メルキド周辺でドラゴンは結構出るし、竜王との対決になると私以外の〈ロトの子孫〉もドラゴンとの戦いがこれから増えると思われる。あらためて対ドラゴン戦術を練り直す必要が出てきた。今までは時間を稼ぎ死人を出さず、人々を逃がすことばかりしていた。
私がローラ姫を守っていた竜を倒すまで、竜を殺せたのはコテツ一人だった。
だが、あの試練以来、コテツは心を閉ざし、一人でほとんど自殺としか言いようのない突撃ばかりしている。
ガライの墓の幻で、一体何をしたのか……無論、それを責められる者など誰もいない。
その口を開かせるには、苦労した。何日も一日中そばにいて、一言も口をきかずに共に剣を振るい続けた。
やっと、凍りついた口がわずかに開いた。
「落とし穴だ。リカントを狩ろうと、掘っていたのにドラゴンが落ちて、たまたま杭が喉に刺さった」
そして長く、沈黙している。
「魔法剣が使えたから、手を癒しながら、何度も斬りつけた」
そういいながら、深い罪悪感に押しつぶされた目をしている。私には、何もいえなかった。他の、試練に敗れた人たちも。
そして、本当は泣き叫びたいが、それをしたら壊れてしまう、とばかりに次の戦場に立った……ルーラで一人、私から逃げるように。
だが、それはそれで貴重な情報だった。
〈ロトの子孫〉の基本装備は、まずAK-74と、比較的小さめで分厚くすぐに外せる鉄盾、両手でも使える30~60cmほどと柄の長い長剣、そして改良された魔法の鎧だ。
魔法の鎧は本来、魔法で加工した皮に軽金属板を縫いつけたものだが、〈ロトの子孫〉はかさばり動きにくい鎧を嫌う。
かといって、剣技を使うため大きすぎる盾も持たないので、足も含め充分な防御が必要だ。
回復呪文を使えるものが多くAK-74がある。
少人数で、ルーラで素早く襲われているところに移動し、時間を稼ぐ戦いが多い。しかも守る相手である人々からも隠れて。そうなると、服の延長で、しかも頑健でなければならない。
というわけで、上下とも手首足首までの下着、その上に特殊な魔法で加工した皮服、その皮の裏の、スネや胴など要所だけに魔法で精錬される軽い金属の薄板を縫いつける、という組み合わせになる。見た目は普通の服で、鉄の鎖帷子より軽い。
〈ロトの民〉の皮衣よりは重いが、アレフガルドやムーンブルクの貴族が自慢げに着る鉄板鎧よりずっと軽いし、頑丈だ。
ドラゴンの頑丈な鱗皮を貫けるのは、魔法剣と烈光拳のみ。
弓矢や投槍で倒せたことはない。攻城用級のクロスボウは、先にドラキーなどが潰すので命中した例がない。
銃弾でも喉など柔らかい部分しか貫通していないようだ。少なくとも致命傷は与えられない。
ドラゴンには強力な回復力があるし、狭い洞窟にいることも多い。
魔法剣は使い手が少ない上に、私以外は使うたびに手を負傷する。私でも、うっかりドラゴンの炎に関する器官を刺したり、過剰な魔力をかけたりしたら剣が溶け失せる。
ウリエルが残した、大量のAK-74と弾薬を参考に、より強力なのを作ろうとしてる人も、いつも何人もいる。
でも、AK-74が使いやすいので、どうしてもそちらが使われてしまう。
黒色火薬や綿火薬を弾薬の雷管で発火させることはできるが、それをどう使えばいいかが難しい。ピクリン酸とやらはまだ合成できていない。
手榴弾を再現しようとする人もいるが、なかなか安全にならないで事故による死傷者が出るし、その距離は魔法のほうが強い。
本に「鋳鉄で」とか「青銅で」とか「日本刀の製法を応用」とか書かれていても、それですぐにできるわけではない。
せめて歴史小説に出てくるような、手で持てる火砲ができればいいのだが。
フバーハを復活させようと、何人かの長老やサデルが前から研究している。
ヒャドを応用して、キメラ相手にはダメージを少し軽減させることができているが、やはり決定的なものはない。
