戦姫絶唱・テイルズ・オブ・シンフォギア   作:にゃはっふー

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マリアを救う手段がない。作者です。
そんな中で物語は動き出します。


状況は最悪だというこがわかった

 司令室にはシンフォギア装者関係者、組織の人達が勢揃いの中で、龍は紹介する。

「我がアドリビトムのマッドサイエンティストハロルドと、比較的常識人リタだ、よろしくしてくれ」

 まずリタからは躊躇無く殴られたが、ハロルドに関しては気にせずよろしくね~と言う。

 状況説明として、アドリビトム側で来られるのは数名にしておくことにしたマスターアンジュ。

 なぜかと言えば、人手不足であるギルドの上、この世界では武器を所持していれば捕まるのだから仕方ない。

 いまいるアドリビトムメンバーは、龍、カノンノ、セレナの他に、ユーリとフレンとクイッキーと、新たに来たリタとハロルドだ。

「あっちも色々大変なのよね~」

「ディセンダーの戦いに関してはごく一部の人しか知らないけど、やっぱりセレナのことが他国や他ギルドにも知られてるし、まだ種火のように戦火もあるから」

 セレナは申し訳なさそうな顔をする。いまだルミナシアは問題を抱えている。別世界であるこの世界に、救世主がいる時点で問題な気がする。

「まあ、気にするな。それよりお前らがいれば、色々と考えられるだろ」

「と言っても、情報が装者って子の命狙われたこと以外で、相手さんの目的なんてわからないわよ?」

 ハロルドの言葉に、うむと弦十郎も頷く。

 いまだ敵と想定されるもの達の目的もなにもわからない現状下、はっきりいえば後手以外に選択肢はない。

「だが、気になる点はいくつかある」

「バルバトスが私のこと知らなかったことだね」

 セレナの言葉に頷く龍。それはユグドラシルもそうだ。

「彼は確かに、最後の言葉。それは少年のような声だった」

 翼はそう言い、ユグドラシルの反応も不可解だ。それにハロルドは言う。

「それに関して、ニアタと相談して一つの仮説を立てたわよ」

「それは?」

 弦十郎の問いかけに、全員が耳を傾けて、推測、仮説と付け加えておいてから言う。

「あのユグドラシルとバルバトスは、私たちが知る彼らではなく、別世界のユグドラシルとバルバトスという、別軸の彼らという可能性があるわ」

「別軸の彼ら?」

 響が首を傾げたとき、エルフナインが付け加えて驚く。

「というと、別次元の同一人物ということですか?」

「そうね、その可能性が高いわ」

 この世界によく似ていて、全く違うと言う世界。その可能性を告げるハロルド。

「つまり敵さんは、バルバトス、ユグドラシルと言う人物で、もっとも強い意識を持つ彼らを呼びだして戦わせたという可能性があるわ。まあ、バルバトスは強すぎて制御できてないって、本人が言ってたし、ある程度制御できないみたいね」

