俺達であいつらを全員捕まえるぞ!」
「「「了解!」」」
俺の号令の下俺達は敵に向かって突進した。
……何故こんな展開になっているのか、それは6年前の『PT事件』にまで遡る。
如何でしたか? 次回からPT事件編です
次回も読んでくれたら嬉しいです。