それではどうぞ。
『というわけで』
暗闇の中、イチイバルは叫んだ。
【って、番外編で一番先はなんで私らなんだッ!? 普通は出ないだろッ】
【落ち着けイチイバル】
天羽々斬がそう言いながら、刃を整備していた。
【そうですよイチイバル、出られるんなら番外編でも出たいものですよ】
【そうだねイガリマ】
片方は盗撮写真をプリントアウトし、もう片方は切り刻む。交互に繰り返す二人に、イチイバルは叫ぶ。
【っていうかお前らはなにしてるっ!?】
【ゲーデを切り刻む練習ですっ】
【今度は私の番だよイガリマ】
【ですっ】
そう言いながら、刃物を使い、頬を赤く染めながら龍の写真を切り刻む二人の少女。それについてはなにも言わずにおいて、イチイバルは天羽々斬を見る。
【お前もお前でなにしてるんだよ】
【むろん、いつでもゲーデと死合えるよう、刃を磨いているんだよ。ふふっ】
こちらもこちらで、その瞬間を愛でるように、刃を優しく撫でている。
ゲーデが大元の自分達だが、オリジナルのデータもあるからわかる以上、異常な出来事なのはわかる。だが、自分もゲーデである。
【まあいいや、私はゲーデ捕まえたときように、鎖と首輪のストック増やしておくか】
その行為もまた、異常だと気づかず、首輪と鎖を恋する乙女のように集めて楽しむもの達。今度は牢屋などの準備もしなければと、楽しそうにその日を待つのであった。
『色々な後始末』
天羽奏、ディセンダーミラ、異世界の来訪者達。色々な出来事に雑用に走る人々達を見ながらも、響は少しだけ居心地が悪い顔になる。
「なにかお手伝いしたほうが」
「お前とマリアはゲーデでのイグナイトモジュールができるんだ。この中でセレナ、ノワールに続く最大戦力だ。むしろ休め」
「そうだよ響」
未来がそう言い、ううっとわかっているが、忙しそうな人達を見ながら、ユーリはリンゴをかじる。
「まあどっしり構えてたり、ハロルド達が呼びに来たら指示に従えばいいんだよヒビキ先生」
「私、先生ってがらじゃないんですけど~」
「そういえば寝室だけど、異世界組は部屋数とか多いから、すでにあるカノンノ達や俺のとこで寝泊まり決定だ」
「クリスちゃんはだれ泊めるんだろう?」
「クリスは自宅だから外してやれよ・・・」
まあ、ルルとクイッキーは寝泊まりそうだなと思いながら、響を見ながら未来が淹れたお茶を飲むのであった。
『姉妹』
セレナの自室前、カノンノの部屋に遊び、いや、妹に会いに来たマリア。
アガートラームを纏った際、セレナは記憶を取り戻した。彼女はもう、自分の妹なのだから、おかしくないのだ。
もう迷わない。セレナと居られなかった時間を埋めるため、できる限り一緒にいると心に決めたのだ。扉をノックするマリア。
「セレナ、私よ」
『あっ、マリア姉さんっ。手が空いてないけど、それでもいいなら入っていいよ』
「わかったわ」
内心スキップしそうなほどうれしい。セレナと仲良くするため、扉を開けた。
「いらっしゃい姉さん」
「・・・」
セレナが翼のポスターを壁に貼っているのを見て、少しだけ黙り込む。あれは確か新作についてる限定品のものだ。
よくみると音楽関係は翼が多い。マリアは黙り込み、首を傾げるセレナ。
「どうしたのマリア姉さん?」
「なんでもないわセレナ」
精一杯内心を悟られないようにするマリア。
一方。
「さてと、逃げるか」
隣の部屋から希望を失った、嫉妬などの負を感じ取った龍は、飛び火しないうちに逃走を開始したのであった。
『翼と奏』
「しっかし、死んだ記憶あるって変な話だよな~」
「奏は少しお気楽すぎだよ」
「お気楽って、こんなんになっても、かわらないのもどうかと思うけどな」
色々検査したところ、ディセンダーとゲーデと言うより、精霊やホムンクルスと言ったようなものに近いらしい。
奏は成長もするし、普通の人間とかわらない身体。周りの人達も気にしていないので、天羽奏として、また生きることにした。
