「夜見!!そのままじっとしていて!水道で手を冷やしましょう、そうすれば痛くなくなるからね!」
慌てて僕を抱きかかえると洗面台まで連れていき水道の水で僕の両手を流す母さん。幸い処置が早かったおかげか火ぶくれもなく綺麗なままだったが、その間泣きもせずずっといつもの様子と変わらない僕に母さんは訝しみ、話しかけた。
「夜見、どうして平気そうなの?あんな熱いお湯がかかったのに痛くなかったの?」
「大丈夫だよ。痛かったけど、僕我慢できるから」
「夜見・・・・・・」
母さんは悲しそうに僕を抱きしめ、優しく教え込むように僕に語り掛けた。
「痛いってことはね、ちゃんと誰かに伝えないと分からないのよ。私たちも分かってあげようとするんだけど、どうしても気づいてあげられない時があるの。だから、痛いときはちゃんと痛いって言ってもいいのよ。そうすれば、誰かが助けてくれるものなんだから・・・」
そういって、母さんは僕の頭をなでながら抱きしめ続けた。僕と同じ黒髪の長髪に顔を埋める。でも母さん、痛みはどんなタイミングで訴えればいいんですか?もう僕はそれを言い続けて、誰も聞こうともしてくれなかったから分からないよ。今の痛みももっとひどいことをされた時に比べれば気にするほどに感じられなかった。
だけど、それを言ったら母さんはもっと悲しむだろうから黙っている。僕が手に入れた大事な居場所を壊したくないから、普通の人をもっと知って演じていかないと。そうしないと、何もかも失ってしまいそうで怖いから。
サイド:焔間夜見
狭く薄暗い洞窟の通路をしばらく進むと、僕たちの目の前に先程の広間とは比べ物にならないほど巨大な空洞が広がっていた。野球ドーム一個分が余裕で入りそうな空間、その中央の台地の上に、何とも形容しがたい巨大な円柱が屹立し、禍々しい光を放っていた。
「これが、大聖杯でしょうか?」
「こんな巨大な魔力炉心があったなんて・・・。なんで極東なんかにこんなものがあるのよ・・・」
"製作はアインツベルンという錬金術の大家とカルデアの資料にはあります。ラインの黄金に長けた魔術師の一族らしいですね。おそらくその伝承の黄金をモチーフに聖杯が製作を任せられたのでしょう"
マシュや所長もその異様さに驚いている。洞窟の中央から離れているにも関わらず、魔力の濃密な流れが素人の僕にも感じ取れる程だった。
「あの、所長。あそこに光ってるのって何か分かりますか?」
多美香が何か見つけたらしく指でそれを指し示す。そこには、この空間には似つかわしくない輝く水晶体が中空を浮いて存在していた。
「いかにもって感じのものね。あれを回収して調べましょう。もしあれが特異点の原因ならこれでミッションは終わったも同然ね」
"気を付けてくださいね、所長。なんというか、ここぞってところでポカをするのが所長クオリティですから"
「言っている意味は分からないけど、貶してるってことだけは分かったわ、ロマニ。後で覚えときなさい」
"いやいや、君には次なんて存在しないんだよ、オルガ"
突然、聞き覚えのある声が洞窟内に響き渡った。発生源は、先程の結晶体。その結晶の中から人影が出現した。あれは・・・レフ・ライノール教授?
「ここまで君たちがやるとは思わなかったよ。計画通りいかないものだね。47番はともかく48番の君。マスターとしては底辺で、どこにでもいる馬鹿で能天気で見込みのない子供と思って見逃したが、間違いだったよ。47番にしても運悪く爆発に巻き込まれ、他の候補と違って本当に死んでしまったマヌケと思っていたらオルガと違って完全に生きてここまで来ているし・・・。本当に、ゴキブリみたいにしぶとく潰しても這い出して来る様にはうんざりするよ」
教授はいつもの温厚な様子が嘘のように荒々しく僕たちを罵る。彼が腹に一物抱えている類の人間であることは知っていたが、魔術師は多かれ少なかれそういうものだと認識していた。だが、今の彼は僕がかつて苦しめられ、僕自身もそうだった他人を貶めようとする人間特有の下種な感情が浮き彫りとなっていた。
多美香が慣れない他人からの悪意ある言動に震え、マシュが恐れを覚えながらも盾を構え守る。多美香もマシュも気づいている。あれが僕たちに表面上優しく接していた教授ではなく、本性を顕わにした別のナニカであると。人間とは思えない恐れを覚えさせる存在感を周囲に放っている。
「しかしまだ十分修正の効く案件でよかったよ。その憂いも、今ここで私自身が出向けば簡単に片付けられそうなものだったからね」
いきなりの展開だったが、本人の隠す気のないああもあからさまな態度から、彼の立ち位置が見えた気がする。教授は僕たちレイシフトする際、オルガマリー所長と共にカルデアスのコフィンを見守っていた。その後、謎の爆発事故が起こり、僕は運悪く死に、所長も謎の転移によって生きてレイシフトした。同様に巻き込まれたはずのレフ教授が運よく助かり運よく結晶体から出現し僕たちと合流したなんて話しがうますぎる。所長の状況も不可解だが、彼の場合ただの生存者と楽観的に見るには無理がある。
彼、いや奴が、元凶だ。何をしてくるか分からない未知の存在を見据えながら、いつでも対応出来るよういくつかの装備や道具を取り出せるようイメージする。
ロマニさんも彼のいきなりの登場に驚愕しているようだ。しかし、所長だけは他のみんなとは違った反応をみせた。
