戦姫絶唱・テイルズ・オブ・シンフォギア   作:にゃはっふー

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最ッ終ッ決ッ戦ッ。


狂いきった黒と真っ直ぐ過ぎる白の激闘

 異次元に渡るために、リタとハロルド、エルフナイン達が用意した転送装置(仮)に戦闘メンバーが集まる。

 向かうは天空にある、別次元の白い世界。その世界に人々は恐れ、怯える中、モニターなど、他の機材も確認する。

「どうやら、他の世界、異次元の現状を知る組織は、モニターで様子を見ることはできるけど、手は貸せないわ」

 リタの言葉に、そうかいとゲーデ状態の龍は言い。盗賊のノワール、剣士のセレナ。

 そしてガングニールの奏は槍を構え、ミラは剣を何度も振るう。彼女の剣はディセンダーの力がある。

 装者達もすでにゲーデイグナイトモジュールであり、その力に不思議な顔をする。

「不思議だな、この姿は通常のイグナイトモジュールよりも安心する」

「デスっ」

「負の力ってわりに、嫌な気分じゃねぇよな」

「それは負もまた心の一部だからだよ」

 ルドガーがそう言い、あとは彼が外殻になればゲートを開き、突撃するだけ。

 その言葉を聞きながら、ジュードは頷く。

「君達が自分の負を受け入れたから、その力が君達を守る力になったんだよ」

「私たちの負が、守る力・・・」

 それに獣のような姿の龍を見る。なぜかいる未来や彼女と同じ、響の友達達が龍に驚くものの、怖いと言うのではないのに、龍は嫌そうな顔をしている。

 響は龍を見ながら、カノンノとセレナが龍を見ていることに気づく。

(どうしたんだろう?)

(・・・まさか、響さんもっ!?)

 そんなこと考える中、龍の背に乗って戦ってみるデスとか言って話しかけてくる切歌に、調はむうと頬をふくらませて、龍を見る。

 龍は微妙な負を向けられながら、ため息をつく。

「もういいだろ、そろそろ切り替えるぞ」

「だな・・・準備はいいかッ」

 弦十郎の言葉に、全員が力強く返事をして、彼らは白い世界へと出向く。

『止めてやるッ、待ってろバカディセンダーッ』

 

 

 

