戦姫絶唱・テイルズ・オブ・シンフォギア   作:にゃはっふー

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戦闘パートがんばるぞ~

リアルの事情

ぐはっ、バタン

おおっ、作者よ。倒れてしまうとは情けない

という事態が多々ありますがよろしくお願いします


墜ちた英雄と戦姫

 ライブが終わり、興奮冷めることもなく、いま響達は司令室へと流れ込む。

 司令室の巨大モニターには、シンフォギアを纏い歌う翼。それを援護するマリアと龍。

 そして対峙する者に、カノンノとセレナは驚いた。

「「ユグドラシルっ!!?」」

 光る羽根で空をとぴ、武装していない腕で翼の太刀を防ぐそれに、クリス達は驚く。

「知ってるのかあの白タイツ野郎」

「うん」

「天使って種族の人で、危険な人だよ。かなり強いし、だけどロイド達が倒したって聞いてる・・・」

 セレナの答えに、疑問を覚える中、戦い方に切歌が叫ぶ。

「なにしてるデスっ、あの三人はっ!?」

 翼一人に相手をさせ、二人は距離を取りつつ、援護している。

 何人かも疑問に思ったが、

「いやそれでいい」

 弦十郎の一言で、すぐに片づけられる。

「マリアくんと翼なら問題なくコンビネーションはできている。が、相手はノイズや装者ではない。龍くんは向こうの手の内を知っているが、二人との協力戦はいまが初めてだ」

「それだけじゃないよ、リュウの話じゃ、ユグドラシルは一瞬で敵を無効化する術があるから、距離を取らないと一瞬で逆転されちゃう」

 二人はそれを聞き、いまの体制で戦っている。

 翼に接近戦を全て任せ、龍は手のひらに、負の感情を集めて放つ。『エイミングヒート』という技、マリアもまた中衛からの攻撃をし、翼は歌を歌いながら、ユグドラシルと戦う。

 だがカノンノとセレナは焦りの顔で呟く。

「このままじゃまずいよっ」

「龍は元々、全部の技を剣での攻撃でやる、もう前戦攻撃主義だから、サポートなんて無理なんだっ」

「剣?」

「あの男、剣なんって持ってないデスよっ」

「この世界の人、剣持ってたら捕まるから、おいてきたんだってっ」

 それを言われ、納得する中、翼達の戦いを見守る。

「翼の攻撃は防がれているが、確実に命中している」

 だが、なぜか決定打になっていない。高い攻撃を放とうとすると、見たこともない技、異世界の魔術で隙を狙われる。それにマリア、翼は対処できず、龍が守る形で防いでいる。

 逆に龍は、二人の戦い方が分からず、前に出られず、いまの状態だ。

「一撃の必殺が出せずじまいか・・・いきなりの協力戦では致し方ないとはいえ、歯がゆい」

 その弦十郎のつぶやきに、オペレーターの一人が叫ぶ。

「スキャンの結果出ましたッ、未知の敵から生体反応はありませんっ」

「「えっ」」

 それに驚く二人。セレナはモニターを見るが、モニター越しでは相手が生き物かどうか分からない。それにオペレーターは続ける。

「同時に謎のエネルギーを感知、それにより攻撃を防がれていると推測されます」

「破ることはできないのか」

「現段階ではなんとも言えません・・・」

 少なくてもただ斬りかかるだけでは致命傷を負わすことはできないのは明確であり、いまはじり貧な戦いが繰り広げられる。

 この状態の中、彼らはできる限りのサポート。戦闘による二次災害などを起こさせないようにするのでやっとだった。

 

 

 