「レフ、ああレフ・ライノール!!よかった!生きてたのね!」
恩師の生存に感極まったのかオルガマリー所長がレフ・ライノールに皆が止める間もなく駆けよってしまった。先程の明らかに怪しい登場を一緒に目撃していたはずだが、彼女にとって彼への盲目的な信頼が勝っていたのだろうか。
「あなたも爆発に巻き込まれたと聞いて心配してたけど、本当によかった!あなたがいなければカルデアも私もどうすればいいか分からなかったもの。これで何もかも問題ないわ。だってあなたがいればこれからも物事がうまくいくんですものね!」
「・・・・君の頭の巡りも随分と悪くなったものだね、オルガ。やはり足元に設置した爆弾で丸ごと消し飛ばしたのがいけなかったのかな?」
「・・・・・・え?」
「意味がよく分かっていないのかい?君はもう死んでいるといったんだよ、オルガマリー。霊子演算装置トリスメギストスは肉体を無くし残留思念体となった君を生前の状態で完全に再現して冬木に転移させてしまったんだ。レイシフト適正のない君は肉体を無くしたおかげでこの特異点に生きた状態を再現されてここに来た。だが、所詮は魂だけの存在だ。カルデアには君が戻るべき肉体がない以上、戻った時点で君の死は確定する。君という存在は消滅するんだよ」
「――――待って、う、嘘よね、そんなの。か、仮にそれが事実だとしてもあなたのことだからまだ何か方法を考えてあるんでしょう?そうでしょう、レフ?」
自身の根幹を揺るがす事実にそれを認めたくないと顔色を失う所長。だが、レフ・ライノールは物分かりの悪い生徒を相手にするような態度で、どこまでも酷薄に所長をさらに追い込んでいく。
「往生際の悪い子だなあ。本当にイラつかせてくれるよ。そんなものはない、君はこの特異点から出られず消える結末しかないんだよ。しかし、何も知らずに消えていくというのもあまりに残酷だろう?私からの最後の善意だ、今のカルデアを見せてあげよう」
奴はそういうと、芝居染みた様子で指を鳴らす。すると、所長とレフ・ライノールの周辺だけが一瞬にしてカルデアの施設内のものに切り替わり、その前に赤く染まったカルデアスが鎮座していた。
「聖杯の力でカルデアスと時空を繋げた。あれが今のカルデアス、人類の絶滅を観測した絶望の赤色だよ。これで君も満足出来たかい?」
「―――――――信じない、こんなこと在り得ない。わ、私の責任じゃない。私は間違ったことなんてしてない!なんで、なんでいつも私ばっかりこんな目にあわなきゃいけないの!?」
・・・同情するには彼女のことを分かっていない僕に、何かを語る資格はないだろう。だけど・・・全てが空回りに終わった心に、勝手ながら共感するものを覚えてしまった。
「ではお別れだ、オルガマリー。愚かなオムニスフィアの末裔よ。最後に君が最後まで自分のものだと勘違いしていたカルデアスに飲み込まれるといい。最も大切な宝物で死ねるんだ。君も本望だろう?」
レフ・ライノールのセリフと共に所長の体が宙に浮きゆっくりとした動きでカルデアスへと引き寄せられている。傍目からみれば、所長をすぐにでも助けられるように見えているだろう。だけど出来ない。レフ・ライノールの不可解な威圧感が、下手をすれば自分たちも簡単に殺されると訴えかけてくる。
「い、いや。いやーーーーーー!こんな死に方いやよ!誰も認めてくれてないのに、こんな、こんなところで、誰も見返してもいないのに!」
多美香もマシュも恐怖で動けず、しかし足を進めようとする多美香をマシュが押し留めている。小次郎も未知の脅威に対し警戒し下手な動きが出来ない。僕も、救いに行くこととそれによるリスクを秤にかけ、助けに行かないことに比重が傾いている。アルトリウスもレフを脅威と捉えながらも、行動に起こしかねているように見える。誰も所長を、救えない。
所長とカルデアスの距離が、徐々に短くなっていく。
「助けて!誰か助けてよぉ・・・。私を評価してくれないのはなんで?みんなが私を評価してくれないのはなんで!?私頑張ったのに、誰にも負けないように頑張ったのに!?」
もうやめてほしい。あの声を聞く度に忘れてしまった古傷がうずくように苛立ちが頭を掠める。助けたい気持ちはある。でもここで何かあって僕の日常に戻れなくなると思うと足が前に進まなくなった。僕はどこまでも自分本位な人間だ。言い訳だけはしない。僕の日常を諦めるくらいなら、所長を、切り捨てる。
だから、諦めたと思っていた所長が起こした行動に、度肝を抜かされた。
「「令呪をもって命じます!!誰か、私を助けなさいよーーーー!!!」」
所長の言葉と勝手に動く僕の口が重なる中、残っていた令呪が輝き最後の一画が消えた。
「は?」
「よ、夜見さん?」
「夜見ちゃん、今なんて・・・」
疑問を探る時間もなく、アルトリウスが僕の首根っこを掴みあげる。
「ちょっと待って。何で? それはない。ないから・・・」
”上位者権限による令呪の強制発動!? だけどあんな離れた距離からどうやってそんなことを可能に・・・”
何か猛烈に嫌な予感がする。アルトリウスは僕の言い分を聞く様子もなく振りかぶり力を溜める。自分でも無意識の危機感から篝火の大剣を現出させていた。
そのままアルトリウスは、今もカルデアスに引き寄せられつつある所長に向かって僕を投げ飛ばした!?