 真っ白な世界、建物らしき壁や床があるが、少し違うだけで、全てが白でできている世界。

 綺麗な純白なのに、彼女たちは嫌な気持ちになる。

「なんでデスかね? こんなに綺麗なのに・・・」

『綺麗過ぎるんだよ、不気味なほどにな』

「そういうもの?」

 調が聞き返す。それにああと龍は告げる。

『響を考えろ、自分が色々やらかしたのに、忘れたようにつきまとってくるん。それを思い出せ』

「どういうことですかそれっ!?」

 響の言葉を無視して、クリスはああと納得する。

 その様子にセレナ達もまた、世界の様子を見ながら、

「たぶんこの先だね」

「うん」

 ディセンダー二人の言葉に、まがい物達も頷く。

「記憶書き換えられたのは、その先よ」

「私もそれだけはわかる、ここに来たからか?」

 ミラと奏はそう言い、ルドガーが槍を構えて見る。

「急ごう」

 歩き出す道は、途中で窓のようなものを見る。

 それを見ると、それは星が移っていた。

「まるでテレビ番組で惑星見てるみたい・・・」

 響の言葉に、龍は窓のように移る星々を見る。そして、

『これは実際ある世界だな』

「実際ある世界って」

『いま現在、この白い世界に侵略されてる世界ってことだ』

「・・・」

 負を感じる、白い世界に不安な世界の声。

 だが龍にとってはどうでもよく、その先に行き。青ざめる。

「・・・」

 全員が黙り込む。まず部屋なのだが、壁らしきものに鉄格子、鎖があり、首輪がいっぱいあり、ボールなど大型犬でも飼うような部屋だ。

『なんの部屋か考えたくない』

「同感だ・・・」

 クリスはそう言い、そのときに進むと、今度は、

「ひいぃ」

「・・・デス・・・」

 滅茶苦茶切り刻まれた龍の写真。壁一面も刃物が突き刺さられたりと、怖い部屋である。誰の部屋かわかるのだが、もう目を閉じて走りたいと思う。

「この部屋の中にいなくてよかった」

 奏がそうつぶやき、ミラもそうねと同意する。

 というか、古い男性の衣類、下着もあるのだが、龍はなにも言わない。考えない。

『先に急ぐぞ』

「はい」

 そして走る中で、扉が見え始める。

「あれは」

『よし』

 そう言って、蹴り破りはいる龍。全員おいっと思ったが、そのまま流れ込む。

 白いドームのような空間が広がり、その真ん中にクリスタルのような球体が浮かんでいる。それだけが水晶のような輝きを持ち、白い色以外のものだった。

「・・・ゲーデ」

『よお、救世』

 綺麗な少女だが、何も感じない。気持ちというものを感じることはなく、彼女の周りに白い剣と盾など、武器と防具が現れ、浮遊する。

「結局争うの・・・」

 それを悲しそうに呟くが、表情は変わらず、感情も感じない。

 悲しい、そう言った感情を感じられない響達は、背筋に冷たいものを感じた。

「終わらせる」

 そう静かにディセンダーは言う。

「全ての世界から負の終わりを」

 こうして白と黒は激突を始めた。

 

 

 

 戦いの様子は、ルミナシア側も見えていた。赤髪の王子、ルークが舌打ちをする。

「くっそッ、見てるしかないのかよっ」

「黙れッ、お前だけじゃないッ」

 同じ顔の弟はそう言うが、ジェイドと言う軍人がモニターを見ながら首を傾げ、キールと言う学者達も気づく。

「なにをしてるんだ彼女たちはっ!?」

 戦いの中、攻撃は龍へと集中する中、彼女へ攻撃するのは、ルドガーと龍だけだった。

 その様子に、響達装者全員、困惑している。

「まるで自分達も分からない顔をしてます」

 すずと言う少女の言葉に、ヒスイもなんなんだと思い、モニターに叫ぶ。

「テメェらなにしてるんだッ、そこの赤いのっ、持ってる銃は飾りかっ」

「・・・なにかおかしい」

 クレスの言葉に、セレナもまた困惑している。

 ルミナシアのメンバー達は静かにモニターを見ながら、その様子を見守るしかできなかった。

 

 

 

(・・・なんで)

 響達は攻撃しようと歌おうとするが、なぜか歌が胸の奥底からわき上がらない。

 なにより、握りしめた拳を、彼女に向けられない。

「ど、どうしてデスッ!?」

「なんで・・・」

 全員攻撃しようとすればするほど、なぜかできない。

 それを見ながら、龍は一人納得する。

『・・・そうか、ディセンダーだからか』

「そうみたい・・・俺達がやるしかないのか」

「・・・」

 少女は無表情で浮遊しながら、ゲーデを見つめる。

「私は救世の輝き、世界が望みし希望であり、正義。故に私は負けることはない。争わず、全てを助け出す」

『この状況でそれを言うかお前ッ』

 どうやら彼女を攻撃対象にできない。することすら考えられないらしい。

 その枠組みの中にいる響達もそれを理解するが、くそっと抗うクリス。

「なんでこんな」

 引き金を引けず、切歌達もどうしてと思う。

「どうして争おうとするの? 私は世界を救うためにしているのに」

「世界を救うためって、どうして龍さんを消さないといけないのっ!?」

 響の叫びに、彼女は真っ直ぐに答える。

「彼は負だから」

 そう簡単に答えた。

「彼は怒りから、嘆きから、恨み、嫉妬、妬み、辛み、苦しみ、絶望。ありとあらゆる世界の負より生まれた存在。いてはいけない、あってはあらない。争いの元凶」

「それは違うッ」

 翼は叫び、それに装者達も叫ぶ。

「確かに私らは最初、こいつが嫌いだった。けどな」

「だからって死んでいい、消えていいって思ったことはないデスッ」

「好きになれないからって、消えていいとは思わないッ」

「貴様のしていることは間違っているッ。龍がいったいなにをしたという」

「負の原初、だからと言って、妹の大切な人、消させはしないッ」

 その言葉を聞きながら、静かに首を振る。

「なにを言っているの?」

 彼女はここで、本当にわからない顔をした。

 

「貴方達は争いを止めたいと願っている」

 

 その言葉に、装者達やセレナ達は戦慄する。

 

「貴方達は絶望を止めたいと祈っている」

 

 手に持つ武器、握る拳から力が抜けていく。

 

