Fate/Dark order   作:ハナネット

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 不死の呪いを受け、不死院と呼ばれる不死人を収容する牢獄へと押し込まれた。薄暗い牢屋へと何年、何十年か、数えるのをやめてしまったから分からないが、ずっと押し込まれた。他の不死人たちの懇願の声も年々消えていき、うめき声しか聞こえなくなっていった。ここを管理していた白教徒の騎士たちの姿もいつの間にか消え、僕はまともな人間が消えた不死院の牢獄で、運悪くまだ理性が残ったまま放置されていた。カサカサの干からびた体を、不死人の肉を食んで同じく異形となったネズミがかじっているが、どうでもいい。誰もいない。誰も期待していない。誰も自分の存在を認めいない。何一つ変化はない牢獄で、何も救いはなくて、変わらない日常に僕の存在もかすれていく。そんなある日、僕は、運命に出会った。 


呪い -ギアス-

サイド:焔間夜見

 

 先ほど倒したスケルトンを物色する。一体だけ赤黒い骨を持った個体がいた以外は目新しい発見はなかった。せいぜい、何らかの呪いの残り滓が犠牲者の死体に取り憑き変異させたらしいというのが分かったくらいか。カルデアの資料になるかもと思い、赤い骨を自分の中に収納する。ソウルの業は正常に動作している。もとよりこれが使えること自体が異常そのものだが、そう表現するしかない。

 僕が不死となり化け物どもと文字通り死闘を繰り返す中で自覚した力は三つ。

 一つは当たり前だが死なないこと。浅い切り傷や手足の欠損程度では自然に治癒することはなく、不死人に絶大な回復をもたらす秘宝、エスト瓶を使用しなければいけないが、生命維持に致命的損傷を受けると肉体が霧散、健全な状態へと再構築される。

 二つ目はソウルによる魂の強化。他者の魂を吸収、強い意志や感情をそなえた形を保ったものなら割り砕くことで吸収し、自己の魂に付随する概念を強化、外見以上の力を発揮させることが出来る。こちらの世界の法則でいうならば、永久的に強化の魔術が作用し続けるという感覚に近いだろうか。ただし当然ながら魂の強度が上がれば上がるほど必要となるソウルの量は増え続け、より強い魂を持つ存在から奪う必要がある。まさしくソウルイーターそのものと言える力だ。

そしてもっとも重宝し、不死であること以上に人々が恐れる力が、自己の魂へと物を無尽蔵に収納できる力だ。所有するものを自己の魂の一部として認識することで形のないイメージへと変換、自身の内に収納するというものだ。実体化するまでは収納するものの重量は反映されず、それこそ自身の体躯を超える大剣や大盾、岩の塊の鎧さえも収納できるという破格なものである。ただし、あまりにも物を多く収納すると戦闘中に必要な物品を探す際に頭の中が物のイメージの氾濫で混乱し身動きが取れないうちに殺されるということもある。しかし、熟練したものが使えば次々と変化する装備や武器で相手を翻弄することも可能だそうで、不死人を蛇蝎のごとく嫌う白教の騎士団を壊滅させた不死人もいたという。

 自己の中に収納されたものを確認する。アストラの直剣、竜の紋章の盾は先ほど具現化したからあるのは当然として、その他のものは火継ぎとなる直前まで持っていたものが欠けることなく存在しているようだ。薪の王の集合意識体となっていたのを考えれば、何も変化がないのはおかしいのだが、おそらく自分の記憶にあるものが復元された(・・・・・)のだろう。僕が僕として生まれ直された際に魂の一部として認識されたそれらが再現されたと考えると、確証はないが一応の理屈は通る。多分、割り砕かないまま残したソウルも吸収はしていないものの、もはや僕の一部となっているのだろう。防具は今装備しているカルデア制服はそのままにして、両手両足に放浪のマンシェット、放浪のブーツを装備する。荒地や炎の中を探索するのなら軽くて炎防御性の高いこちらがちょうどいいだろう。最後にアストラの剣と盾を腰と背中に装備し、僕は最後に残った二度と戻れない日常を守る願いとともに、部屋を後にした。

 

