魔法少女リリカルなのは~管理局員の奮闘~   作:愛川蓮

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転生者~傍観するのは我にあり4~


第14話

「いや~、まさか観男が商店街の福引きで1等賞を出すとはな~」

俺は今、父さんの車の運転でフェイトとなのはが2回目の戦闘をする温泉旅館(戦ったのは近くの川だけど……)に向かっていた。

何故かって? 俺がたまたま商店街の福引きで1等賞の2泊3日の温泉旅行が当たったからだ。

因みにご都合主義ではなくガチの運だというのは、夢で時々会う俺を転生させた神と話して確認済みだ。

因みに、カンリ・ヒテイとかいう分かり易過ぎるアンチ管理局転生者をぶちのめして、なのは達に取り入ろうとした転生者達は全て返り討ちにされた。

 

何故かって? それはカンリに2人と3匹(仲間2人の使い魔)の仲間がいたからだ。

千里眼で確認したんだが、1人は翡翠色の髪をした砲撃魔法を得意とする少年で使い魔は真っ白な毛並みの雄の狼だった。もう1人は群青色の髪をした刀を利用した魔法を使う少女で使い魔は漆黒の毛並みの雌の狼と藍色の毛並みの雌の猫だった。

で、2人はカンリの同郷の人物(ついでに言うが2人とも転生者ではない)のようだが、カンリに極端な管理局、転生者に対する価値観を刷り込まれたらしく、命乞いをしている転生者も容赦なく殺していたものの、そんな転生者の様子に違和感も抱いているらしく複雑そうな顔をしていた。

 

にしても……少女は刀に色んな色の炎を纏わせて少年は炎を砲撃にして多彩な技を使ってたんだけど、纏わせてたり発射した炎がどう考えても『死ぬ気の炎』っぽかったんだよなぁ……

そういやミッドにいる傍観派転生者から聞いたんだが、古代ベルカの歴史も結構変わっているらしい。

なんでも『覇王』と『聖王』が結婚して夫婦になってたんだと。そしてSTSにおける最終決戦の舞台となる『聖王の揺りかご』は粉砕されているらしい。

ただ……覇王と共に聖王を救出して揺りかごを破壊する手伝いをしたのが、『仮面を被った4人の戦士達』と『14の異なる力を持つ炎を使う戦士達』と『黒き弓を扱う男と7つの神器を扱う乙女達』、『天使を纏う乙女達』と『光の巨人』、『風、炎、氷の力を振るう黒い鎧をつけた戦士』って存在らしいんだが、これってもしかして……

 

「観男、どうしたの? 何か考え事?」

「あ……いや、どんな料理がでるか考えてただけだよ。この旅館美味い料理が多いって評判だったからさ」

母さんは俺が無言で考え事をしていた事に疑問の声をあげるが、俺はそんな質問をされた時の為に用意していた言葉を言う。

 

「あらそうなの? 温泉といい楽しみね」

母さんは俺の答えになんの疑問も持たずに楽しみそうな顔になる。

父さんもこんな無邪気な笑顔が綺麗で素敵な女性だから結婚したんだろうなぁ……

俺は母さんの笑顔に苦笑いをしながら、暇潰しの為に持ってきたラノベを広げた。

 

…………

 

「「「ん~着いた!」」」

俺は温泉旅館前の駐車場に降りて背伸びをして……ん? 今声が被ったような……

 

「あれ? 橋出君に水崎君?」

「あれ、橋出に鮎川? 何で此処にいるんだ?」

……俺が横を振り向くと、そこにはミズサキと鮎川が不思議そうな顔でそこにいた。

ついでにいうなら、その後ろには車酔いしたのか気分が悪そうな(つか目の前で排水溝にゲロを吐いてる)アカツキとその背中をさする黒崎、何か勝負をして負けたのか全員の荷物を分担して持ってるハギノ、ユーノ、雪村、石田の4人、楽しそうに温泉の事を話すなのは、すずか、アリサ、はやての4人がいた。

……タイミング良すぎだろ、おい。

 

「ああ、福引きで1等賞当ててな。鮎川と水崎は?」

「僕は家族旅行かな? 父さんが会社のゴルフ大会でこの旅館の割引券を手に入れてそれで有給休暇をとって行こうって話になってね。……本当はテスタロッサさんも誘おうとしたんだけど捕まらなくて」

「俺達はなのは達が恒例行事になってるこの旅行に同行することになってな。最初は断ったんだが家に住んでるなら家族だってごり押しされてな……」

俺が旅館にいる理由を言うと、ミズサキは苦笑をしながら、鮎川はちょっと寂しそうな顔で答えた。

 

……鮎川の奴、本格的にフェイトに惚れてるな。他の転生者(特に不深山や鎌瀬、カンリの3人)に襲われないように戦闘能力の高い傍観派の転生者に護衛を頼むのも視野に入れとくか?