「貴方達は悲しみを消したいと思っている」

 

 その瞬間、彼女たちは武器を落とした。

 

「だから私は戦う、貴方達の願いを叶えるために、それらを消す」

 

 そう言って、彼女は銀色の瞳を黒へと向ける。

 

 手には武器を持たず、静かに構えて、

 

「私は救世の輝き、世界の願いにより生まれた存在だからッ」

 

 そして放たれる攻撃に対して、

 

 黒は、

 

『だが届かない』

 

 邪悪に笑った。

 

 

 

 黒い魔剣のようなギザギザの刀身を振るい、より強大な負へと変わり果てる。

 獣の雄叫びを上げ、人の原型などは無く、口を開く。その口は真っ黒な闇しかなく、紅と金の瞳、刃の髪を振るい、白の奇跡を砕く。

『お前は真っ直ぐすぎる、俺を滅ぼせない』

 紫の炎をまき散らし、獣は疾駆して希望を砕く。

『力無き希望は絶望に負け』

 光の魔術が放たれるが、ただの雄叫びが、それをはじき飛ばす。

『祈りなぞ、無慈悲な力の前では何者にも届かない』

 刃を向けて、槍のように盾へと突き刺す黒。

『ただ助かりたいだけのものの前に、癒しなど現れない』

 それを砕き、初めて彼女を刀身で吹き飛ばした。

『そして憎しみは、けして消えず、燃え上がり続ける』

 そして獣は最終形態のように、巨大な龍神へと変わる。禍々しき、魔なる存在。

『貴様は何も救えず、守れず、助けられることはなく消えるだけの存在だ』

 原初のゲーデはそう言い、ルドガーはみんなをまとめて、その様子を見る。

「どっちが悪だよ・・・」

 誰かがそう呟いた。

 

 

 

「くっ・・・」

 悔しそうに立ち上がるディセンダーに対して、はあとため息を吐く。

『無駄だ、貴様じゃ俺は倒せない』

「私は諦めない」

『諦めなければ奇跡が起きる? 無駄だ、奇跡は貴様には訪れない』

「・・・そのための」

 そのとき、水晶が輝く。頭上の水晶を見上げ、ゲーデは静かに睨む。

『貴様ッ』

「準備はしたッ」

 突如色の付いた鎖が装者達に放たれ、ルドガーが槍を振るう。

 だが、それと共にジルディアの民が現れ、ルドガーを止めた。

「くっ」

「放せデスっ」

 装者達がドームを六角形に囲むように、魔法陣に繋がれた。

 その真ん中にいる龍は剣を構え、飛翔して水晶へと剣を突き刺そうとしたが、

 その前に歌が流れる。

 

 

 

「これはっ!?」

 エルフナイン、司令室に戦慄が走る。

 それは世界を壊す歌、ある錬金術師が歌った滅びの歌。

 それをいま、装者達が歌い始めている。

 

 

 

「なっ」

 ゲーデの鎧が消え始め、舌打ちしながら、地面に降りる。

 そして水晶の中に眠る少女を見る。やはり、

「エルフナイン? なんでエルフナインが水晶の中で歌う?」

 そして無理矢理響達も同じ歌を歌う。それを聴くと、頭の中で雑音が頭の中をかき巡る。

 頭痛なんて生やさしいものではなく、そこに白い閃光が放たれる。

「おっと」

 それをよけながら、少女はルドガーを見る。

「いまのゲーデを貴方に倒して欲しかった」

 そう呟きながら、装者達は口を閉ざそうとするが閉ざせず、歌を歌う。

「貴方を滅ぼすための準備はした」

 そう言いながら、無数の武器を作り出す少女。

「まずは力を集めた。滅びの歌い手、次元に落ちた子、そして宿命を越えた者。滅びの歌を強化するための力」

 その話を聞き、龍はかみ砕き考える。

 つまり、水晶の中の子が歌う歌を強化するため、響達の力が欲しかった。

 次元の落ちた子はミラであると知りながら、ため息を吐く。

「・・・負が使えない」

「この歌は貴方を滅ぼすための歌、本当は作り出した子達は歌いながら貴方を倒させるつもりだったけど、仕方ない」

 そして静かに、水晶を背にしながら、

「もう終わりだよゲーデ。奇跡はいつだって、勝つの」

 そう言い、無数の閃光が、雨のように放たれる。

 