盾の耐熱性を上げるのも研究された。砂型は鋳鉄より高温に耐えるから、そちらにしようとか。
大量の水を含ませた布の大きい盾、と思いついた子がいた。
厚手の上着に水、というのはキメラ相手に試したら全体が熱湯になって大火傷になったので、即却下された。ドラゴンの炎だったら蒸し焼きか直火焼きか鉄板焼きかの違いだけだ。
ドラゴンの炎は鉄をも溶かす。全身を厚い鉄板鎧で包んでも即死。それは、緒戦やローラ姫がさらわれたときの騎士団で実証済みだ。
〈ロトの子孫〉の戦いは、徒歩で素早く移動して魔物から人々を逃げる時間を稼ぐ、というものだ。
〈ロトの民〉と同じように馬を使うこともたまにあるが、あれほど人馬一体ではないし、接近戦が多い。
どうしても、重い鎧や大砲は難しい。呪文と、大きい盾を工夫するぐらいしかできない。
できるだけ落とし穴を仕掛けて足を止める。
力の強い者二人で持つ大型で、中が空洞で大量の水を入れた重い盾というか移動壁で身を守る。それで炎に耐えて距離を詰め、フバーハもどきの援護で拳士と魔法剣士が飛び出して集中攻撃。一撃離脱し盾の影にいる僧侶が回復呪文、という戦術がうまくいった。
手に持つ盾を、水を入れた薄い陶器を表、その裏に厚フェルトとし、手で持つだけの使い捨てにしたのも有効だった。
とにかく、うまくいくかどうか工夫して試すのがウリエルの、ロトの掟だ。
後にその苦労のことをウリエルに言うと、大口径ライフルも置いていけばよかった、と謝られた。
だが、長い年月があったのに、私たちが工夫を怠ったのが悪い、とも言われた。弾薬の雷管で簡単な火砲や手榴弾は作れた、と。
「さて、それでどうする?」と、みんなを集めて相談してみた。
メルキドの入り口は、ずっと暴走したゴーレムが守っている。
ゴーレムには銃も呪文も効かないし、メルキドへの出入りはルーラでできるし城壁に切れ目もあり、それなりに交易はできているので、痛い思いをしてまで倒す必要はない、とされていた。
だが、メルキドの予言者でもある首長は、ゴーレムを倒さない限り炎の剣も売らないし、ロトのしるしの場所も教えない、と言っている。また、ロトの鎧の本物がドムドーラに伝わっていたことも知っており、それを取り戻さない限り認めない、とも言う。
ではドムドーラに行くか。
それまで、私はドムドーラにロトの鎧がある、と報告してはいたが、要するに信じてもらってなかった。そしてドムドーラに下手に近づくと犠牲が大きいし、もう逃がすべき人もいないから、近づかなかった。
みんな、いろいろなことを考えて、いろいろなことをしろと言ってくる。
話を聞いてから、ドムドーラに行くことにした。やはりドムドーラに近づくのにはためらいがあった、だからこそ嫌なことを先にしておこう、と判断した。
メルキドからドムドーラもかなり長い旅になる。途中にある普通の村や、〈ロトの子孫〉の隠れ里、難民を逃がして守っている砦などに寄りながら、少数精鋭で向かった。
砂漠越えの旅は、それだけでも大変だった。家畜も倒れる暑さと、圧倒的な水不足。
私はメルキドに行ったことはなかったが、ドムドーラからメルキドに逃げ延びた〈ロトの子孫〉はいるので迷いはしない。
砂漠と言っても砂だけのところは少なく、大抵岩場なので、特徴を覚えていれば簡単に分かる。まして〈ロトの子孫〉は方位磁石を使っている。
廃墟が見えたときは、それは衝撃だった。世界一美しい都と思っていた、幼い頃は世界全部だったドムドーラが、徹底的に破壊されていた。
あちこちに潜む魔物。
私は、自分の家に走りそうになるのを抑えていた。他の、ドムドーラ出身の〈ロトの子孫〉がそれを抑えているのはわかっている。
干しナツメヤシを商っていたメレスの館の廃墟から、突然出現するドラゴン!