「くっ、やはり斬れないか」

 ユグドラシルの身体に刃をたたきつけるたび、肉体ではなく、堅い装甲のような音が鳴り響く。

 それにより力を込めて攻撃しようとすれば、魔術らしき技が自分や仲間達に襲いかかる始末。

「『ホーリーランス』」

「くっ」

『『エイミングヒート』』

 急に現れる光の槍に、龍の黒い炎の弾丸が撃ち落とす。いまはその繰り返しだ。

「接近して一気に畳みかけられないのっ」

『ダメだッ、俺が知っているユグドラシル、あるいはそれ以上の戦闘力だッ。なら彼奴もあの技を持ってるッ』

 マリアの叫びに、龍は強く否定する。

 戦い始めた際も、龍が最初に言ったのがいまの状況。

 曰く、相手は自分達を同時に無力化する術があり、それに巻き込まれないように、距離を取りサポートしなければいけないとのことである。

 それがなんなのかわからないが、龍の言葉に従う二人が取ったのはいまの行動だ。

 つばぜり合いのような戦いから、距離を取り、後ろを見ずに話しかける。

「だがこのままでは戦いが長引くだけだ」

『悪い、俺があんたらの戦い方を知ってれば、技使うサポートできるんだが』

「仕方ないわ、私たちも敵の出方が分からず、貴方に頼りっきりだから」

 必殺の一撃を出せず、いまお互いにらみ合うしかできない両者。

 周りは瓦礫と化しているが、人気が無く、被害はいまのところ出ていない。

「しかし魔術・・・なんでもありだな」

 光の槍や剣、雷まで操る。龍のサポートがなければ致命傷になる一撃もあったが、どれも龍が危惧する術ではないようだ。

「・・・」

 こちらを見通す男、ユグドラシル。静かに見つめるは、

「ゲーデ、なぜ貴様は世界を守る?」

『・・・』

 話しかけるユグドラシルに、龍達はけして警戒を解かず、構えるしかない。

『・・・お前、俺の知っているユグドラシルじゃないな。お前こそ、なんで戦う?』

 それに対して、ふっと自虐的にほほえむユグドラシル。

「お前ならわかるはずだ、ゲーデ。私が生者ではないことを」

 そう言い、翼に斬られた箇所を見せる。それは鉱物、宝石のように輝く身体だった。

「何者かは知らないが、偽りの肉体を作り、私と言う人形を作り出した。理由はお前達と戦うためだ。あいにくとそこまでしか知らない」

「なんだと・・・」

 翼は驚きながら、ユグドラシルは鋭い視線で龍を見る。

「次は私の問いだゲーデ。世界の害悪にて、命が抱える矛盾の象徴よ。お前はなぜ、守護する側にいる?」

『・・・』

 黙り込む龍に、ユグドラシルはふんと呟きながら、思案する。

「お前は人の負、人の怠惰、色欲、憤怒、傲慢、強欲。数えればきりがない感情の固まりだ。醜く、愚かな人の心から生まれ、あまつ生み出した界より、否定された、生まれてはいけない存在。それがお前だ」

「!? なにを」

「実際全ての世界、ゲーデと言う存在は生まれた瞬間に消されている」

「「!!?」」

 それに驚くのは、二人だけでなく、それを聞いた全ての人だった。

「お前はいるだけで大罪と定められたモノ、なのになぜ、その世界のために戦う?」

 セレナとカノンノは黙り込む。実際そうだ。

 龍は、ゲーデは他の世界でも、世界樹の内に生まれ、浄化されている。

 意識を持ったゲーデは、龍の他にいるとニアタから聞いた。だが、それで終わっている。

 他の世界ではどうなのかわからない。負の感情、その象徴である龍は、

 

 

 

『・・・『チェーンソード』ッ』

 

 

 