 

 

 フ・ザ・ケ・ル・ナッ

 

 

 

 白い閃光を剣のみで切り伏せ、龍は前進する。

「なっ・・・」

「初めて感情らしい顔見せたな」

 そう言いながら、ジルディアの民もまた向かってくるが、それもわかる。

「コピーか、んなもんに負けるか」

 拳を握りしめて、粉々に砕く。これはもう身体能力のみ。それに驚愕する。

「そんな、どうして」

「どうしてだと? 簡単だ」

 白い閃光を切り伏せながら、龍は彼女を睨む。

「お前の正義は薄っぺらいを通り越して、意味がない」

 ただ頑丈な剣だけで戦う龍に、セレナは微笑む。

 いつだってそうだと、セレナは確信する。

「うん、お願い・・・私の、私たちのディセンダー」

 そう龍に告げる。

「お前は犠牲を持って、世界を救おうとする。その時点でお前は俺に勝てない」

 そう言いながら近づく。それに驚き、攻撃を強めるが、届かない。

「正義とはこの世に存在しない。なぜならば、誰かを救おうと戦う者、それを見て悲しむ者がいる限り、絶対な正義なぞ存在しない」

 そう言いながら、どんなに攻撃の嵐が強まろうとも引かず、前に進む。

「お前は戦うのを、傷付けるのをやめた者達を戦場にかり出させた。そして、負を消す名目のもと、彼らを使い、他の世界までその手を伸ばした」

 彼女は驚く。初めての感情、龍はただ剣を振るい続ける。

「お前は俺を滅ぼすために、犠牲を生み出そうとした。それがどれほど身勝手な偽善であろうとも、いな、それすらわからない。哀れな救世主」

 そして静かに、

「俺を殺せるのはただ一つ」

 剣ではなく、彼女の前に立ち、

「こんな俺を仲間と言う、優しい言葉だけだ」

 そう言って、チョップを頭に放ち、そのあと剣を担ぎ、飛んで水晶をたたき壊す。

 その様子にセレナ、そしてカノンノは思う。

((やっぱり、貴方らしい・・・))

 そう微笑みながら、そのあと、彼女に着地する龍を、セレナが殴った。

 

 

 

