戦姫絶唱・テイルズ・オブ・シンフォギア   作:にゃはっふー

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彼女についての正体や、黒幕の正体は終章辺りで明らかになる予定。
物語的にいいのかと思いながらも、謎はかなり引っ張ります。
パワーアップした響と、現れた奏回です。まずはこれを楽しんでください。
それではどうぞ。


二つのガングニール

 モニター越しにその光景を見ていた弦十郎は驚愕して、開いた口がふさがらない。

 死んだはずの少女と、その少女に助けられた子の歌が、戦場に奏で響く。

「この歌・・・やっぱり奏・・・」

 そう翼が唖然となる中、天羽々斬は見逃さないが、響の片手に両足を置き、響にぶん投げてもらい、天羽々斬に斬りかかる。

【くっ、ガングニール・・・違うっ、失敗した意識、オリジナルかっ!?】

「へえ、あんたらからしたら私もホンモンか。まあ話は後々だ」

 後ろで驚きつつも構え、奏を見る翼。

 それに苦笑しながらも、

「私のことはあとだ、ノイズやこいつらを倒すぞ翼っ。久しぶりのツヴァイウィングだぞ、気を抜くなっ」

「あっ、ああっ」

 うれしそうに返答し、歌を重ね合う。

 その様子に、弦十郎は一瞬司令としての立場を失いかけたが、すぐに取り戻して、響を見る。彼女のいまの姿、そして、その力だった。

 

 

 

「貫けェェェェェェェェェェェェェ」

 黒いドラゴンが戦場を駆け、その余波だけでノイズが消し飛ぶ。

 その威圧だけで、クリス達も空気がピリピリと振動しているのが分かる。

「なんだよありゃ、響の身体は無事なのかっ」

 司令室に連絡すると、エルフナインがコンソールなど、響の状態を見ながら叫ぶ。

『問題ないのが問題ですっ、なんでこんなに力が上がるのに、響さんが無事かわかりませんっ、ああっ、まだあがる』

『響さんのバイタル正常値っ、ですがそのほか、聖遺物関連のエネルギーの底上げは止まりませんっ』

『まずいですっ、スキャンがこれ以上、機材オーバーヒート寸前、計測不能計測不能っ』

 司令室ではかなり混乱しているようであり、クリス達も近づけない。

 

 

 

【本物のくせに、ゲーデの力を取り込んでるですっ、ずるいですっ】

【あれは私とイガリマのっ、これ以上その力使うなオリジナルッ】

 イガリマの『切・呪りaッTお』とシュルシャガナの『α式・百輪廻』が放たれるが、マフラーが尻尾のように動き、全て防ぐ。

 布のようなものだが、瞬間硬化したように、攻撃を防ぐだけでなく、黒い炎を吹き出して、突撃力を上げて響の一撃を重いものへとかえた。

【ですっ】

【イガリマっ】

 その一撃で吹き飛ぶ。身体に亀裂が入り、敵は顔を歪める。

【ここは引くわよっ、もともとガングニールの独り占め止めに来ただけなのよっ、これ以上は持たないわっ】

【くっ、わかりましたですよアガートラームっ】

「逃がさないッ」

 響が駆けようとするが、ノイズがまた大量に出てくる。

 それを見ても、響は止まらない。

「龍さんっ」

 その言葉に、響の目の前に林のように、刃の森が生えて、ノイズを貫く。

【でですっ!?】

 それはまさに、ゲーデ時の龍が使う、チェーンソード。

 髪と瞳だけが変わった龍は、倒れながら顔を上げ、ニヤリと笑う。

【気絶してなかったっ】

 響の拳が、イガリマを捉えた。

 その一撃が深く深く食い込む。

【イガリマぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ】

 イガリマよりも悲鳴を上げたシュルシャガナ。イガリマは下半身が砕け散るが、だが、まだ動いた。

【でっすっ】

 だがその鎌は、奏と龍が防ぐ。それに合わせて、緑の布がイガリマを包み、消えた。

「ちっ」

 その瞬間、他のゲーデ装者達もその場から逃げていった。

 

 

 