 ためらい無く、不意打ちをした。

 地面から鋭い刃が、チェンソーのように刃を回転させ、ユグドラシルへと襲いかかる。

「!?」

『いまだ二人ともッ』

「ちょっ、それは」

「いくらなんでもっ」

 二人も驚くが、すぐに動いた。

 翼の剣は太刀から大剣へと変わる『蒼ノ一閃』を放ち、マリアは蛇腹剣を振るう。

「くっ」

 さすがに驚いたのか、ユグドラシルの表情がゆがむ。蒼ノ一閃を食らい、腕に亀裂が走る。

「ゲーデッ」

『ハッ、俺が害悪だぜッ。敵を倒すのに手段は考えねぇよッ』

 話し始めた際、ゆっくりと髪の刃を地面へと伸ばしていた龍。考え込むそぶりをして、視線を集めたりと、こそくな手を使った。

『俺の答えは一つ、知ったことかッ』

「!!?」

 ユグドラシルは驚き、龍は接近して、エイミングヒートを零距離で放ちながら、突撃する。

 地面にユグドラシルを削るように引きずりながら、その眼光を向ける。

『俺が悪? 別に構わないッ。世界だが知らん、知っちゃこっちゃねぇよッ』

「己を否定する世界、滅ぼそうと思わないのかッ!?」

 叫ぶユグドラシル、いつの間にか身体に髪が絡まり、龍は高く投げ飛ばす。

『知るかッ』

 その体制は二人は知っている。龍は両腕に負の力を集め、ドラゴンを作り出す。

『俺は俺だッ、世界だろうが神だろうがッ』

 拳と脚による打撃の嵐、そして胸にアッパーを放ち、体制を崩させる。

『俺を殺せるのは、セレナ、ディセンダーが持つ救世の光のみッ』

 ドラゴンが大きく口開き、ユグドラシルのが見開く。

『希望しか俺を殺せねぇよッ、黒喰龍ッ』

 ユグドラシルは黒喰龍に喰われ、龍は吐き捨てる。

『俺は壊すだけだ。誰かを守ったりしたことは一切合切絶対的に徹底的にあり得ない』

 そう言い、手応えに気づく。

『チッ』

 盛大に舌打ちして、口を開くが、そこにユグドラシルはなく、

「なるほどな、それがお前の答えかゲーデ」

 別の場所にいるユグドラシル。龍は体制を大きく動かし、かなりの隙を見せるが、二人がサポートの体制であるため、ユグドラシルは攻撃せずに見ている。

「これは」

「黒喰龍は確かに捉えていたはず・・・」

『瞬間移動かッ、くそッ』

 内心そんなことできるのかと驚く二人だが、龍はまた臨戦態勢を取り、ユグドラシルは笑う。

「世界の害悪、矛盾の存在よ。お前はいずれ、仲間達に殺されるだろうな」

『別にそれは構わないが』

「「龍っ!?」」

 翼とマリアは声をあげたが、それにユグドラシルは笑う。

「お前は・・・壊れているな」

『だからこそ、敵対してるんだろ。災いさん』

 ユグドラシルは静かに、龍を見つめながら、亀裂の走った腕を上げた。

「ならばこれに対して、どう行動する?」

 瞬間、空が光り出した。龍は、

『(ジャッジメント)』

 放たれる光の柱に、すぐに対応しようとするが、

『!?』

 方向は自分らではなく、別の、

「「『側の建物っ!?』」」

 しかもそこには、

「しまっ」

 戦いの様子を見ていた緒川がそこにいた。

 三人はすぐに動いた。龍はチェーンソード、マリアは蛇腹剣、翼は剣で光の柱を防いだが、

「固まったな」

 その瞬間、中心にユグドラシルが現れた。

 三人は気づき、龍は髪で緒川だけ距離へとぶん投げた。だが他は無理だった。

 

 

 

「『慈悲をくれてやろう。痛みすら感じぬッ。時を統べる力。タイム・ストップ』」

 

 

 ユグドラシルを中心に、灰色の空間が三人だけでなく、ギリギリで緒川以外を飲み込んだ。

 その瞬間、翼達の思考は停止した。

「これは」

 体制を整え、驚愕する緒川。

 瓦礫までも宙に止まり、全員が一斉動かない。

「時間を止めた、世界の害悪とて、時の理には逆らえない。いや、その身を人にした時点で、致し方ないことか」

 また空間移動し、彼らの斜め上の頭上に現れる。

 そして彼らを囲むように、光の魔法陣が現れ、無数の剣が現れた。

「!!?」

 緒川が拳銃を取り出し、ユグドラシルに放つが、微動だにせず、気にもとめない。

「二人の装者、そしてゲーデよ。痛み無く散れッ」

 だが、

「!!?」

 地面、翼達の地面から、銀色の刃が生え、翼達に巻き付く。

(あの男をかばうようにしたのは、動きを隠すためか)

 髪は動いていたのは知っていたが、まさかタイム・ストップ外まで地面の下に忍ばせて、攻撃に対する防御の術を隠していた。

(こざかしいが、己の身は考慮せずか)

 ユグドラシルは自分を守らない龍に対して、渾身の一撃を叫ぶ。

「『プリズム・ソード』」

 

