魔法少女リリカルなのは~管理局員の奮闘~   作:愛川蓮

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転生者~傍観するのは我にあり~


第3話

よう、初めましてか?

俺の名前は『橋出観男(はしでみるお)』。転生者だ。

 

俺は自転車で学校に向かう途中、トラックに撥ねられ死んだ。

で、死んだ先で出会った神様(俺と同い年位の男だった)と最近のアニメの事で話し込んだら気に入られてしまい(因みに俺が死んだのはよくある手違いではなく、あらかじめ神様達に決められていた寿命がなくなったかららしい)、『魔法少女リリカルなのは』の世界で第二の人生を特典付きで過ごす事になったんだ。

 

あ、特典はよくある『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』や『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』じゃなくて『千里眼』、『そこそこの性能のインテリジェントデバイス』、『そこそこ(B-〜B+位)の魔力』そして『俺をひいてしまったトラックの運転手の幸せ』と『前世での俺の家族の幸せ』だ。

 

千里眼は原作の名シーンを原作に介入せずに視るための能力、2つはいざというときの自衛の為だ。

最後の2つは……まあ、俺をひいた為に罪に問われるトラックの運転手に対する罪滅ぼしと俺に出来る最後の親孝行だからだ。

偽善だがやらないよりはましだ。

 

と、まあ、俺の自己紹介は置いといて。

俺はただいま小学校に来ていた。

何故かって? 俺が小学生だからであり……今日原作第一期が始まるからだ。

ユーノからの念話も受信したしな。

 

でも……俺や他の転生者がいる所為か、原作とはなのはの友人関係が違ってるんだよなあ……

あ、そうそう。俺以外にも転生者がたくさんいるが……原作が始まる数日前から激しく争っている。

何故かって? それは……大半の転生者が原作に介入してハーレムやらを楽しみたいからだ。俺がリリカルなのはに求めているのは『萌』えではなく『燃』えだから争ってないけどな。

 

あ、俺が警戒しているのは2人いる。

 

1人は『織主晴夢(おれしゅはれむ)』。

黒髪黒目の爽やかイケメンなのだが……所謂オレ主タイプの転生者で、自分以外の転生者はなのは達でハーレムしようとする下衆野郎ばかりだと思い込んでいるらしく、手当たり次第に他の転生者をぶっ倒しているヤバイ奴だ。

 

もう1人は『不深山皇帝(ふみやまカイザー)』。

銀髪に赤と緑のオッドアイの小学生じゃ考えられないイケメンという典型的な踏み台であり、なのは達に対して嫁と言い寄っているが断っても照れていると勘違いする色んな意味で恐ろしい奴だ。

こいつは結構前になのはと楽しそうに話していたというだけで、隣の席の男子(こいつの命の為に言っておくが転生者ではない)を特典を使って半殺しにしようとした為ヤバイ奴と認識している。

 

まあ、どっちもなのは達と仲良く出来てないんだけどな。

何でかって……すずかとアリサには原作ではいなかった『同い年の執事』がいるからだ。

 

アリサの執事は『黒埼焔(くろさきほむら)』。

燃え上がるような深紅の髪に野性味のあるイケメンに育ちそうな顔つきで戦闘力が高く、不深山を軽く投げ飛ばしてアリサに近付くのを阻止する。勘も良いらしく織主もアリサに全く近付けようとしない。

すずかの執事は『雪村春人(ゆきむらはると)』。

氷を思わせる薄い水色の髪に少女のように可憐な顔つきに育ちそうな容貌をしている。こっちも戦闘力が高く、不深山がすずかに触れようとすると竹刀が見えない速度でその手を払うし、織主が近付こうとすると竹刀を出して威嚇するんだから勘も良いらしい。

勿論2人の親友であるなのはにも2人を全く近づけさせない。まさに鉄壁のディフェンスだ。

 

ちなみにこれは俺の勘だが……多分二人はお互いの執事に惚れてるな。

だってアリサは雪村に対して『顔を赤くしながら』ツンデレ台詞を言いまくるし、すずかは焔に対して話し掛ける際に顔を真っ赤にするしな……あ、俺はなのははユーノとのカップリングが正義だと思っている。異論は認める。

 

「よう、嫁達よ! 一緒に……」

「焔!」

「は、春人! お願い!」

「あいよ!」

「わかりました、すずかお嬢様」

何時も通りに嫁発言をしようとした不深山の足を雪村は竹刀で払うと、そのまま黒埼が不深山の無防備な腹に正拳突きを叩き込んだ。

 

「ぐえ!?」

潰されたカエルみたいな悲鳴をあげて不深山はKOされた。

 

「アリサ、すずか、なのは! 大丈……ぶふ!?」

織主が3人に声をかけようとすると、黒埼が足払いで織主を転ばせ、雪村が鳩尾を竹刀で突いた。

 

「「アリサ(様)とすずか(お嬢様)になのは(様)を呼び捨てで呼ぶな(呼ぶんじゃない)」」

そう言って、2人はのたうち回る織主をほっといて自分達の主人達に合流した。

 

「あ、相変わらずあの2人に容赦ないのねあなた達……」

「まあ、あいつらは鎌瀬よか始末が悪いからな」

「ええ、あいつはわかりやすい分あの2人よりは1000000倍増しです」

あ、2人の言った鎌瀬っていうのはもう1人の踏み台転生者の『鎌瀬藻武(かませもぶ)』の事で、2人は3人に言いよる鎌瀬の事を嫌ってはいるがわかりやすい性格であるため、嫌悪感はあの2人程ではない。