「盾を!一班以外は散開して調査を続行!」私の叫びに、素早くコテツが一人で、畳二枚分はある、人間の体重の倍はある陶器の盾を持ってくる。
内部には水が満たされている。激しい炎が叩きつけられるが、水が沸いて熱い湯気となって、上の穴から吹き出す。
背後からヒャダルコが連打され、繰り返し水が霧に戻る。
水がなくなっても、陶器の盾はしばらく炎を防ぐ、ドラゴンの巨体と爪が打ち砕くまでは。
「みんな、左の壁の裏に隠れろ!」
知り尽くしている。絹染め屋のフェエム、嫌な人の家だったが、日干し煉瓦と土の壁は分厚く、中は昼涼しく夜暖かい。
私が最初に飛び出し、喉にAKをフルオートで流し、即座に剣に稲妻をまとわせてその穴を突き抜き、ドラゴンの体によじ登る。
そこが逆に安全地帯だった。
逃げた仲間を追う炎が、分厚い壁に阻まれる。表面の漆喰は泡立ち溶けるが、分厚い壁は貫通できない。
私を食いちぎろうと無理にまわしてがら空きになった喉、飛び出したオサミツの、光の拳が突き刺さり、爪と尾が振るわれる前に分厚い壁の裏に逃げ込む。
そして私は、もう一撃。二本目の剣を抜くと、背骨と思しきところを突き刺し、断末魔に激しく暴れる巨体に吹っ飛んだ。
地面に叩きつけられた私を襲うスターキメラとキラーリカント、だがそこを、両手に長剣を構えたコテツが飛びこみ、立ち上がりかけた私を蹴り飛ばした。重傷を負っていることは分かった。
倒れたドラゴンを横目に見ながら、なんとなく私の、かつての家に走った。剣を失って。
となりは、ゆきのふさんの武器屋。木が目印。
一瞬、何か強烈な気配を感じて飛びのく、それでもかわしきれず胸板を切られ、そのままムツキの手刀より鋭い斬り返しが、真下から股間に打ちあがる。
剣を失って、飛びこんで相手の右手を押さえたので助かった。よけようとしたり、剣で反撃しようとしていたら、下から唐竹だった。
主なき鎧の戦士。右手に巨大な斧、左手には頑丈な鉄盾。武闘家の応援を待っても、勝てないだろう。
私も、武器無しでは勝てないし、背の銃は役に立たない。今の、軽量化した魔法の鎧では役に立たない。
だが、私は奇妙なほど冷静だった。知り尽くしている場所、危険はまるで感じなかった。
集中する、周囲に何があるか、わかりすぎている。
ぽん、と相手の斧の柄に登り、凄まじい力を利用してジャンプ。幼い頃よく登った木の枝をつかんで方向を変える、そこに刃風がゆきすぎる。疾い、かわしきれず、左肩をかなりひどくやられた。
落ち、転がって強烈な一撃をかわす。壁どころか床まで断ち破り、巨大な岩が砕け転がる。起き上がったところにもう一撃、巨木に斧が深く食いこむ。
その一瞬に傷の痛みをこらえ、壁の穴から店の、厚壁に見せかけた半地下室にもぐる。狭く頭もつかえそうな部屋だ。
ゆきのふさんの家はとても古い武器屋。秘密の地下室には、非売品がいくつかある。幼い頃ゆきのふさんが点検するのをのぞいて、両親に怒られたことがある。
私を連れて逃げるとき、ゆきのふさんが持っていたのは、極上だったが魔力はない鋼の剣だった。時間がなかったのだろう、何時間もかけて岩をのけなければ開かない。鍵ではなく、岩の重さ自体で守る。そこらの王墓より厳重だ。
薄い金属で作られた長い箱を開けると、かすかな光に背筋が寒くなる青い輝きを返す、長くかすかに反った不壊の刀身。吹雪の剣。
そして、複雑な文様が刻まれた大ぶりの円盾。力の盾。
盾の握りにある宝玉を傷口に触れさせると、瞬時に治るのが分かった。そして握れば、壁も石床もおかまいなしの斧を、盾は簡単に受け流す。
剣を握り、相手の斧で広がった穴から飛び出す、一撃入れながら。
普通は主なき鎧に剣はほとんど効かず、鉄棒のような武器でひん曲げるしかない。が、この剣は別だ。斬った場所にみるみる、毒沼の水気が凍りついていくのがわかる。
「ありがとう、ゆきのふさん」そう、死んだ隣人に改めて感謝する。
剣の魔力を解放すると、強力な冷気が周囲に放たれ、鎧全体を、足元を凍りつかせたのが分かる。だが、魔法に耐性がある悪魔の騎士は、凍った足を引き剥がし、恐ろしい速さで襲ってきた。
この装備でも、強敵には違いない。あらためて集中する。両親の教えが、自然に心に蘇る。