 

 

「「!!?」」

 ユグドラシルが何か叫んだ瞬間、場面が変わるように意識を取り戻した翼達。

 まず全身に巻き付くのは龍の髪であり、それが光の剣を防いでいると感じ取ったときに見たものは、

 光の剣で貫かれて、鮮血を流す龍であった。

「「龍っ」」

 だが、

『取ったッ』

「!!?」

 タイム・ストップをすれば、必ず力を込めた一撃を放つだろう。

 緒川を助けるように投げれば、それに気を取られ、地面に忍ばせたチェーンソードに気づかないだろう。

 それがもし翼達を守るように動けば、より気づかないだろう。

 ミシッと、地面から何かが吹き出した。

『チェーンソードッ』

 本命、チェーンソードの一本は、ユグドラシルを貫く瞬間、そう叫んだ。

 

 

 

「ぐっはっ」

 身体に亀裂を走らせ、痛みらしきもので顔をゆがませるユグドラシル。

「きさ、ま」

『翼ッ、マリアッ。あとは任せたッ』

 もう自分は追撃はできない。さすがにダメージがでかい。

 それに二人は驚きつつ、胸のブローチへと手を伸ばす。

「させるかッ」

 ユグドラシルは貫かれたまま、追撃しようとするが、発砲音が鳴り響く。

 それを無視して、魔術を使う。はずだった。

「!!?」

 一瞬身体が動かず、困惑する。

 緒川が撃ったのは、ユグドラシルの影への発砲。

『影縫い』という技が、彼女らの必殺をする隙を生んだ。

「「イグナイトモジュール、抜剣ッ」」

 それを使用したとき、

『(・・・!!?)』

 世界が動いた。

 

 

 

「これはっ!!?」

 突如司令室にアラームが鳴り響き、弦十郎達は困惑する。

「どうしたっ!?」

「イグナイトモジュール並び、聖遺物、天羽々斬並び、アガートラームのエネルギーが上昇ッ、尋常じゃないエネルギーですッ」

「イグナイトモジュールの効果じゃないのかっ!?」

「違いますッ、それどころか、これは・・・」

 弦十郎の叫びに、エルフナインは困惑する。

「イグナイトモジュールでの翼さん達に対し、悪影響はありませんッ。パワーだけが尋常じゃないほどあがってますッ」

「なぜそのようなことが」

 司令室のアラームはいまだ鳴り響く、モニターのマリアと翼から、霧を通り越し、光のような柱が立ち上がる。

 

 

 

「これはっ!?」

「力だけはあふれてくる・・・違う、前以上に使いやすくなっているっ!?」

 二人の装者は困惑していた。少し慣れたとはいえ、イグナイトモジュール時にはかなりの精神が必要なのだ。

 だがいまはそれが、嘘のように無い。

 むしろ使いやすく、なにより身体に変化はない。悪影響だけが綺麗に消え、力だけが増していた。

「これは、どういう」

『ぐっ』

「!?」

『グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ』

 

 

 

 モニターの中の龍が叫び、その姿は銀髪とオッドアイだけの龍になる。

 オペレーターはそんな中、そんなバカなと驚く。

「どうしたっ」

 弦十郎もまた現状を把握するために叫び、エルフナインも検出された結果に驚く。

「そんな・・・そんなことが」

「なにがあったのっ!?」

 響の問いに、エルフナインは叫ぶように言う。

「龍さんから聖遺物、天羽々斬とアガートラームを感知。龍さんからお二人の聖遺物の力が流れ込んでますッ」

「デスっ!!?」

 全員が驚く中、それでも戦局は動き出す。

 

 

 

「龍、これは一体っ!?」

「翼さんッ」

 緒川の叫びに我に返り、龍に近づくよりも早く、ユグドラシルを見る。

「『グランドダッシャー』」

 地面が揺れ、津波のように押し寄せてくるが、

「マリアッ」

「わかってるッ」

 龍をかばうように前に出て、剣を一降り、本人は一降りするだけだが、

「なっ」

 それは大地を削りきり、グランドダッシャーを切り裂いた。

(翼じゃないのに、なんなのこの力・・・)