寸前で全力で大剣を地面に投げ突き刺せたことにわずかながら安堵出来たが、空中を飛んでいる状況はどう考えても最悪だった。
「夜見ちゃん!!」
多美香の声が遠ざかっていくのを聞きながら、今も引き寄せられている元凶の所長をなんとか抱きとめる。衝撃からカルデアスの引力から抜け出せるかと期待したが、吸引力の変わらない強さに今も二人一緒に吸い寄せられている。
「くっはははははははは!どこまで私を笑わせてくれるんだい、オルガ。わざわざどうしようもない状況に犠牲者一名追加とは!どういうわけか彼女には君からの感覚同調の魔術がかけられていたようだね。それを使って令呪を使わせるとは予想もつかなかったが、あのサーヴァントが馬鹿で良かったよ。自分のマスターを君に寄越そうと考えるなんてね。バーサーカーらしくな脳ミソまで筋肉で出来ていたのかな?はははははははははは!」
レフ・ライノールの嘲る哄笑が響き渡る。
「所長・・・割とマジで恨みますよ」
「だって、だってぇ~・・・」
いつもの傲岸不遜な態度は見る影もなく、今は死に脅え小さな少女のように縮こまっている所長。僕というどこの勢力か分からない存在に対する安全策として、令呪を強制発動させてサーヴァントに殺させるようなことを考えていたのだろう。ギアスを掛けた際、さらに念を入れて自分の感覚と同調させて僕の意思とは関係なく体を操作させて令呪を使わせる方法までやるなんて、周到に練られた策だ。この土壇場で窮地に追い詰められて使用することをとっさに思いついた機転の良さを呪いたい。不思議と心底から憎むような感情は覚えなかったが、この状況に巻き込んだことは絶対に忘れてやらない。
考えろ、考えろ考えろ考えろ!!あのアルトリウスが何の考えもなく僕を所長の元に寄越したとは考えづらい。彼は僕なら所長を助けられるという確信があってあんなことをやったはずだ。そうでなければ令呪の強制効果はアルトリウスにかかり彼自身が所長を助けに飛び出すはめになっていたはず。僕にあって彼にないもの・・・。不死、ダークソウル、エスト瓶、篝火の大剣・・・・。
「あっ・・・」
「なに!?何か方法を思いついた!?」
「所長、すいません。これしかないです・・・」
「一体何よ!?」
「もう一回死んでください」
「は?・・・・・・が!?」
所長の胸をダークハンドで貫いた。そのまま抜き取ると残った彼女の体から手を離し帰還の骨片を使用し中空から転移。次の瞬間には、僕はさっき放り投げた大剣の前に戻ってきており、同時に残った所長の体がカルデアスに吸い込まれ消滅するのを見届けた。
「はははっははははははははは!君は魔術師なんかやめてコメディアンになった方がよかったんじゃないかい、オルガァ。まさか助けに来てもらった相手に殺されて一人で逃げだされた挙句、くっははっは、自分だけカルデアスに飲み込まれてしまうなんてね!君も最高だよ、47番、いや焔間夜見!実に人間らしい自分だけは助かろうという浅ましさに溢れていた!」
「そんな・・・・所長、オルガマリーさん!」
「夜見さん・・・なんてことを!?」
レフ・ライノールの愉悦染みた笑いと多美香やマシュの悲鳴が聞こえる。どうとでも言えばいい。あの状況で僕達が助かる方法はあれ以外になかったんだから。
「時間を取られたが、改めて自己紹介しよう。私の名はレフ・ライノール・フラウロス。我が主より人類を処理する為に遣わされた2015年担当者だ。この特異点をどうにかすれば未来は問題なくなる?観測されない未来も正常に戻る?馬鹿め、カルデアスが深紅に染まったあの爆発の時点で未来は焼却された。貴様たちの未来はとうに存在しない。カルデアスの磁場で守られているカルデア以外の世界はこの冬木と同じ末路を迎えているだろうさ」
・・・・・・・・・・・・・・敵の言い分だ。信じるには判断材料が少ないし、鵜呑みにする必要もない。今は勝手にべらべら喋ってくれている奴から得られる情報に耳を傾ける。今、主と言っていたが、この特異点という現象を奴以外にも引き起こせる上位の存在がいるのだろうか?