「呼吸、それが全ての基本だ」「集中して、肩の力を抜きなさい」「ただ踏み込めよ先は極楽、だぞ」「相手を倒そうとしすぎないの、相手に打ってもらって、それに合わせればいいのよ」「打つ瞬間だけ、ちょうど銃弾のように。ほらこう」「きれいでしょう?パパの拳は。ラファエルがゾーマから習った技ですって」「残心を大切にしろよ」
両親と、稽古していた幸せな時間。幸せだったのだろうか、毎日瀕死になるまで走って基礎の反復練習して、ぶちのめされ続けた、とも言う。
ふっと、頬に微笑が浮かぶ。
歩み寄る足。正面から巨大な斧が打ち下ろされる。ものすごく大きく全身を使って、凄まじい勢いで。
打ってもらって、感謝して、合わせる。
初めて手にした吹雪の剣で、その魔法を刀身に乗せるのは呼吸と同じように自然だった。
騎士の右手首が切り落とされ、氷で傷口がふさがれる。
抜けて返った、そこに左手の盾が強烈に打ちこまれ、次の瞬間強烈なミドルキック。残心を意識していなければ受けられなかった、この威力!力の盾で受けても、体ごと吹っ飛び、全身の骨がきしみ、息が詰まる。
そこからが、その騎士は強かった。盾を攻防どちらにも使い、ドラゴンの尾のような蹴りと、銃弾のような右の肘打ち。
石壁がローキックの一撃で粉砕される。勢いを殺さず回転し、全身が伸び上がり右肘が下から胸板をかする、それだけで呼吸ができなくなり、振るう剣が止まる。力の盾が傷を癒してくれなければ、そのまま死んでいた。
母が得意とする全身での袈裟。父の拳にあるように深く踏みこみ、またぐように着地し全身で突く。
どちらも剣の魔力が乗り、板金鎧を深く切り裂き傷跡を凍りつかせている、それでも悪魔の騎士はひるみを見せない。
完全に破壊されるまで、戦いは終らない。
ただ踏みこめ。螺旋。力を抜き、体当たりを柔らかくそらす。自然に口は、雷電呪文を唱えていた。
剣の凍気を解放し、同時に稲妻を乗せる。全身で描く袈裟の円。
両断した、それでもこいつは諦めず、振るわれる盾の縁が腕をえぐる。
動く部品、全てを魔力を乗せた魔剣で断ち切る。
やっと動きを止めた、私も一瞬力が抜けて、壁に寄りかかった……そしたら、また壁が崩れた。
転んだ私は地下室の、さらに壁土を砕いて取り除かなければ見えない場に描かれた、ロトの紋章を見た。
まさか。吹雪の剣を傍らに置き、紋章に手を触れる。瞬間、不思議な輝きと共に、すべきことが分かる。
私は傷だらけの、魔法の皮と軽金属の薄鎧を脱ぎ捨て、傷口から血を落とした。より輝きが強まり、石床が崩れていく。
そこには、鎧があった。青。深い深い青。太陽のように輝く青。兜こそないが、靴から手首までくまなく覆う、完全な全身板金鎧。
触れた瞬間、その鎧は命あるように分解され、瞬時に私の体を包んでいく。首筋、肩、腕。胸、腹、腰、脚、膝、スネ、足。
薄い下着のように、軽く体にぴったりと合う。同時に、稲妻に打たれたように力と、心が流れこむ。
ミカエラ。勇者ロト。その魂と、共鳴したのが分かる。
「ロトの鎧」
そう、つぶやくと、見回した。
何人かの〈ロトの子孫〉が待っていた。
何も言わない。
そう、私は勇者だ。それが、この鎧を身につけるのは当然のことだ。
「ここには、まだ素晴らしい武器や防具があるはずだ」と、ゆきのふ家の地下室を示す。
普通の店頭で半ば錆び朽ちていた鋼の剣や鎧でさえ、リムルダールの最高品質をしのぐ品だった。破壊された炎の剣も二本分、水鏡の盾も傷ついているが使えるのが一つあった。
地下室には他にも、竜の鱗を用いた鎧が二領、手甲から伸びる薄い特殊鋼のドラゴンキラーが三振り保管されていた。
そして、ゆきのふさんの、内部は炎に焼かれた家の、隣。
小さすぎる、三畳程度のあばら家。だが、それは半ば偽装で、地下は快適な六畳ほどの部屋。
私が生まれ、育った……両親が逃げ、隠れ住んだ部屋。
地下の部屋の家財は、焼けていた。鉄箱を開けると、たくさんの本が半ば炭化していた。小さい頃楽しみ、学んだ本。両親が産婦人科医や上下水道の仕事に使った本やノート。ソロバン。私が、漢字や計算を練習したノートや落書きが、大切に保管されていた。医療器具、カビを培養するための器具。どんな大金より大切といわれた、精密に長さや角度を測る道具。ありあわせの粘土で作り、猛火に焼かれて固まった、四つの人形……ミカエラ・ラファエル・ガブリエラ・ウリエル。グインの落書きも。
私はいつしか、泣き崩れていた。