因みに、すずか邸でカンリとフェイトに完膚なきまで叩きのめされた5人は特訓に取り組んでいるらしい。

内容は共通しているのは体力作りで、なのはは足りない実践経験を3人+ユーノと模擬戦を行う事で補い(因みに今のところはなのはの全敗)、3人はユーノと共同で新しい魔法を作る事で足りない威力を補おうとしているようだ。

鮎川は鮎川で、友達であるなのはと苦悩しながら戦おうとしているフェイトを止めるべく、毎日フェイトに話しかけようとしたり(その度にかわされているが)、ジュエルシードを探しだそうと四苦八苦しているらしい。(ジュエルシード探しは正直止めてほしい)

因みに、カンリはあれからフェイトと協力しようとしつこく探しているようだが、全然接触出来ていないらしい。

 

「にしても奇遇だなぁ~。全員が同じ日程で同じ旅館に泊るとは」

「シンクロニシティってやつか?」

「橋出君、それってテレビの受け売り?」

「おう、世にも奇妙な物語で出たから調べた」

「またマニアックな番組を……」

俺達は話をしながら旅館に入り……

 

「……あれ、なんではやてもいるんだ?」

「おお、我が嫁達よ!」

「あれ、みんな……どうして此処に?」

入った直後に、居た面子に顔をひきつかせることになった。

なんで織主や鎌瀬、何故か最近雰囲気が変わってる不深山もいるんだ?

 

俺はまさかの展開に、心の中で頭を抱えるのであった。

 

…………

 

「さてと、取り合えず温泉に……」

行くかと言おうとしたら、肩にすずかから譲って貰った子猫を乗せた鮎川が猛ダッシュで何処かに行くのと、それを慌てて追いかけるフェイトと人間形態のアルフとリニスが旅館の窓から見えた。

……状況から察するに、鮎川がフェイトorアルフに遭遇、理由を聴いたらこの辺にジュエルシードがあることがわかって鮎川が何かを言って旅館を出て、その行動をやられちゃかなわんorやったら鮎川が危ないと思ったフェイトとアルフがそれを追ってる……って感じか? リニスがなんで生きてるのかはわからないけど。

 

まあ、友人の危機を見過ごすのはもうごめんなので……

 

「テレテッテ~『変装用お面』~」

俺は旅行用の荷物に紛れ込ませたお面(ただし魔法で圧縮して切られても後から後から別のお面が出てくる特殊仕様)を取り出すと、バリアジャケットを纏い更に認識障害も発動して空から3人を追いかけるのだった……

 

…………

 

「鮎川君、待って! 考え直して!」

「坊や、止まりな! 止まらないと噛むよ!」

「止まってください! ミャオさんの飼い主を傷付けるわけにはいかないので!」

俺はあっさりと4人に追い付き空から追跡をしていた。

……本来なら鮎川を止めるべきなんだろうが、それをやると俺は実力がかけ離れているフェイトと戦うはめになるし、それが原因で鎌瀬や織主、最近音沙汰がない転生狩人やカンリに襲われるきっかけにもなりかねないという恐怖があるので迂闊に鮎川を止められないという俺のチキンな心がそれを堪えさせていた。

 

……これが逃げだっていうのはわかってるんだけどな。

てかリニス、鮎川の飼ってる子猫に惚れたのかよ。因みにミャオは鮎川が子猫に付けた名前だ。

 

「……っ、見えた! ジュエルシードはあの川の周辺にあるってテスタロッサさんは言ってたから……!」

鮎川はフェイトとの2戦目が行われる川辺に着くと、石を1個1個丁寧に見ては戻すという行為を始めた。

……そう簡単に見つかるもんじゃないと思うけどね。

 