「最後にいいものを見せてもらったお礼だ。せっかく助かったところ悪いんだが、このままこの特異点ごと時空の歪みに飲み込まれてくれ。それまでの間に、祈る時間を与えてあげる私の寛大さが褒美の品だよ。ではさらばだ、ロマニ、マシュ、そしてマスター適正者の47番と48番」
そう言って、レフはその場から消え去り、直後に洞窟全体を巨大な振動が襲った。洞窟が、いや奴が言っていた特異点の崩壊による空間の収斂が始まってこの世界そのものが消え去ろうとしているのか。
ここで巻き込まれて消える?やっと手に入れたのに、家族がいるのに、友達がいるのに、帰るべき家があるのに・・・こんな形で・・・?
ロマニさんがレイシフトを準備しているらしいが、崩壊に間に合わないという宣告に、焦りが加速する。この局面をどう打開するか考えを巡らすも、今の持ち札で出来ることが何もないという結論に僕は身動きが出来なくなった。本当の本当に、手詰まりだ。結局、どんなに頑張っても行きつく先はまた絶望なのか?これじゃあせっかく助かるかもしれない所長も無意味に苦しめて・・・。
「夜見ちゃん!!つかまって!」
僕の目の前に多美香の左手が差し伸べられる。既にマシュは彼女の右手を掴み離れない、離さないように握りこんでいる。こんなこと無意味だ。僕はセイバーとの戦闘や所長のこともあって躊躇するが・・・
「早く!!」
彼女の手はそんな僕の意見なんか知らないとばかりに勝手に握りこんできた。初めて握った彼女の手は、思ったほど冷たくはなかった。僕たちの周りを小次郎とアルトリウスが無駄だと理解しつつその背でマスターを守ろうと落ちてくる瓦礫から守っていた。
次第に空間が真っ白に染まり・・・・僕の意識も消失した。
夢を見る。
見覚えのない誰かの記憶を見ている。
体中干からびた、体形から少女だと思われる亡者が不衛生な暗い拷問室の中で椅子に拘束されて顔から白い頭巾を被った二人の拷問官に爪という爪に細い鉄の棒を差し込まれていた。
「知ら・・ないん・・です・・・。私・・・何も・・・教えに・・逆らって・・・なんて・・・いないんです・・・」
指から夥しい血が流れ真っ赤に染まっているが、痛みを感じなくなっているのか拷問官に鉄棒で爪を突き刺されているというのに、痛みに悶える様子はなかった。指を切り落とされたかのように指の根元から先が血で濡れていない様子があった。
「やり過ぎて何も感じなくなってますよ、こいつ。これで十分なんですか?」
「痛みの浄罪の儀は終わった。次は体の穢れを溶かし切って落とす。溶解の間へと連れて行くぞ」
男たちは少女の懇願を気にした様子もなく、そう言って椅子に座る亡者の少女の手足のベルトを外すと、乱暴に床に落としその手を引きずっていく。憔悴しているのか少女は力なくされるがままとなっており、しかし弱弱しく口から懇願の声が漏れていた。
「やめて・・・お願い・・・もう死にたくないんです・・・死にたくない。だから・・・やめてぇ・・・」
男たちは、何も言わず機械的に少女を引きずり続けた。ドアが閉まった。
別の場面に飛んだ。例の少女の視点で、今度は汚物と腐臭が立ち込めた石造りの牢屋の中で、少女の亡者が手足の切り落とされた少年の亡者の前で崩れ落ち泣いている。よく見ると少年の目も抉り取られたかのようにがらんどうになっており、手足と同様白い煙が立ち上っていた。亡者の再生を阻害するロイドの護符が使われた跡だ。あれでは出血で自然死することも出来ず、ただ痛みが消えず四肢のない体もそのままだろう。
「ごめんね・・・ごめんねぇ・・・私、私・・・臆病で・・・・最低で・・・・!」
「みんな・・・怖いのはおんなじだよ・・・お姉ちゃんが・・・おかしいわけじゃ・・ない・・。僕も・・弱虫だよ・・・。弱虫だったから・・・お姉ちゃんを・・助けなきゃよかったって・・今ごろ後悔しちゃってる・・・。でも、いいんだ。怖いけど・・弱虫だったおかげで・・・もう僕・・消えちゃうみたいだから・・・」
「待って・・・行かないで・・・やだ・・・こんなところにまだいなくちゃいないなんていやだぁ・・・。一人にしないでぇ・・・!」
少年が消えていくことよりも一人ぼっちになるのが怖くて、彼女はすすり泣く。少年は仕方ないお姉ちゃんだなあと儚く笑った。
「じゃあさ、僕の・・ソウルを・・あげるよ・・・。不死人は・・死ぬことは・・できないけど、力尽きると・・体から・・ソウルが抜け落ちて・・理性が・・完全になくなって・・人を襲うか、完全に・・動かなくなっちゃうんでしょ。だからさ、まだ・・動けるお姉ちゃんが持っていって・・いいよ。そうすれば、お姉ちゃんも・・一人じゃないよ・・・・」