〈ロトの子孫〉の皆も、もらい泣きしながら放っておいてくれた。
だが、ミカエラの人形が、私を叱咤した。
立ち上がる。勇者の務めを、果たす。私情は否定しない、でも公の戦いも全力でやる。
私は絶叫して、小さな地下室から飛び出した。
「死傷者は」
「コテツがまた重傷を、ほかは、全員かなりの火傷を負っていますが」
「南側はドラゴンが多く、まだ行動できません」
「わかった。行こう。アルメルスとハスデヤ、武器屋で発見した武器と鎧を着けて。ラメエラ、コテツを担ぎこの」と、ドラゴンキラーの一本と力の盾を渡す。「剣と盾を持ちルーラで離脱」
「だ、だいじょ……はい、武器屋で発見した剣と鎧をお借りします」
「コテツを無理にでも担いで、荷物と共に雨のほこらへルーラ。かしこまりました」ラメエラの目に、恨みにも似た光があった。
「ラメエラ。勘ちがいするな、足に重傷を負っているだろう?誰かが必要な仕事をしなければならないし、強力な武器や防具を研究することは、そして君が生き延びることが、必要なんだ。……一言、言っていいよ」目に誠意をこめて笑いかける。
「共に戦い続けたかった、ですが命令に、従います。勇者アロンド、わが親友ミカエルとラファエラ……ご両親やご近所の……お察しいたします」泣き崩れるのを鋼の精神力で抑える微笑と共に、初老の女がコテツを眠らせ、剣や盾と共に担いで呪文を唱え、消える。
そして私は吹雪の剣を手に、勝手知った砂漠の街を走り続けた。〈ロトの鎧〉は防御はもちろん呪文や炎に対する耐性も桁外れに高く、しかも着けているだけで傷を回復し続ける。
三日、戦いが続いた。
完全に解放したとは言えない。魔軍は次々と新手を出す。
だがロトの鎧は手に入れたし、一応目的は達成したと判断し、ドムドーラから全員離脱した。
ロトの鎧は象徴としての価値が大きいと何人かに言われ、すぐラダトームに向かって、宮廷で見せてみた。
大評判になったし、ローラも喜んでいた。偽物だという人もいるが、ドムドーラのゆきのふ家に預けたことは王室は覚えているし、第一偽物でないことは、私の体が一番よく知っている。
それからすぐ、メルキドに向かった。
周囲をコテツたちが守っている。それだけでなく、〈ロトの子孫〉のことがばれない程度に、王宮から何人か若い貴族も連れてきた。これもまた、相談したみんなが出した思いつきの一つ。
銃は通用しないし、人に見られてはならないので持たない。吹雪の剣も貴族たちに見られて欲しがられ、無用なケンカになるのを避けるため、隠した。
かわりに特注の、鉄棒と言っていい鋼の剣や両手持ちハンマーやツルハシを何本も持っていった。
門前に、身長の三倍はある、硬いレンガの塊がそびえている。まるで塔だ。
まだ大丈夫だろう、と思っていたら、突然、きた。カンで飛びのいた、すぐ前に太さが私の身長よりある腕が、見えない速度で振り落とされる。
それが瞬時に跳ね上がるのを、盾で受けて私自身が飛んだ。かなり遠くまで吹き飛ばされた。
盾など何の役にも立たなかった、かすめただけなのに。ロトの鎧がなければ、即死だった。
この巨体と重量で、この速さ?魔法が効かないのは実証済み。人間には、ドラゴンでも勝てるわけがない。
ウリエルがいれば瞬時に粉砕するだろうが、いないものはいない。
「こいつを竜王のところに連れて行ってぶつけられればな」本気で独り言を言うと、妖精の笛を吹く。確かに動きを止めた、その間に飛びこみ、ツルハシを叩きつけた。
刺さりはする、でも指で土を押してへこむ程度だ。焼きレンガの固さはある。うんざりした。この調子で倒すのは、無理だ。
また、超高速の落石が頭上から落ちてきたのをかわし、飛びのくと笛を吹き、長めの長剣を手に舞う。稲妻の嵐が渦巻き、刃が白く輝く、それでまず、一抱えもありそうな右足を膝上から断ち切った。
ついで左足、と思った時に、いきなり凄まじい勢いで吹き飛ばされる。
内臓が潰れたのが分かったが、一瞬だけ集中し、ベホイミでできるだけ癒した。
呪文を唱え終えた瞬間、また地面に叩きつけられて凄まじい痛みになる。
もう一度、ベホイミ。それで何とか立てる!また笛を吹き、呪文を唱えて剣を舞わせ、手足に切りつける。その繰り返し。
見えないところから、仲間が回復呪文をかけ、魔力を貸してくれる。こっちは、即死しないことと痛みに耐えて集中すること!