 先ほどの襲撃を警戒しながらマンションを降りていく。入り口から出ると、街を覆う炎の熱気が感じられるが、カルデア制服の効果により一定の熱さは遮断されているようだ。今自分が着ている制服は魔術礼装の一種である程度の熱や衝撃を遮断してくれる。上から見た大まかな街の構図をイメージしながら探索を開始した。

 辺りには焼き焦げた死体や切り裂かれた死体の臭気が立ち込め、さながらこの世の地獄のような風景が広がる。どの死体からも活用出来る物はなさそうだ。炎を避け、何度か遭遇したスケルトンを先ほどの要領で撃退していく。自身のことを知るきっかけとなった忌々しい相手だが、戦闘のリハビリの木偶としてはなかなか優秀だ。弓やボウガンの具合、あまり派手な効果のない魔法(こちらでは魔術という方が妥当だろうか?)や呪術の調子をみるなどの余裕もだんだんと出てきた。そのたびに、かつての自分に躊躇なく馴染んでいく感覚に不快感が増していくが、我慢する。探索を進めること数時間、生きた人間が見つからず焦れてきたところで、遠くから悲鳴が聞こえてきた。

 声の出所の方へと駆け出す。貴重な生きた人間だ。ここで死なせたら、情報源が失われる。現場に着き、物陰から覗き込む。そこには2体のスケルトンに囲まれる中、尻もちを着き体を震わせながらそれでも何かに対する悪態を吐き出しているオルガマリー所長の姿があった。レイシフト前に同じ場所にいた所長と僕が同じ未知の場所に飛ばされていたということは、予想通りここはレイシフト先であった2004年の冬木市の可能性が高いだろう。右手に投げナイフを取り出し、物陰から飛び出して手前側のスケルトンの頭部を狙って放つ。威力は大したことはないだろうが、所長から注意を逸らす役目を十分果たしてくれた。手前のスケルトンが頭部にナイフを突き刺したままこちらに目線を向けると同時に駆け出し、アストラの剣を両手持ちにし相手を胸へと飛び込んで地に縫い付ける。次にもう一体を処理しようとしたところで、真っ黒な大盾がもう一体のスケルトンをバラバラに粉砕するのを目撃した。新手の敵かと思い死体から抜いた剣を構えるが、大盾の影から現れたのは僕の知っている人間だった。

「Aチームの・・・マシュ・キリエライトさんだったか?」

「あなたは、Bチームに配属された焔間夜見さん!?」

 先のレイシフトミッションへと向かうはずだった別チーム所属のマスター候補の一人が、明らかに存在の質、ソウルの密度が初見から見違えるほど強固になってそこにいた。あの大盾からして黒鉄の大盾に負けない程の重みがありそうだが、それをあんな細腕で振り回していた。自分と同様、彼女にも何かしらあったのだろ「焔間さんっ!?生きてたー!」・・・う!?気を抜いていたわけではないが、あまりにも殺気も悪意もない突撃に気付かず謎の物体に抱きつかれた衝撃でたたらを踏む。って、この子は確か・・・名前なんだっけ?

「・・・所長が怒って部屋から追い出した居眠り女?」

「熊沢多美香だよ!とりあえずその不名誉なあだ名はやめてよ!」

 泣きそうな顔で嬉しそうにしたと思ったら心外だと怒ったり忙しい子だ。僕たちがじゃれついている間にキリエライトさんが尻もちをついて呆けていた所長を助け起こしていた。 

「大丈夫でしたか、所長」

「あ、あなたどうしてここにいるの!?それにその姿はどうしたの!?」

「落ち着いてください、今から順を追って説明していきますから」

 先ほどの窮地に合った為か興奮しているらしい。キリエライトさんが宥めている。その後キリエライトさんがサーヴァントとの融合体、デミサーヴァントとやらになっているのを知るや否や熊沢さんへと詰め寄り罵声を浴びせている。きっかけがキリエライトさんの体についてだから、見かけによらず人情的なのだなと感心する。その剣幕にさすがの彼女も及び腰となっているようだ。このままじゃ話が進まないと思い彼女へと助け舟を出すことにした。

