インフィニット・ストラトス~異世界に降り立つは魔王と呼ばれし精霊~ 作:ガーネイル
魔界の扉があるギンヌンガガップ。ここには一人の少年、いや一体の精霊がいた。
その精霊の名前はラタトスク。人間としての名前はエミル。魔物の王とも言われる精霊である。ラタトスクが旅を終えてから千年近くの時が経過した。今はもう人の理ではないものや理から外れた者しか生きていない。それ以外の彼の仲間と、彼が愛した女性はとうの昔に亡くなっている。
「もうあれから千年が経つのか……」
彼は旅でのことを思い出す。最初は周りのことばかりを気にしてビクビクしていた。リヒターに出会って、マルタと出会い、センチュリオンコアを集める旅が始まって色んな場所を巡って、ロイドの仲間に出会って、戦い続けて、少しずつ自分に変化があって、マルタのことを好きになっていって、そしてこの場で最後の戦いがあって、本当の意味で自分同士が向かい合った。
「本当に色々あったな。また、あんな楽しい時間を過ごしたいな」
そう呟いた時、何処からともなくワームホールが発生した。
「これは……っ!?」
そして彼はワームホールに飲み込まれていった。
「ここは?」
少年の意識が覚醒して、辺りを見渡す。が、全く見当がつかない。今まで見たこともない建物が立っているという認識くらいしかない。少年は旅に出る前、まだルインにいる時の服装だった。
「? ……これは?」
手にはラタトスクコアの模様を模したペンダントが握られていた。
そんな時、足音が聞こえてくる。少年は慌ててそれをポケットにいれる。そして少年が振り向いた時、声が飛んでくる。
「貴様は何者だ!」
その声の主は黒いスーツを着ている女性だった。その女性の目力はとても強いものだったが怖気づくことなく返事をする。
「僕ですか? 僕はエミル・キャスタニエです」
「お前は外国からのスパイか?」
スーツの女性は警戒を解くことなく質問をする。
「ち、違いますよ! 僕はここがどこか分かりませんし……」
エミルは少し焦って否定した後にここがどこか分からないという。
「何?」
エミルの言葉に対して女性が少し考える素振りを見せた後に、エミルに告げる。
「こっちで事情を聞かせてもらう。私について来い」
「分かりました」
エミルは女性の後をついて行き、取り調べ室のようなところに入った。
「まずは自己紹介をしよう。私の名は織斑 千冬だ。早速だが本題に入らせてもらうぞ」
千冬と名乗る女性は名前だけ名乗り、本題に入る。
「貴様のここにいる目的は何だ? 専用機のデータでも盗みに来たのか?」
エミルは千冬が言っていることが分からなかった。
「あの……すいません。専用機って何ですか?」
エミルは謝った後に専用機の説明を求めた。
「貴様はISを知らないとでも言うつもりか?」
「えっと、はい。全然知らないです」
徐々に声が小さくなっていくエミル。そして途切れ途切れながら付け加える。
「あの……ここってどこですか」
「日本のIS学園だ」
「日本ですか?」
「あぁ、お前はイギリスとかフランスとかの欧州から来たのではないのか?」
「えっと、僕はパルマコスタという場所から来ました」
エミルは自分が最愛の女性と過ごした町の名をいうが千冬は首を傾げる。
「パルマコスタだと。そんな場所聞いたことないぞ」
「そう……ですか。ありがとうございます」
「何か分かったか?」
「はい。あまり受け入れたくはありませんが……きっと僕は他の世界から来たんです」
「何故だ、何故そんなことを言い切れる。そしてその証拠はどこにある」
「それはお互いの知識の違いです。僕はIS、日本、アメリカ、フランスを知りません。そしてあなたはパルマコスタを知らない。それが理由です。あと、これはなんですか?」
エミルはさっきのペンダントを千冬に見せる
「貴様、それをどこで!? ちなみにそいつがISだ」
「えっと、あの場所にいた時には既に手のひらにありました」
「ふむ、キャスタニエと言ったな?」
「はい」
「自分が鎧か何かを纏う感じを思い浮かべてみてくれないか?」
千冬はエミルに提案程度にそう言う。
「はい」
そう言ってエミルが思い浮かべるのはラタトスクの騎士になったときの服装。それを思い浮かべた瞬間、ペンダントが輝き、エミルの脳内に大量の情報が流れこむ。そして服装がラタトスクの騎士なっていた。が、手足の部分は機械で出来ていた。が、スラスターはついていない。その代わりに、かつて仲間として一緒に冒険したコレットの天使の羽に似たものが背中から生えていた
「ふむ、少々形は変わっているがどうやらお前はISを起動することが出来たようだ。それに従ってIS学園に入ってもらう」
「分かりました」
エミルは流れでIS学園に入学することが決まった。
と、まぁこんな感じの始まりです