最後の一撃が頭を貫き、ゴーレムが完全に動きを止めた。そのとき、私も激しい疲れに崩れ落ち、凄まじい痛みにもかかわらず指一本動かないという地獄を見た。
背後で、のんきに観戦していた若い貴族たちの歓声が上がる。
それが、政治的に必要なのはわかっている。ラダトーム宮廷に残っているローラが恥をかかないためだけでも、これぐらいはなんでもない、そう思いたかった。
そして、メルキドの貴族が私を助け起こし、正門から迎え入れる。
従僕に変装したオサミツが駆け寄り、回復呪文をかけてくれた。その表情に、何か大変なことがあったのは察したが、今は外交を優先しろ、と目で言われた。
それでラダトームの貴族をつれて、メルキドに入る。
昔、ゾーマの頃には気力を失っていたと聞くが、意外と活気がある。暴走したゴーレムに守られた広い城壁の中、竜王の災い全部を無視して、内部でほぼ自給自足してた、というわけだ。
それだけではない、とは聞いていた。
意外なほど〈ロトの子孫〉も愛するジパングの料理に似た、味噌や田芋の素晴らしい料理に歓迎される。
ラダトームの貴族たちと、メルキドの商人や貴族が会談し、私の武功を讃える。
私はイシュトの真似をして明るく戦いの話をし、貴婦人たちにきわどい話をして笑わせるよう務めた……一人一人、ハーゴンがしたように観察しながら。
寝所に案内され、女を断って、そこでオサミツに聞いた。ゴーレムとの戦いと同時に、背後から狙っていたドラゴンや死霊の騎士、スターキメラ相手にコテツが突出し、致命傷を受けて、死体も大魔道に持ちされれた、と。
一つ間違えていれば、あの試練で子を殺し兵士になっていたら、当たり前のことをしていたら、私もそうなっていたことがはっきりわかる。
「眠ってください、無理にでも」と、オサミツが睡眠薬を押しつけてきた。私には、眠るほかなかった、申し訳なさに身震いしながら。
目覚めてから、メルキドの長老のもとに案内される。
「さあ、ここを通られよ」といわれたのに、一瞬かなり腹が立った。特殊な魔法を用いた、常人なら数歩で死ぬ罠床だ。
大きく息をつく。そう、ロトの鎧。これは、毒の沼でもこの床の魔法も、すべて無効にする。
貴族たちが怯えている……残酷な処刑に使われることもあるのだ……床に、ロトの鎧のまま踏みこむ。
何の痛みもない。鎧が雷撃を弾いてくれる。
奥まで歩いていくと、そこには老人が座っていた。
「おお、勇者ロトの子孫よ」そう言ってしばらく私を見つめ、何かを言おうとして止めると、「ラダトームから南に70、東に40メジャ」
その数字を頭に入れ、礼をする。
「そして、そなたには、炎の剣と水鏡の盾を売るとしよう」
「ありがとうございます」
あのゴーレムを見れば、錬金術の水準が高いことはわかる。
受け取った紹介状を手に、奥まった武器屋に、それはあった。長い柄から同じ長さの、何もなくても燃え上がっている刀身の剣、水の力を秘めて透き通るように周囲を映している大型の盾。
どちらも、高い魔力と技術力で作られているのがわかる。
「ゴーレムを作るのに、魔法に関するものはほとんど使ったからな。これ以上作れといわれても、十年はかかる」
「必要なものは?」と聞くと、特に魔物や世界樹の産物、奇妙な鉱石の話をしてきた。
希少鉱石はモリブデンとバナジウム、カドミウムとネオジム。〈ロトの子孫〉はウリエルの世界の元素と周期表についても学んでいるし、鉱業も得意とする。
「この金属は、アレフガルド全体でもめったに出てこねえんだ」
天然アルミニウム?アルミニウムなら山ほどある。銃のトランクの金具はアルミだし、雨のほこらやガライの館の地下にはウリエルの遺産が大量にある。
そして魔物の産物は、〈ロトの子孫〉は値崩れするから売れないほど貯めているし、世界樹はペルポイ半島先端も焼かれたリムルダール北も、ずっとロト一族が独占してきたんだ。
「全部、ある洞窟でたくさん手に入れました。持ってくれば、炎の剣と水鏡の盾の生産を、お願いできますか?」
「なんでそんな、何本も必要なんだい?」
「竜王を倒すため。味方の装備も、できる限り高めておきたいのです」
店主は大笑いした。そして私の目を見つめ、「本気なんだな?」
笑ってうなずく私に、笑いながら承知した。
数日後、求められた鉱石やアルミニウムの塊、世界樹の樹皮や樹脂、地獄のハサミの毒腺、ドラゴンの骨と干した肝臓、悪魔の騎士の鎧の断片を渡してやったら、店主はひっくりかえっていた。
「なんとまあ……勇者ロトの子孫ってのは、どれだけの大金持ちなんだい?王様よりすごいよ」
「まあ、いろいろとある洞窟がいくつかあるし、あちこちの鉱山を調べてる知り合いもいるし、勇者として魔物と戦っていればいくらでも手に入る」そう笑いかけ、手で口に触れる。沈黙のサイン。
ロトの鎧を手に入れてから、周囲の反応がかなり違う。目立たないように、忍者じみた生活をする〈ロトの子孫〉とは対照的だった。
