インフィニット・ストラトス~異世界に降り立つは魔王と呼ばれし精霊~   作:ガーネイル

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 サブタイトルからで分かる人は分かる通り、コーエーテクモゲームス(ガスト)さんのシェルノサージュです。もし、読者の中に端末さんがいたらごめんなさい。中身は大分端折っていてざっくりしか書いていません。本当に申し訳ないです。
 分からない人は……YouTubeにダイジェストムービーがあるのでそれを見てください。それを見ればざっくりは分かります。
 


サージュ・コンチェルト
12-A.Class:Ciel nosurge 触れられない壁


 エミルがシャルルに食べさせた日の夜。エミルは不思議な夢を見た。

 

******

 

 エミルは何かの端末のようなものでその場所をのぞいていた。

 そこには一人の女の子がいた。名前はイオナサル・ククルル・プリシェール。イオンと呼ばれているらしい。

 エミルはその子の記憶を取り戻しながら絆を深めていった。取り戻す過程でいろんなことを知った。

 彼女が皇女であること、たくさんの壁にぶつかってもまっすぐ生きてきたこと。イオンなりに精いっぱい行動してきたこと。怖くても逃げ出すことはしないこと、人を信じる強さを知っていること。

 彼女はとある時間軸では死んでしまった。その時ふさぎ込んでしまったこともある。エミルは必死に声をかけて一歩踏み出す勇気をあげてイオンはもう一度記憶を取り戻すことを決めた。

 そしてまた記憶を取り戻す矢先、イオンが別の世界から連れてこられたことが分かった。そして再び過去に戻り、ほかの未来を進み始めた。

 たとえ、時間軸が変わってもイオンは変わらなかった。いつでも他人のことを一番に思いやって行動していること、何事にも一生懸命なこと。巨大な壁にぶつかっても逃げ出さないこと。

 そんな記憶のイオンにエミルは語りかけた。

「大丈夫だよ、心配しないで」

 そんな中一つの奇跡が起きる。

「え! ……誰? 誰なの?」

 エミルの言葉が記憶の中にいるイオンに届いた。

「今は言えない。でも、いつも一緒にいる、力になれる」

「そっ、か……あなたはずっとわたしを見ていてくれた。……そうだよね、あなたの言うとおり。わたしは大丈夫」

 時を超えた奇跡は終わる。自信を取り戻した彼女は壁を乗り越えることに成功した。

 そのあと、志を同じくする者がなくなってしまうが、遺志を受け継ぎ前へ歩き出す。

 そして彼女は皇帝となり、皆を導き、世界を一つ壊すことで一つの世界を引っ張ってくることに成功した。が、それはイオンと同じだがまた別の世界から連れてこれた少女がそれを阻み、混乱に陥った。

 記憶が修復できる場所はそれが最後だった。

 

「あなたがあの時、声をかけてくれたんだね」

「うん」

「ありがとう、あなたのおかげでここまで全部思い出せたよ」

 そして、ES45カソードと呼ばれる機械をイオンが作ったとき、一つの問題が発生した。

「ねえ、あなた聞いてくるかな?」

「どうかしたの?」

「色々調べて分かったの。一度完全に接続を断つと、もう一度同じ場所に接続できる保証はない、って……。そんなの絶対にいや! あなたと出会って、あなたがいたからここまで来ることができた。大切な人たちがいたことを思い出せたのも、最後の記憶を取り戻した後も頑張れたのは全部あなたがそこにいてくれたから。あなたがいなかったら変えようとも思わなかった。ねりこさんと二人で一緒に過ごしてそれが当たり前のことだと思ってた。……あなたとお別れなんて出来ない」

「また会えるかもしれないよ」

「そうかもしれない。でも、その可能性はすごい低いの。砂漠の中から宝石を見つけるくらいに……」

「でも、そうしないと彼女が」

「分かってる。ネロを止めないとみんなが危ないってことも、わたし自身が危険なことも。でも、それと同じくらいわたしはあなたと離れたくないの。少しでも長くあなたと一緒にいたいそれだけなのに、どうして……」

「諦めたらダメだよ」

「……わたしだって諦めたくない。だからずっと調べてた。でもみつからないの。まるでどちらかを選べって言われてるみたいに。……わたしにはどうしたらいいのか分からないよ」

「頑張ろうよ、僕も一緒に頑張るからさ。みんなの想いを無駄にしたらダメだよ」

「……! そうだね、やらなかったらみんなの想いもあなたの想いも無駄になっちゃう。そんな当たり前のことも忘れてた。ありがとう。わたしもう少し頑張ってみるよ。だから、何か分かったときは教えるね。だからあなたも何か気づいたら教えて」

「了解」

 そしてとても低い可能性方法を探すことにした。エミルは機械のことはよく分からないが分からないなりに考える。

 イオンも必死に考える。この繋がりを切りたくないから。一緒にいたいから。口にこそ出さないが、例え端末の向こうにいる優しい少年のことが大好きだから。自分の背中を教えてくれた、記憶を取り戻すのが嫌になっても支えてくれた目には見えない彼のことが大好きだから。