「はあ、やっと終わったか」

 奏はそう言い、シンフォギアを解く。するとコートを羽織って、ズボンをはいた、普通の女子の服装。上着はシャツだけのような気がするが、下着はあるなと奏は呟く。

「とりあえず、起きろよ龍、いい加減に」

「だめだめ、倒れてる。立つの無理」

 横になる龍は、実はさっきの姑息な技で体力がないのだ。

 セレナが近づき、すぐに座り込んで頭を膝に乗せた。マリアから負を感じた。

「大丈夫リュウ?」

「あー体力と魔力がないだけだ、問題ない」

「えっと、とりあえず」

 響は自分の姿を確かめる。身体がもの凄く軽く、少しの力加減で難なくなんでもこなせる。そう思うくらい自分が強くなっているのに気づいている。

 ともかくと、いつもの感覚で解除すると、元に戻って、響は安堵した。

「あれはなんだったんでしょうか?」

「あれについてや、私については、まあ旦那んとこで説明するよ」

 奏はそう言い、装者達も奏を見る。みな、前ガングニール装者である自分を知っていることを知り、あーと空を見ながら、難しい顔をする。

 

 

 

「機材の修理と響くん達の回収を急げッ」

 弦十郎の指示に、いま司令室は大慌てで動いており、モニターの全員を見る。

 ハロルド達もまたそれを見ながら、難しい顔をしていた。

「なにがなんだかわからないけど、あの姿は」

 響の様子は、その感覚だけで分かるアドリビトム。弦十郎もそれに耳を傾ける。

 ゲーデの力、響は間違いなくその力を正常に使用していた。

「まあ、普段から本人の側で見てたからな、それくらいの判別はできる」

 ユーリの言葉を聞くが、エルフナインはそれに異議、もとい異論を言う。

「ですが、龍さんと聖遺物の相性は悪いはずです。チェーンソード、ゲーデの力を使ったところを見る限りは」

「なにもなかったか・・・まあ、本人達が帰ってきたら、また話し合いねって」

 ハロルドがそう言っていると、ある連絡が入る。

「ニアタから、ルミナシアかグラニデでなにか進展でもあったかしら?」

 いい方がいいわねと言いながら、リタ達は息をのむ。

 

 

 

「よお旦那っ、久しぶりっ。っていうのも変かっ」

 あっはと苦笑するのは奏であり、いまは途中で買った衣類を着ている。

 龍はソファでぐったりしていて、全員が落ち着きを取り戻していた。

「お前はかわらんな」

「・・・まあ、実際人間かどうかわからないんだけどね」

 苦笑しながら、少しだけ暗い顔になる奏。

 それに翼や響も心配そうに見る。

 弦十郎だけは確かめるために、代表して訪ねた。

「自分がなにか、まずはわかるか?」

 天羽奏は死んでいる。誰もが、いや、本人も知っている。そう頷き、奏は言う。

「記憶的には、絶唱歌ったあとは、真っ暗な闇の中で、記憶はそこで途切れてる。そのあとの記憶が、私は一度死んで、ゲーデとディセンダーみたいな方法で作り出されたまがい物だっていう記憶で、いまここにいる」

 まず最初はガングニールを元に、負の感情を集め、疑似ゲーデを作り出すのが目的だったらしいが、まさかの力不足。そのために、負以外の感情も使ったうえ、ガングニール関係者の負まで使っての、あの不完全暴走ゲーデ装者だった。

「私はゲーデというより、ディセンダー側に近かったらしいから、むしろ封印、拘束されてた。始め、装者を殺そうとしてただろ? あれは装者を殺すのが目的じゃなく、装者の負の感情を集められればよかっただけだ」

 そのあとの襲撃はまさにそれだ。イグナイトモジュールで負の感情を集め、ゲーデ装者を生み出した。

 ノイズ、ジルディアの民もどきもまた、それらの負から生み出したまがい物と説明し出す奏。

「強い負でできた奴は、どうも奴に操られたり、賛同したりするから事実上敵の味方だな。私はまあ、意識的には天羽奏だから、翼達の敵になる気なかったから、あんなんにされた」