少年の体から意思の力が薄らいでいく。少女は思う。なんで何の未来への希望を持てなかった自分がいつまでも生き続け、先の未来を夢見ていた少年が消えなくてはいけないのか。同じ牢をともにし、いつも互いに励まし合っていた少年の表情は、今まで見たこともないほど穏やかな表情で、少女に別れを告げた。
「じゃあね・・・・・お姉ちゃん。ロイド様が・・・・お許しを・・・・・下さったら・・・また来世で・・・・・遊ぼう・・・・・ね・・・・・・」
少年が、動かなくなった。その胸から白い彼のソウルが滲み出すように現れる。それはとてもちっぽけなソウルだったが、大きな勇気に溢れている気がした。暫くして呆けていた少女は、壊さないようにそっとそれに手に取り、胸に抱えて座り込んだ。
「――――私が、一緒だよ。僕も、一緒だよ。私が一緒だよ。僕が一緒だよ。私が一緒だよ。僕が―――」
忘れないように、無くさないように。少女はいつまでもそのソウルを大事に抱え言葉を唱え続けた。とても儚いソウルだった為か、いつの間にかソウルは砕け、少女の中に吸収されていた。それでも少女は、気づかずに唱え続けた。
場面がまた飛んだ。今度は僕が良く知るものだった。神々の地、ロードランが不死街で、僕がある亡者兵の四肢を斬り飛ばし体を弄り倒していた。その顔はついさっき見たレフ・ライノールと遜色のない他人の不幸や苦痛に愉悦する笑みを浮かべている。あれは・・・ソウルを集めるのに狂い相手倒すことを楽しんでいた頃のものだろうか?
「へえ、手足がなくなるとこんな風に芋虫みたいに体をヒクつかせるのかあ。最初の頃は簡単に殺されてたから知らなかったなあ」
虫の標本を弄るようにロングソードで残った胴体を抉り遊んでいる。遊び飽きた玩具の新しい遊び方を見つけようとしているかのような姿で残忍な行いが続く。
「えっなんか言った?」
意思のないはずの亡者兵の口がわずかに動くのを見て興味を惹かれたのか面白そうに這いつくばり耳を寄せて聞こうとする。亡者兵はこう言っていた。
し・な・せ・て・く・れ
女の顔から笑みが消え、表情のない顔が張り付いた。
「・・・・そりゃあ無理だよ。僕たちは不死人だ。世界から廃棄された汚物だ。神様が匙を投げた落伍者だ。だからさぁ・・・」
立ち上がり、おもむろに短剣を取り出し、今しがた言葉を話した亡者兵の頭を両手で渾身の力で突き貫いた。途端、彼の胴体がビクンビクンと跳ね上がり激しく身をよじらせた。その様に再び彼女の顔に侮蔑する笑みが浮かぶ。
「お前の希望が通ることは絶対にないよねぇ!僕がどれだけ懇願しても誰も聞き届けなかったんだからさぁ!散々僕を殺してきたんだからもっと楽しませてよ。ははは、はははははは!!」
幼稚な復讐心を満たし、少女は笑う。自分が強いと錯覚し、与えられた力に酔って今まで味わってきた鬱憤を晴らすかの如く。不死院での誓いは、忘れていた。
もう見たくない。見せないでほしい。初めの見知らぬ少女はともかく、今すぐにでもあの行為をしている女の首をねじ切ってやりたい衝動にかられた。早くこんな夢覚めてほしい。
気づくと、全てが真っ黒な空間にいた。何もない地平に立っていた僕がふと振り向くと、亡者、黒騎士、盗賊、飛竜、クリスタルゴーレム、混沌の苗床、白竜シース、ダークレイス、そして神族の王グウィン。今まで僕が犠牲にしてきた怪物や人、神々の白い影が立ち、瞳のない眼孔を僕に向けていた。そのさらに後ろに見知ったもの、知らないもの含め幾多の白い影が先の見えないほど連なっていた。怖くなって、一歩後ろに下がろうとし・・・
「不幸だな、ああ不幸だ。だがまあ、あれがオレたちの仕組まれた運命だった。多くの不死人の多くはああやって不死を分かっていない俗物どもの玩具にされて苦しめられてきた。それをやっていた連中も結局は不死になっちまったがな。あんなにすがっていたロイド様が偽神だったなんて言い出すのは笑っちまったな。ホント、都合のいいことも悪いことも皆神様のせいにするのが好きなやつらだよな、人間ってのはさ」
苦笑するような男の声に驚いて再び正面に顔を向けた。先ほどはいなかった黒いローブを全身に纏った壮年の男が、古い節くれだった古木の枝の杖を持ち地べたに座っていた。彼の後ろには骸骨で誂えたようなドレスを纏った女性三人が付き添っている。
「よう兄妹、無駄な足掻きご苦労様。といっても、兄妹ってのは一方的にオレが言ってるだけだけどな。だが、お前との付き合いはそう短いものでもないだろうから、この表現で問題ないだろ?」
軽い調子で見知らぬ男は語る。男の言っていることはよく分からないが、ここはいったいなんなんだろうか?
