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すみません、前半が切れてましたので修正しました。
「う…」
何もない暗闇、いやそこには地面と呼べる地平がある以上何かがあるのは確かだろう。そこでオルガマリー・オムニスフィアと呼ばれていた少女は目を覚ました。
「ここ…何処よ。えっと、確か私は…」
朧気な記憶を探る中で彼女は思い出した。
「あ・・・・」
”レフ、ああレフ・ライノール!!よかった!生きてたのね!"
自分が必死に守ろうとしてきた全てが無惨に壊されたことを。
「ああ……」
"最も大切な宝物で死ねるんだ。君も本望だろう?"
最も信頼していた恩人がカルデアスの爆発を引き起こし自分を殺したことを。
「あああああああああああアアアアアアアアア!!!!」
"もう1度死んでください"
訳の分からないマスター候補の少女に胸を貫かれて殺されたことを、全て思い出した。
「何でよ!何で私ばかりこんな目に合わなきゃいけないのよ!!私はカルデアを、オムニスフィア家を守ろうと頑張って、お父様の過ちをなんとかしなきゃって我慢して!誰も、誰も助けてくれなかったから、レフを頼ったのに……何が……いけなかったのよぉ………」
少女はそのまま悪態と恨み節を吐き出し続けるが、それも次第に小さくなっていった。
吐き出すものを出し尽くし、ようやく彼女は今の自分のいる場所に疑問を持った。自身の姿ははっきり分かるのに周りには光1つ見えない闇だけが広がっている。まるで闇の中に閉じ込められたような気がして、不安になって叫んだ。
「・・・ちょっと、誰かいないの!?いたら返事ぐらいしなさいよ」
何も返るものはなく静寂が続く。
その後も何度か声を張り上げるものの返事はなく、不毛だと気づき仕方なく彼女はその場から歩き出した。地面がある以上、続く地平に何かあるかもしれないと考えた。何もなかったらという想像は、したくはなかった。
一時間だろうか、もしくは五分かもしれないし30分かもしれない。時間の感覚がないまま歩き続け、ふと下げていた頭を上げた正面に、小指の先程度に見える橙赤色の光が見えた。
「っ・・・ぁあもう、何かあるならあるで最初から出てきなさいよ・・・」
黒ばかりの視界に消耗していた彼女は初めての変化に感動し悪態を吐きつつ、その色に向かって駆け出した。少女はすぐに息切れを起こすが構わず走り続ける。
段々と橙赤の灯りが大きくなり、それが見たことのある篝火の光であることに少女は気づいた。自分を殺した黒髪の少女が持っていた捻れた剣が出す炎。あの不安になるような火の揺らめきを思い出した。
予想した通り、捻じれた剣の刺さる篝火の姿が近づいてくる。ようやくそれががはっきりしたところで、オルガマリーはそこに一人の鎧の騎士が座り込んでいるのに気付いた。その鎧は、ここに来る前の黒髪の少女が着ていた鎧と同じだが、彼女より背は高く体格も一回り大きい。怖々と少女は声を掛けた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・ちょっと、聞こえてる?ここはどこ?あなたは何者なの?」
騎士は答えない。頭を下げたまま微動だにしなかった。堪らず騎士の体に手を掛けた。
「いいから、何か反応しなさ「うわっ!?」っっきゃあ!!」
体に触れた途端、騎士は大きく体をビクつかせ、驚いた少女が尻餅をつく。騎士は忙しなく首をさ迷わせると、今しがた騎士に触れた少女を見て動きを止めた。
「君・・・何時からここにいたんだい?」
「・・・す、少なくともあなたが今私を驚かせて転ばせた時にはいたわね。そんな鎧着てたら寝てるなんて分かるわけないじゃない!」
「それは・・・すまなかった。何分君のような『会話の出来るソウル』に話し掛けられるのなんて久しぶりだったものでね。いや、もう時間の感覚も分かってないからついさっきかもしれないな」
「(ソウル?)それで・・・いったいここはどこなのよ」
「私もついに終わってしまったと思ったらここにいた人間だよ。未練はあるが、今更どうすることも出来ない有様だからね。この火の前で・・・ただ見続けていた」
「見続けていたって・・・何を?」
「私の過ちだよ。私がここにいるのも恐らくその罰なのだろうね。亡者のように気が狂うことも出来ず、かといって死ぬことも出来ない。ただ、私が呪われた運命を科してしまった彼女の姿を延々と見させられているのさ。本当に彼女の終わりが来るまでね」
「・・・意味が分からないのだけど、つまりどういうこと?」
「彼女が気まぐれに取り出しでもしない限り、私たちはずっとここから出られないということさ。まあ、出たところでただのソウルの状態では何も出来ないのだけどね」
「あなたの言ってることがこれっぽっちも分からないことが分かったわ。もっと言葉を具体的に、分かりやすく話せないの!」
「と言われてもな。私は騎士階級だったと言っても魔術師連中程の観念的なものに対する知識は持ち合わせていないからね、うまい言葉が出てこないんだ。魔術も旅の最中に仕組みを知って使っていただけで意味を分かって使用していたわけでもなし。教会の奇跡の物語を空で言えるくらいだ」
「一体いつの時代の人間よ、あなた・・・いいわ、とにかくあなたが知っている知識でも見たことでもいいからとにかく教えてちょうだい。私が勝手に考えて推測するから。私の名前はオルガマリー・オムニスフィア。あなたは?」
「それでは、私のことはオスカーと呼んでくれ。見たところ学者の令嬢らしいが、私としても助かるよ。篝火から彼女の様子が時折は見えてもどういう状況にいるのかよくわからなかったんだ。彼女が生まれ変わって以来おかしなものばかり映るからね。いい加減、今まで見てきたものが何なのか私も知りたいところだ」
そうして、騎士は自身の知り得る今は無き世界の知識を披露し、少女はそれらの意味を思考し、ついでに騎士が興味を持っていた外の世界の知識を教える長い長い暇つぶしを始めた。不思議と空腹や眠気といった感覚は一時も感じられないことを不思議に思いつつどうせやることもないからおいおい考えていこうと少女は気にしないことにした。
『オルガマリーとオスカーのだらだらオーダー』スタート。
というわけでスランプ気味なんで暇人たちの集いの始まりです。砕かれなかったソウルは基本ただの力の塊ですが、摩耗してなかったり夜見自身が大事に、もしくは強く意識しているものには意思が消えずに残っている場合があります。もしかしたら他の通りすがりのはぐれソウルも気まぐれで出てくるかもしれません。
基本、私のダクソ世界の独自設定の紹介する場や特異点での感想場などだらだらと話す喋り場になる予定です。別名:タイガー道場ダクソ版。