「別可能性の自分か・・・」

 信じられない翼に対して、龍はカノンノを見る。

「別可能性の人なら、カノンノだな。別世界にカノンノはいるし」

「そうなんデスか!?」

 世界樹がある世界に、ニアタから聞いた話では、まずパスカのディセンダーカノンノの他に、グラニデの少女カノンノ・イヤハート。そしてルミナシアのカノンノだ。

「それだけじゃなく、グラニデにもアドリビトムがあって、ほとんどが似ているらしいな、ニアタから聞いた話じゃな」

「それと、オリジナル、世界樹の始まりにも、カノンノは関わってるから」

 それにみんなが驚くが、龍はあまり気にするなと付け加える。

「カノンノや、別の世界のカノンノは、結局別人だ。んなかわんないだろ」

「まあ、お話ししてみたいとは思うけどね」

「グラニデのディセンダーにも会ってみたいな、女の子だから話が合いそう」

 話が脱線し出すので、龍が元に戻し、ハロルドの仮説の続きをする。

「つまりあれだ、俺らが戦ったのは、死んだ一番強いバルバトスやユグドラシルということだよな?」

「でしょうね~」

 とりあえず敵の能力は、

「多次元への干渉と仮説を立てるけど、シンフォギアでそんなこと可能なものはある?」

 それにはエルフナインはしばらく黙り込むが、

「難しいですね、少なくとも、別可能性軸の世界に干渉すること事態不可能です」

「まあ、やっぱりいまのところ、撃墜するしかないわね、現れたら」

 身も蓋もないが、どうあっても後手に回るしかない状況に、クリスを始め嫌な顔をする一同。

 そして弦十郎は話の続きをする。

「敵との交戦だが、君ら側、アドリビトムとしての君達から、どう思う?」

「「装者邪魔」」

 ユーリと龍はあっさり言い、フレンは苦虫な顔、カノンノは驚き、セレナは理解できない顔をする。

「そりゃいったいどういう了見だぁ?」

 クリスの問いかけに、単純に、

「聖遺物が敵と相性が悪い。威力不足過ぎるんだ」

「同感だな」

 ユーリは少しだけ聖遺物、装者と手合わせしている。そして下した結論だ。

「ノイズを倒すのには聖遺物、装者は問題ないが、今回の敵に対して圧倒的に経験がなさ過ぎる」

 それがユーリと龍、フレンという、実際今回の敵と戦ったもの達の答えだ。

 マリアと翼は黙り込みながら、クリス、切歌、調は不満な顔をしている。

「・・・君達はどう思う?」

 それを察して、弦十郎は翼達に話題をする。すると難しい顔のまま、

「彼らの判断が正しいと思います」

「ちょっ」

「そうね」

「マリアっ!?」

 驚く装者達だが、翼達は続ける。

「私たちの攻撃は対して効かないことに対して、彼らは対処できていた。単純に慣れというわけでなく、私たちの場合、致命傷に威力が足りないということだな」

 翼の言葉に黙り込む、だが切歌は、

「それなら、イグナイトモジュールを」

「それは彼に死ねと言うこと?」

「・・・」

 イグナイトモジュール、彼女たちの一撃必殺の機能。

 だがそれを使えば、龍は死ぬ。

「デスけど、それはこの人がゲーデの力を使ってない場合デス」

「冷静な判断をすれば、彼が一番戦いやすいのよ。その彼の戦力を削って、私たちを優先するほど、戦局は甘くないわ」

 翼とマリアの答えに、三人は黙り込み、響だけは困惑する。

(色々まずいな・・・)

 三人が龍に対して好印象がないのは分かっていたが、翼、マリアは別だった。

 だが、それがよけいな溝を作り出していることに、弦十郎は頭を痛める。

「セレナ、ディセンダーがこの戦いの鍵だな。セレナの攻撃に対して、異常なまでにダメージが入ってるし」

「うん、がんばるよっ」

 セレナはそう言うが、龍達は実はそれがかなり引っかかる。

 そういう話をしながらも、いまは現状維持。なるべく固まって動き、各自対処という名目の元、話を終える。

 そのあとは、セレナ、カノンノを外しての、大事な話だった。

 

 

 