「ここは『境目』だ。お前がかつていた世界と、お前の中身が繋がっている狭間の世界だな。分かりやすく言やああの世とこの世だ。ほら、後ろを見りゃ穴が見えるだろ?あれだよ、あれ」
そう言って、男は後ろを指差した。振り向くと、さっきの白い影たちは消え、見たことのある赤黒い巨大な輪が目の前に広がり円の内部にどこまでも深く暗い闇を湛えていた。時折中の澱が零れ落ち、どこへとなく流れ、周囲の闇へと消えていく。どこかダークリングに似ているそれを見て、直観で思った。あの中に入ったら、二度と戻れない。
「あの中は、あの世界にあった全てがなくなり、だがなくなったが故に全てがある可能性の坩堝だ。お前がその気になりゃ望むものを取り出せるだろう。最も、お前みたいなちっぽけな存在じゃあ入った瞬間無数のソウルの意思に呑み込まれて廃人になっちまうだろうがな。もし接触するんなら、腕一本程度突っ込むくらいにしといたほうがいいぜ」
男の説明の途中で、周りが白く霞んでいき、視界が徐々に不鮮明になりぼやけてきた。。
「もうお目覚めかよ、もうちょっと積るものがあったんだが、まあ仕方ないか。だが、これだけは言っておく」
振り向いていた頭を戻した。僕のすぐ目に前に、ローブの男の顔が迫っていた。男は、笑っていた。見知らぬ顔で、よく知っている深淵の黒く淀んだ雰囲気で、今の僕の情けない様子を嘲笑い、言った。
「さっきの自分を見て思い出したか? 根が犠牲上等の下種野郎の癖に、偽善で自分を飾るのは窮屈だったろう? 結局、お前はそんな偽りの仮面に拘ってたせいで何も守れずに奪われた。弱い奴は、何時だって喰われる餌だ。喰われたくなきゃ、相手を喰え。それが
気づいたら、全身冷や汗をかいてカルデアの自室のベッドで飛び起きていた。夢のことは、覚えていた。
サイド:熊沢多美香
「君ともう一人。たった二人で、七つの人類史と戦う覚悟はあるかい?人類の未来を背負う力はあるかい?」
中央管制室、世界が焼却された原因となった7つの特異点を映したカルデアスの下で、ロマンはそう言って私に問いを投げ掛けた。
大聖杯を中心とした特異点の崩壊の中で意識を失った私は、次に目覚めると私に割り当てられたカルデアの私室で目が覚めた。部屋にいたフォウとレオナルド・ダ・ヴィンチことカルデアが召喚した三番目のサーヴァントの女性に先導されて中央管制室に戻ってきた私は、マシュや小次郎さんの無事を喜んだが、そのあとに告げられたロマンからの今の状況の説明に言葉を失った。
人類はここカルデアの中の者を除いて滅び去った。レフ教授、いやレフの言った通り外の世界は通常の生物が生きられない死の世界と化しているそうだ。この世界の終末を打開する方法として私たちに残されているのは、冬木の特異点の消滅後に現れた過去の地球に存在する7つの特異点、人類史におけるターニングポイントとなった歴史の狂いを修復することで正しい歴史へと書き換えること。7つの特異点へとレイシフトし、歴史へと介入することだった。それが出来るのは私と今はここにはいない夜見ちゃん、カルデアに残されたたった二人のマスターだけ。たった二人で・・・どんな危険が待ち受けているか分からない過去の歴史にある特異点の元凶をなんとかしなければならない。
出来るわけがない。そう言いたいのが本音だ。自分たちだけがそれを出来るなんて言われても、抱える責任の大きさに目も耳も塞いで逃げ出したくなる衝動に駆られる。それでも、それは駄目だと否定する思いも沸き上がってくる。かつてに自分ならきっと重責にすぐ押し潰されていた。でも、キャスターさんから言われた言葉が、まだこの耳に焼き付いている。
”頭を上げて前だけ見てな。ねだってばかりじゃあ何も得られねえ。欲しい力があるなら学んで身に付けろ。そうすりゃ見えなかったものも見えんだろ”
私はそれほど頭がいい方じゃないから、その言葉がすごくシンプルだったおかげで今しなきゃいけないことが分かった。やれるなんて言えない。やらなきゃいけないというには何をすればいいか何も知らない。だから、まずやれる自分になりたいと願い、私はロマンに聞いた。
「・・・今いるサーヴァント以外の英霊も、増やすことはできるんですか?」
「もちろんだ。カルデアの電力駆動式の魔術炉は、凍結中のマスターの保全に使用している以外の余剰電力で十分サーヴァントの維持を行うことが出来る。戦力の拡充は可能だ」
「私、まだ何も知らないし、戦い方も知らないままここに来ました。戦い方や知識を学べる場所はあるんですか?」
「カルデアのデータベースには世界中の神霊や英雄の情報をまとめてある。戦闘訓練室ではVRによる仮想戦闘訓練を行うことも可能だ。君が足りないと思う力をカルデアの全力でサポートすることを約束するよ」
・・・覚悟は決まった。守りたかった世界は今は死の闇の中に消えた。けど、まだ希望が残されているのなら、私が前に進むことでその可能性があるというなら、今はただ前だけ見てやれることをやる。そうすれば見えないものもいつか見えてくるんだよね、キャスターさん!