「説明は後にしましょう、所長。この辺りの安全が確保出来たわけではないですし、まずはこちらの拠点を確保することを優先にしましょう」

「あなたのことも言ってるのよ!焔間夜見!あの宝具級の剣や盾はどこから出したわけ!?投影のわけはないわよね。検査の結果からあなたの魔術回路の本数は10本程度。魔術礼装を起動させるのがやっとの一般人の魔術使いがそんな純度の神秘の塊を具現化できるわけない!まさか、経歴を詐称して潜り込んだ別派閥の魔術師?カルデアスでの爆発を起こしたのはあなたね!」

 藪を突いて蛇を出してしまったか。初めに知らされていた自分の情報との明らかな差異に落ち着きをなくしている所長は今度はこちらに食って掛かってきた。だけど、今の自分の状態について一番納得出来ていないのは僕の方だ。やはり所長は爆発に巻き込まれた自覚があり、自分も同様だった。考えないようにしていた予想だが、僕のダークリングの発現は自然発生したものではなく・・・

 

 僕は一度死んだのだ。あの爆発に巻き込まれて。

 

  ・・・誰だ、どこのどいつの仕業だ。もし所長の言う通り、あれが作為的に引き起こされたものなら、そいつをぶち殺してやる。すぐに死なせてなどやらない。僕が白教のサディストどもにやられたように皮を剥ぎ、腹を裂いて内臓を死なない部位から切り出して目の前で見せつけ、死なせてくださいと懇願するまでその身を刻んで・・・

 

 我に返ると、いつの間にか所長は僕から距離を離して体を震わせてキリエライトさんの大盾の影に隠れていた。キリエライトさんもこわばった表情でこちらに盾を構えている。熊沢さんだけが、怯えながらもなぜか心配そうにこちらを見つめていた。・・・いけない、まだ感情的になる場面ではない。犯人が目の前にいたとして、そんなことをするなんてどうかしている。僕は、ただのカルデアのマスター候補だ。そいつの処罰はカルデアの魔術師に任せるべきだ。そんな報復をやって当たり前だと思っていたころの自分じゃない。力は発現した、けどまだ人間なんだ。

「・・・事前に情報にない能力を出して驚かせてしまいすみません。でも、信じてもらえないかもしれないですが、あの爆発は僕が起こしたものではありません。僕も爆発に巻き込まれましたが、運よくこうして冬木にレイシフトできた人間です。まずはお互いに話し合いませんか?」

 本当は一度死んでいましたとも言えず、今の状況についての情報交換を持ちかけた。このままでは話が進まず現状の解決も出来ない。

「…そうね、あなたが何者かはこの際置いておいて、今は状況を把握しておきたいわ。けど、もし何か危害を加えようとするなら、容赦するつもりはないわ。マシュをけしかけるから覚悟しなさい」

「所長、そこは私に丸投げにするんですね」

「う、うるさいわね!部下のあなたが私を守るのは当然でしょ!」

「心配しなくても大丈夫だと思うよ」

 会話の間に、熊沢さんのよく透る声が差し込まれる。彼女は疑心も警戒もない目でこちらを見つめていった。

「えっと、さっきのは所長を威嚇してたんじゃなくて、爆発に巻き込まれたことにすごく怒ってたんじゃないかな。爆発を仕掛けた人が自分も巻き込まれた爆発で怒ってるなんてすごく不自然だよ。あの剣や盾はなんなのか分からないけど、所長のことを助けに来てくれた夜見ちゃんは悪い人じゃないよ」

 いつの間にか「焔間さん」から「夜見ちゃん」と呼び方が変わっている。自分は許した覚えはないんだが、彼女には気にすることでもないのだろう。重く張りつめていた状況が、彼女の一言で少し弛緩したような気がした。お気楽な見た目ではあるが、彼女は状況を冷静に分析出来ている。なにより、僕のことをまだよくも知らない間柄なのに、信頼している様子を見てとれた。そんな彼女に、ありがたいはずなのに、ひどく妬ましさを感じた。

 

 

 