 二人の他に、翼とマリア以外の装者も外れ、リタはマリアに近づく。

「それじゃ、ドクメントを見せさせてもらうわ。気分が悪くなったら言ってね」

「わかったわ」

 マリアのドクメント、魔術によるDNA視覚化を始めるリタ。

 ハロルド達はすでにセレナのドクメントを見ていて、マリアと合わせて確認する。

 それは、

「はっきり言うわ」

 ハロルドは疲れて座るマリアに対して、

「貴方とセレナは姉妹よ、少なくとも、私たちの世界の技術でもそれは立証されたわ」

 記憶、医学的、別世界の技術。数多の酷似する話、それにマリアはそれで倒れそうになる。

 死んだ妹が生きている。だが、

「けどあの子は成長してないわ・・・」

 疲れた顔で呟くが、リタは難しい顔をして説明する。

「それでもセレナはディセンダーとしてのドクメントも持っているわ。実際どうなのか私たちじゃわからない」

「世界樹、ディセンダーを生み出したのなら、会話する意志はないのか?」

 それにはアドリビトム側は難しい顔をする。

「実際できるといえばできるが、できる人間がな」

 カノンノと龍とセレナ、正確には龍とセレナはオマケに近い、カノンノは世界樹の意志と対話したことがある。

 だがその際、彼女は体調を崩したり、心のありようでは死んでいたという話。

「もしもこの話をすれば、彼奴は間違いなく動揺する。その状況で世界樹と対話は自殺行為だ」

 それを聞き、全員が黙り込む。

「これも仮説だけど、やっぱりセレナは貴方の妹だと私個人は思うわよ」

 ハロルドはそう言う、なにを言ってるんだと龍は顔に出す。

「どういう仮説でそんなこと言うの」

「かなり外道の外道な考え方だけど、それでも聞く?」

 何か引っかかる言い方だが、ハロルドは確信に近い何かがあるらしい。

 マリアを見る一同は、静かに頷く。それを見ながらハロルドは龍を見た。

「はっきり言えば、リュウの所為よ」

「・・・俺?」

 龍はそう聞くと、ハロルドは説明する。

「まずセレナって、貴方が持つアガートラームの元の持ち主でしょ?」

「ええ」

 マリアは胸のペンダント、聖遺物アガートラームを握りしめる。

「つまり、あのセレナもまた、装者として戦える可能性が高いわ。っていうか使えわね、エルフナイン」

「!!?」

 全員が一斉に見る中で、エルフナインはしばらく黙り込み、静かに頷く。

「んで、イグナイトモジュールでの、ゲーデからのエネルギー吸収による力の強化。ここまで言えばわかるかしら?」

 その問いかけに、全員が戦慄する。

「まさか、セレナがディセンダーとして生きているのは」

「・・・彼を、殺すため?」

 全員が龍を見る。本人はしばらく考え込みながら、

「それなら、納得できるな」

「なにさらっと受け入れてるのよあんたっ!?」

 それに頭をかく弦十郎。それはそうだ。

「つまり、聖遺物を使える者を、相対する者に変えて、いざゲーデである龍くんを殺害する際に使用する、それがセレナくんがディセンダーになった経緯かっ!?」

「同じ世界ですもの、可能性としてはかーなーり高いわね」

「ふざけた話だなおいっ」

 ユーリが舌打ちするように言い放ち、マリアは青ざめている。

「だがそれなら同じ世界のセレナがディセンダーで、ゲーデである俺も同じ世界なら納得できる。順番的にも俺が先に生まれたんだ、その対処としてセレナが選ばれてもおかしくない」