 それらの言葉を聞きながら、リタは訪ねた。

「奴ってのに、心当たりは?」

「ごめん、もう視界も身動きも取れないようにされたから、記憶で自分になにが起きたくらいしかわからない。とりあえず目的だけしか、向こうのことはわからない」

「目的?」

 弦十郎は聞き返すと、静かに頷く。

「全ての世界の負を集める。そのために、全世界で最も純度の高い負を殺す、それが目的らしい」

「全世界で最も純度の高い負?」

「そいつだよ剣崎龍」

 全員が龍を見る。奏の言葉を聞く限り、龍は最も強いゲーデらしい。

「まあ、精霊が間髪入れずに攻撃するレベルなのは知ってたが・・・」

「それ以上は、なんか色々してるみたいとしかわからない」

 奏はそう言い、リタは前に出る。

「あとでドクメントやこの世界の医学技術で身体を調べるわ、いいわね?」

「ああ、それでやっこさんに一泡吹かせられるなら問題ないよ」

 笑う奏だが、リタはハリセンでバンッと叩く。

「ばっかじゃないのっ、あんたが人間で、ちゃんとした暮らしできるか調べるってことよっ。まあ確かに、それもあるけど」

「って言われても、私が死んで数年経ってるし、翼が同じ年とかだし・・・私自身、天羽奏としての記憶があるだけで、本人かどうか言われると自信ないよ?」

 あまり気にしていないそぶりだが、もう少し気にしろと言いたくなる。

「負の感情は、自由人すぎる・・・」

「リタ、この人の場合元だと思うぞ俺は」

「それは否定できないな」

 弦十郎もはあとため息を吐く。仕草、考え方が奏であり、その様子に初めてばつが悪そうな顔で辺りを見る。

「本当に天羽奏でいいのかな? 死んだ記憶あるし、人間じゃないかもしれないんだぜ?」

「私に聞かないでよ奏・・・」

 翼がそう悲しそうに呟く。翼もそんなこと言われれば悲しい。

 なぜならば、自分はもう一度、奏に会えた。そう思っているのだ。

「ともかく、次は響くんのことだっ。あれについて説明できるか?」

「えっ、私ですかっ!?」

 響は驚き、ハロルドは頷きながら、説明する。

「あれは明らかにゲーデ、龍の力を完全に取り込んだガングニールのイグナイトモジュールね。なんかないの? パワーアップしたきっかけとか?」

 その瞬間、響は目線で「言うなよ」と言う意志を感じる。

 龍からの視線に冷や汗流しながら、響は、

「私、龍さんと仲良くなりたいと強く思いましたッ。だからですッ」

「「・・・えっ・・・」」

 カノンノ、セレナが急に振り返り、龍を見る。その目は笑ってない。

 響はいつもの笑顔満点であり、カノンノは静かに龍へと近づく。

「なにが・・・あったの?」

 笑ってない。

「あ、あのな、カノンノ」

「なにがあったの・・・」

「・・・」

 昔あったことを説明する、その様子をアドリビトムメンバーは、

(あいっかわらず、変な方向で弱いよなリュウ先生は)

(あっはははは・・・)

 しかし、あまり笑えない話である。

 話す相手はなぜかカノンノとセレナに土下座しているものの、内容が龍が世界もとい、人間嫌いになるきっかけであり、響も少しだけ暗い顔になり、顔を伏せていた。

 二人も怒る気はなくなり、響は話し終えて、穏やかに微笑みながら言う。

「だから私、龍さんや奏さん、色々な人に助けてもらって。龍さんとはちゃんとお話ししたいって、強く思いました。その気持ちでイグナイトモジュールを発動させただけです」

「ふむふむ、そういうこと・・・」

 ハロルドとリタが考え込む。

 その様子を見ながら、アドリビトムだけは察する。

「その様子じゃ、仮説くらいはあるんだな」

「まあね」

 ユーリのつぶやきに頷くリタ。エルフナインは驚きながら、ハロルドは続ける。

「まあ話は簡単よ、もともと装者がゲーデの力を使えないのは、龍が聖遺物と拒絶反応出すだけだから使えないだけだから、使わなきゃいいのよ」

「えっと、よくわかりませんっ」

 響が元気よく答えるが、リタが細くするように続ける。

「力のやりとりは、ゲーデの負を、イグナイトモジュールが回収して貴方達装者へ流し込む。ゲーデもまた同じように、聖遺物の力ごと、装者の負を取り込む。そのときに聖遺物の拒絶が出るの」

 そう言われ、エルフナインはあっと声を上げる。

「それじゃ、あのときの響さんと龍さんは、そんな関係ではなかったと」

 それに二人は頷き合う。

「おそらく、ヒビキの負の吸収が発動せず、ヒビキにだけに力を渡す形での、力のやりとりになった結果があの姿よ」

「ならば我々も」

「それはわからないな」

 翼が食いついたが、龍はすぐに否定する。

 話の内容はつまり、龍が装者の負の感情を取り込まなければ、装者達だけを強化できるという話だが、龍ははっきりと、わからないと言った。

「どういうことだ?」

「負の感情は誰にでもある。あの姿のときは、大小関係なく、負を取り込んでるんだ。なんで響やアドリビトムのメンバーからは起きないか、俺自身制御不可能なんだよ」

「そうなの?」

 マリアの言葉に、セレナが頷く。

 セレナことディセンダー以外だと、精霊からですら負を取り込む龍。アドリビトムも前は取り込んでいたらしいが、最近は全くないらしい。

 だが理由はわからないと龍は言う。

「立花も確かに完全に取り込めなくなってる。他の装者だと、翼以外は、マリア、3人は論外だ」

 その言葉に、響とカノンノ、セレナは首を傾げたが、他はマリアをジッと見た。

 マリアは龍に含むところがあるので、顔を背けた。

 3人は論外なのは、嫌われているからだ。

「まあこればかりは変えられないわね。んでと」

 ハロルドは少し間をおき、有る話をする。

「ニアタから連絡はあったわ、しかもかーなーりやばめのね」

「これ以上あるのか」

 