だが、そのほうが王からもらった委任状で情報を集めるには役に立つし、その委任状を使うと、魔物に襲われた人を避難させ、防御しやすいところに移住させるのも楽になる。
そちらの仕事も結構あるが、やはり竜王征伐を急ごう、と、メルキドから南側に向かった。
古来、広い沼地であまり人は近づけなかった。聖地でもある。
竜王が出てからは、ドラゴンをはじめ強い魔物が多数出る危険地帯でもある。
しかし、全体で装備を刷新したことで、ドラゴンが相手でも犠牲者が出ることはほとんどなかった。
ドムドーラで手に入れたドラゴンメイルとドラゴンキラーを、常に二人が持っている。
炎の剣は何度でも魔法剣を振るうことができる。
ドラゴンを倒せば鱗や皮が手に入り、それでまたドラゴンメイルを作ることができる。
力の盾やドラゴンキラー、吹雪の剣の複製の研究も進んでいる。ドラゴンキラーなら、ベラヌールではかなり生産できているという、我々にもできないはずはない。
吹雪の剣だって、昔のアレフガルドでは店で売られていたんだ。
残念ながら絶対数が少なく、山間地に隠れ住むため、それほど研究に回せる人数・時間は多くないが、それでも教育水準が違うし、全員が試行錯誤とリバースエンジニアリングの考え方は教わっている。
その頃だったな、ちょっと面白いことがあった。ウリエルの偽者が出たんだよ。
ウリエルが再臨する、という予言は十年ぐらい前からあって、私が勇者になるまで〈ロトの子孫〉が勇者を選ばなかったのも、ウリエルを待とうという意見が多かったからでもあるんだ。
その予言を知恵の回る魔物が聞いたんだろうな。用事があってラダトームに行ったら、ウリエルだ、という人がいた。
皮のポンチョと紋章は聞いていたんだろう。多少魔法も使えた。でも、そいつは、前にツッセエ家の裏口で見たことがある、ものすごく邪悪なヤツだった。無論、化粧で顔も変えて汚い孤児のふりをしていた私に気がつくはずはない。
別の貴族が私を陥れるために仕組んだ、とすぐに調べはついた。
でも面白いから、連れ出していろいろ聞いてみた。医術も数学も何も知らなかった。
「食べ物を出してくださいよ」とか「火で駆ける車は出さないのですか?」とか言っても何のことかわかってなかった。
そしてラダトーム城外の難民たちを見て、「彼らを助けないのですか?」といったら、つばを吐き捨てて皆焼き殺してやれ、と命令してきたよ。あれほど内心大笑いしたことはなかった。
岩山の洞窟に来い、と言われたのでのこのこついていってやった。
そして、しばらく魔物が出なかったので奥まで行って、そこでいきなり「大魔道さま、連れてまいりましたよ?さあ、八つ裂きにしましょう」だ。いや、笑いが止まらなかった。
無論、ウリエルの予言とかを教えた魔物は、まずそいつを殺そうとした。
そして、その一瞬の隙に後ろからついてきていた〈ロトの子孫〉の一斉射撃で穴だらけになって、あとは魔物を片付けてリレミト。
ま、人が誰なのかを語るのは、その行動なんだ。私が勇者であり、王であるのも、行動がそうである間だけだよ。
メルキドを拠点に、大きく海岸に回る。いくつかベースキャンプを作り、そこにルーラで物資を貯めて、それから前進する。
ロトのしるしがある、その位置座標を聞いても、おそらくこの国の貴族や僧侶でも、それがどこにあるか大体の見当しかつかないだろう。〈ロトの子孫〉が百年にわたって精密な測量を重ね、測量や天体観測の技術を磨き伝えてきたからこそ、その場所は精確にわかる。
昔、ミカエラがエルフに雨雲の杖をもらった古いルビスの宮殿とおぼしき、広い毒の沼地が、示された地点だ。
そこに近づいたとき、多数の魔が軍をなしているという報告があり、こちらも多数を呼び出した。
それまでもだが、大規模な戦争はできない。〈ロトの子孫〉の数は少ない。
世界樹も、リムルダール北は竜王が出現直後に強襲して焼いた。リムルダールの街には手を出さなかったので撃退したと人々は思っているが、狙いは世界樹だったとわかっている。そしてアレフガルドを外部から閉ざしているから、ペルポイ半島の先にある世界樹にもアクセスできない。
そして、公の僧侶もザオリクやザオラルを使える術者はほとんどいないし、〈ロトの子孫〉でも限られている上に、世界樹の酒か勇者の称号がなければ成功率は低い。
何より、〈ロトの子孫〉は高い教育で育てるので、補充も遅い。ウリエルの世界でも、兵士に必要な教育水準が上がると人命の価値が高くなって戦争の性質が変わった、と言われてため息をついたことがある。
おまけに存在自体、他の人間にばれてはならない。弾薬も、多くはあっても限られている。
魔物は、いくらでもいる。いくらでも出てくる。
その点は今も変わらない。
何匹もいるドラゴン。スターキメラ、キラーリカントが何十、何百?