サイド:熊沢 多美香

 ベースキャンプ確立の為に足を進めていた私たちは突然響いた悲鳴を聞きつけ向かった先で、爆発に巻き込まれたはずのオルガマリー所長や焔間夜見ちゃんがガイコツたちに襲われているのを発見。たまらず私はマシュに頼んで一体を撃退してもらったが、もう一体はなんと剣と盾を装備していた夜見ちゃんが自力で倒していた。マシュのコスプレモドキの次はどこぞの魔王を倒す勇者へとジョブチェンジしている同期のマスターとかもうなんでもありな気がするしてくるな。

 だけど、そんなことよりももう会えないと思っていた二人が生きていたことが嬉しくて堪らず夜見ちゃんに飛び付いてしまった私は悪くないはず。(何だか無表情でクールにきめていた彼女が戸惑った表情をしていたのを見れたのはすごくレアな気がする)

 そのあとマシュがデミサーヴァントになった件で私が鬼畜マスターだと勘違いされたり、勇者夜見ちゃんが何故だかカルデアス爆破の犯人扱いされて激おこしてしまい所長が怯えた子犬みたいになったりと二人だった時よりもずっと賑やかになった。こんな異常な光景が広がる場所だけど、自分なんかよりずっとしっかりした頼りに出来る仲間がいて、本当によかった。

 さっそくベースキャンプ設置地点に向かおうとする所長にマシュがここがその場所だと言い赤面している所長を微笑ましく見る一方で、なんだか先ほどから黙り込んでいる夜見ちゃんが気になる。

 互いの状況について情報交換をし合い、所長が私や所長自身がレイシフトできた理由についての説明を聞いてから表情は変わらないけどひどく落ち込んでいるような気がする。所長から爆発のせいでコフィンのレイシフト機能が停止していたのになぜこちらにいるのかと問い詰められ、原因は分からないの一点張りで説明していたが、何かを隠しているような様子だった。知られると嫌なことでもあったのかな?実はトイレに行きたくなって無断でコフィンから出てきてしまいましたーとか?それは私でもちょっと言うのははばかられる内容だ。私が生暖かい目で夜見ちゃんの肩に手を置いて慰めの言葉を掛けると、彼女は理解不能な珍獣を見るような目で疑問符を浮かべていた。あれ?違った?

 所長の指示でマシュの持っている大盾を霊脈に置き召喚サークルを確立。カルデアとの通信を回復させた。さっそくロマンからの通信が入り、所長や夜見ちゃんの生存に大いに驚いていた。その後ロマンからの報告を受け所長が各指示を的確に出していく。私と同年代くらいなのに、やっぱり偉い人なんだなあ。

"マスター適正者46名の凍結保存処理、終わりました。これでカルデアの電力が続く限り彼らの生命は保障できるはずです"

「これで魔術協会からの横やりへの免罪符は出来たわね。それで、私は置いといて47番がこちらにいることがあり得ないとはどういうことかしら、ロマニ?」

 47番って、夜見ちゃんに振られてる番号のことかな?ロマンは重々しい顔をしてその理由を語り出した。

"彼女のコフィンは爆発地点から最も近い場所にあり、コフィン自体の損傷も大きかったんです。他の適正者たちと立場は同じだったんですが、運悪く爆発の際に室内の構造物であった鉄骨が彼女のコフィンを完全に押しつぶし大破した状態でした。せめて遺体だけでも回収しようと確認したんですが、中には誰もいなかったんです。血痕はあったので遺体は確かにあったはずなのに、そこにはありませんでした。まるで体が煙にでもなった(・・・・・・・)みたいに、体の一部さえも見つからなかったんです。運よくレイシフトが成功したと仮定しても、五体満足で特異点にいるはずがないんですよ"

 ロマンはまるで幽霊でも見るかのごとく夜見ちゃんのことを見ている。所長やマシュもさすがに異常が過ぎる夜見ちゃんの正体に警戒している。夜見ちゃんは変わらず無表情に今の話を聞いていたけど、って、そんなことより!

