戦姫絶唱・テイルズ・オブ・シンフォギア   作:にゃはっふー

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全ての戦いが終わります。それではどうぞ。


黒の輝き

 結局その後、全てが終わった後は関係なかった。

 まずは事故処理だが、それは司令こと、弦十郎達の仕事であり、自分達はあとは帰るだけだった。

 それも、早急にだった。

『もともと無理して君達を呼んでしまった。その辺りはすまないと思っている』

 オリジンはそう言い、むしろ早く帰らせないといけないからいい。アドリビトムは問題児が多いし、エステル王族達もいるのだから、響が遊びに連れて行きそうなのを止め、未知なる輝くに触れようとするもの達を止めたりと、大変だから一日も早い、もう帰りたい龍であった。

 そして話を進めて、わかったことは、ミラはミラの世界に滞在できないらしい。

『彼女の身体は無理矢理作られた。ミラ、キャロル、奏、そして彼女は世界樹がある世界でしか、身体を維持できない』

「・・・そう」

 短く返事をして、悲しそうにルドガーを見る。ルドガーはどうやら問題ないらしい。

「なぜだオリジン」

『簡単な話、彼はそういうものを乗り越えた存在だからだよ』

「そう言えば何でも在処よ」

 詳しい話をすれば、時空間の問題らしい。

 彼女は本来、青い色の世界のものを、赤い世界に呼んだようなものだと説明する。

 別の世界の色が混じり合えば、世界は悪い方へとねじ曲がるが、白の力である彼女はそれをねじ曲げた。

 だが、その根本たる世界が消えた以上、元々の世界、もしくばそれに近い世界にいなければ生きられないと説明する。

『次元と別次元の波長を合わせること、むしくば繋げることができればいいんだけどね・・・』

 そう呟いた後、少しだけ微笑む。

 全員が怪訝な顔をしたが、結果、こうなった。

 ジュード、アルヴィン、レイア、エリーゼ、ティポ、エル、ルル、ミラ・マスクウェル、ミュゼはオリジンとクロノスの力でもとの世界に戻り。

 ミラとルドガーは、ルミナシアで過ごすらしい。

「どうしてそうなるのよっ」

 ルドガーに怒鳴り散らすミラだが、エルは、

「大丈夫、エルは一人で、二人の帰り待ってるからっ」

「エル・・・」

「そういうことだよ、ミラ」

 その後、彼らは彼らで話し合いが始まり、彼女達の物語も終わりが近づく。

 

 

 

「・・・・・・・・」

「キャロルちゃんキャロルちゃん、お洋服買いに行こうよ~」

 キャロルはモニターでエルフナインの仕事を手伝っていた。

 不機嫌な顔をしながら、響から顔を逸らす。

「ったく、俺まで生き返る形になりやがって・・・ご丁寧に、失った記憶やその後もあるし、あの女、一度分解してやろうか・・・」

 かなり物騒なことを言いながら、響にまとわりつかれ、ぶち切れるまで耐えるのであった。

 

 

 

「ってわけだから、向こうでトップアーティストでもなるわ」

「・・・そんな簡単に・・・」

 翼達、司令官は奏の言い方に呆れながらも、奏はあっははと笑う。

「ん~まあ、なんか、あのギルドの面々見てれば、なんとかなる気がしてな。あんまり深刻に考えられないんだよこれが」

「それもそうだね」

 翼はそう言いながら、奏はだきつく。

「まあそういうわけだから、泣くんじゃねぇぞ翼っ」

「ちょ、泣くわけないでしょっ」

 そんなやりとりの中、彼女たちの物語も終わりに近づく。

 

 

 

 マム、ナスターシャ教授の眠り場所で、セレナは長い話をしながら、一息つく。

「・・・疲れた?」

「姉さん、うん、少しね」

 そう言いながら、切歌と調もいる。

 実はオリジンから聞いた。自分の本当の役割、予想通り、龍を殺すための素材にして器、それに選ばれただけだった。

「・・・少し辛いな、好きな人を傷付けるために、いまこうしてここにいるの」

「・・・する気はないし、あれはほおっても問題ないわよ」

 そう微笑むマリアに、セレナはうんと笑顔で返す。

「それじゃ、もっと向こうの話、聞かせてデス」

「切ちゃん、龍の話を聞きたい訳じゃないよね?」

「ッ!?」

 セレナの反応に違うデスと答える切歌。マリアは今度マムの手みやげは彼の方がいいかと、アガートラームを強く握りしめる。

 

 

 