「私、やります!人類なんてもの大きすぎてよくわかんないけど、あの世界を取り戻したい。勝手な理屈で勝手に消されるのなんて我慢できません!」
そうだ。ただ黙ってなんていられない。所長にも夜見ちゃんにもレフにも馬鹿にされてばっかりで、いい加減頭にきているのだ。今はまだ届かなくっても、前に進み続けていつか届かせてやる。
「君の気持ち、確かに受け取った。皆、聞いてくれ!これよりカルデアは人理継続の尊名を全うし、彼女たちマスターをカルデアの総力を挙げてバックアップする。そして各時代に存在する原因であると思われる聖杯を探索、これを確保する為に行動を開始する!この先にどのような結末が待ち受けようと、人類の生存を守るため、未来を守るために我々は戦う!今作戦は魔術世界最高位の使命、グランドオーダー、カルデアが遂行する最後にして原初のミッションとしこれを発令する!」
生き残っていた職員の人たちが沸き立ち、各担当部署へと戻っていく。その流れに逆らうように、ふらふらとした足取りでもう一人のマスター、夜見ちゃんが管制室へと入ってきた。カルデアに戻る前のことで気まずいこともあるけど、それ以上に聞きたいことがあった私は弱った様子の彼女を気にする余裕もなしに胸倉を掴んでしまった。
「先輩!落ち着いて!」
「夜見ちゃん!なんで、なんで所長を助けずにあんな真似したの!」
マシュの静止の声を無視して掴み続ける私を、夜見ちゃんはされるがままで何も言わず僕の様子を見ていた。その目がまるで理解されるはずがないと諦めているようなものにみえて理由のない苛立ちが湧き上がってきた。さらに言い募ろうと言葉を続けようとしたところで、ダ・ヴィンチちゃんからのストップが入った。
「はいはい、落ち着いてね二人とも。衝動に任せて羽目を外すのは若者の特権だけど、このままじゃあ話が進まず非効率的だ。それに、彼女のやった行動もあの状況だと急場しのぎでよくやったほうだと思うよ。オルガマリー所長の存在を一応は生かしたままカルデアまで連れ帰ったんだからね」
「へ?」
いや、それはおかしいよ。だって所長は夜見ちゃんの真っ赤な手で胸を貫かれて最後にはカルデアスに飲み込まれてしまって・・・あれ?確か夜見ちゃんアサシンを倒す時もあの手で胸を貫いて・・・
「私もロマニと一緒に冬木での様子はモニターさせてもらった。焔間夜見、君のあの手は、相手の魂を形あるものとして取り出すことが出来る魔道具なんじゃないかい?所長とあの場を脱出出来るんだったら、初めからあの骨で転移すればいいものをわざわざ彼女を魂として取り出してから転移した。思うに、君が転移を可能にしているのは自分自身だけだったんだ。だから、あの状況では所長をモノとして収納する以外に彼女を連れてはいけなかった。さすがに乱暴なやり方ではあるけど、あのままただ助かっても所長が特異点から抜け出せなかったことを考えれば致し方ないね」
それを聞いた私はいつの間にか夜見ちゃんを掴んでいた手を緩めて離していた。私が落ち着いたのを確認した夜見ちゃんは右手を出し、その手の中にアサシンから取り出したものと同じ、白く燃える火の球を出現させた。じゃあ、これが・・・今の所長の姿?