 だが、七次元も離れている世界とは繋がることはありえないんだからここで別れるべきだと言わんばかりに時間だけが過ぎていく。

ここでエミルは一つの決断を下す。自らが嫌われ者になるという最も単純な方法。

「イオンは何か分かった?」

「ううん、全然ダメ。むしろ調べれば調べるほど誰かに諦めろって言われてるみたいだよ」

「もうやめよう」

「もうやめようってどういうこと?」

「どちらか選ぶしかないんじゃないかな」

「そんなことないよ。これまでだって頑張ればなんとかなった。失敗もたくさんしたけど皆で頑張れば最後には上手くいってたから」

「ネロにあんなことされたのに?」

 エミルは意地が悪いと思いつつも嫌われ役を続ける。

「それは……そうだけど。でも、まだ全部が終わったわけじゃない。だれも救われてなんかいない。みんなも、世界もわたし自身も……。だからきっとまだ間に合う。まだ、終わりなんかじゃない」

「でも、手遅れになっちゃうかもしれないよ。過ぎたものはもう戻ってこない。それはよく知ってるはずだよ」

「……っ!」

「ねぇ、イオン」

「何?」

 イオンはその先は聞きたくないというような声音で返事をする。

「どっちか選ぼう。じゃないと本当に……」

「わたしには選べない……。あの時もそうだった。大きな決断の前に、わたしはみんなの意思を尊重してあげることしか出来なかった。みんなを救いたい。みんなと笑っていたい。ただ、それだけなのにたくさんのものが零れていった……。それなのに、また大切なものを選ばなくちゃいけないの?」

 最後の方はイオンの声が震えていた。大きな決断。それは惑星移住においてどっちの命を優先するかということ。イオンは最初から何一つとして変わっていない。わけ隔てなく皆を救いたい、全ての命を救いたい。そう思っていた。でも、当然零れ落ちていく命が存在する。それは当たり前だ。人一人が救える命なんてたかが知れている。

「うん」

 エミルはそれを肯定するしかない。そうしないと何も始まらない。

「……。分かった。あなたがそこまで言うなら選ぶよ。どうするべきか。わたしは……。わたしはこのままこの世界に残る。みんなを助けるためにあなたとの繋がりを切るなんて、そんなの今までと変わらない。だから、わたしはまだここにいる。残ってあなたと一緒にいる。これが正しい選択かなんてわたしには分からないけど……。最後のときまであなたと一緒にいたい。その気持ちだけは本当だよ」

「……っ!」

 今度息を呑むのはエミルの番だった。エミルはまさかイオンがここに残るとは思わなかった。

「でも、ター坊たちが……」

「ター坊たちのこと心配してくれたんだね。もしダメでもみんなを助けようとしてくれてたんだね」

「別にそこまで考えてたわけじゃ……」

「ううん、あなたは優しいもん。……でもね言ったよね。それじゃ今までと変わらないって。やっぱり、わたしはみんなのこともあなたとの繋がりもどっちも守りたい。だからまだ諦めない。わたしにやれることをもっと探してみる。わたしの我が儘だって分かってる。でも、あなたと一緒にいたいって気持ちにはウソをつきたくない」

「イオン……」

「ごめんね、せっかくあなたが背中を押してくれたのに」

「イオンがそう決めたなら」

「うん。もう迷わない。前に進んできっとこの思いを叶えてみせる。それにあなたが教えてくれたんだよ? みんなの想いを無駄にしたらダメだって。わたしにとってのみんなの中にはあなたも入ってるの」

「分かった。信じてるよ」

「うん、ありがとう。あなたとなら、きっとどんなに辛いことでも一緒に乗り越えていけるって。準備ができたら教えて。教えてくれたら端末の電源を切るから」

 エミルは忘れていた。イオンはこうと決めたら絶対に最後まで曲げないようとしないことを。

 だからエミルは一つの決断をした。

「切らなくて大丈夫だよ。僕がそっちに行くから」

「え? それってどういうこと?」

「少しだけでいい。だから僕を信じて待ってて」

「うん。待ってるよ。あなたなら本当に来てくれるような気がするから」

 

******

 

 エミルの意識は浮上し、目を覚ました。

 机に向かい、シャルルに対して当分学校を休むことと心配しなくても大丈夫という旨を書いて置いておく。

 そしてエミルはラタトスクの騎士になり、手を正面に掲げる。

「開け、境界の扉!」

 エミルの目の前には黒い渦のようなものができて、その中に入っていく。

 そして繋がっていたその先は……。

「約束通りきたよ」

「あ、あなたは?」

「初めましてになるのかな。端末の向こうでずっとイオンを見てきたよ」

「え? えぇっ!? ほ、本当にあなたなの?」

「うん。さっきはごめんね。どっちか選んでなんてひどいことを言って」

「ううん。いいの、あなたは約束を守ってくれたから。改めて初めまして、イオナサル・ククルル・プリシェールです」

「初めまして、僕はエミル・キャスタニエです。好きな呼び方で呼んでいいよ」

「うん。そ、それじゃあ、エミル。行こう? 皆を助けに」

「任せて。皆を助けるためならどこにでも」

 エミルの七次元先にある世界を、住民を救うための旅が始まった。

 




 本来、境界の扉を開いたときはそのセンチュリオンコアがある祭壇へと送られるものなんですが、まぁ……例のご都合主義ということで。もしくはオリ設定と思ってください。お願いします。

 今日はあと二つ出します。今回は三つで一つの話になっています。
 端末さんにはなんとなく想像がつくかな。(特にタイトル)
 合計三話でサージュは完結です
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