インフィニット・ストラトス~異世界に降り立つは魔王と呼ばれし精霊~   作:ガーネイル

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中身の量的には二話とあまり変わりません


3.目覚めるもう一つの人格

 エミルの朝は早い。旅の名残が未だ残っているのか、人としての形を取っている時、食事は自分で作っている。ちなみに今朝は卵とハムのサンドウィッチ。昼食も同じものである。

 朝食後、身支度を終えて学校に向かうと教室に着いた時には丁度いい時間でそう時間が経つことなくSHRが始まった。昨日とは違い恙なく終わり、授業が始まる。が、昨日と違い、教壇には真耶ではなく千冬が立っていた。

「これより、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。クラス代表者とは対抗戦だけでなく、生徒会の会議や委員会の出席など、クラス長のようなものだと思ってくれればいい。自薦、他薦は問わない。誰かいないか?」

 すると一夏の右斜め後ろの女子が手を上げる。

「はい、織斑君を推薦します」

「えっ?」

「私はエミル君を推薦します」

「ぼ、僕?」

「私もエミル君かな」

「私も」

「あたしは織斑君で」

「私も織斑君で」

 と次々に賛成者が出てくる。

「他にはいないのか?」

 すると一夏が立ち上がり、待ったをかけようとした時、別の方向からストップがかかる。

「納得がいきませんわ! そのようなことは認められません。決闘ですわ! それで実力がはっきりしますわ!」

 なお、これを聞いている時の千冬の顔はとても楽しそうなものだった。

「ならば、次の月曜。第3アリーナで選抜戦を行う。キャスタニエ、織斑、オルコットの三名は準備をしておくように」

 そう言ってから千冬は教壇を降りて、次は真耶が教壇に上がる。

「今日は昨日の続きから始めます」

 生徒は全員意識を切り替えて授業に臨んだ。もっとも一夏は今日も頭を抱えていた。

 

 

 

 今日も授業を乗り越えて放課後になった。

「エミル、もしよかったら今日から特訓しないか?」

「付き合ってあげたいのは山々なんだけど、まだ僕もよく分かってないからね。あ、箒さんにお願いしてみたらどうかな?」

「あっ! それもそうだな。箒の所に行ってくる。じゃあな!」

「うん、それじゃあね。……僕はアリーナの使用許可でも取りに行こうかな」

 エミルは職員室に向かいアリーナの許可を取りに行った。

 

 

 エミルはISを起動させる。もっともエミルのISはラタトスクの騎士の手足機械版。それ故に従来のISに比べてスリムに出来ていてスラスターは存在しない。その代わりに羽が存在している。

「やっぱり、この羽ってコレットやゼロスに生えてた天使の羽だよね。たしかコレットはこんな感じで……」

 エミルはかつてコレットに運んでもらった時のことを思い出し、それをイメージしてみると羽は動き出し、エミルが宙に浮く。少しずつ慣れてきたのかエミルは空中移動を始める。エミルはエアバード以外で空を飛んだことがないので少し興奮していた。分かったことは限界最高速度が思いのほか速かった。

「えっと、武器は剣とチャクラム? 確かに前の旅で遠距離物理攻撃できたのはコレットのチャクラムくらいだったかな。でも、チャクラムなんて使えるかな?」

「(使えるかな? じゃなくて使いこなすしかないだろ)」

 どこからともなく声が聞こえた。でもこの声はエミルにとってとても馴染み深いものだった。

「ラタトスク?」

「(お前がISとやらの機械を実際に稼働したおかげで俺が目覚めたようだな)」

「そうなんだ。またよろしくね」

「(おう、戦闘の時はあの時と同じで代わってやるから自分で無理だと思った時は遠慮なく言えよ。お前は俺に比べてあまり戦闘は得意じゃないんだから。お前が戦う時はサポートくらいはしてやるよ。俺たちは二人で一人。だろ?)」

「そうだね」

「(で、今は特訓してるんだろ。お前がやるくらいだから負けられない戦いなんだろ? チャクラムの使い方は教えてやるから覚えろ)」

「うん!」

 エミルはぎりぎりの時間まで特訓してから帰路に着いた。

「(おい)」

「どうしたの?」

「(今度の戦い、最初だけでいいから俺にやらせろ)」

「急にどうしたの?」

「(俺だって空を飛びながら戦ってみたいんだ。別にいいだろ。何万年と生きてきてそんなことなかったんだから)」

「そうだね。じゃあ、最初だけお願いね」

「(おう)」

 ただ、エミルとラタトスクの会話は傍から見ると一人でぶつぶつ言ってるようにしか聞こえないので若干不審者のように見えなくもない。

 

 そして選抜戦の日が近づいてきた。

 




次回、セシリアとの対戦です
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