インフィニット・ストラトス~異世界に降り立つは魔王と呼ばれし精霊~   作:ガーネイル

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鈴編
6.クラス代表就任パーティー


 翌日の授業。

 「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。キャスタニエ、織斑、オルコット。試しに飛んでみろ」

「「「はい」」」

 エミルはラタトスク(正式機体名:ナイトオブラタトスク)を展開、装着する。これに続いてセシリアも装着するが、一夏がワンテンポ遅れる。そうなるとやはり千冬が喝をいれるわけで。

「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開まで一秒かからないぞ」

 言われてた後、一夏は目を閉じて集中する。

「来い、白式!」

 一夏がようやく展開を終える。

「よし、飛べ!」

 すぐに千冬が次の指示を入れる。

「「はい」」

 返事をしてすぐに飛んでいく、エミルとセシリア。一夏がまたそこからワンテンポ遅れて飛ぼうとするが、上手くいかない。しばらく地上を蛇行してからようやく上昇する。

 エミルが先陣を切って空を飛び、次いでセシリア、一夏の順番だ。

「織斑、遅いぞ。ラタトスクはともかく、スペック上の出力では白式の方が上だぞ」

 一夏は再び怒られる。

「そんなこと言われても……。自分の前方に角錐を展開させるイメージだっけ? よく分かんねぇ」

「織斑さん。イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

「セシリアか。そんなこと言ったってなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体があやふやなんだよ。何で浮いてるんだこれ?」

「一夏、そんなこと言ったらすごい難しい話になるよ? 僕も理解しきれてないし」

 最も、エミルはそんなことを宣うがこの中で一番早く飛んでいるのは他ならずエミルである。

「分かった。エミルに無理なら俺にも無理だ」

「はは、一夏ならそう言うと思ったよ」

 とそんな会話をしていると千冬から次の指示が入る。

「三人とも。急降下と完全停止をやってみせろ」

「だってさ。じゃ、先に行くね、二人とも」

 エミルはそう言って先に降りていく。

「わたくしも行きますわ」

 エミルに続きセシリアも降りていく。そして二人が着地した時、一夏も気合いを入れて急降下していく。が、速度が落としきれずにそのまま地面に激突した。まるで○○○ヴルムのように。これならいつか第二の激突王になれるのではないだろうか。もっとも初代は当然、馬○弾である。とりあえず、それはそれとして、一夏が地面に激突したせいでグラウンドにはでかいクレーターが出来ていた。

「一夏大丈夫?」

 エミルが手を差し出す。

「ああ、なんとか」

 一夏がエミルの手を掴み立ち上がる。

「織斑。授業終わったらその穴を埋めとけ。キャスタニエに助けを求めるなよ」

「はい……」

 この後武装の展開を行い、授業は終了となった。

 

 その日の放課後、食堂ではクラス代表就任パーティーが行われた。

「「「「「「「織斑君、クラス代表おめでとうー!!!!!」」」」」」」

「何で俺なんだよ! エミルかセシリアじゃなのかよ!?」

「僕は一夏に戦闘経験を積ませよう思ってね。慣れるには何事も実践が一番だし」

「わたくしも辞退しましたの。それにエミルさんに教わりたいことがありますし……」

 二人の言葉に一夏の頭の上には絶望の二文字が浮かんでいるように見えなくもない。そんな時にカメラのシャッターを切る音がする。音の発生源の方を向くとメガネをかけてカメラを持っている女生徒がいた。

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生のインタビューに来ました。新聞部副部長で二年の黛薫子です。これ名刺ね。よろしくー。では早速、織斑一夏君。クラス代表になった感想をどうぞ!」

 薫子と言う少女は一夏に向かってマイクを向ける。当の本人は戸惑い気味である。

「えーと……。まぁ、頑張ります」

「もっとコメントをちょうだいよー。例えば、俺に触れると火傷するぜ! 的な言葉」

「自分、不器用ですから!」

「うわ、前時代的!」

 実のところほとんど大差ないのではなかろうか。

「まぁ、適当に捏造するからいいか」

 いや、よくない。まさに情報が間違って伝わるのはこういう輩がいるからなのではないだろうか。

「じゃあ、次はエミル君ね。エミル君は非公式になっているとはいえ二番目の操縦者なわけだけど、そこのところどうなの?」

「正直なところあんまり興味はありません。もし動かせなかったとしても自分ができることを精一杯やって自分が大切なものを守るだけです。それが僕の信念ですから」

 エミルは薫子に向かってそう言い切った。

「いやー。これは捏造する余地がないねー。ありがとう。それじゃあ、最後にセシリアちゃん」

「そうですわね。……エミルさんとの戦いで自分の弱い部分が改めて克服しなければならない点がいくつも……」

「よし、長くなりそうな感じからエミル君に惚れたってことにしておくね」

「ちょっ!?」

 セシリアはエミルを見る。が、エミル自身は一夏との話に夢中になっていて、セシリアの言葉は聞こえていなかった。セシリアは少しほっとしたような、残念なような思いが混ざった視線をエミルに送る。それに気付いたエミルは視線元を見るが当の本人であるセシリアは顔を反らす。エミルは何かしたっけと言ったばかりに首を傾げる。

「それじゃあ、三人とも。最後に写真撮るからこっちに並んで」

 薫子に促され指示された場所に立つ。何がどうなったのか分からないがエミルが中心となり左にセシリア右に一夏という順番になった。

「そうだなー。真ん中で手を合わせてみてもう少しいい絵になるかな」

 三人は言われた通り手を合わせる。

「いくよー。3、2、1」

 薫子がシャッターを切ろうとした瞬間、クラスメートが枠に収まる場所に移動する。せっかくエミルの隣で写真を撮れると思っていたのに妨害されてしまったわけでして。

「な、なんで貴女たちも入ってますの!?」

せっかくのチャンスを潰されたセシリアは憤慨するが、他の女生徒は意にも介さず。

「まぁまぁまぁ」

「セシリアだけ抜け駆けはないでしょ」

 女生徒たちはそう言ってセシリアを宥めるが、全く効果がなく脹れている。むしろ逆効果で脹れていく。そんな時、エミルがセシリアに声をかける。

「オルコットさん、仕方ないよ。きっと皆もテンションが上がっちゃっただけだろうし」

「むぅ………………」

 セシリアの頬は已然として変わらない。エミルは考える。かつての経験則をフル動員してどうやって宥めるか考える。そして自身が思いつく限りの最善を答えを出す。

「もし、僕にできることがあれば何かしようか?」

 そう口にした瞬間、セシリアの目が光り、獲物を捕らえる肉食獣のような眼をしていた。

「なら、今度の休みに一緒に出掛けてくださいませんか?」

「それくらいならいいよ。今度の休みに出掛けよう」

 セシリアの顔には笑顔が戻り、花が咲いた。

 そしてしばらくして今日は解散となった。

 




次回から鈴さんが登場なさいます
早めに投稿できるように頑張ります
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