人間の騎士団なら、数千いても勝てないだろう。
だが、こちらは〈ロトの子孫〉だ。
まず、相手が望む戦場では戦わない。事前に仕掛けた罠に向けて誘導する。
私自身がエサになる。
いっせいに襲ってくる、そして炎や呪文の嵐をかけてくる。
魔法と魔法の戦いが、まず強くある。アレフガルドの、貴族の騎士団はまず幻にかけられ同士討ちで戦力を大幅に減らしたという。
前線で戦いながら、時々本陣に戻り、水分補給をしながら情報を集める。そうしていると、それこそ将棋や囲碁でもしているようだ。
だが、これも幼い頃から、両親に読み書きの練習として書かされている。実戦はゲームじゃない、実際に人が傷つき死んでいる。何が起きるか分からない。人の集団がどう動くか、よく見ろ。
サデルを中心にした、上級魔法使いが一点集中攻撃。それでドラゴンの壁を露出させ、弾幕を張る。
その横から、オサミツとムツキ、サラカエルらの、軽装部隊が強襲をかけ、炎でやられないうちにルーラで撤退。
ともに射程距離が長くなると、騎士団のような密集突撃ではなく、ウリエルの故郷のように散開し、穴を掘って隠れた兵の散発的な打ち合いにもなる。
こちらには銃と呪文、向こうには炎と呪文。呪文はともかく、炎は穴を掘って土手を作れば、ほぼ完全に防げる。
相手の数に押されているフリをし、多くの予備隊を持った状態で、少しずつ後退してそこに至った。
一気に攻撃する敵、散開しあちこちにタコツボを掘って、十字砲火で守ろうとするのを、敵はドラゴンの群れで押し切ろうとした。
私の、雷電呪文を用いたサインで、タコツボを掘っていた全員がルーラで消える。
マヌーサで幻の兵を作り、その集団にドラゴンが飛びこんだと思わせる。
なだれこみ、暴れていた魔物たち、そこに私とサデルが、狙った杭に雷電呪文を落とした。
大爆発。大量の綿火薬を鋳鉄に入れ、二箇所に数発分の雷管を入れて埋めておいた。
そこから、飛び道具を集約しながら一気に襲った。
私は吹雪の剣を魔法剣を応用し、〈ロトの民〉が得意とする投槍器のように使うことで、集中された凍気を500mほど飛ばすことができるようになっている。
また銃を集団で使う技術もある。一人の指揮者が、十数名を掌握し、距離を素早く見抜き、できれば測量して、レミーラの応用で狙う地点を照らし距離を命令する。
命令された側は、AK-74のタンジェントサイトを調整し、光を狙って発射するだけ。自分の判断は一切しない、だからこそ全員が一つの多銃身銃となる。
外れても、前後に挟めばその中間で命中する。
これも〈ロトの子孫〉が小さい頃から積み重ねた訓練だ。ドラゴンには通用しないが、魔法を使う魔物は確実に、遠距離でも穴だらけになり斃れていく。
相手の、軍としての能力はほぼ奪ったが、何匹ものドラゴンやその他強大な魔物が広い毒の沼地を占拠している。
毒の沼地に踏み込んで平気なのは、ロトの鎧を着た私だけだ。
サデルがトラマナも研究していたが、まだ無理だった。
ドラゴンとの一対一。今は、不思議と不安はなかった。
使い捨ての陶器盾で、炎をそらしながら沼を石畳のように駆け、吹雪の剣を一閃して放った冷気で炎を弱めて一気に突進する。
陶器盾を投げつけて、左手で銃を手にしてセミオートで三発、喉の同じポイントを貫き、そこに吹雪の剣から氷の槍をぶちこむ。
それで炎を封じ、目の前に迫る牙をかわして、吹雪の剣から引き出した魔力を刀身に乗せ首に斬りこみ、巨体をすべり降りて心臓を貫く。
直後、高速で襲ってくるキラーリカントに吹雪の剣で氷の魔力をぶつけて弱らせ、正面から切り倒す。
そうして戦い続けながら、あのガライの墓より長い道をひたすら進んで、そこにたどりついた。
そこだ、とすぐにわかった。崩れた宮殿の、基礎だけがあった。
でも、見てもなかなか分からないと思う。ほとんど毒の沼に埋もれ、歪んだ蔓草に覆われていたから。
勇者ロト、ミカエラが雨雲の杖を受け取ったほこら。
どこにあるかは、不思議と迷わなかった。
そこを守っているように出現したキラーリカント三匹を斬り倒し、朽木の中に手を入れると、輝きと共にロトの紋章が刻まれたメダルが出てきた。
ロトの印が〈ロトの子孫〉の手に戻ったのは嬉しかったが、それよりもその過程で手に入れた、膨大な集団戦闘の経験と、魔物由来の資材がありがたかった。爆発で損傷があるのもあるがドラゴンの死体が十六頭も手に入った。
それでそろった、雨雲の杖・太陽の石・ロトの印を持ってリムルダールの南にある、聖なるほこらに行った。そこの、半ば神のような存在にも思える隠者はあっさり私を受け入れ、勇者ロトの後継者と認めて、虹のかけらを作る儀式をしてくれた。
魔法としても、その儀式から学ぶことは多かった。