「もう、龍っ」

「いやだって、いちおう敵だろこの子」

 そう言って、お姫様だっこで持つエルフナイン似の少女を床に置く。

「この子だれや? 見た限り、奏さんみたいに、肉体がないのを無理矢理器作って押し込めたようだが」

「それじゃ」

 響達も近づき、その言葉に驚き、名前を呼ぶ。

「キャロルちゃんっ」

 そう言って揺さぶると、かすかに反応を見せて、目を覚ます。

「・・・」

 そして響の顔を見て、

「見たくない顔を始めに見たな」

「キャロルちゃんっ」

 うれしそうにだきしめ、だきくつくなと怒鳴るキャロル。

「とりあえずそっちはいいが、もう片方は気絶してるか」

 顔に足跡を付けたディセンダーを見ながら、やれやれと思う。

「お前、このままでいいのか?」

 だきつく響を睨みながら、キャロルは龍を見る。

「わかるのか?」

「俺は始まりからこいつの暴走を見てたからな、こいつがなんであり、そのためにあろうとしたかわかる」

 それに龍はそうかと頷く。

「それって」

「こいつは善意で生まれたが、吐き気がするものだ」

 キャロルは静かに、立ち上がり語り出す。

「希望、正義、慈愛から生まれたが、どれもこれもひどいものだ」

 希望は自分は助けられ、救われる。といった、根拠無い何かに期待するもの。

 正義とは、自分は正しいと思い上がった思い。

 慈愛は、結局のところ、相手を可哀想、助けなければいけないと言う、見下し。

「そいつはそういう、第三者や当事者の心境なんかお構いなしで生まれた、白と言う名前を借りた奇跡だ。俺が最も嫌うものだ」

 自分しか救えないと言う正義感など、彼女はそういった思いから生まれた救世主。

「身勝手な人達の思い、こいつも被害者か」

「お前もそうとう歪んでるがな」

 キャロルはそう言いながら、気絶している少女を見る。

「とりあえずこの世界を壊すか、そうすれば」

「またやるだろう、ここでこいつを殺せゲーデ」

「断る」

 キャロルの言葉を無視しながら、龍は剣を肩に置く。

 その言葉になぜだと見ると、

「そんなん、めんどくさいからだ」

「・・・」

 世界すら巻き込んだ、偽善者の処罰を、面倒と言ってやらない龍。なによりと、

「こいつの偽善は世界が背負わなきゃいけないもんだ、無いことにするなんて許されないぜ」

 そう言い、セレナはそれに微笑む。

 みんなもまた複雑そうな顔をして、セレナは彼女を背負う。

「それじゃ、この子はアドリビトム、ルミナシアが預かりますっ」

「それでいいだろ、人手不足でマスターが喜ぶ」

「・・・いいのか?」

 クリスがつい聞いてしまう。世界を巻き込んだ偽善者、それに対して、邪悪に笑う。

「文句があるなら滅ぼすだけだ、そいつを。俺は世界の害悪だぜ」

 その言葉に、全員が唖然となるが、セレナは得意げに胸を張る。

「こいつは間違っていた。だが、悪として裁く権利は誰にもない」

 そう告げて、ルドガー達は苦笑する。

「君は強いな」

「勝手なだけだ」

 そういい、響だけその様子を見て、顔を伏せた。

 彼は前を向いている。生まれた世界で傷付き、異世界で顔を上げて歩いていた。

 それを直視できない。

「んじゃま、外から壊せるか、色々と・・・」

 そう思ったとき、世界が揺れた。

「なん」

 そのとき、龍以外の足下に魔法陣が現れる。

 

 

 

