「フェイト……アリシアの幽霊と話してるの?」
「「「「いや、違うから!?」」」」
目の色の変わったテスタロッサにそんな頓珍漢な事を言った鮎川に俺達はそうツッコンだ。
「な、何故だ……何故、アリシアが
「ゆ、ユニゾンデバイス……!? って、何?」
俺達は驚きながらも首を可愛らしく傾げたなのはの言葉にずっこけた。
「ゆ、ユニゾンデバイスっていうのは簡単に言えばなのはがレイジングハートと融合して更に強力な砲撃魔法を使えるようになる……っていう事を可能にするデバイスなんだ。
でも、同時に融合事故っていうのも起こる危険性があって余程相性が良くなければ融合するのも不可能な筈なんだけど……」
「テスタロッサ……いや、『フェイト』はアリシアの『妹』。相性は完璧なんだろうよ」
「……アヤト君」
俺の言葉になのはがにっこりと笑ってくるが俺はそっぽを向くことで誤魔化す。
「く、くそ! 何故だ! 何故フェイトの兄である俺の邪魔をするんだ!
『べーだ! フェイトの兄だとかなんだとか言いながらやってんのはただのテロリストのうえに、嫉妬でフェイトの想い人を殺そうなんて器の小さいあんたにフェイトはあげないよーだ! 行こう、フェイト! あいつを倒して、ママと話そう! 今までの事、これからの事を……たっくさん!』
「うん……始めるんだ、本当の私を! そして、春雄に伝えるんだ……この
「んじゃあ……」
テスタロッサ……フェイトの言葉をきっかけに俺達はデバイスを構え直す。
「クライマックスだ!」
俺達は呆然としている敵に総出で突っ込む。
「ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな! フェイト! 俺はお前を手に入れる! その為にこのモブを殺す! かかれ!」
そう言ってフェイズの命令でまたゾンビの様に起き上がった連中が鮎川に……
「させない! 『
『ライトニングスマッシャー!』
襲いかかる前に水色と黄色の混ざった雷の砲撃が一撃でゾンビ軍団の半分を打ち倒す。
「な!? ま、まだだ! まだこいつを殺す軍勢は……」
「『
『フラッシュ・ソニック・ストライク!』
フェイズが慌てて命令しようとすると、フェイトの姿が消え……って、なんだ!? いきなり鮎川の姿が消えたと思ったら俺達の目の前に現れたり、カンリが吹っ飛んだり、俺達を取り囲んでいたゾンビ軍団が倒れたりするぞ!?
『タイムアップ!』
「今の私の前では時すらも止まる……って、アリシア!? なんでこんな恥ずかしい台詞を春雄がいる前で言わせるの!?」
俺達が立て続けに起こる変化に若干混乱していると、俺達の目の前に現れたフェイトが恥ずかしい台詞を言って……顔を真っ赤にしてアリシアに抗議した。
『え~、かっこいいじゃん!』
「アリシアには格好よくても私には良くないよ! 春雄が変な勘違いしたら……」
「わあ、格好良かったよ! フェイト!」
「…………」
……フェイト、そんな涙目の顔で俺達を見るな。俺達は鮎川の趣味については何も関与していないんだからな。
「ま、まだだ! まだ俺の特典による能力は続いている! 起きろ、お前ら!」
フェイズが慌てたようにそう言うと、またゾンビ軍団が起き上がる。本当にしつこい……!
「無駄だ! 痺れろ!」
『ライトニングバインド!』
次の瞬間ゾンビ軍団は凄まじい電撃に襲われ、倒れ伏す。すぐに立ち上がろうとするが……あ。
「これは……無限ループになっとるな。起き上がれば電撃が発生して倒れ伏し、倒れてもすぐに起き上がる……」
「でもまた電撃が発生する……」
「このゾンビ軍団は再起不能になるわね……最悪、魔力が切れて生身になったら重度の後遺症残るかも……」
「だったらその前にフェイズを倒して止めるだけだ!」
俺達はフェイトの施した魔法による後遺症で苦しむ人間を作らないために突進する。
「く、くそ! お前ら!
「そ、そうだ! あんな神速で移動する魔法が連続で使える筈がない!」
「それに数はまだ俺達の方が有利なんだ! 押し潰せ!」
そう言って襲いかかってくる敵達にフェイトはデバイスを敵に向ける。
「私は、お前達のモノにはならない! 『
『フォトンランサー……』
「『トランプルシフト!』」
その瞬間現れたスフィアから無数の魔力弾が出現し、一瞬でそいつらを擂り潰した。
「なんつーか……あれだ……」
「うん」
「そう、だな……」
俺達は殆ど無双状態にあるフェイトに唖然としながらこう言った。
「「「もう残り全部あいつ一人で良いんじゃないか(な)?」」」
「「「良いわけないでしょ(だろ)!?」」」
「うむ、後はあやつに任せてわしは……」
「行かせないわよ!?」
「イカロス、少しでも太公望が逃げる気配があったら拘束しろ」
「わかりました」
俺達がそんなぐだぐだな雰囲気になっていたら……
「フェイズの作戦は失敗か……ならば!」
そう言ってカンリは手を床に叩きつけると俺、ユウヤ、ヤマトの足元に黒い渦が発生し、カンリの仲間にも同じ渦が発生する。
「これは……『夜の炎』!?」
「いけない! 君達、逃げるんだ!」
「『禁断の炎』!? カンリ、どうして君がこれを!?」
「……どうして!? どうしてこの炎が……!?」
俺達はそんな声を聞きながら、慌てて逃げようとして……
「
ヒテイの言葉と共に俺達は渦に飲まれた……
…………………………
「いってて……此処は、何処だよ?」
俺が目を覚ますと、そこは洞窟の中だった。
洞窟の中は乾いていて、両側には色々な色の炎が……? って、これあいつらが使っていた炎と同じ……!?