「けど、もう奏と一緒に歌えないよね・・・」
悲しそうに呟く翼。それに奏もそうだなと呟く。
「けど、よく考えたらルミナシアやグラニデがあるんだ。そっちでまた歌おうぜ」
そう言って、だきついてくる奏。翼は少し真っ赤になるが、うんと頷く。
ちなみに龍とユーリが、少し甘えている翼のこと気遣ってか、通せんぼしていることに、奏はあとで感謝したという。
「よかったな奏、翼っ」
「司令、カメラで見るのもどうかと思いますよ・・・」
緒川はそう言い、苦笑するのであった。
『異世界人の食事会』
「で、なんで私の部屋なんだ」
クリスの文句を聞きながら、今日の料理当番の龍が聞きたいと顔になる。
アルヴィンとジュードは、司令室の方で手伝いなどしているため、事実男性は自分だけという事態なのも気になる。
ノワールはクイッキーとルル、エルとともに楽しくし絵本を読んだりしていた。
「けどまあ、お前って料理できたんだな」
「アドリビトムは当番制だからね~」
「あっ、うちのアドリビトムも当番制なんだよ」
イヤハートとカノンノ、双子のような二人はそう言う中で、龍はあーといいながら、料理をテーブルに運ぶ。さすがに『マリア』も手伝う。なぜいるんだろう?
(・・・・・・・・)
そしてある、クイッキーとルルの寝床。クリスは無自覚で、二匹を優しく撫でたり、膝に乗せたりしている。
この先に待つ未来を考え、早いうちに手を打たなければ、夕焼けに照らされた部屋で寂しくしてるクリスを幻視しながら、料理を運んだ。
『異世界人の料理会・ルミナシア』
「向こうは大丈夫かしら」
そう言いながら揚げ物を食べるアンジュ。アドリビトムメンバー全員が料理を食べながら、異世界のことを考える。
「向こうにはユーリ、フレン、リタ、ハロルドもいるんだ。心配ないさ」
「ワイール、クイッキーもいるよ~」
そう言う中でご飯を沢山食べる。カノンノがいなくなり、仕事していないと心配で心が避けそうな育て親のためだ。
「そうね、私たちはどっしり待っていましょう。きっと彼らなら、道を切り開くわ」
そして全員が真実決意をして、時間が過ぎる。
そして、入浴時間。女性陣は戦慄する。
「・・・・・・・・・・・太った・・・・・・・・」
「なんでお前の料理、ヘルシーよりなんだ? うまいから別にいいけどな」
(ルミナシアで俺が調整しないと、毎晩毎晩ダイエットによる負の声聞くからだなんて、絶対に言えない)
「ふふふふふふ・・・みなさんにはもっといっぱい食べてもらわないとですね」
『対策』
エルフナインが休憩中に頼むことにした。
「俺達が帰ったら、寂しがるクリスのために、これつけて住んでくれ」
そういって猫みみをエルフナインに装備させる。恥ずかしがるうえ、わけがわからないエルフナイン。可愛いと思い、なでくりまわしてやった。
『対策・後』
結局断られたので、猫みみ持ってリタのもとへ。
「リタ、これやる」
『ファイヤーボールッ』
『響と龍』
色々話し合った。父親と家族の和解など聞きながら、龍はそうかと言う。
考え方は簡単には変わらないが、いい人と響は認識して、龍から響と呼ばれるようになったことに、うれしいと思う。
話をしていたら、家族と話したくなり、いま話している。
まだ国家機密のようなものなので、話せないことが多いが、龍を紹介したい。
だから、
『それじゃ響、身体、大事にしなさい』
「うんっ、それじゃまたっ。あっ、そうだ」
そして、
「今度男の人紹介するからっ、楽しみに待っててねっ」
『・・・・・・・・・・えっ』
そう言って電話を切り、よしと意気込み、みんなのもとに出向く響。
「!? 響がなにかやらかした気がするっ」
「どうした小日向さん? まあ、俺もそう思うが・・・」
戦慄する未来と龍であった。
・・・
爆・弾・投・下。
本編では立花家は関わらないので、作者は知りません。
それではここで、次回から物語本編のみです。
お読みいただきありがとうございます。