さてと……千里眼による観察を開始しますか。

 

…………

 

「マジかよ……」

甘かった、俺達が転生した影響は物凄くデカかった。

まず、なのはがユーノからの念話を聴いて草むらで倒れていたユーノを発見したのだが……ユーノがフェレットになっていなかったんだ。しかもなのはと知り合いぽかったし。

 

当たり前だが運び込まれたのは動物病院ではなく……なのはの家である翠屋だった。

 

「何で!?」

俺は思わずそう叫んでしまったが、なのはは家族に事情を説明してユーノを看病させてもらえる事になり喜んでいた。

 

因みに、鎌瀬と不深山の踏み台コンビはユーノを殺そうとしてたのか、さっきなのは達がユーノを助け起こした地点を「何処だ淫獣!」とか言いながら探していた。

織主は家で魔法の訓練をしながら、原作に巻き込まれない様にするにはどうするべきか考えていた。

いや、じゃあ何で魔法の訓練してんのよ、ついでに何でなのは達と関わろうとすんのよ、お前。

 

俺は織主の考えの足りなさに呆れながら次のシーンに向けて早めに寝るのであった。

 

…………

 

「すっげー人数……」

俺は離れた場所から千里眼で、なのはが魔法少女になる公園の付近にいる凄まじい数の転生者に呆れながら観察をしていた。

 

「お、来た」

俺は、なのはの家から抜け出してきたと思わしきユーノと、それを追い掛けてきたと思われるなのはが言い争ってるのを確認した。

「ユーノ君! 凄い怪我なのにどうして抜け出したの!」

「あのままあそこにいたら、なのはやなのはの家族に迷惑がかかるからだよ! 僕は君や君の大切な人達が傷付くのを見たくないんだ!」

おいおいユーノよ……それは女の子に対する殺し文句だろうよ。

案の定、茹でタコの様になったなのはと言った言葉の意味を考えて慌てるユーノの背後にジュエルシードの思念体が現れた。

 

「なのは!」

咄嗟にユーノがなのはを庇って障壁を作るがパンチを2、3発放たれるとすぐに壊れてしまった。

 

「……っ! 魔力が殆ど回復してない……!」

「ユーノ君!」

苦虫を噛み潰した様な顔になったユーノになのはが慌てて近寄る。因みに転生者達は互いが互いを牽制しあっているために出るに出れない状況だ。

 

「なのは、此処は僕が抑えるから逃げて!」

「やだ! ユーノ君を置いて逃げたくない! やっと再会出来たのにユーノ君と離れたくない!」

「な、なのは……仕方ないか。なのは! これを使って!」

そう言って、ユーノが首にかけていたネックレス……即ちなのはの最強にして最高の相棒になる『レイジングハート』を差し出す。

 

「これは……?」

「僕があれを食い止めるから僕が言った事をそのまま言って!」

「う、うん!」

そう言って、ユーノは思念体の前に立ちはだかり、詠唱を言い始めなのはもそれに続く。

 

思念体はそれをBGMにしながら突撃を……

 

「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

開始する前に、槍を構えて横から突撃してきた管理局員と思われる奴にぶっ飛ばされた。

 

「こちらは時空管理局です! 何がどうなっているかはわかりませんが事態の打開の為に速く詠唱の続きを!」

しかもマジで管理局員だったし!?

マジか〜。俺達が転生してきたバタフライエフェクトってやつか? まさか管理局員がもうやってくるとは……

 

俺はこの展開に苦笑いをしながら、なのはが変身し最初のジュエルシードを封印する光景を見たのだった。

 

 

…………

 

「あいつらまさかの住み込みかよ」

俺は、ユーノと管理局員3人組に対するなのはの言葉に思わず頭を抱えた。

救援が来るまでの間、ユーノと3人組は翠屋に住む事になったんだ。最初は4人とも遠慮してたんだが、何処に住むにせよ泊まるにせよ、お金も身分を証明するものもない状態で小学3年生の年齢の4人が出歩いているのは不味いとなのはに論破された事で、4人はなのはの家に転がりこむ事になった。

尚、他の転生者は俺が原作に介入出来なかったのはお前のせいだと言わんばかりに責任を押し付けあっているうちに、警察が来て全員が補導され親と警官両方からお説教されていた。

 

「まあ、いいか。……今回のタイトルは第1話のタイトルのまんまかね?」

話の展開はかなり変わってはいるが、なのはは魔法の事は何にも知らなかったわけだし。

 

俺はそんな事を考えながら家路についたのであった。

 

…………

 

「水崎綾人だ! 宜しく頼むぜ!」

「暁裕也だ。短い付き合いになるかもしれんが宜しく頼む」

「萩野大和です! これから宜しくお願いします!」

「ゆ、ユーノ・スクライアです! 今日から宜しくお願いします!」

「え……? えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「(な、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?)」

翌日。俺は転校生としてやってきた4人の姿に、なのはの驚愕の声をバックに椅子ごとずっこけたのだった。

 




如何でしたか?
次回は何故転校にまで至ったのかについて書きます。
次回もお楽しみに!
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