 こうして、さまざまな思いを残したまま、異世界の人達は帰っていった。

「・・・はあ」

 クリスはため息をつく、クイッキーとルルのベット。いまさらちゃんとしても、もう使うものはいないのにと、ばかばかしいと思う。

 ピンポンと誰か来たが、なんだと思う。ここに来る人間は、ほとんどチャイムを鳴らしたりしない。

 扉を開けて、出てみると、

「にゃ、にゃ~」

 猫耳をつけたエルフナインがそこにいて、クリスはしばらく黙り込む。

 

 

 

「やっぱり、龍さんの作戦だめなんじゃ・・・」

「響が同意してたじゃないっ、怒る前に止めるよ」

「待ってくださいデスっ」

「・・・奧に上げられたよ」

 そしてしばらく膝の上に乗せて、終始無言のまま、猫エルフナインを膝に乗せている。扉の隙間からその様子を見守る一同は何も言えず、ただ傍観していた。

 

 

 

「はあ・・・」

「マリア、少し気が抜けすぎではないか?」

 マリアはセレナが帰ってから、ずっとこの調子であり、翼は心配するが、

「貴方にはわからないわ、私の気持ちなんて・・・」

「それは違うぞ。私とて、奏が」

「そうじゃないわよっ」

 机を強く叩き、翼の襟を掴むマリア。

 その様子に驚き、困惑する翼。

「どうして貴方の歌ばかり持って帰るのっ!? しかも限定品でポスターだって持っていってッ、私も出してるのよセレナ~ポスター用意するわよっ。なのに、なんで自分のお金じゃないと意味がないっていうのっ!? そしてどうして翼のが多いのッ!?」

「おち、おちつ、落ち着いてくれまり、マリアっ」

 翼の首をがくがくと揺さぶりながら、マリアの愚痴は翼から龍へとかわり、収集がつかず、緒川が来るまで泣きそうなマリアであった。

 

 

 

「ただいま~」

「お帰りなさい。試験はどうだった?」

「問題ないよアンジュ」

 キャロル達は、試験のための鉱物をぞろぞろと机に置き、ミラはふうと息を吐き、キャロルは盛大に舌打ちする。

「なんで俺までこんなことを」

「まあいいじゃないか、そのわりに楽しんでたぞ」

「う、うるさいっ。とりあえず、これで正式なメンバーだな」

「えっ、まだだよ」

 引率のセレナがそういうと、ルドガーを始め、新メンバー達がえっと言う顔をする。アンジュことマスターだけは、

「各国に戻った人達が多いから、次は急いで討伐クエストお願いね~♪♪」

「だーーくっそがっ、いいだろう。全部分解してやるっ、さっさと次のクエストを教えろッ」

「落ち着いてキャロル、怒るのはダメな負だよ」

 彼女はそう言いながら、キョロキョロしている。まだ名前は保留されているが、いずれ綺麗な名前をつけようと決めている(本人は龍につけて欲しいと言って、カノンノとセレナから戦慄された)

「・・・彼はどこ?」

「えっ? きっとどこかでサボりだと思うけど・・・」

 その場に龍はいなかった。

 

 

 

「・・・」

 ある場所に来ていた。読んでいたと言わんばかりに、オリジンとクロノスがそこにいて、静かにたたずむ。

『世界樹は始め君の負を恐れていた、だから世界は近くにいるルミナシアに頼み込み、彼女をディセンダーに変えて、準備した』

 君を倒すその日に備えてねとオリジンは言う。

『記憶を消すのは忍びなかったから、奥底に封じ込めた。そして君はジルディア、ラザリスの声を聞き、まさかこの世界まで来た。ラザリスが君に気づいたのは、セレナで関わった所為だろうね』