「大丈夫なの!?体が実は骨がバラバラになってるけど気力で我慢しているとか、内臓がドバーッて飛び出してるけど服の下を包帯ぐるぐる巻きにして抑えてるとかしない!?」

「骨がバラバラならそもそも歩けないから。あと怪我を抱えてあのスケルトンと戦ってたとしたらとっくに血塗れでもっとあなたの愉快な顔が拝めたかもしれない。僕は健康体だよ」

 そう言って、夜見ちゃんは所長とマシュの前に立ち深々と頭を下げた。

「僕の正体について不審に思うのは仕方のないことだと思う。僕の持っていた宝具級の武器やコフィンの惨状から生きてここにいる理由についても僕自身が言う決心がついていないのが本音です。だけど、僕がこのミッションに参加した理由は僕の家族や友達のいる世界の未来を守りたいと思ったのは本当です。今はそれ以上の説明はできませんが、必ず話すことを約束します。だから、お願いします。信頼は出来ないかもしれないですが、僕を利用しても構いません。このミッションへの参加を、続けさせてください」

 ただただ誠実に、所長へと懇願する夜見ちゃん。詳しいことを言えない理由は分からないけど、彼女は今まで曝け出さなかった本音で話しているのだけは伝わってきた。

「・・・いいでしょう。信頼することは出来ないけど、今はあなたの言葉を信用します。ただし、こちらもただであなたを手元に置いておくわけにはいきません。あなたにはギアスを掛ける。私たちの命令には絶対服従という内容でいいかしら?」

 夜見ちゃんも異論はないらしく、神妙に頷いた。ギアスって、何?所長は夜見ちゃんの正面に立ち顔を合わせ目線を合わせる。夜見ちゃんもそれに抗わずに所長と目線を合わせた。数秒が経ち、所長が顔を離す。これでギアスっていうのが掛かったのかな。

"所長×黒髪クール少女・・・そういうのもあるのかっ!?"

 今まで黙っていた橙ポニテがなんか言っている。無視しておこう。マシュもなんだか顔を赤くして顔を隠していたが、指の間が明らかに開いてるんだけど。

「これであなたはここにいる私、マシュ、あの子の命令には逆らうことはできないわ。正体については聞かないことにするけど、あなたが持っている能力に関して説明できるものは話してもらうわよ。戦力の出し惜しみなんてする余裕はこちらにはないんだから」

 所長の命令に夜見ちゃんが頷く。ん?命令に逆らうことが出来ないってことは・・・

「夜見ちゃん夜見ちゃん」

「?、何なの?」

「お手」

 夜見ちゃんが呆れてその言葉に取り合わないようにすると、体が突然固まった。夜見ちゃんも自分の状態に驚愕している。仕方なくお手の動作をしてくれると、先ほどの様子が嘘のように滑らかに体が動いていた。

「わあ、ほんとに言うこと聞いてくれるんだ」

「あ、あの夜見さん。私とも手を握ってくれませんか?」

 マシュも便乗して話しかける。夜見ちゃんも今度は抵抗しようとするが体がまた金縛りの状態から動かない。マシュの期待の目に負けて握手を交わす。

「さすがは名門オムニスフィア家のオルガマリー所長の魔術ですね。命令に従わないと一切の身動きが取れなくなってしまう呪いの最上級魔術を施すとは。本来他者への魔術は魔術回路の抵抗によりレジストされやすいのですが、これでは解くのも難しいと思います」

 若干憐れみも込めてマシュが苦笑している。夜見ちゃんは苦々しくこちらを恨みのこもった目で見つめていた。なんか、楽しくなってきた!

「あなたたち、遊んでないでさっさと次に進みなさい!」

「わあ、なんだか多美香ちゃんイキイキとしてるよ」

 多美香は玩具を手に入れた!夜見は呪いを受けた!

 




 というわけで、ようやく合流した回でした。まだ召喚シーンやキャスニキ登場にも漕ぎ着けられないとは、書きたいことをかこうとするとどんどん長くなる苦しみがよくわかりました。
 次回でやっとサーヴァント召喚に移ろうと思います。

 ちなみに、夜見の極端な性格の変化は、DS時代のソウルを貪って荒れていた時代の名残で、今は転生後の人生で大分緩和されています。ただ彼女は基本、クールを装っていますがかなりの激情家です。アルトリウス戦ではかなりぶち切れして戦っていました。
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