「えっ・・・」

 響達は驚き、辺りを見渡す。どこかの岬、全員が警戒する。

 空には白い世界が広がっていた。

「これって」

「!?」

 翼はすぐに通信機を取り出し、コールに出る。

『全員無事かっ!?』

「司令ッ、これはいったい」

『わからんっ、だがいま君達が居るのは俺達の世界だ』

「なぜ龍はいないんデスっ!?」

 セレナは背負っている少女を見るが、彼女は意識を取り戻していた。

「・・・何が起きてるの」

 彼女も驚き、そのとき、誰かが現れる。

「!?」

 弦十郎達、ルミナシア、グラニデを始め、異世界に関われる者達が驚く。

 それは、

『我らは精霊、大儀であった、戦士達よ』

「異世界の精霊達っ!?」

 それに驚くセレナ、火の精霊は代表のように叫ぶ。

『貴殿らのおかげで、世界の異変を回避、そして災いを納めることができた。礼を言う』

「お礼・・・いや待てっ」

 ルドガーが叫ぶと共に、何かが放たれ、火の精霊達は怪訝な顔でそれを防ぐ。

『・・・どういうことだ、他世界の原初の精霊よ』

『それは僕らのセリフだ、火の精霊』

「オリジンッ!?」

 白い少年が、ある精霊達と共に現れる。その一人はミラと同じ姿をしていた。

「ミュゼ、ミラ」

「ごめんなさいルドガー」

「いま話している暇はないッ、そこの精霊達の暴挙を止めるッ」

 そう言って飛翔するが、土の精霊が岩の壁を張る。

 だがミュゼと言う精霊がそれを吹き飛ばし、剣を振るうが、水の精霊が槍で止め、時の精霊クロノスは、ルドガーのもとへと来る。

「やはり我らでは白い世界には関われない、白きディセンダーよ、お前の力でゲーデを呼び起こせ」

「なにを」

「このままでは原初のゲーデはお前の世界ごと消えるっ」

 全員が驚き、精霊を見た。

『いまこそ世界の始まりたる負を消す。それが世界のためだ』

「なにを」

 そのとき、白の世界に違和感が、閉じていくように空間が閉じていく。

『白き世界へと幽閉し、負を永劫の時に閉じこめる』

「どうしてそんなことするんですかっ!?」

 響の問いかけに、精霊達は、

『負だからだ』

 そう答えた。

「ふざけんなっ、彼奴は精霊に頼まれて、異変を終わらせようとしてたんだぞッ」

 クリスが銃器をぶっ放すが、風の精霊がその機動を変える。

 精霊ミラは水の精霊と戦いながら、

「始めからそのつもりだったのだっ、彼女、純白のディセンダーを利用して世界の負を消すのが目的。ルミナシアの精霊すら騙したんだっ」

 そう言われ、全員が驚く。オリジンは、彼は怒りのように彼らを見つめる。

『君達は世界を越えて、別の世界に関わり、変える権利はない。それくらいわかるはずだろ』

『ならばこそ、全ての世界の汚点たる負を消すのに何が間違いがあるオリジンよ』

『むしろ貴様がおかしい。なぜ負を受け入れる』

『なら君達の世界はどうだ? 負を否定して平和な世界かい?』

 オリジンの問いかけに精霊達は黙り込む。

『それが答えだよ。負を一方的に否定した結果、世界はねじ曲がったんだ』

『違うッ』

 火の精霊が燃え上がりながら、辺り一面に放つ。それに翼とマリアが剣を取り向かう。

「少なくても、貴方達が敵なのはわかったわっ」

「龍は消させはせぬッ」

 

 

 

「・・・」

 その様子を見ながら、少女はわからない顔をする。

「どうして争うの」

「どうしてって」

 響は彼女は困惑しているのがわかる。その手を握り、響に聞く。

「貴方だって恨まれ、憎まれた。悲しい思い、辛い思い、苦しんだはず」

「それは・・・」

 それに黙り込む響、そして言う。

「あなたは彼を目覚めさせた」

「えっ・・・」

 それに世界が歪んだ気がした。

「貴方の心の悲鳴が、彼のゲーデを目覚めさせた。父親が居なくなった日、心の悲鳴がゲーデを起こした」

「わた、しが・・・」

 それに全員が驚く中、世界が閉じようとしていた。

「まずい、純白のディセンダーッ、原初のゲーデをこの世界に呼べッ」

「断ります、彼は消えるべき存在です」

「違うっ」

 響が叫ぶ。だが彼女は、

「彼がいなくなればもう悩む必要はない」

 そう優しく、響に語りかける。

「もう父親が戻ってきて、家族が貴方は傷付く必要はないんだよ」

 そう言った。

 そのとき、響は、

「違うッ」

 はっきりと響はやっと、答えを得た。

「私の所為で傷付けたんなら、私は龍さんとお話ししたいッ、向かい合いたいッ」

「どうして? 辛いだけだよ、苦しいだけだよ?」

「それでもッ、私は逃げないッ」

 そう叫び、響は彼女の手を取る。

「私は向かい合うッ、彼に向かい合いたいッ。だからお願いッ、龍さんを」

『させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 炎の剣が、響達へと振り下ろされる。

「響ッ」

 

 

 

 爆音が轟き、炎が舞う。

 響は、立ち上がり、辺りを見た。

『なぜだ純白のディセンダーよ』

 彼女は傷付き、精霊を見る。響を突き飛ばし、響を守った。

「・・・私は」

『まあいい』

 いつの間にか世界の空が、元に戻っている。

 全員がそれに、絶望した。

『これで原初の負は消えた』

『君達は・・・』

 オリジンは悲しそうにそれを見て、精霊ミラとミュゼは精霊達を睨む。

『なぜ怒る? 災いが消えたのだ、これで我らの世界もまた救われっ』

『愚かな、君達の世界の問題を、彼に押しつけて・・・』

 オリジンはそう言うが、精霊達は聞かない。

 セレナは呆然と立ちつくしていた。

 そのとき、

「!?」

 空間に亀裂が走る。

 そこから、

「負の気配っ!?」

 全員が驚き、亀裂を見る。

 精霊達も戦慄する。セレナ達は、

「!?」

 セレナは驚き、剣を構える。

「これは違う、龍じゃないッ」

 そう言って現れたのは、

「ヌオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」

 現れた者に、彼女は驚く。

「どうして・・・」

『バカな、念のために用意していた力が、暴走しただと』

 火の精霊がそう言い、現れた斧を持つ凶戦士。

 青い髪の大柄の男。鉱物の身体を持つそれは、世界を見渡して叫ぶ。

「・・・とりあえず、殺すか」

 凶戦士バルバトス、精霊が純白のディセンダーが失敗したときに利用しようとした力が、いま裏目に出て世界に出現した。




・・・駄文じゃないか。
考えたシナリオと違う気がする。急展開過ぎないか、自分。
ラスボスが純白の彼女だと思った? バルバトスさんがラスボスですっ。
次回語り足りない部分を補えないといけないな。
そんなことを考えつつ、ここで。
お読みいただき、ありがとうございます。
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