「……ようこそ、私達の故郷で唯一残された……残っていた『聖域』へ」
俺が声に振り向くと、そこには雰囲気の変わったミツルギ姉がいた。
「聖域……もしかして、4年前に滅びたお前らの故郷『アーレイオスク』のか?」
「……うん」
……第233管理外世界『アーレイオスク』。この世界独自の魔力のあり方……魔力を様々な能力を持つ『炎』として展開する能力(誰もがではない)と高い魔力を持つ人間が生まれやすい土壌により優秀な局員を多数出している世界……だった。
四年前に突如起きた巨大な次元震、それにともなう謎の災害により世界のほぼすべてが消滅し、今ではその災害の中心部と思われている住民に『聖域』と呼ばれていた遺跡が土地と共に次元空間をポツンと漂っている悲しい世界だ。
「……私はあの災害を生き残ってユウトと此処で飢え死にを待つだけだった」
「……ああ、そう言ってたな」
「……そして、私達を助け出したヒテイに『悪いのは管理局と転生者。奴等の下らぬ嫉妬と深い欲のせいで俺達の世界は滅んだ』と言われた」
「そうだな」
「……最近は疑っているけど」
「……用件を言えよ」
俺は俺に向かって闘志を放ちながら話すミツルギ姉にT4Wを向けながらそう告げる。
「……アヤト・ミズサキ。私と戦え」
「……残りの二人は何処だ」
「……あそこ」
そう言って俺は壁のモニターを見る。そこには……
『……さあ、やろうか』
『……ああ、これが終わったら俺達の話を聞いてもらうぞ』
『……良いよ』
『……明らかに後方支援の僕に自分をあてがうって……君、友達いないだろ』
『黙れ、悪の管理局員! 今日がお前の最後の日だ!』
『……もう何も言えないよ』
ミツルギ弟と向き合うユウヤとカンリと向き合うヤマトがいた。
……カンリ、お前もう正義とかそんなんじゃなくて卑怯者そのものだぞ。
「……参る」
「来やがれ!」
俺は刀を構えて突進してくるミツルギ姉にT4Wの穂先を向けて突進する。
「……『
俺は穂先と刀の切っ先がぶつかる寸前で嫌な予感がして慌てて避けると、切っ先が刺さった部分を中心に壁が凍り付いた。
「……技が、違う?」
「……今までの私の技は、強すぎて周りに害を及ぼす私の『地の七炎』を押さえ込むためにユウトから半分借りた『天の七炎』を使って鍛え上げた技。此方が私の本当の技」
「……マジかよ」
つまり、ユウヤは……
『真・砲嵐!』
『ぐ、ああ!?』
やっぱり全開のミツルギ弟相手に大苦戦かよ!?
ヤマトは……!?
『っ……! そこ!』
『当たりだがハズレだ!』
『うわああああ!?』
カンリの黒い炎を使った瞬間転移による戦法に翻弄されていた。
「行く。『
「うおおおお!」
俺は木の葉のような炎を刀に纏わせたミツルギ姉の怒濤の連撃をT4Wで弾き、逸らすが……
「っ!? この葉っぱ、切れるのかよ!?」
「答える義理はない。『
「あぶねえ!?」
俺は切り傷のついたバリアジャケットを見てあの葉っぱに切れ味があることを確認するが、ミツルギ姉が刀を突き立てた瞬間に山の如く尖りながら盛り上がった地面から逃げる。
「続く。『
「っづ、ああ……!?」
今度は洪水した川の様に荒々しい炎を纏った体術に吹っ飛ばされる。
「この……スパイラルバンカー!」
「『
「嘘だろ!? ランサービット! 突貫!」
「『
反撃に放ったスパイラルバンカーはいきなり足元に現れた沼に滑って見当違いの方向に炸裂し、隙を消すために放ったランサービットはミツルギ姉の周囲でいきなり増えた重力に潰された。
「退路を断つ。『
「これは……!?」
俺の後方に氷山が壁になるように出現する。
「この一撃で終わらせる」
「……こうなったら!」
俺は重力を軽くしたのか、飛翔するミツルギ姉を下から見上げながらT4Wの周りにランサービットを展開する。
「『
「デュアルバンカー……ブレイク!」
『
『ブラスターバレット……フルバースト!』
『
『バリアー……シュート!』
そして、俺達の最後の一撃は……それぞれの相手の全力の一撃に弾き飛ばされた。
「ここまで、かよ……」
『……まだだよ』
その声と共に俺の意識は途絶えた。
如何でしたか? 次回はアヤト達の強化です。
次回もお楽しみに!