 

 

 広い空間、外で装置の用意をするリタ達、少しばかり機材の調整をして、準備する。

 エルフナインは興味津々に手を貸して、クイッキーはクリスの肩にいた。

「異世界、グラニデか・・・確か、負が蔓延して、浄化が追いつかず、ゲーデが生まれて、ディセンダーがどうにかしたんだよな」

「うん、それで私みたいに、使命を終えてもまだ滞在してる子なんだよね?」

「来て欲しくないな、ゲーデを敵として戦ったんだろ?」

「ニアタの話じゃ、分かり合えたらしいよ。向こうの私が、貴方とお話ししたいって、ディセンダーの子と一緒に言ってたって」

 カノンノやセレナの話を聞きながら、それでも嫌な顔をする。

 奏達も苦笑しながら、奏の方は吹っ切れた。自分は自分として生きると決めた。

「まあ、このあとどうするかはあとで考えないな。人かどうかもわからないし、実際死んでるし」

「とりあえず、いまは異世界の来訪者を待つしかないよ奏」

 翼の言葉に頷く。

 いまグラニデで問題があり、何人かそっちに送る話になっている。

 そのための門を作る中、準備が終わった。

「んじゃま、スイッチオンっ」

 その瞬間、光り輝き、感電する地面。

 響達が驚き中、突如爆音が響き、龍はそれを見て、

「死んだか」

「早い早い」

「ユーリも違うだろ」

 フレンが呆れながら、煙から咳き込む声を聞きながら、何人か現れ、一人を見て嫌な顔をする龍。カノンノはびっくりする。向こうもだ。

「あなたが」

「あっ、始めまして『私』っ、私もカノンノ、カノンノ・イヤハートっ」

 そう言って、カノンノに近づくカノンノに、龍は苦手な人が増えたことにいやがる。

「それで、あとのはだれだ」

 龍が煙がはれると、彼らが現れた。知らないアドリビトムかと思ったが、

「彼らは違うらしいわよ、グラニデとは違う世界から、この事件に関わり合うから来たっていう異世界人」

「異世界で異世界人ってもうわけわからん」

 呆れながら、彼女たち、ディセンダー以外の子を見る。

 

 一人は髭を生やし、スーツ姿に剣と拳銃を持つ男性。

 

 喋るピンクの人形と、ピンクを基調にした衣類の少女。

 

 ボーイッシュな格好で、鞄を提げて、ロットのようなものを持つ短髪の少女。

 

 白衣を着ていて、格闘家らしき武器を装備している黒髪の男性。

 

 エルフナインくらいの、大きな猫とともにいるツインテールの小さな少女。

 

「って、エルっ、どうして君もいるのっ!?」

「あれ、お留守番じゃなかったのっ!?」

「おいおい、異世界行きに巻き込まれたときといい、さい先悪すぎだろ・・・」

「あっははは、どうしよう・・・」

 小さな子は向こう側にも驚く内容であるらしく、その様子を見ながら、空を見る龍であり、そう言えばと、

「あのディセンダーはなにしてるんだろう。話し合いくらい顔出させないな」

 そう思いながら、異世界の奴らににやにやと笑いながら挨拶する。

「こんにちは異世界の人、俺がゲーデだ、よろしくな」

 こうして、異世界から来た者達、グラニデのカノンノとディセンダーが現れた世界。

 その出現に、色々な思惑が交差するとも知らず、少しずつぎこちない音が鳴るのであった。




分かる人には分かる人達登場、これで次はディセンダーの彼女が何者かわかります。伸ばしてしまったっ、申し訳ございませんっ。
老人とあのお方は来れません、来たら政界荒れる荒れる。同じ理由で残りの二人も来れるはずもない。
あとはグラニデのディセンダーの容姿はどうしよう? 作者の好みでいいなら、某聖杯で出てくる、ロンドン暗殺者の少女を、ゴスロリモチーフの衣装で出すか。
響と奏のデュエットやれた、あとあるとすれば翼と奏のデュエットか。やれるか?、頭の中のストーリーではないが・・・
あとはマリア救済だが、だめだ、希望はない。セレナは龍のことが好きだから救われない。どうすれば救えるんだろう。
こんな作者ですが、これからもよろしくお願いします。ではお読みいただきありがとうございます。
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