 剣撃だけが飛び、ユグドラシルを捉え、後ろへと後退させる衝撃破。だが自分はそのつもりで振るったわけではない。

 二人とも瞬時に自分達、シンフォギアの外装を確認する。だがエルフナインによる強化されたイグナイトモジュール時の格好、姿そのままだ。

 変わっているのは、聖遺物の力のみ。

「くっ」

 それでも戦局を終わらせることを第一にするため、翼は歌う。

「くっ、はっ」

 身体に亀裂を走らせるユグドラシル。弱っていることもあるが、やはり圧倒する翼。

 彼女は歌う、ユグドラシルと言う敵を倒すため、

「これが奴が言っていた、イグナイトモジュールか」

 そう呟くユグドラシルに、必殺の一手を放つ。

 炎を吹き出し、鳥のように羽ばたく翼。

 その勢いのままに、ユグドラシルを切り裂いた。

「・・・見事」

『羅刹霧ノ型』に対して、ユグドラシルはそう呟く。

「・・・これでまた眠れる」

「!!?」

 それは先ほどまで聞いていたユグドラシル。歳相当の声ではなかった。

 まるで少年のような声で、ユグドラシルは砕け散る。

 

 

 

 なんだ。

 頭が痛い、雑音がひどい。

 頭に響く、なんだこの雑音はッ!?

 ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ・・・

 そんな削るような感覚が、音が左右から聞こえ、だが、

 ・・・歌?

 誰かの歌が聞こえた。

 滅びを願う歌、そう思える歌だが、

 泣いている?

 意識が消えそうな中、女性の、誰かの歌が雑音の中で聞きながら、俺は意識を手放した。

 

 

 

「龍っ!?」

 シンフォギアを解除した二人は、龍に近づく。

 龍は血を流しながらその場に倒れ、緒川が脈を確認する。

「これは少し、早く病院へ運ばないと」

「ええ。だけど」

 マリアは頷くと同時に、自分達の聖遺物を見る。

 何事もないが、明らかに異常なことがおきた。

「マリア感じたか?」

「ええ、とてつもない力が、イグナイトモジュールを通して流れ込んできたわ」

 それと共に倒れる龍。なにか関係あるだろう。

「とりあえずいまは」

「日本に戻らねばなるまいな」

 そう思いながら、気を失う龍を見ながら、夜は過ぎていった。

 

 

 

 エルフナインは少し徹夜した。

「クイッキ~」

「ああ、僕なら大丈夫だよクイッキー」

「クイッキー」

 昨日のデータを見て、結果を報告する。

 いま装者達とカノンノ達はいない。真夜中、というよりもうすぐ朝だが、すぐに報告しなければと、起きている弦十郎達、緒川に連絡したのだ。

「それでなにがわかったんだい?」

 弦十郎の言葉に、少しだけ緊張しながら、仮説と推測が混じっていると付け加え、ある可能性を説明する。

「イグナイトモジュールと聖遺物、この異常な強化ですが、おそらく龍さん。ゲーデが関係あると考えられます」

「龍くんが?」

 はいとつぶやき、モニターを操作。それは龍と仮定された黒いコマと、装者達、各々の色のコマだった。

「まず聖遺物並び、イグナイトモジュールの機能に関しては、全く問題はありません。ですが、問題があるとすれば龍さん、ゲーデの力です」

 キーを叩きながら、コマの龍が黒い力、外装のようなものに包まれる。これはゲーデ状態の龍を表しているのだろう。

「龍さんやカノンノさん達のお話では、龍さんは自らの負や、世界に存在する負の感情を纏うと言う形で、あの姿になっているということです」

 そしてと、今度は蒼と銀、翼とマリアのコマが前に出る。

「イグナイトモジュールは本来暴走状態の装者であるみなさんをサポートする機能です。暴走状態はみなさんが知っている通り、響さん達の負の感情が原因でおきる状態で、ここからは仮説ですが」