「・・・」

 そんな話を聞きながら、そうかと興味なく聞き流す。

『まあ、世界にとって、君の性格は読めなかっただろうね。まさか記憶を失ったディセンダーと、自分か何者か知らない君が、恋仲になるなんて』

「違う」

 いま次元を越えてマリアの殺気を感じた龍。

 オリジンはその様子をほほえましく見ながら、告げた。

『ルミナシアの世界樹からの伝言だよ、君の願いは、行けるようにするだけだそうだよ』

「問題ない」

 それを聞きながら、前を進むとき、後ろを振り返る。

 そこにいた少女に、ため息を吐く。

「カノンノ」

「なにしに出かけるの?」

 少し不機嫌な顔のカノンノに対して、龍は静かに空を見る。

「・・・純白のディセンダーが白の世界を作り、無理矢理世界を繋げられた」

 ならばと思い返す。そして思い出した。

「俺には剣があった、人々を傷付ける武器で、刃物の代名詞、最も多く使われた武器である原初のゲーテ、その剣がある」

『彼はそれを取り戻して、異世界と異世界を行き来する術を得ようとしているんだ』

 オリジンの補足を聞き、次元を切り裂き、次元を繋げる剣を得ようとする。そうなんだと納得した。

「みんなのため?」

「・・・」

 そういうとき黙る龍に、微笑むカノンノ。

 だが、どこか悲しそうな顔をする。

「私は手伝えない?」

『これから行くかの地は、黒の世界。人の身で出向くのは危険な場所だ』

 クロノスがそう言うと、龍は黒い闇を纏う。ゲーデの闇、彼が彼である証のように、それを纏おうとする。

「そういうことだから」

「・・・そう」

 それじゃと言って、だきつく。

「おいかの」

 そして、紡がれる言葉を止められる。

 カノンノは少しずるいかなと思いながら、唇を放して、いたずらっぽく言う。

「戻ってきてね、私もセレナは、まだ聞いてないよ」

「・・・・・・・・」

 負が消え、真っ赤な顔の龍。その場に座り込み、しばらく考え込みながら、切り替える。

 オリジン達はその様子に微笑む。

「・・・んじゃ、こんな終わり方壊すために、剣取ってくる」

「行ってらっしゃい♪♪」

 

 

 

 それはずっと自分を食べていた。だって、居ちゃいけないんだ。

 

 悲しかった、自分が自分であることが悲しかった。

 

 苦しかった、辛かった、もうわからなかった。

 

 終わらない。ずっとそう思っていた。

 

 憎い、自分が憎い。だから壊しつつづけた、自分を。

 

 いつもそうして、いつもそう過ごす。

 

 そしていつしか剣が生まれたが、無視していた。

 

 それを振るう日なんて、欲しくなかった。

 

「って、前世の俺はこんなんか?」

 

 それはそう言ってきた。同じと思ったけど、違うとも思った。

 

「よお俺、悪いが、終わりが来たぜ」

 

 それを聞き、本当か疑った。だけど、なんだかそう思えた。

 

 やっと悲しいのが、絶望が、苦しみが、辛い思いが終わる。

 

 だけどそれは笑った。

 

「違う、これからだ」

 

 そう言って、剣を取る。

 

「絶望も、悪意も、害悪も何もかも背負って生きる」

 

 だけど、その顔は上を向いた。

 

「だが俺のあり方は俺が決める」

 

 絶望を壊す絶望、滅びを苦しめる滅び、害悪を殺す害悪。

 

「俺の名前は剣崎龍ッ、自由の灯火アドリビトムの黒い輝きッ」

 

 剣を構え、俺は俺を見た。

 

 その言葉を聞き、剣が自分を砕いた。

 

「んじゃ、またな俺」

 

 

 

「・・・」

 

 真っ黒な世界に、暖かい日差しと、空が広がる。

 

 それを見て、黒は初めて暖かいものを感じて、何かが頬を伝う。

 

「・・・きれい・・・」

 

 

 

『善悪なんてもの、はっきり決められない』

 オリジンは世界を調整しながら、かの精霊達に告げる。今回の後始末、彼らは世界を見下ろしながら、オリジンは告げる。

『それを決めるのは、世界に、いまに生きる者だ』

 その言葉を胸に秘めて、彼らは彼らの世界を見る。

 今度こそ間違えない。そう思ったとき、

「手貸すか?」

 意地悪な黒が現れ、精霊達は驚く。

 禍々しい剣を持つが、彼らは静かに、

『いい、のか・・・』

「報酬は高いぜ、とりあえずテメェらの世界のんまいもん食わせろ」

 そう言って、オリジンは彼と精霊達を見送った。

『言っておいで、黒の救世主』

 きっとかわれる、そう確信しながら、調律を再開する。

 物語はこうして幕を閉じた。




次回色々なこと忘れて温泉回。シンフォギア並びテイルズキャラの女子メンバーが秘湯に出向く。来たい奴は手を挙げろ。
オリ主「殺してやるよ楽にな」
オチは決まっている。それでも彼らは出向く。
ゼの付く人「せめて湯煙のシルエットだけでも・・・」
オッサン「オッサン、本編じゃ死人だしね」
元祖大王「・・・俺はなんで呼ばれる・・・」
もう一度言うオチは決まっている。それでも彼らの生き様を、お楽しみに。
オリ主「本編の終わり、これでいいのか?」
カノンノとセレナ「アドリビトムらしくっていいと思う」
ではお読みいただきありがとうございます。
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