「追い付いた! アルフ、リニスも出来る限り手荒じゃない方法で鮎川君を止めて! 私はジュエルシードを探す!」

「あいよ!」

「承知しましたお嬢様」

フェイトの命令に、2人は即座に鮎川を拘束する為に接近し……

 

「うらぁぁぁぁぁ!」

「は!」

「させないにゃん!」

突如として現れた3人の少年少女に食い止められた。

 

「必死に何かを探そうとする奴を捕まえようとするなんて酷い奴だな! 俺がぶっ飛ばしてやる!」

「シロの防衛目標を護衛します」

「ふふん♪ マスター達の側にいる気に喰わない奴の所為で最悪な温泉になるかと思ったけど……こんな素敵な雄に出会えるなんてついてるにゃん♪」

そう言って、白髪の短髪に犬耳を生やした少年はアルフに攻撃を開始し、黒髪のロングヘアーに犬耳を生やした少女は鮎川の背中を守り、藍色のポニーテールに猫耳を生やした少女はリニスに襲い掛かる。

……ん? もしかしてあいつらカンリの仲間の使い魔の人間形態かよ!? まじで大集合だな今回の温泉!

 

「あんた達使い魔だね!? そいつが何を探してるのかわかってるのかい!?」

「ミャオさんは渡しません!」

アルフはシロと呼ばれた少年の攻撃を捌きながら説得を開始し、リニスは藍色の髪の少女に飛びかかりながら恋する乙女丸出しな台詞を言った。

……関係なくねこの状況に?

 

「え、えっと君達、誰!?」

「私達にお構い無く捜索を。ここは私達が抑えますので」

「う、うん。お願い!」

鮎川は突然現れて自分を助けてくれた3人組に驚くが、黒髪の少女に言われて慌ててジュエルシードの捜索に戻った。

……所で鮎川。お前何で川に入り始めているのかね?

 

「だぁ、もう! フェイト、早く探してずらかるよ! こいつら鬱陶しいったらありゃしない!」

「鬱陶しいについては激しく同感です!」

「わかってるよ! もう少しで場所が……うそ!? 鮎川君の足下!?」

アルフがシロの攻撃を捌きながらフェイトに向かってそう叫び、フェイトはエリアサーチでジュエルシードを探しあてそれが鮎川の足下にあるのがわかり愕然とする。

……うん、まじで鮎川の足下にありやがる。

 

「あったー!」

鮎川が川からまだ発動していないジュエルシードを天に掲げると、全員の顔が一斉に鮎川に向く。

 

「……へ?」

シロはポカンと口を開け……

 

「じゅ、ジュエルシード……」

黒髪は目を見開き……

 

「何でよりによってそれを探してたんだにゃ……」

藍色は頭を抱え……

 

「鮎川君、それを早く此方へ!」

「悪いことは言わないからそれをフェイトへ寄越しな! それはあんたが持ってて良いもんじゃないよ!」

「取り返しのつかない事になる前にそれをお嬢様へ!」

フェイト達は口々に鮎川の説得を開始し……

 

「見つけた! ジュエルシード……って鮎川君にフェイトちゃん!?」

「テスタロッサは兎も角……何で鮎川がいるんだよ!? そしてあの使い魔達は誰だ!?」

「猫が3匹もいるよ……とほほ」

「諦めろ。アレルギーはどうにもならん」

「今はそんなことを言ってる場合じゃないよ!?」

なのは達は驚き……

 

「な、なんで原作とこんなに違う展開に……!?」

「くくく……我が嫁達に力を見せるチャンスだ! 踏み台にさせてもらうぞ、淫獣にモブども……!」

「……原作とまるで違うな、おい」

「今度こそ事故に見せかけて男達を……!」

「……転生者が大量にいる。豊作だな」

転生者達はそれぞれの欲望の為に集い……

 

「管理局に転生者どもめ……その欲望でなんの罪もないの少年を傷付ける気か!」

「……やるよ、ユウト」

「……わかってるよ、義姉さん」

管理局と転生者に悪意を持つもの達は降り立った。

 

……うん、カオスだね!(やけくそ)




如何でしたか? 次回は鮎川君&フェイト視点です!
鮎川君はどうなるのやら……
次回もお楽しみに!
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