 そう言い、モニターの中で、蒼と銀が黒い鎧を纏うと同時に、矢印、黒いベクトルが龍へと流れ込んでいるように写す。

「おそらく龍さんは、イグナイトモジュール時のみなさんの負の力を吸収していたと推測されます」

「龍くんが翼達の負の感情を?」

「もっと言えば、聖遺物の力をです」

「!!?」

 弦十郎はエルフナインか言おうとすることにいち早く気づき、めまいを起こしそうになった。

 龍は聖遺物、シンフォギア装者ではない。

 資格無き者が聖遺物を扱うことが自殺行為と言うことは、彼らが一番、よく知っている。

「おそらく負の感情と共に、龍さんは天羽々斬と、アガートラームを取り込み、拒絶反応で倒れたと推測されます」

 それならば、イグナイトモジュールを発動させた際、倒れたのに頷ける。だが、

「だが翼達は? あの力の強化は」

「それも仮説ですが、龍さんと一時繋がった状態になった聖遺物が、より純度の高いエネルギー源を得て、強化されたと思われます」

 簡単に言えば、龍は百パーセントを超える聖遺物を制御並び、運用てきる器がある。

 だが、龍は聖遺物を扱うことができないため、器である龍は壊れる。

 結果的に言えば、

「それって、装者である響ちゃん達が、龍くんから力を奪い取っているって」

 オペレーター男性の不用意な言葉に、女性からにらみで黙らせられる。

 だが、エルフナインはうつむいたまま、

「エネルギーのやりとり上、そう言う結論です・・・」

 その言葉に司令室に長い沈黙が訪れる。

「・・・ちなみに、彼を配慮しない場合、装者達による負担は?」

 聞かなければいけない立場である弦十郎は、渋々訪ねる。

 もしもこのことが公になればどうなるか、考えたくない。だが、万が一の場合、どんな事態であっても覚悟しなければいけない。

「響さん達には全くと言っていいほど無害です。むしろ無制限に近いほど、力が強化されると思われます」

 ですがと、付け加え、

「その場合、龍さんは・・・」

 静かに、

「確実に絶命します」

 はっきり、そう結論づけた。

 

 

 

 そこは真っ暗な闇だった。

 なにもない闇の中、それは静かに布を広げた。

 銀色の布と、蒼い布。平たく床に広がり、しばらくすると、何かが起きあがる。

「おめでとう」

 それは静かに呟いた。

 布で全身を隠したそれらは、体を動かし、調子を見ている。

「まだ君らは動かせないよ。まだ手を動かすわけにはいかない、まさかもう精霊達に気づかれるとは思わなかった・・・」

 そう言いながら、蒼は静かに、

「笑止、私を早く、ゲーデのもとに」

「あら、抜け駆けする気?」

 銀色はそう言い、無言になる蒼色。それにまあまあと落ち着かせる。

「まだ問題があるんだ。橙色の子、あれは不完全でね、君の力を少し使わせてもらうよ」

「・・・」

 銀色は黙り、橙色の布に包まれ、鎖に巻き付かれたそれを睨む。

「まだ焦らなくていい、それに、次動かすのはユグドラシルとは違って、制御できないから、出ない方がいい。よけいな戦闘はしたくないだろ」

 それに黙り込み、闇の中にとけ込むように消えた。

 静かに見送りながら、それは暗躍する。

「ゲーデ、君と相まみえる日を、楽しみにしてるよ・・・」

 それもまた闇のとけ込み、静寂が訪れる。




作者「戦姫絶唱の小説が少ないから始めたが、仮面ライダーともやりたいんだよね」
龍「出すなよ。テイルズオブだけで十分だし、他の話も終わってからにしろよ」
作者「ちなみに君は不死?と言わんばかりに殺る気だから、安心してチート」
龍「おう」
作者「おもにマリアとクリス辺りに殺ってもらうから」
龍「!!?」
作者「しっかし次回、君じゃなくカノンノ達の親睦会なんだよな。テイルズキャラも出さないといけないけど、誰だそう」
龍「待て、敵との戦いならともかく、マリアとかってなにっ!?」
作者「・・・セレナとラブラブ?」
マリア「少し話良いかしら?」
龍「待て、俺はなにもしてないッ」
作者「いまからしたことになるんだ」
マリア「・・・」ずるずると龍を裏に連れて行く
作者「マリアはこれでいいとして、この先どうなるんだろう。セレナの扱いとか、がんばります。それでは茶番はここで。お読みいただき、ありがとうございます」
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