インフィニット・ストラトス~異世界に降り立つは魔王と呼ばれし精霊~   作:ガーネイル

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今日は後三話アップしていきます


セシリア編
1.IS学園


「うぅ……、視線が痛い」

 エミルがIS学園の校門をくぐるとより女性陣の視線が集中する。エミルは今の状態にタジタジになりながらクラスに向かった。が、教室に向かう途中でとある話し声を聞いてしまい、その言葉が心に突き刺さる。

「実は女の子だったりして……」

 この言葉がエミルの心の耐久値を一気にゼロまで抉っていった。が、千冬に聞いたことを思い出して女性しか乗れないはずのものなんだし仕方ないかと思い直し教室に向かう。

教室に着くと先に着いていた一人目の男性が落ち着きなく席についていた。その男性こそ、世界で初めてISを起動させた織斑 一夏本人に他ならない。ちなみに一夏とエミルの席は隣だった。席についてエミルは一夏に話しかけた。

「えっと、初めまして。エミル・キャスタニエです。よろしくね」

「俺は織斑 一夏。一夏でいいぜ。よろしくな!」

「うん。じゃあ、僕のことはエミルでいいよ」

「おう。にしても、さっきまで男一人だけだったから辛かったんだよ。エミルが来てくれて助かったぜ」

「あはは、確かに一人じゃ辛いかもね。僕も一夏がいてくれて助かったよ」

 二人はSHRが始まるまで話をしていた。

 

 

 チャイムがなり、メガネをかけた女性教師が入ってくる。おっとりとして大人しそうな雰囲気だった。

「私は、みなさんと一年を共にする副担任の山田 真耶です。分からないことがあったら何でも聞いてくださいね」

 なお、真耶が自己紹介している間も女生徒の視線はエミルと一夏に集中していた。それに気付いた真耶は押されるように続ける。

「そ、それでは皆から自己紹介してもらいます。それでは出席番号順にお願いします」

 真耶の一声で自己紹介が始まった。程なくして早速エミルの番が回ってきた。

「えっと、エミル・キャスタニエです。趣味は料理。たまに釣りに行きます。表には出ていませんが一応二番目にISを動かしました。至らないところが多いですが今年一年間よろしくお願いします」

 エミルはお辞儀をして席に着く。何万年と生きてきた精霊が至らないところというのは一体どんなところなのだろうか。全く想像がつくものではない。とりあえず、それはそれとして次は一夏の番なのだがぼーっとしていて反応を示さない。エミルは一夏の肩を叩く。

「一夏、次は一夏の番だよ」

「はっ! 悪い、エミル。ぼーっとしてた」

 一夏は立ち上がり元気よく名乗る。

「織斑 一夏です!」

 女性陣は続きは、他にはと言った視線が一夏に注がれる。だが、一夏はどういう意味か分かったのかはっとして口を開く

「以上です!」

 訂正。一夏は全く視線に意味は理解していなかった。女性陣は椅子から滑り落ちる。エミルは滑り落ちるまではいかないが、額に手を当て深く息を吐いた。

 それを意に介せず座った瞬間、扉が開いて千冬が入ってくる。そのまま一夏の席まで行って持っている出席簿を振り下ろす。

 

  ズパァァン!!!

 

 本来なら出ないような音が出席簿から出る。あの出席簿は一体何で出来ているのだろうか? そして、それが一夏の頭を打ち抜く。そしてそのまま説教を始める。

「貴様はろくに自己紹介もできんのか!」

「げぇっ、関羽!?」

 

  ズパァァン!!!

 早速本日二度目の出席簿が一夏の頭に炸裂する。エミルはその音に対して若干引き気味である。

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 真耶は何事もないかのように千冬に質問する。

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けて済まなかったな」

「いえ、担任の補佐をするのが副担任の仕事ですので、何でも頼ってください」

 千冬は生徒の方に向き直る。

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。出来ない者には出来るようになるまで指導してやる。これから一年よろしく頼む」

 千冬が挨拶を終えるとクラス中には黄色い悲鳴が響き渡る。

「「「「「きゃぁーーーーー!!!!!!」」」」」

「本物の千冬様よ!」

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです! 北九州から!」

「私、お姉様の為なら死ねます!」

 当の千冬本人は額に手を当てながら呆れたように言う。

「やれやれ、毎年よくこれだけの馬鹿者が集まるものだ。私のクラスにだけ集中させてるのか」

 なお、女生徒たちはヒートアップし続ける。

「お姉様―――――!」

「もっと叱って、罵って!」

「時には優しくして」

「そしてつけあがらないように躾をして」

 そんな様子の女生徒たちを無視して一夏の方を向く。

「で、お前はまともに自己紹介もできないのか?」

「い、いや。千冬姉。俺は……」

 一夏が言い訳をしようとした瞬間、一夏は千冬に頭を掴み、机に押し付ける。

「織斑先生と呼べ」

「はい。織斑先生」

 このやり取りの後、クラス中はざわつきだす。

「織斑君て、あの千冬様の弟?」

「いいなぁ。代わってほしいなぁ。」

 だが、そのざわつきも千冬が一瞬で静める。

「静かに! 諸君らには、これからISの基礎知識を半年で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。 いいか? いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ」

 つまり返事は必ずしろということである。もっとも当たり前と言えば当たり前なのだが、女生徒たちは全く意に介せず、返事をする。

「「「「はい!」」」」

 

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