「今そこにいる彼女が言った通りです。宿るべき肉体さえあれば、この魂の状態から所長も解放されるはずです。ロマニさん、現時点で何か方法に心当たりはありませんか?」
ロマンはその言葉に難しい顔をして答えた。
「今のカルデアの状態では所長をどうにかするのは不可能だろう。封印指定された魔術師には人間の体を完璧に再現した人形を作れるものもいて魂があるのであれば宿すことは出来るという噂があるけど、今の状況では外からの援助は絶望的だ。所長を今の状態から戻すことは無理だ」
「・・・分かりました。方法が見つかるまで僕の中に収納しておきます。カルデアで魂を保存する技術があるのであればそちらに任せたいんですけど・・・」
「残念ながらサーヴァントの召喚システムの構築には成功しているけど、人の魂をそれのみで管理操作する技術は我々にはない。君からの技術協力をお願いできるのならもしかしたら可能かもしれないけどね」
ロマンは無念そうにそういい、夜見ちゃんも期待はしていなかったのかすぐに所長の魂をしまった。所長が生きていたのは嬉しいけど、あんな状態のままだと考えると素直に喜べない。いつかちゃんとした形でまた会いたいな。それはそれとして・・・
「ご、ごめんね、夜見ちゃん!私、勝手に勘違いして迷惑かけちゃって・・・」
「すみませんでした、夜見さん。そんな思惑があったと知らず一方的に責めてしまって・・・」
「・・・いいよ、僕のやったことは結局所長をいたずらに苦しめてるだけかもしれないんだから・・・」
夜見ちゃんは力ない様子で僕とマシュの謝罪を受け入れた。やっぱり元気のない様子が気になる。どうしたんだろう?
「それでロマニさん、ミッションは、どうなったんですか?外の世界は・・・僕の街は・・・・父さんや母さんたちは・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうなったんですか?」
夜見ちゃんは今までの無表情ながらも堂々とした様子が嘘のように、脅えながらも何かに期待するかのように、ロマンに聞いた。そうだった・・・・。夜見ちゃんは今ここに来たばかりで、まだ今の状況に関して何も知らされていないんだった。
ロマンはそんな夜見ちゃんを沈痛な面持ちで見つめ、先ほど私が聞かされた今の状況を再度説明した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ」
それを聞いた瞬間、彼女から完全に表情が抜け落ち感情の色が消えた。信じられない、信じたくない、だけど全て予想した通りのものだったと納得したように、座り込み頭を抱えて身動きをしなくなった。その様は弱弱しく軽く押しただけで死んでしまいそうだった。
「今聞くのは酷なことだとは分かるけど、答えてもらいたい。今のカルデアの責任者は僕ということになっているからね。君の事情をはっきりさせておきたい。47番目のマスター適正者、焔間夜見。君は一体、何者なんだい?初めに説明されていた経歴では君は確かに一般から選抜された特筆すべき内容のない候補者だったはずが、今回のレイシフト以降に見せた君の力は明らかに異常だ。魂が肉体と同様の機能を備えた体、君のその力はどうやって手に入れたんだい?」
皆が夜見ちゃんに注視する中、座り込んだまま夜見ちゃんはしばらく黙り込んだ後、ぽつりぽつりと話し出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆は、この世界と、歴史的つながりもなくって・・・そもそも人間って在り方が異なる世界があると言ったら、信じてくれますか?」
夜見ちゃんは感情の色のない声で、ただ聞かれたから答えただけのような機械的な反応でロマンの質問への返答を始めた。その目は確かに私たちを見ているんだけど、誰のことも見えていないように見えた。
そうして夜見ちゃんは語り出した。彼女が不死に目覚め味わった血と暴力に満ちたかつての人生を、こことは違う、何もかもが報われない袋小路に陥り最後まで救われることのなかった世界があった話を、自分を支えていた何もかもを無くし心折れた気持ちを誤魔化すように、静かに・・・・。
振り返ってみると、夜見ちゃんが壊れだした瞬間があるとしたらきっとここからだったんだと思う。
ここからが本当のダークソウルだ(違う)。カルデア帰還回でした。ここから多美香と夜見のマスターとしての方針は徐々に乖離していきます。簡単に言えばサーヴァントの付き合い方が仲良し前提でチームプレイ尊重(FGO戦闘スタイル)と戦略優先、効率重視のドライな関係(ダクソ的勝手に動くNPCサーヴァントの超人戦闘にプレイヤーが援護的立ち位置から介入するARPG戦闘。うまく立ち回らないと味方の攻撃に巻き込まれて死ぬ)のイメージで、多美香は信頼を深めていく一方で夜見は何度も死んでボロボロになっていくイメージ。ただし、それじゃあバランス的にカルデア内の空気がギスギスし過ぎるので、多少召喚されるサーヴァントによる調整は入りますが。例えば夜見側にルーラージャンヌとか、多美香側に鷹の目のゴーが来るとか(サイズ的におそらく強制的に管制室以外動けなさそう)
所長の展開については、とりあえず体がカルデアスに飲み込まれた結末は変えていないので、ソウル的存在に変換された所長は今後このSSでの立ち位置はfateでいうタイガー道場的存在として夜見の中で生きている設定です。ドラえもんのポケットの中に放りこまれた感じですね。(公式で生還した展開きたら所長二人いることになっちゃうけど)
これで冬木編は一先ず完結です。時間がさらに開くと思いますが、内容がまとまってからフランス編も出していきたいと思います。