「おかしいわよッ」

 マリアは受け入れている龍に対して激昂するように怒鳴る。だが龍は気にしない。

「俺はルミナシアの精霊達からも最初、命を狙われたんだ。世界がどう俺を見ているのかはいやでもわかる」

「だからってなんでセレナなのよっ、あの子を人殺しにする気なの世界はっ!?」

「人殺しじゃない、救世主だ」

「!?」

 それに対して翼達も少し怒り気味で見てくる。

 ユーリ達、慣れたいるもの達も怒っていた。

「君が前々から人として自分を勘定に入れてないのは知っているが、そろそろ改めてくれないか」

「俺が人間? ハッ、人の負に敏感な奴が人間かよフレン?」

 そんな言葉にフレンが何かを言う前に、ユーリが止める。

「やめておけよ、人の価値観なんか変えられないっての」

「だけど」

「こいつが人間だろうがなんだろうが、仲間なのはかわんねぇだろ」

「!?」

 フレンはそれに黙り込み、龍はため息を吐く。

「とりあえず話はこれ以上進展しないだろ。あるとすれば」

「はい、聖遺物による拒絶反応。少なくとも龍さんにそれが起きないよう、システムを作り上げるるそうすれば装者である響さん達は戦えますっ」

 エルフナインの言葉に、リタとハロルドは頷く。現状のパワーアップはそれしかない。

 その様子を見て、龍はその場から去る。もうようなしと言わんばかりにどこかに出向く。

「彼はいつもああなんですか?」

 オペレーターの一人が訪ねる中で、

「考えても見なさい。生まれた頃から人の悪意がわかっていて、人の善意だけがわからない人生だなんて、きっとろくなもの人生じゃないわよ」

 ハロルドの言葉を聞き、弦十郎達は黙り込む。

「・・・けど、セレナがディセンダーという可能性は」

「仮説だからまだ決定じゃないわよ。まあそれが本当なら、運命ってのは、よほどひどいもんよ」

 マリアは仮説の話を信じたくない。それはセレナが龍を殺すためにいま生きていると言う事実。それが本当なら、自分はどうすればいいかわからない。

 だけど現実味がある話だ。なにより、自分はすでにセレナのことを妹としか見えていないのも事実だ。

「全く、セレナも好きな相手を殺すためにいるなんて知ったら、どうなることやら」

「・・・」

 マリアはえっと言う顔で顔を上げた。

「まあだよな、っていうか、彼奴らまだ放置してるのか?」

「ええ、少なくとも、まだカノンノとセレナの告白の返事してないわよリュウ」

「・・・はあ?」

 マリアはもういっぱいいっぱいだった。

 だけど立ち上がり、何か黒いもやを出している。

「どういうこと・・・」

「・・・」

 まずっという顔のアドリビトムチーム。だがユーリだけは、

「ああ、俺らの最終決戦のとき、あの二人リュウ先生のこと好きって伝えてるからな。まあリュウの奴、いまだ返事せずに、二人も答え聞かずに現在にいた・・・」

 追いかけた。マリアは龍を追いかけて出ていった。

 翼も止めるために出ていき、ユーリだけがおもしろおかしく、

「あーあ、彼奴、どうなるんだろうな」

「わざとかいユーリ・・・」

 フレンは頭を痛めながら、ユーリは微笑した。

 

 

 

「なにか巨大な殺意を感じる今日この頃」

 そんなことを呟きながら、人気の無い場所にいる。

 ここなら何も聞こえない。やっと落ち着けると思い、空を見た。

「月が欠けたり、色々かわろうが、悪意だけかわんねぇな」

 あざ笑う。もう笑うしかない。変わらない悪意の声に、龍は笑うしかない。

「ゲーデだからか、よくわかるんだよな悪意って」

 小さなものから大きなものまで、人の悪意に敏感な自分。

 人は気味悪がって離れたり、時には利用して貶めたりとさまざまにこの特性を使う。

 だから人から嫌われる。問題ない。自分は人が嫌いだ。

「・・・」

 そう言えばと思う。そんな自分を好きと言う少女達。悪意の欠片も感じない、まっすぐな想い。

「・・・まったく」

 苦笑する。龍は知らないと言って、いまは寝っ転がる。

 寝ている時が一番静かだ。だから寝るのが好きだ。

 だから、

「寝ようとしているのを邪魔されるのが嫌いだ」

 それを見た。

 まっすぐ、自分に、殺意を向けるそれを見た。

「誰だテメェ」

 それは金髪ストレート、見たこともない異世界の服装。

 放たれる光に身に覚えがあり、剣もまた、同じ輝きを放つ。

「・・・私は」

 それがなんなのか知っている。しかも本物であることも分かる。

 その女性、二十歳くらいのそれから、魔力を感じながら、本能が言う。

 こいつは対極の存在だ。

「ディセンダーッ、貴様を滅ぼす者だゲーデッ」

(・・・ほんと、どの世界でも、俺は害悪か)

 苦笑しながら、不を纏い、相対峙する。

 戦局は、世界はいつだって、唐突に変わるんだよなと苦笑した。




襲いかかるディセンダーはグラニデの子ではありません。そこだけは言っておきます。
進む物語、正格が歪んでいるオリ主の背景。
それではお読みいただきありがとうございます。
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